JPH05111996A - 薄膜パターン形成装置 - Google Patents

薄膜パターン形成装置

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JPH05111996A
JPH05111996A JP30251791A JP30251791A JPH05111996A JP H05111996 A JPH05111996 A JP H05111996A JP 30251791 A JP30251791 A JP 30251791A JP 30251791 A JP30251791 A JP 30251791A JP H05111996 A JPH05111996 A JP H05111996A
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JP
Japan
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ink
printing
plate
hard
roll
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Withdrawn
Application number
JP30251791A
Other languages
English (en)
Inventor
Riyoumei Men
了明 面
Hiroshi Suyama
寛志 陶山
Masayasu Sakane
正恭 坂根
Kazumichi Tsuji
一充 辻
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線幅やトータルピッチ精度にバラツキが少な
く、パターン周縁部が直線性を有し、均一な厚さの薄膜
が得られる薄膜パターン形成装置を提供する。 【構成】 多数のインキセルを有する硬質凹版28が版
胴15の円周面に弾性層16を介して設けられたインキ
ロール1と、インキロール1の表面にインキ12を供給
するインキ供給装置2と、インキロール1表面のインキ
12をインキセル内に充填するドクター3と、硬質板2
4が弾性層16を介して設けられた定盤23からなる被
印刷体13を固定する印刷テーブル5と、版胴15の円
周面に設けられた硬質凸版14がインキセル内のインキ
12を被印刷体13表面に転移させる印刷ロール4とか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性材料、たとえば
半導体素子に用いられる絶縁皮膜やフラットディスプレ
イ(液晶表示装置、プラズマディスプレイなど)、その
他電子部品などに用いられている絶縁皮膜導電膜、誘電
膜などの、精密なパターン(ストライプあるいは、ドッ
ト形状等)を印刷手法により形成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体素子の絶縁皮膜や液晶
表示素子などに用いられている絶縁膜や透明導電膜な
ど、種々の電子部品関連の機能性薄膜をパターン形成す
る方法として、フォトリソグラフィーを用いたものがあ
る。まず最初に基板全面に均一に被膜を形成し、しかる
後所望のパターン形状にフォトレジストを形成した後不
必要な部分をエッチング工程にて除去していた。この場
合、一般に高価な機能性材料をまず全面に形成した後、
不必要な部分を除くという不経済な点があることと、材
料中に含まれる重金属などの有害物質の処理という問題
が発生した。さらにレジスト塗布、乾燥、露光、現像、
レジスト剥離という繁雑な工程がコスト上昇の要因とも
なっていた。
【0003】これを解決するために、特開平2-192
944号に提示されているような薄膜形成装置が用いら
れている。この薄膜形成装置は、多数のインキセルを有
する被印刷体を基台上に載置する一方、凹版ロールと凹
版ロールの近傍に数10〜30,000cPの粘度を有する高分
子溶液からなるインキを凹版ロール上に供給するインキ
供給装置と印刷ロールとを有する支持枠を基台に備える
と共に、支持枠に凹版ロール上のインキをのインキセル
に充填するドクターを備えている。この薄膜形成装置に
おいては、印刷ロールが回転軸に固定された版胴の円周
面に合成樹脂製の樹脂凸版27を形成しており(図9参
照)、インキを凹版ロールのインキセルに供給してドク
ターで余分なインキをかき落とした後、印刷ロールを凹
版に圧接させつつ回転させて、印刷ロールの柔らかい凸
部の頂面に上記凹版のインキセルのインキを所定パター
ンに付着させ、インキが付着した印刷ロールを回転させ
つつ凸部頂面のインキを被印刷体の表面に印刷して上記
所定パターンの薄膜を形成するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄膜形
成装置は、使用している樹脂凸版(感光性樹脂凸版、天
然ゴム版、合成ゴム版など)の表面が軟らかいため、周
縁部に直線性があるパターンを形成できなかった。ま
た、上記の薄膜形成装置で形成した薄膜パターンは、樹
脂凸版表面の溶剤膨潤により印刷回数が増すごとに線幅
が太くなっていた。さらに、凹版への圧接の際、樹脂凸
版表面の変形が生じ凸部側面へもインキが転移し、さら
に基板に転写する際、天面以外の側面部のインキ転移も
発生し、前記手法の特徴でもあるマージナルゾーンが発
生した。つまり、形成された塗膜のパターン周縁部の厚
みが厚くなり、光学特性、電気特性、さらには、クラッ
クの発生なども生じてきた。また、樹脂凸版のベース材
料が軟らかいためトータルピッチ精度にバラツキがあっ
た。
【0005】したがって、本発明の目的は、以上のよう
な問題点を解決し、線幅やトータルピッチ精度にバラツ
キが少なく、パターン周縁部が直線性を有し、均一な厚
さの薄膜が得られる薄膜パターン形成装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜パターン形成装置は、多数のインキ
セルを有する硬質凹版が版胴の円周面に弾性層を介して
設けられたインキロールと、インキロールの表面にイン
キを供給するインキ供給装置と、インキロール表面のイ
ンキをインキセル内に充填するドクターと、硬質板が弾
