JP2012206309A - 凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法 - Google Patents

凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどの機能性薄膜を高品質かつ異物を少なく印刷出来る凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】基材に機能性薄膜を形成する為の凸版印刷機であり、少なくとも印刷パターンが形成された凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、凸版にインクを供給するアニロックスロール、アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすドクターロールからなるインク供給装置、及び、凸版のインクが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤を具備する印刷装置において、ドクターロールの周面中央領域と、ドクターロールの周面端部領域とで表面エネルギーが異なるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法に関するものである。
近年、微細薄膜パターン形成において、量産性に優れ、製造コストを低く抑えることが可能である公知の印刷方式を利用する試みが検討されている。特にディスプレイ分野では、画面の大型化、コストの低減化に対応するため、印刷方式によって機能性薄膜をパターンで形成する検討が進められている。
具体的な印刷法式としてはオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷法などが検討されている。
これらの各種印刷手法の中で特に樹脂凸版印刷法は、樹脂からなる凸版と、アニロックスロールと呼ばれる表面に細かい凹部(セル)が彫刻されたインキロールと、溶剤乾燥型のインキとを用いた印刷方式であり、従来から包装紙などの印刷物に広く使用されている。この樹脂凸版印刷は、膜厚0.01〜0.2μm程度の薄くて安定した印刷層の形成に特に適している。
また、樹脂凸版印刷はキスタッチと称されるごく低印圧での印刷が可能であることから、ガラス基板や高い圧力をかけることによって特性が破壊され易い透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適しており、ディスプレイ等の電子部品のパターン形成に特に適した印刷方法である。
次に、一般的な凸版印刷機について図2を参照して説明する。この凸版印刷機は、図2に示すように、凸版204の版面にインキを供給するためのセルを有するアニロックスロール201と、アニロックスロールにインキを供給するインキチャンバ208と版下クッション203を介してパターン形成用の凸版204が装着される回転式の版胴205と、被印刷基板207が載置される基板定盤206と、インキを掻き落とすドクタリングを行うドクターブレード202を有して構成されている。
次に、図2の印刷機を用いた際の印刷の流れについて説明する。まず基板定盤206上に被印刷基板が載置された後、版胴205の直下まで移動する。基板定盤206が移動したならば、版胴205が基板定盤206の動作と同期回転し、版胴205と等速で動作するアニロックスロール201より、凸版204へインキが供給される。凸版204へインキが供給された後速やかに凸版状のインキは被印刷基板207へ転写され印刷動作が終了する。
ここで、ドクターブレード202はアニロックスロール201上に塗布されたインキのうち余剰インキを掻き落とすことによってアニロックスロールセル内に均一にインキを押し込むために、一般的に20kPa程度の圧力でアニロックスロール201へ押し当てられる。そのため、アニロックスロール201、ドクターブレード202の両者が磨耗し、その磨耗で削れた滓がインキの中へ混入する問題があった。
アニロックスロール201やドクターブレード202は一般的に、金属酸化物、若しくは樹脂からなる為、これら削れた滓が異物としてインキ内に混入することとなる。
従来、樹脂凸版印刷法において、一般印刷物ならば大きな問題とならないが、有機半導
体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどを目的としたエレクトロニクス部材向け印刷では、削れた異物が原因で製品不良となったり、異物が金属の場合、導電することによりショートを起こしたりするなどの不具合が発生する。
以上のように、アニロックスロール上のインキを掻き落とす手段としては、主として、ドクターブレードを用いるドクターブレード手法が用いられているが、特許文献1に示すように、ゴムなどをロール状に加工してドクターブレードの代替として用いたドクターロール手法も用いられている。