性層を介して設けられた定盤からなる被印刷体を固定す
る印刷テーブルと、版胴の円周面に設けられた硬質凸版
がインキセル内のインキを被印刷体表面に転移させる印
刷ロールとからなるように構成した。
【0007】
【実施例】以下に、本発明の薄膜パターン形成装置の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の
薄膜パターン形成装置の実施例を示す断面図、図2は本
発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す斜視図、図
3〜6は本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図、図7は本発明の薄膜パターン形成装置の硬質
凹版の他の実施例を示す断面図、図8は本発明の薄膜パ
ターン形成装置の印刷テーブルの他の実施例を示す断面
図である。
【0008】1はインキロール、2はインキ供給装置、
3はドクター、4は印刷ロール、5は印刷テーブル、6
は回転軸、7は基台、8は支持枠、9はインキ供給体、
10はインキノズル、11は案内レール、12はイン
キ、13は被印刷体、14は硬質凸版、15は版胴、1
6は弾性層、17はレリーフ深度、18はフロアー部、
19は凸部頂面、20は案内レール、21は駆動モータ
ー、22はボールネジ、23は定盤、24は硬質板、2
5は吸引孔、26は細孔、27は樹脂凸版をそれぞれ示
す。
【0009】インキロール1は 、回転軸6に版胴15
が固定され、所定のパターンに配列された多数のインキ
セルを有する硬質凹版28が版胴15の円周面に弾性層
16を介して形成されている。インキロール1の回転軸
6は、その両端を長方形台からなる基台7の中央部所定
位置に配置された一対の支持板からなる支持枠8に回転
自在に支持されている。弾性層16は、インキロール1
と印刷ロール4の圧接時に印刷ロール4との表面摺動す
る部分にかかる圧力を緩和する役目を持っている。弾性
層16の材質としては、たとえば、天然ゴム、合成ゴ
ム、エラストマー、あるいは市販のクッションテープな
どがある。弾性層16の厚みは、0.05〜20.0mmであるの
がとくに好ましい。弾性層16の厚みが余り薄いと弾性
層16としての前期効果が発揮せず、一方、余り厚すぎ
ると弾性層16の変形が生じて版胴15と硬質凹版28
との周速にズレが起こる。なお、硬質凹版28の厚みあ
るいはインキセルの深さにより、適宜、ヤング弾性率、
及び、厚みを変化させることは当然である。硬質凹版2
8は多数のインキセルを有しており、その深さは数μm
から数十μmのものがある。硬質凹版28の材質として
は、金属やセラミックがある。金属は、SUS304、SUS316
などのステンレス系材料、Cu、Niなどの材料が適宜用い
られる。前記ステンレス系材料やCu、Niなどの材料から
なる硬質凹版28に関しては、印刷ロール4との摩擦に
よる金属粉などのインキ12中への不純物混入を防ぐた
めに、ハードCrメッキ・クロメート処理・SiO2、SiC、S
iNなどをパッシベーション層とするセラミックコーティ
ングなどの表面処理を硬質凹版28表面に施してもよ
い。また、セラミック材料は、Cr2O3、SiO2 、Al2O3、S
iNなどが用いられる。硬質凹版28の形成方法として
は、厚み公差±0.005mm以内のホイル状あるいはシート
状の金属プレートまたはセラミックプレート表面に、エ
ッチング加工・ミーリング加工・レーザー加工・放電加
工・プレス加工などによりインキセルを形成し、弾性層
16を介して版胴15の円周面に巻き付ける方法があ
る。
【0010】インキ供給装置2は、インキ供給体9とイ
ンキノズル10と一対の案内レール11とからなる。イ
ンキ供給体9は、支持枠8の上部に架設された一対の案
内レール11に沿って左右に移動することができるよう
に構成されている。また、インキ供給体9からインキノ
ズル10がインキロール1の表面上方に延びている。こ
のインキノズル10は、インキロール1のインキセル中
にインキ12が留まる時間を短くしてインキ12の乾燥
を防止するためインキロール1と被印刷体13との接触
位置にできるだけ近い位置に設けられる。なお、このイ
ンキ12は、合成樹脂または樹脂前駆体および溶剤の混
合物などからなり、高粘度のもののみでなく低粘度のも
のまで適用が可能であり、特に数cP〜数十cP程度のも
のまで適用が可能である。
【0011】ドクター3は、プラスチック(ポリエチレ
ンテレフタレート・ポリエチレンなど)製刃のドクター
3ブレードが用いられる。このドクター3がインキロー
ル1の表面に接触して、インキロール1の表面上に落と
されたインキ12を該表面沿いに広げて、インキロール
1のインキセル内に一定量のインキ12を充填させるよ
うにする。また、ドクター3として、ドクターロールを
用いてもよい。
【0012】印刷ロール4は、版胴15の円周面に硬質
凸版14が形成されたものである。また、硬質凸版14
の凸部頂面19とフロアー部18との高低差、すなわち
レリーフ深度17は、0.03mm以上が好ましい。レリーフ
深度17が0.03mm以下であると、曲率半径にもよるが、
印刷ロール4とインキロール1の接触時に硬質凸版14
のフロアー部18にもインキ12が転移されることがあ
る。硬質凸版14のパターン形状としては、かなり精密
なパターンが可能である。たとえば、ストライプパター
ン、ドットパターン、矩形パターンなどのパターンがあ
る。また、硬質凸版14の凸部頂面19が表面粗度(R
max)0.1〜10.0μmにてマット加工21されていてもよ
い。硬質凸版14の材質としては、金属・セラミック・
ガラスなどがある。金属は、SUS304、SUS316などのステ
ンレス系材料、あるいはアンパー、スーパーアンパーな
どの低膨張率を有する磁歪材料、その他Cu、Niなどの材
料が用いられる。前記ステンレス系材料やCu、Niなどの
材料からなる硬質凸版14に関しては、インキロール1
との摩擦による金属粉などのインキ12中への不純物混
入を防ぐために、ハードCrメッキ・クロメート処理・Si
O2、SiC、SiNなどをパッシベーション層とするセラミッ
クコーティングなどの表面処理を硬質凹版28表面に施
してもよい。また、セラミック材料は、Cr2O3、SiO2、A
l2O3、SiNなどが用いられる。硬質凸版14の形成方法
としては、厚み公差±0.005mm以内のホイル状あるいは
シート状の金属プレートまたはセラミックプレート表面
に、エッチング加工・ミーリング加工・レーザー加工・
放電加工・プレス加工などにより所定の形状の凹凸パタ
ーンを形成し版胴15の円周面に巻き付けるものがあ
る。また、金属・セラミック・ガラスなどからなる硬質
層を版胴15の円周面に溶射(たとえばプラズマ溶射な
ど)などの方法にて成膜し表面を研磨後、硬質層表面を
エッチング加工・レーザー加工(CO2レーザーやYAGレー
ザーなど)により所定の形状の凹凸パターンを形成する
方法がある。また、版胴15自体を金属・セラミック・
ガラスなどの硬質材料として版胴15表面をエッチング
加工・レーザー加工(CO2レーザーやYAGレーザーなど)
により所定の形状の凹凸パターンを形成してもよい。
【0013】印刷テーブル5は、定盤23上に弾性層1
6を介して硬質板24が設けられている。弾性層16
は、印刷ロール4と印刷テーブル5に固定された被印刷
体13との圧接時に被印刷体13と印刷ロール4との表
面摺動する部分にかかる圧力を緩和する役目を持ってい
る。弾性層16の材質としては、たとえば、天然ゴム、
合成ゴム、エラストマー、あるいは市販のクッションテ
ープなどがある。弾性層16の厚みは、0.05〜20.0mmで
あるのがとくに好ましい。弾性層16の厚みが余り薄い
と弾性層16としての前期効果が発揮せず、一方、余り
厚すぎると弾性層16の変形が生じて定盤23と硬質板
24との周速にズレが起こる。硬質板24は、前記圧接
時に弾性層16にかかる圧力を広面積に分散させるとと
もに、被印刷体13に部分的にかかる圧力で被印刷体1
3が変形することを防止する。硬質板24の材質として
は、ステンレス鋼板などが用いられる。硬質板24の厚
さは、0.100mm〜0.300mm程度が好ましい。上記の印刷テ
ーブル5は、その上に被印刷体13を載置して基台7上
に設けられている。基台7の上面には、被印刷体搬入位
置Bと印刷位置Aと被印刷体搬出位置Cの間を連続的に
結ぶ一対の案内レール20が固定されている。印刷テー
ブル5は、基台7上で案内レール20沿いに各位置A、
B、C間を移動する。 一方、つまり、印刷テーブル5
に連結された印刷テーブル5駆動モーター21の駆動に
よりボールネジ22が正逆回転し、印刷テーブル5が移
動する。このとき、印刷テーブル5は、高さ調節手段
(図示せず)によって、印刷テーブル5上の被印刷体1
3の表面がインキロール1の下面と接触可能な高さに設
定されている。したがって、印刷テーブル5が印刷位置
Aに位置するとき、印刷テーブル5上に戴置した被印刷
体13が印刷ロール4に接触し、印刷ロール4の所定パ
ターンのインキ12を被印刷体13上に転移させて薄膜
を印刷・形成する。その後、印刷テーブル5は印刷テー
ブル5駆動モーター21の駆動により被印刷体搬出位置
Cへと移動し、そこで被印刷体13が排出される。次い
で、印刷テーブル5は高さ調節手段(図示せず)によっ
て降下し、印刷テーブル5駆動モーター21の駆動によ
り逆に被印刷体搬出位置Cから被印刷体搬入位置Bへと
移動する。
【0014】上記の構成によれば、所定パターンに配列
された多数のインキセルを有する硬質凹版28の表面
に、インキノズル10からインキ12を落としてインキ
ロール1を回転させ、ドクター3を用いてインキロール
1の表面にインキ12を広げてインキセルにインキ12
を充填し(図3参照)、インキロール1が回転してその
所定パターンのインキセルが印刷ロール4の硬質凸版1
4に接触し、硬質凸版14の凸部頂面19にインキロー
ル1のインキセル内のインキ12を転移させる。次い
で、印刷ロール4の回転により、その硬質凸版14が基
台7側に臨むようになったとき、印刷テーブル5駆動モ
ーター21を駆動してボールネジ22を回転させ印刷テ
ーブル5を被印刷体搬入位置Bから印刷位置Aまで移動
させる(図4参照)。印刷ロール4を回転させつつ被印
刷体13を搬出位置C側に移動させて印刷ロール4の硬
質凸版14を被印刷体13表面に接触させ、凸部頂面1
9の所定パターンのインキ12を被印刷体13上に転移
させ、薄膜が形成される(図5参照)。被印刷体13に
所定パターンのインキ12が印刷されると、印刷テーブ
ル5駆動モーター21の駆動によりボールネジ22を回
転させて印刷テーブル5を被印刷体排出位置Cに位置さ
せ、被印刷体13を印刷テーブル5上から排出する。こ
の間、インキロール1は次の印刷に備えて所定の位置ま
で回転して停止する(図6参照)。一方、被印刷体13
が取り出された印刷テーブル5は、上記高さ調節手段
(図示せず)によって降下させられ、印刷ロール4と接
触しないようにして、被印刷体排出位置Cから被印刷体
搬入位置Bまで移動する。そして、印刷テーブル5上に
は次の被印刷体13が載置させられる。
【0015】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の態様で実施することができ
る。たとえば、インキロール1の弾性層16は、版胴1
5の円周面上に部分的に設けられていてもよく、その場
合、図7に示すように、弾性層16の側面を圧縮余地を
残して硬質凹版28周縁部で覆うと、印刷ロール4との
接触時にかかる圧力によって硬質凹版28が周縁部にお
いて弾性層16から剥離することを防ぐことができる。
【0016】また、印刷テーブル5を被印刷体搬入位置
Bと印刷位置Aと被印刷体排出位置Cとの間で移動させ
る機構としては、上記ボールネジ22に限定されるもの
ではなく、ラック・ピニオン機構など周知の機構を採用
することができる。
【0017】また、被印刷体13を固定するために、印
刷テーブル5に吸引機能を付与し被印刷体13を硬質板
24側から真空引きすることができる。たとえば、図8
に示すように、吸引孔25を有する定盤23上に、側面
をシールされた海綿状の弾性層16を介して多数の細孔
26を有する硬質板24を設けるとよい。