ドクターロール手法を用いることにより、ドクターブレード手法で発生したような異物の発生は低減出来るが、ドクターブレード手法と比較した場合に液掻き性が劣り、アニロックスロール端部領域における液掻き性が悪く、端部領域においてインキ量が過剰となるため、印刷物の端部領域におけるムラの発生や、版のパターン部以外にインクが付着するなどの問題があった。
公知文献を以下に示す。
特開2001−083495
以上のように、従来のドクターロール手法を用いた樹脂凸版印刷法はアニロックスロールの周面端部領域以外の全域に渡って十分な液掻き性を示すと同時に、ドクターブレード手法と比較して異物発生が低減される優れた特性を持つ印刷法で有るが、液掻き面端部領域については、高品質な印刷物を得るための液掻き性が不十分であった。
よって、本発明の目的は、かかる問題を解決し、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどの機能性薄膜を高品質かつ異物を少なく印刷出来る凸版印刷機とそれを用いた機能性薄膜の製造方法を提供することにある。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、上記課題を解決するための本発明の請求項1に係る発明は、基材に機能性薄膜を形成する為の凸版印刷機であり、少なくとも印刷パターンが形成された凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、該凸版にインクを供給するアニロックスロール、該アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすドクターロールからなるインク供給装置、及び、前記凸版のインクが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤を具備する印刷装置において、前記ドクターロールの周面中央領域と、前記ドクターロールの周面端部領域とで表面エネルギーが異なることを特徴とする凸版印刷機である。
請求項2に係る発明は、前記ドクターロール周面中央領域に表面エネルギーが25mJ/m以下の領域が形成されていると同時に、その他の周面領域には35mJ/m以上の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷機である。
請求項3に係る発明は、前記ドクターロール周面端部領域に表面エネルギーが25mJ/m以下の領域が形成されていると同時に、その他の周面領域には35mJ/m以上の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷機である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の凸版印刷機を用いて機
能性薄膜を形成することを特徴とする機能性薄膜の製造方法である。
本発明を適用することによって、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどの均一な膜厚の印刷パターンを容易に形成でき、なおかつ薄膜の機能を損なう異物の発生を低減することができる。そのため、機能性薄膜を高品質かつ異物を少なく印刷出来る。
また、電子部材などの微細パターニング技術として、樹脂凸版印刷法を適用することが出来るようになった。
ドクターロールを有する凸版印刷機の概略を説明する図面である。 ドクターブレードを有する凸版印刷機の概略を説明する図面である。 本発明の凸版印刷で使用するドクターロールの概略を説明する図面である。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、ドクターロールを用いて液掻きを実施する際に端部領域で液掻き不良が発生する原因は、ドクターロール裏面において液掻きされた余剰インキが、ドクターロールとアニロックスロールの端部を伝い、前方に流れ出ることによって発生していることが明らかになった。
上記現象を防止する為に検討を行った結果、ドクターロールの周面端部領域の表面エネルギーと周面中央領域の表面エネルギーとが異なることによって、ドクタリングされたインキが端部方向へ移動しにくくなり、前方へ流れ出るインキの量が少なくなることが確認された。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお。本発明はこれに限るものではない。
本発明の実施の形態を、図1に示す樹脂凸版印刷機におけるアニロックスロール101からなるインキ供給機構109を中心に説明する。
図1に示す樹脂凸版印刷機は、パターン形成用の凸版104が装着されるシリンダー式の版銅105、凸版104に接してインキを供給するアニロックスロール101、アニロックスロール101へインキ供給する為のインキチャンバ108、アニロックスロール101上の余剰インキを掻き落とすドクターロール102、版下クッション103を介してパターン形成用の凸版104が装着される回転式の版胴105と、被印刷基板107を載置する基板定盤106から構成された印刷装置である。