【0018】実例1 直径160mmの鉄製版胴15の円周面に、プラズマ容赦に
て肉厚200μmのCr2O3からなる硬質層を形成後、表面粗
度(Rmax)1000Åにかつ平滑度0.003mm(L=1mにおい
て)にて仕上げ、線巾120μm、線間200μmのストライプ
パターンをレリーフ深度17が50μmとなるようにCO2
ーザー(200W,CW)にてレーザー加工して硬質凸版14
を形成した。さらに、パターン周辺部100mmにわたって
表面層を約80μm程度前述と同様の手法にて取り除い
て、表面層がセラミックからなる印刷ロール4とした。
【0019】一方、肉厚0.200mmのSUS304シートを、開
口率80%のハニカムパターンを深度が15μmとなるよう
にエッチングして硬質凹版28を形成した。次に、硬質
凹版28の裏面に肉厚3mmの弾性層16としてブチルゴ
ムを高周波融着させたものを、直径180mmの鉄製版胴1
5の円周面にまきつけてインキロール1とした。
【0020】さらに、ステンレス製の定盤23の上面
に、弾性層16として肉厚3mmのステレン-ブタジエン共
重合体からなる樹脂プレート(ショアA硬度にて、4
0。)を設け、その上に硬質板24としてステンレス鋼
鈑を設けて印刷テーブル5とした。
【0021】パターン印刷を行う際のニップ圧つまりイ
ンキロール1と印刷ロール4間は、0.1mm(押込量)
又、印刷ロール4と被印刷体13との間0.05mmとした。
なお、ロールの表面はインキロール1ならびに印刷ロー
ル4ともに±0.003mm(L=1m)のウネリに仕上げられ、
かつ被印刷体13表面の平滑度は±0.050mm以内であ
る。
【0022】以上のような薄膜パターン形成装置を用い
て被印刷体13上にパターン印刷を行った。被印刷体1
3として300×300×1.1mmのバリウムホウ硅酸ガラス板
を用い、印刷インキ12としてネオデカン酸インジウム
とオクチル酸インジウムとオクチル酸スズの混合溶液
に、添加剤なる酢酸などを加え、粘度80cP、濃度10%
のに調整されたものを用いた。
【0023】印刷済みのガラス板を500℃、30分の酸化
還元雰囲気で焼成して印刷面積160mm×240mmの薄膜パタ
ーンを形成したところ、線巾210μm、線巾公差±10μ
m、トータルピッチ精度25μm以内(240mm=Lにて)と、
従来のフレキソ版を用いた場合に比較すると、トータル
ピッチ精度において約50%の改善が見られた。また、パ
ターン周縁部の直線性に関して、従来のフレキソ版の±
30μm以内に対し、±5μm以内と著しい改善が見られ
た。しかも、被膜周縁部の膜厚不均一部分に関しては、
ストライプの中央膜厚に比して、従来180%(被膜周縁
部最大膜厚/中心部膜厚×100)と盛り上がっていたとこ
ろが、120%程度と、かなり平滑化された。
【0024】
【発明の効果】本発明の薄膜パターン形成装置は、多数
のインキセルを有する硬質凹版が版胴の円周面に弾性層
を介して設けられたインキロールと、インキロールの表
面にインキを供給するインキ供給装置と、インキロール
表面のインキをインキセル内に充填するドクターと、硬
質板が弾性層を介して設けられた定盤からなる被印刷体
を固定する印刷テーブルと、版胴の円周面に設けられた
硬質凸版がインキセル内のインキを被印刷体表面に転移
させる印刷ロールとからなるように構成した。
【0025】したがって、本発明の薄膜パターン形成装
置は、上記の印刷ロールが硬質凸版を弾性層を版胴の円
周面に形成しているので、精密な薄膜パターンが形成で
きる。つまり、被印刷体との圧接の際に凸版表面が変形
しないためパターン周縁部が直線性を有しまたトータル
ピッチ精度にバラツキが少ない。また、インキロールへ
の圧接の際にも凸版表面が変形せず凸版頂面のみにイン
キが転移されるため、均一な厚さの薄膜が得られる。ま
た、凸版が溶剤を吸収しないため常に一定の線幅で薄膜
パターンを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す
断面図である。
【図2】本発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す
斜視図である。
【図3】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図4】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図5】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図6】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図7】本発明の薄膜パターン形成装置の硬質凹版の他
の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷テーブル
の他の実施例を示す断面図である。
【図9】従来の薄膜形成装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インキロール 2 インキ供給装置 3 ドクター 4 印刷ロール 5 印刷テーブル 6 回転軸 7 基台 8 支持枠 9 インキ供給体 10 インキノズル 11 案内レール 12 インキ 13 被印刷体 14 硬質凸版 15 版胴 16 弾性層 17 レリーフ深度 18 フロアー部 19 凸部頂面 20 案内レール 21 駆動モーター 22 ボールネジ 23 定盤 24 硬質板 25 吸引孔 26 細孔 27 樹脂凸版 28 硬質凹版
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 薄膜パターン形成装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子に用いられ
る絶縁膜、フラットディスプレイ(液晶表示装置、プラ
ズマディスプレイなど)その他電子部品などに用いられ
ている絶縁膜、導電膜、誘電膜などの機能性薄膜を、印
刷手法により精密なパターン(ストライプ形状あるいは
ドット形状等)に形成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体素子の絶縁膜や液晶表
示素子などに用いられている絶縁膜や導電膜など、種々
の電子部品関連の機能性薄膜をパターン形成する方法と
して、フォトリソグラフィーを用いたものがある。まず
最初に基板全面に均一に被膜を形成し、しかる後所望の
パターン形状にフォトレジストを形成した後不必要な部
分をエッチング工程にて除去していた。この場合、一般
に高価な機能性薄膜をまず全面に形成した後、不必要な
部分を除かなければならないという不経済な点があっ
た。また、エッチング除去したこれらの機能性薄膜材料
中に含まれる重金属などの有害物質を処理しなければな
らないという問題があった。さらに、レジスト塗布、乾
燥、露光、現像、レジスト剥離という繁雑な工程を経な
ければならないので、コスト上昇の要因となっていた。
【0003】これらの諸問題点を解決するために、特開
平2-192944号に提示されているような薄膜形成
装置が用いられている。この薄膜形成装置は、多数のイ
ンキセルを有する被印刷体を基台上に載置する一方、凹
版ロールと凹版ロールの近傍に数10〜30,000cPの粘度
を有する高分子溶液からなるインキを凹版ロール上に供
給するインキ供給装置と印刷ロールとを有する支持枠を
基台に備えると共に、支持枠に凹版ロール上のインキを
インキセルに充填するドクターを備えている。この薄膜
形成装置においては、印刷ロールが回転軸に固定された
版胴の円周面に合成樹脂製の樹脂凸版27を形成してお
り(図10参照)、インキを凹版ロールのインキセルに
供給してドクターで余分なインキをかき落とした後、印
刷ロールを凹版に圧接させつつ回転させて、印刷ロール
の柔らかい凸部の頂面に上記凹版のインキセルのインキ
を所定パターンに付着させ、インキが付着した印刷ロー
ルを回転させつつ凸部頂面のインキを被印刷体の表面に
印刷して上記所定パターンの薄膜を形成するようにした
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄膜形
成装置は、使用している樹脂凸版(感光性樹脂凸版、天
然ゴム凸版、合成ゴム凸版など)の表面が軟らかく、こ
の樹脂凸版を凹版へ圧接した際に、樹脂凸版の表面に変
形が生じるので、次のような問題点があった。(1)周
縁部に直線性があるパターンを形成できなかった。
(2)樹脂凸版の凸部側面へもインキが付着し、被印刷
体に転写する際、樹脂凸版の凸部側面に付着したインキ
が転移するので、形成された塗膜のパターン周縁部の厚
みが厚くなり、光学特性や電気特性の均一性が損なわれ
たり、クラックが生じるたりした。また、樹脂凸版全体
の材質が軟らかいため、パターンの形成位置の精度にバ
ラツキがあった。さらに、上記の薄膜形成装置で形成し
た薄膜パターンは、樹脂凸版表面の溶剤膨潤により印刷
回数が増すごとに線幅が太くなっていた。
【0005】したがって、本発明の目的は、以上のよう
な問題点を解決し、パターンの形成位置の精度や線幅に
バラツキが少なく、パターン周縁部が直線性を有し、均
一な厚さの薄膜が得られる薄膜パターン形成装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の薄膜パターン形成装置は、多数のインキ
セルを有する硬質凹版が版胴の円周面に弾性層を介して
設けられたインキロールと、インキロールの表面にイン
キを供給するインキ供給装置と、インキロール表面のイ
ンキをインキセル内に充填するドクターと、硬質板が弾
性層を介して設けられた定盤を備えた被印刷体を固定す
る印刷テーブルと、版胴の円周面に設けられた硬質凸版
がインキセル内のインキを被印刷体表面に転移させる印
刷ロールとからなるように構成した。
【0007】
【実施例】以下に、本発明の薄膜パターン形成装置の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の
薄膜パターン形成装置の実施例を示す断面図、図2は本
発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す斜視図、図
3〜6は本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図、図7は本発明の薄膜パターン形成装置の硬質
凹版の実施例を示す断面図、図8は本発明の薄膜パター
ン形成装置の硬質凸版の実施例を示す断面図、図9は本
発明の薄膜パターン形成装置の印刷テーブルの他の実施
例を示す断面図である。
【0008】1はインキロール、2はインキ供給装置、
3はドクター、4は印刷ロール、5は印刷テーブル、6
は回転軸、7は基台、8は支持枠、9はインキ供給体、
10はインキノズル、11は案内レール、12はイン
キ、13は被印刷体、14は硬質凸版、15は版胴、1
6は弾性層、17はレリーフ深度、18はフロアー部、
19は凸部頂面、20は案内レール、21は駆動モータ
ー、22はボールネジ、23は定盤、24は硬質板、2
5は吸引孔、26は細孔、27は樹脂凸版、28は硬質
凹版、29は回転軸、30は版胴、31は弾性層をそれ
ぞれ示す。
【0009】インキロール1は、回転軸6に版胴15が
固定され、所定のパターンに配列された多数のインキセ
ルを有する硬質凹版28が版胴15の円周面に弾性層1
6を介して形成されている。インキロール1の回転軸6
は、その両端を長方形台からなる基台7の中央部所定位
置に配置された一対の支持板からなる支持枠8に回転自
在に支持されている。弾性層16は、インキロール1と
印刷ロール4の圧接時に両者の表面摺動する部分にかか
る圧力を緩和する役目を持っている。弾性層16の材質
としては、たとえば、天然ゴム、合成ゴム、エラストマ
ー、あるいは市販のクッションテープなどがある。弾性
層16の厚みは、0.05〜20.0mmであるのが特に好まし
い。何故なら、弾性層16の厚みが余り薄いと弾性層1
6としての前記効果が発揮されず、一方、余り厚すぎる
と弾性層16の変形が生じて版胴15と硬質凹版28と
の周速にズレが起こるからである。なお、硬質凹版28
の厚みあるいはインキセルの深さにより、弾性層16の
ヤング弾性率、及び、厚みを適宜変化させることは当然