本発明の樹脂凸版印刷用に用いることが出来るアニロックスロール101としては、SUS材などで作成された芯ロール上に、酸化クロムをプラズマ溶射して形成した酸化クロム皮膜を、レーザー彫刻によってパターニングしたセラミックスロール、又は、芯ロール上に銅メッキを施した後、樹脂を塗布し、レーザーパターニングした後に腐食処理をし、得られたパターン上にクロムメッキを施したクロムロールのいずれも用いることが出来る。
また、アニロックルロール上に形成されるパターンとしては、ヘリカルパターン、FMパターン、ハニカムパターン、ダイヤパターン、ARTパターンなどいずれのパターンも用いることが出来る。
これらのパターンは印刷物上のモアレを防止する為に適宜角度を設けても良い。そして、これらのパターンが形成された後、アニロックスロール101表面は、ドクターロール102側に傷をつけるのを防止する為に研磨されることが望ましい。具体的にはアニロックスロール101のパターン土手部において4μm以上の突起がなくなるよう研磨されることが望ましい。
アニロックスロール101を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータでダイレクトドライブを行うことが望ましい。また、必要トルクを得るために減速機構を使用する場合にはバックラッシュレスの機構を用いることが望ましい。
使用することが出来るドクターロール102としてはSUS材などで作成された芯ロールに、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどを巻きつけて作成してもよいし、これらのゴムローラ上に、PFA熱収縮チューブを巻きつけたものなどを用いることが出来る。これらゴム材は、インキとして使用する溶剤に対する耐性から選定される。
これらゴムロールの表面は算術表面粗さRaが、0.1μm以下、最大高さRzが1μm以下であることが望ましい(JIS B 0601:2001)。これらの条件を満たすことによって低発塵かつ、平滑な液掻き面を得ることが出来る。
本発明のドクターロール102は、ドクターロール102の端部からの余剰インキの回りこみを防ぐために、少なくともドクターロール102の周面端部領域302とドクターロール102の周面中央領域301で異なる表面エネルギー部を有している。ドクターロール102の周面端部領域302とドクターロール102の周面中央領域301とで異なる表面エネルギーを有することで、ドクターロール102の端部に余剰インキの溜りが出来にくくなり、ドクタリング後のアニロックスロール101上へ余剰インキ溜りからインキが回り込むことを防ぐことができる。
特に、ドクターロール102の周面端部領域302又はドクターロール102の周面中央領域301のどちらかに低表面エネルギー部を有することが好ましい。
まず、ドクターロール102の周面中央領域301に低表面エネルギー部を形成する場合には、PTFE、PFAに代表されるフッ素樹脂の粉体吹き付け塗装、スプレーコーティング、プラズマ重合といったフッ素樹脂膜の形成、またはパーフルオロアルキル鎖を有する表面修飾剤の蒸着といったフッ素化単分子膜の形成をする公知の手法を用いて作成することができる。フッ素樹脂薄膜やフッ素化単分子膜といった低表面エネルギー皮膜を形成する際には、ドクターロール102の周面端部領域302にマスキングを施し、低表面エネルギー皮膜がドクターロール102の周面中央領域301以外の領域に形成されない必要がある。
また、ドクターロール102の周面中央領域301における低表面エネルギー部の形成には、ゴムロールの芯上にゴムを巻き付けて円柱状に加工し、ドクターロール102の周面中央領域301を残し、ドクターロール102の周面端部領域302のゴム厚のみを薄くなる様に加工し、さらにゴムロール全体にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、周面端部領域302の上にゴムを巻き付け、周面端部領域302の直径が周面中央領域301の直径に対して同等になる様に加工しても良い。
上記のドクターロール102の周面中央領域301の低表面エネルギー部は25mJ/m以下であり、ドクターロール102の周面端部領域302上の表面エネルギー部は35mJ/m以上であることが好ましい。この場合、ドクターロール102の周面中央領域301の表面エネルギーが低いため、周面中央領域301から余剰インキが周面端部領域302へとはじかれ、周面端部領域302の表面エネルギーが中央領域よりも高いためはじかれた余剰インキが端部領域上に均一に濡れ広がるため、余剰インキ溜りがドクターロール102端部に形成されず、余剰インキの回り込みによるドクタリング不良を防ぐことができる。
周面中央領域301の低表面エネルギー部が25mJ/mより大きい、又は周面端部領域302の表面エネルギーが35mJ/m未満であると、周面中央領域301と周面端部領域302の表面エネルギー差が小さいため周面端部領域302にインキ溜りが発生し、ドクターロール102端部からの余剰インキの回りこみが発生する。
次に、ドクターロール102の周面端部領域302に低表面エネルギー部を形成する場合には、PTFE、PFAに代表されるフッ素樹脂の粉体吹き付け塗装、スプレーコーティング、プラズマ重合といったフッ素樹脂膜の形成、またはパーフルオロアルキル鎖を有する表面修飾剤の蒸着といったフッ素化単分子膜の形成をする公知の手法を用いて作成することができる。フッ素樹脂薄膜やフッ素化単分子膜といった低表面エネルギー皮膜を形成する際には、ドクターロール102の周面端部領域302以外の領域にマスキングを施し、低表面エネルギー皮膜がドクターロール102の周面端部領域302領域以外の領域に形成されない必要がある。
また、ドクターロール102の周面端部領域302における低表面エネルギー部の形成には、ゴムロールの芯上にゴムを巻き付けて円柱状に加工し、ゴムロールの周面端部を残し、ロールの周面中央領域301のゴム厚のみを薄くなる様に加工し、さらにゴムロール全体にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、周面中央領域301に重ねてゴムを巻き付け、周面中央領域301の直径が周面端部領域302の直径に対して同等になる様に加工しても良い。
上記のドクターロール102の周面端部領域302の低表面エネルギー部は25mJ/m以下であり、ドクターロール102の周面中央領域301上の表面エネルギー部は35mJ/m以上であることが好ましい。この場合、ドクターロール102の周面中央領域301の表面エネルギーが高いため、周面中央領域301から周面端部領域302へとはじかれるインキ量が少なく、かつ、端部領域の表面エネルギーが中央領域よりも低いため余剰インキが周面端部領域302からはじかれるため、余剰インキ溜りがドクターロール102端部に形成されず、余剰インキの回り込みによるドクタリング不良を防ぐことができる。
周面端部領域302の低表面エネルギー部が25mJ/mより大きいと余剰インキのはじきが少なくなり周面端部領域302にインキ溜りが発生する。また、周面中央領域301の表面エネルギーが35mJ/m未満であると周面中央領域301からはじかれるインキ量が増大して周面端部領域302にインキ溜りが発生し、ドクターロール102端部からの余剰インキの回りこみが発生する。
使用することが出来るドクターロール102の硬度としてはJIS−A硬度で30°〜70°の範囲でいずれも使用することが出来る。
ドクターロール102を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータを使用し、ダイレクトドライブを行う
ことが望ましく、アニロックスロール101の回転と同期回転可能な形で制御することが出来るシステムを持つことが望ましい。
この印刷機を用いた際の実際の動作について説明する。
基板定盤106上に、ガラスの被印刷基板107を載置した後、印刷開始指示によって印刷動作が開始される。この間、アニロックスロール101上にはインキが供給されドクタリングが継続的に実施され平滑にドクタリングされた表面が常に保持されている。ドクタリングする際の速度は本発明に従って決定される。例えば粘度が60mPa・s、表面張力が30mN/mのインキならば1〜15mm/sの間で設定される。
次に基板定盤が版胴直下に移動した後、アニロックスロール101より版上へインキが転写され、その後版胴回転と同期した基板上に置かれたガラスの被印刷基板107へ印刷が行われる。
アニロックスロール101から版上へインキを転写する際の速度は、ドクタリング速度と等速でもよいが、ドクタリング速度が低速の場合は転写に時間がかかる為、転写速度を速くしても良い。ただし、転写速度を速くする場合には、本発明のドクタリング条件にて得られたドクタリング表面が版に転写されるように調整される必要がある。
以上の動作を実施することによって良質な印刷物を得ることが出来る。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
<実施例1>
本実施例では高分子型有機発光材料を、ガラス上へ印刷した例を示す。
印刷機としては、図1に示す印刷機を用いる。
本実施例で用いる、アニロックスロール101として、クロムロールを用いた。ロールに形成されるパターンは1辺65μmの正方形のセルが、72.5μmピッチで形成されるダイヤパターンであり、これらのパターンはロール水平線より60°傾いて形成されている。
次に、本実施例で用いるドクターロール102としては、SUS芯上に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した。