である。硬質凹版28は多数のインキセルを有してお
り、その深さは数μmから数十μmのものがある。硬質凹
版28の材質としては、金属やセラミックがある。金属
としては、SUS304、SUS316などのステンレス系材料、C
u、Niなどの材料が適宜用いられる。前記ステンレス系
材料やCu、Niなどの材料からなる硬質凹版28に関して
は、印刷ロール4との摩擦による金属粉などのインキ1
2中への不純物混入を防ぐために、SiO2、SiC、SiNなど
をパッシベーション層とするセラミックコーティング処
理、ハードCrメッキ処理、クロメート処理などの表面処
理を硬質凹版28表面に施してもよい。また、セラミッ
ク材料としては、Cr2O3、SiO2、Al2O3、SiNなどが用い
られる。硬質凹版28の形成方法としては、厚み公差±
0.005mm以内のホイル状あるいはシート状の金属プレー
トまたはセラミックプレートの表面に、エッチング加工
・ミーリング加工・レーザー加工・放電加工・プレス加
工などによりインキセルを形成し、弾性層16を介して
版胴15の円周面に巻き付ける方法がある。また、前記
金属プレートまたはセラミックプレートを弾性層16を
介して版胴15の円周面に巻き付けた後に、前記加工法
にてインキセルを形成してもよい。
【0010】インキ供給装置2は、インキ供給体9とイ
ンキノズル10と一対の案内レール11とからなる。イ
ンキ供給体9は、支持枠8の上部に架設された一対の案
内レール11に沿って左右に移動することができるよう
に構成されている。また、インキ供給体9からインキノ
ズル10がインキロール1の表面上方に延びている。な
お、このインキ12は、合成樹脂または樹脂前駆体およ
び溶剤の混合物などからなり、高粘度のもののみでなく
低粘度のものまで適用が可能であり、特に数cP〜数十c
P程度のものまで適用が可能である。
【0011】ドクター3は、プラスチック(ポリエチレ
ンテレフタレート・ポリエチレンなど)製刃のドクター
ブレードが用いられる。このドクター3がインキロール
1の表面に接触して、インキロール1の表面上に落とさ
れたインキ12を該表面沿いに広げて、インキロール1
のインキセル内に一定量のインキ12を充填させるよう
にする。また、ドクター3として、ドクターロールを用
いてもよい。
【0012】印刷ロール4は、版胴30の円周面に硬質
凸版14が形成されたものである。また、硬質凸版14
の凸部頂面19とフロアー部18との高低差、すなわち
レリーフ深度17(図7参照)は、0.03mm以上が好まし
い。レリーフ深度17が0.03mm以下であると、曲率半径
にもよるが、印刷ロール4とインキロール1の接触時に
硬質凸版14のフロアー部18にもインキ12が転移さ
れることがある。硬質凸版14のパターン形状として
は、かなり精密なパターンが可能である。たとえば、ス
トライプパターン、ドットパターン、矩形パターンなど
のパターンがある。また、硬質凸版14の凸部頂面19
が表面粗度(Rmax)0.1〜10.0μmにてマット加工され
ていてもよい。硬質凸版14の材質としては、金属・セ
ラミック・ガラスなどがある。金属としては、SUS304、
SUS316などのステンレス系材料、あるいはアンパー、ス
ーパーアンパーなどの低膨張率を有する磁歪材料、その
他Cu、Niなどの材料が用いられる。前記ステンレス系材
料やCu、Niなどの材料からなる硬質凸版14に関して
は、インキロール1との摩擦による金属粉などのインキ
12中への不純物混入を防ぐために、SiO2、SiC、SiNな
どをパッシベーション層とするセラミックコーティング
処理、ハードCrメッキ処理、クロメート処理などの表面
処理を硬質凹版28表面に施してもよい。また、セラミ
ック材料としては、Cr2O3、SiO2、Al2O3、SiNなどが用
いられる。硬質凸版14の形成方法としては、厚み公差
±0.005mm以内のホイル状あるいはシート状の金属プレ
ートまたはセラミックプレートの表面に、エッチング加
工・ミーリング加工・レーザー加工・放電加工・プレス
加工などにより所定の形状の凹凸パターンを形成し版胴
15の円周面に巻き付けるものがある。また、前記金属
プレートまたはセラミックプレートを弾性層16を介し
て版胴15の円周面に巻き付けた後に、前記加工法にて
インキセルを形成してもよい。また、金属・セラミック
・ガラスなどからなる硬質層を版胴15の円周面に溶射
(たとえばプラズマ溶射など)などの方法にて成膜し表
面を研磨後、硬質層表面をエッチング加工・レーザー加
工(CO2レーザーやYAGレーザーなど)により所定の形状
の凹凸パターンを形成する方法がある。また、版胴30
自体を金属・セラミック・ガラスなどの硬質材料として
版胴30表面をエッチング加工・レーザー加工(CO2
ーザーやYAGレーザーなど)により所定の形状の凹凸パ
ターンを形成してもよい。
【0013】印刷テーブル5は、定盤23上に弾性層3
1を介して硬質板24が設けられている。弾性層31
は、印刷テーブル5に固定された被印刷体13と印刷ロ
ール4との圧接時に被印刷体13と印刷ロール4との表
面摺動する部分にかかる圧力を緩和する役目を持ってい
る。弾性層16の材質としては、たとえば、天然ゴム、
合成ゴム、エラストマー、あるいは市販のクッションテ
ープなどがある。弾性層31の厚みは、0.05〜20.0mmで
あるのが特に好ましい。弾性層31の厚みが余り薄いと
弾性層31としての前記効果が発揮されず、一方、余り
厚すぎると弾性層31の変形が生じて定盤23と硬質板
24との周速にズレが起こるからである。硬質板24
は、前記圧接時に弾性層31にかかる圧力を広面積に分
散させるとともに、被印刷体13に部分的にかかる圧力
で被印刷体13が変形することを防止する。硬質板24
の材質としては、ステンレス鋼板などが用いられる。硬
質板24の厚さは、0.100mm〜0.300mm程度が好ましい。
上記の印刷テーブル5は、その上に被印刷体13を載置
して基台7上に設けられている。基台7の上面には、被
印刷体搬入位置Bと印刷位置Aと被印刷体搬出位置Cの
間を連続的に結ぶ一対の案内レール20が固定されてい
る。印刷テーブル5は、基台7上で案内レール20沿い