さらにウレタンゴムロール端面から10mm以内の周面を残し、ロールの中央周面領域をゴム厚が3mm薄くなる様に加工した。加工したウレタンゴムロール上にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、さらに周面中央領域にウレタンゴムを巻き付け、周面中央領域を加工することによって目標直径に対して0.5mm以内とした。さらにロール周面全体の研磨を実施し、Raを0.05μm、Rzを1μmとした。
ドクターロール102の周面の表面エネルギーを、水を用いた接触角法で測定したところ、周面中央領域の表面エネルギーは、20mJ/mであり、周面端部領域の表面エネルギーは、40mJ/mであった。
上記のアニロックスロール101に対して、ドクターロール102を50μm押込む形
で設置した。設置されたアニロックスロール101及び、ドクターロール102はそれぞれサーボモータで駆動される。
次に用いる版材について説明する。厚さ0.2mmのSUS304製の板の表面に反射抑制層として黒色油性染料を厚さ1.5μmになるようにダイコート法により塗工した。この積層体の表面にポリアミドを主成分とするネガ型感光性樹脂を総厚が0.1mmとなるように塗工し、版のベースとした。
その後、この版材に対し、ストライプ上のパターンを有するネガパターン(有効領域開口106μm*100mm、非開口スペース392μm*100mm、総有効線数400本、サイズ:W200mm*L100)のクロムマスクを用いて50μmのプロキシミティギャップを開けて露光した。露光の後、温水を掛け流しながら現像を行い、凸部高さ90μm、凸部ライン幅106μm、スペース392μmの凸版104を形成した。作成した凸版104を印刷機の版胴に0.5mm厚の印刷用クッションテープを用いて版を貼り付けた。
次にインキについて説明する。高分子有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%になるようにアニソールに溶解させた有機発光インキを用意した。用意したインキの、粘度を測定したところ60mPa・sであり、表面張力は34mN/mであった。その後、インキを印刷機のインキチャンバ108へ投入した。
以上の装置、版、発光材料インキを用いて300mm角、0.7mm厚のソーダガラスからなる被印刷基板107上に印刷を行った。印刷はタクト60sで行い、ドクタリング速度は5mm/s(Ca=0.01)、印刷速度は100mm/sとした。
<実施例2>
本実施例では高分子型有機発光材料を、印刷した例を示す。
印刷機としては、図1に示す印刷機を用いる。
本実施例で用いる、アニロックスロール101として、クロムロールを用いた。ロールに形成されるパターンは1辺65μmの正方形のセルが、72.5μmピッチで形成されるダイヤパターンであり、これらのパターンはロール水平線より60°傾いて形成されている。
次に、本実施例で用いるドクターロール102としては、SUS芯上に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した。
さらにウレタンゴムロール端面から10mm以内の周面を残し、ロールの中央周面領域をゴム厚が1mm薄くなる様に加工した。加工したウレタンゴムロール上にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、さらに周面中央領域にウレタンゴムを巻き付け、周面中央領域を加工することによって目標直径に対して0.5mm以内とした。さらにロール周面全体の研磨を実施し、Raを0.05μm、Rzを1μmとした。
ドクターロール102の周面の表面エネルギーを、水を用いた接触角法で測定したところ、周面中央領域の表面エネルギーは、20mJ/mであり、周面端部領域の表面エネルギーは、40mJ/mであった。
上記のアニロックスロール101に対して、ドクターロール102を50μm押込む形で設置した。設置されたアニロックスロール101、及び、ドクターロール102はそれ
ぞれサーボモータで駆動される。
次に用いる版材について説明する。厚さ0.2mmのSUS304製の板の表面に反射抑制層として黒色油性染料を厚さ1.5μmになるようにダイコート法により塗工した。この積層体の表面にポリアミドを主成分とするネガ型感光性樹脂を総厚が0.1mmとなるように塗工し、版のベースとした。
その後、この版材に対し、ストライプ状のパターンを有するネガパターン(有効領域開口106μm*100mm、非開口スペース392μm*100mm、総有効線数400本、サイズサイズ:W200mm*L100)のクロムマスクを用いて50μmのプロキシミティギャップを開けて露光した。露光の後、温水を掛け流しながら現像を行い、凸部高さ90μm、凸部ライン幅106μm、スペース392μmの凸版104を形成した。作成した凸版104を印刷機の版胴に0.5mm厚の印刷用クッションテープを用いて版を貼り付けた。
次にインキについて説明する。高分子有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%になるようにアニソールに溶解させた有機発光インキを用意した。用意したインキの、粘度を測定したところ60mPa・sであり、表面張力は34mN/mであった。その後、インキを印刷機のインキチャンバ108へ投入した。