に各位置A、B、C間を移動する。一方、つまり、印刷
テーブル5に連結された駆動モーター21の駆動により
ボールネジ22が正逆回転し、印刷テーブル5が移動す
る。このとき、印刷テーブル5は、高さ調節手段(図示
せず)によって、印刷テーブル5上の被印刷体13の表
面がインキロール1の下面と接触可能な高さに設定され
ている。したがって、印刷テーブル5が印刷位置Aに位
置するとき、印刷テーブル5上に戴置した被印刷体13
が印刷ロール4に接触し、印刷ロール4の所定パターン
のインキ12を被印刷体13上に転移させて薄膜を印刷
・形成する。その後、印刷テーブル5は駆動モーター2
1の駆動により被印刷体搬出位置Cへと移動し、そこで
被印刷体13が排出される。次いで、印刷テーブル5は
高さ調節手段(図示せず)によって降下し、駆動モータ
ー21の駆動により逆に被印刷体搬出位置Cから被印刷
体搬入位置Bへと移動する。
【0014】上記の構成によれば、所定パターンに配列
された多数のインキセルを有する硬質凹版28の表面
に、インキノズル10からインキ12を落としてインキ
ロール1を回転させ、ドクター3を用いてインキロール
1の表面にインキ12を広げてインキセルにインキ12
を充填し(図3参照)、インキロール1が回転してその
所定パターンのインキセルが印刷ロール4の硬質凸版1
4に接触し、硬質凸版14の凸部頂面19にインキロー
ル1のインキセル内のインキ12を転移させる。次い
で、印刷ロール4の回転により、その硬質凸版14が基
台7側に臨むようになったとき、駆動モーター21を駆
動してボールネジ22を回転させ、印刷テーブル5を被
印刷体搬入位置Bから印刷位置Aまで移動させる(図4
参照)。印刷ロール4を回転させつつ被印刷体13を搬
出位置C側に移動させて印刷ロール4の硬質凸版14を
被印刷体13表面に接触させ、凸部頂面19の所定パタ
ーンのインキ12を被印刷体13上に転移させ、薄膜が
形成される(図5参照)。被印刷体13に所定パターン
のインキ12が印刷されると、駆動モーター21の駆動
によりボールネジ22を回転させて印刷テーブル5を被
印刷体排出位置Cに位置させ、被印刷体13を印刷テー
ブル5上から排出する。この間、インキロール1は次の
印刷に備えて所定の位置まで回転して停止する(図6参
照)。一方、被印刷体13が取り出された印刷テーブル
5は、上記高さ調節手段(図示せず)によって降下させ
られ、印刷ロール4と接触しないようにして、被印刷体
排出位置Cから被印刷体搬入位置Bまで移動する。そし
て、印刷テーブル5上には次の被印刷体13が載置させ
られる。
【0015】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の態様で実施することができ
る。たとえば、インキロール1の弾性層16は、版胴1
5の円周面上に部分的に設けられていてもよく、その場
合、図8に示すように、弾性層16の側面を圧縮余地を
残して硬質凹版28周縁部で覆うと、印刷ロール4との
接触時にかかる圧力によって硬質凹版28が周縁部にお
いて弾性層16から剥離することを防ぐことができる。
【0016】また、印刷テーブル5を被印刷体搬入位置
Bと印刷位置Aと被印刷体排出位置Cとの間で移動させ
る機構としては、上記ボールネジ22に限定されるもの
ではなく、ラック・ピニオン機構など周知の機構を採用
することができる。
【0017】また、被印刷体13を固定するために、印
刷テーブル5に吸引機能を付与し被印刷体13を硬質板
24側から真空引きすることができる。たとえば、図9
に示すように、吸引孔25を有する定盤23上に、側面
をシールされた海綿状の弾性層31を介して多数の細孔
26を有する硬質板24を設けるとよい。
【0018】実例1 直径160mmの鉄製版胴30の円周面に、プラズマ溶射に
て肉厚200μmのCr2O3からなる硬質層を形成後、表面粗
度(Rmax)1000Å、平滑度0.003mm(L=1mにおいて)に
仕上げ、線巾120μm、線間200μmのストライプパターン
をレリーフ深度17が50μmとなるようにCO2レーザー
(200W,CW)にてレーザー加工してセラミックからなる
硬質凸版14を形成した。次いで、パターン周辺部100m
mにわたってフロアー部18よりさらに約80μm程度深く
硬質凸版14を前述と同様のレーザー加工にて取り除い
て、印刷ロール4を完成した。
【0019】一方、肉厚0.200mmのSUS304シートを、開
口率80%のハニカムパターンを深度が15μmとなるよう
にエッチングして硬質凹版28を形成した。次に、硬質
凹版28の裏面に肉厚3mmの弾性層16としてブチルゴ
ムを高周波融着させたものを、直径180mmの鉄製版胴1
5の円周面にまきつけてインキロール1とした。
【0020】さらに、ステンレス製の定盤23の上面
に、弾性層31として肉厚3mmのステレン-ブタジエン共
重合体からなる樹脂プレート(ショアA硬度にて、4
0。)を設け、その上に硬質板24としてステンレス鋼
鈑を設けて印刷テーブル5とした。
【0021】パターン印刷を行う際のニップ圧つまりイ
ンキロール1と印刷ロール4間は、0.1mm(押込量)
又、印刷ロール4と被印刷体13との間は0.10mmとし
た。なお、ロールの表面はインキロール1ならびに印刷
ロール4ともに±0.003mm(L=1m)以内の平滑度に仕上
げられ、かつ被印刷体13表面は±0.050mm以内の平滑
度である。
【0022】以上のような薄膜パターン形成装置を用い
て被印刷体13上にパターン印刷を行った。被印刷体1
3として300×300×1.1mmのバリウムホウ硅酸ガラス板
を用い、印刷インキ12としてネオデカン酸インジウム
とオクチル酸インジウムとオクチル酸スズの混合溶液
に、添加剤として酢酸などを加え、粘度80cP、濃度10
%のに調整されたものを用いた。
【0023】印刷済みのガラス板を500℃、30分の酸化
還元雰囲気で焼成して印刷面積160mm×240mmの薄膜パタ
ーンを形成したところ、線巾210μm、線巾公差±10μ
m、トータルピッチ精度25μm以内(240mm=Lにて)と、
従来のフレキソ版を用いた場合に比較すると、トータル
ピッチ精度において約50%の改善が見られた。また、パ
ターン周縁部の直線性に関して、従来のフレキソ版のエ
ッジ部公差±30μm以内に対し、エッジ部公差±5μm以
内と著しい改善が見られた。しかも、被膜周縁部の膜厚
不均一部分に関しては、ストライプの中央膜厚に比し
て、従来180%(被膜周縁部最大膜厚/中心部膜厚×10
0)と盛り上がっていたところが、120%程度と、かなり
平滑化された。
【0024】
【作用】本発明の薄膜パターン形成装置は、多数のイン
キセルを有する硬質凹版28が版胴15の円周面に弾性
層16を介して設けられたインキロール1と、インキロ
ール1の表面にインキを供給するインキ供給装置と、イ
ンキロール1表面のインキ12をインキセル内に充填す
るドクター3と、硬質板24が弾性層31を介して設け
られた定盤を備えた被印刷体13を固定する印刷テーブ
ル5と、版胴30の円周面に設けられた硬質凸版14が
インキセル内のインキ12を被印刷体13表面に転移さ
せる印刷ロール4とからなるように構成したので、次の
作用が奏される。
【0025】 インキロール1と印刷ロール4とを接触
させると、印刷ロール4の硬質凸版14は変形すること
なく、インキロール1に設けた硬質凹版28のインキセ
ル中のインキが硬質凸版14の凸部頂面19に転移させ
られる。このとき、インキロール1の硬質凹版28は版
胴15に弾性層16を介して設けられているので、イン
キロール1と印刷ロール4との圧接時に両者の表面摺動
する部分にかかる圧力が緩和される。また、印刷ロール
4と被印刷体13とを接触させると、印刷ロール4に設
けた硬質凸版14の凸部頂面19に転移させられている
インキが再度被印刷体13の裏面に転移させられる。こ
のとき、被印刷体13は、弾性体31を介して、硬質板
24上に載置されているので、印刷ロール44と被印刷
体13との圧接時に両者の表面摺動する部分にかかる圧
力が緩和される。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上の構成、作用からなるの
で、次の効果が奏される。すなわち、本発明の薄膜パタ
ーン形成装置は、印刷ロールが硬質凸版を備えているの
で、インキロールや被印刷体との圧接の際に凸版が変形
しない。したがって、パターン周縁部が直線性を有し、
パターンの形成位置の精度にバラツキが少なく、しかも
均一な厚さの薄膜が得られる。また、凸版が溶剤を吸収
しないため常に一定の線幅で薄膜パターンを形成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す
断面図である。
【図2】本発明の薄膜パターン形成装置の実施例を示す
斜視図である。
【図3】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図4】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図5】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図6】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷工程を示
す断面図である。
【図7】本発明の薄膜パターン形成装置の硬質凹版の実
施例を示す断面図である。
【図8】本発明の薄膜パターン形成装置の硬質凸版の実
施例を示す断面図である。
【図9】本発明の薄膜パターン形成装置の印刷テーブル
の他の実施例を示す断面図である。
【図10】従来の薄膜形成装置を示す断面図である。
【符号の説明】 1 インキロール 2 インキ供給装置 3 ドクター 4 印刷ロール 5 印刷テーブル 6 回転軸 7 基台 8 支持枠 9 インキ供給体 10 インキノズル 11 案内レール 12 インキ 13 被印刷体 14 硬質凸版 15 版胴 16 弾性層 17 レリーフ深度 18 フロアー部 19 凸部頂面 20 案内レール 21 駆動モーター 22 ボールネジ 23 定盤 24 硬質板 25 吸引孔 26 細孔 27 樹脂凸版 28 硬質凹版 29 回転軸 30 版胴 31 弾性層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 一充 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のインキセルを有する硬質凹版が版
    胴の円周面に弾性層を介して設けられたインキロール
    と、インキロールの表面にインキを供給するインキ供給
    装置と、インキロール表面のインキをインキセル内に充
    填するドクターと、硬質板が弾性層を介して設けられた
    定盤からなる被印刷体を固定する印刷テーブルと、版胴
    の円周面に設けられた硬質凸版がインキセル内のインキ
    を被印刷体表面に転移させる印刷ロールとからなること
    を特徴とする薄膜パターン形成装置。
  2. 【請求項2】 弾性層が、0.05〜20.0mmの厚みである請
    求項1記載の薄膜パターン形成装置。
  3. 【請求項3】 硬質凸版が、凸部頂面を表面粗度(Rma
    x)0.1〜10.0μmにてマット加工されている請求項1ま
    たは2のいずれかに記載の薄膜パターン形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012011665A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Sharp Corp フレキソ印刷装置、および当該フレキソ印刷装置に用いるフレキソ印刷版
US20210379887A1 (en) * 2018-10-17 2021-12-09 3M Innovative Properties Company Printing systems including a rigid printing pattern and an inking roll having an elastically deformable surface
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