以上の装置、版、発光材料インキを用いて300mm角、0.7mm厚のソーダガラスからなる被印刷基板107上に印刷を行った。印刷はタクト60sで行い、ドクタリング速度は5mm/s(Ca=0.01)、印刷速度は100mm/sとした。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
比較例1におけるドクターロールは、SUS芯上に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した後、ウレタンゴムロール上にPFA熱収縮チューブを巻きつけて研磨し、Raを0.05μm、Rzを1μmとしたものである。ドクターロール102の周面の表面エネルギーを、水を用いた接触角法で測定したところ、周面中央領域の表面エネルギー、周面端部領域の表面エネルギーは、共に40mJ/mであった。その他は、実施例1と同様に印刷を実施した。
<比較例2>
比較例2においては、実施例1におけるドクターロールを用いずにドクターブレードとし、ドクタリング速度は100mm/sとした。その他は、実施例1と同様に印刷を実施した。
<評価項目>
実施例1、2、及び、比較例1、2において得られた有機発光層が形成された基板について以下の評価を行った。評価の結果は表1にまとめた。
(インキの付着)
版のパターン部以外でのインキの付着の有無を目視で確認した。
(印刷ムラ)
印刷パターン全体の印刷ムラを目視で評価した。
(膜厚のバラツキ)
印刷物の端部より5mmの箇所の膜厚と、印刷物の中央部の膜厚の比を求めた。
(異物個数)
被印刷基板107の1枚中の異物の個数を数えた。
Figure 2012206309
以下に、実施例と比較例との比較結果について説明する。
<比較結果>
実施例1、2においては、面内発光強度バラツキは5%と小さく、また特異的なムラも観測されなかった。さらに、異物数は16個と非常に少ない数値を示した。また、印刷物の端部領域と、中央領域における膜厚の比は1.06であり、バラツキの範囲内であった。
比較例1においては異物数に関しては実施例1、2と同等であったものの、印刷物の端部近傍において幅が2cm程度の帯状のムラが観察された。さらに、印刷物の端部領域と、中央領域における膜厚の比は1.3であり、明確に差がみられた。また、ドクターロール周面端部領域と一致する部分において、印刷用凸版のパターン部以外へのインキ付着があった。
比較例2においては、面内発光強度バラツキは実施例1、2と同等であり、特異的なムラも観察されなかった。また、印刷物の端部領域と、中央領域における膜厚の比は1.04であり、バラツキの範囲内であった。一方で、異物数は50000個と非常に大きい数値を示した。
101・・・アニロックスロール
102・・・ドクターロール
103・・・版下クッション
104・・・凸版
105・・・版銅
106・・・基板定盤
107・・・被印刷基板
108・・・インキチャンバ
109・・・インキ供給機構
201・・・アニロックスロール
202・・・ドクターブレード
203・・・版下クッション
204・・・凸版
205・・・版胴
206・・・基板定盤
207・・・被印刷基板
208・・・インキチャンバ
301・・・周面中央領域
302・・・周面端部領域

Claims (4)

  1. 基材に機能性薄膜を形成する為の凸版印刷機であり、少なくとも印刷パターンが形成された凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、該凸版にインクを供給するアニロックスロール、該アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすドクターロールからなるインク供給装置、及び、前記凸版のインクが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤を具備する印刷装置において、前記ドクターロールの周面中央領域と、前記ドクターロールの周面端部領域とで表面エネルギーが異なることを特徴とする凸版印刷機。
  2. 前記ドクターロール周面中央領域に表面エネルギーが25mJ/m以下の領域が形成されていると同時に、その他の周面領域には35mJ/m以上の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷機。
  3. 前記ドクターロール周面端部領域に表面エネルギーが25mJ/m以下の領域が形成されていると同時に、その他の周面領域には35mJ/m以上の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の凸版印刷機を用いて機能性薄膜を形成することを特徴とする機能性薄膜の製造方法。
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