JP2012206308A - 印刷装置及びそれを用いた機能性薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上への転写不良が無く、均一な機能性薄膜を得る印刷装置、印刷方法を提供する。
【解決手段】樹脂凸版印刷装置は、回転式の版胴105、樹脂凸版104と、定盤106と、被印刷基板107と、インキ供給機構110を含んで構成され、インキ供給機構110から樹脂凸版104表面に転写された発光インキを、被印刷基板107に転写することで所望のパターンを形成する。アニロックスロール101から樹脂凸版104にインキを安定形成するために、所望のパターニング有効領域に選択的にインキ供給することで、ドクターロール102を用いてアニロックスロール101に均一にインキを供給することが可能となる。これによって被印刷基板上に転写不良のない均一な機能性薄膜を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂凸版印刷装置は、回転式の版胴105、樹脂凸版104と、定盤106と、被印刷基板107と、インキ供給機構110を含んで構成され、インキ供給機構110から樹脂凸版104表面に転写された発光インキを、被印刷基板107に転写することで所望のパターンを形成する。アニロックスロール101から樹脂凸版104にインキを安定形成するために、所望のパターニング有効領域に選択的にインキ供給することで、ドクターロール102を用いてアニロックスロール101に均一にインキを供給することが可能となる。これによって被印刷基板上に転写不良のない均一な機能性薄膜を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、機能性薄膜を高品質に印刷する製造装置、製造方法に関する。
近年、微細薄膜パターン形成において、量産性に優れ、製造コストを低く抑えることが可能である公知の印刷方式を利用する試みが検討されている。特にディスプレイ分野では、画面の大型化、コストの低減化に対応するため、印刷方式によって機能性薄膜をパターン形成する検討が進められている。
印刷方式としてはオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷法などが検討されている。
これらの各種印刷手法の中で特に樹脂凸版印刷法は、樹脂からなる凸版と、アニロックスロールと呼ばれる表面に細かい凹部(セル)が彫刻されたインキロールと、溶剤乾燥型インキとを用いた印刷方式であり、従来から包装紙などの印刷物に広く使用されている。この樹脂凸版印刷法は、膜厚0.01〜0.2μm程度の薄くて安定した印刷層の形成に特に適している。
また、樹脂凸版印刷法はキスタッチと称されるごく低印圧での印刷が可能であることから、ガラス基板や、高い圧力をかけることによって特性が破壊され易い透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適しており、ディスプレイ等の電子部品のパターン形成に特に適した印刷方法である。
また、樹脂凸版印刷法はキスタッチと称されるごく低印圧での印刷が可能であることから、ガラス基板や、高い圧力をかけることによって特性が破壊され易い透明電極等が成膜された基板に対する印刷にも適しており、ディスプレイ等の電子部品のパターン形成に特に適した印刷方法である。
次に、図を参照して、一般的な凸版印刷装置について説明する。
この凸版印刷装置は、図2に示すように、凸版204の版面にインキを供給するためのセルを有するアニロックスロール201と、アニロックスロールにインキを供給するインキチャンバ208と版下クッション203を介してパターン形成用の凸版204が装着される回転式の版胴205と、被印刷基板207が載置される基板定盤206と、インキを掻き落とすドクタリングを行うドクターブレード202を有して構成されている。
この凸版印刷装置は、図2に示すように、凸版204の版面にインキを供給するためのセルを有するアニロックスロール201と、アニロックスロールにインキを供給するインキチャンバ208と版下クッション203を介してパターン形成用の凸版204が装着される回転式の版胴205と、被印刷基板207が載置される基板定盤206と、インキを掻き落とすドクタリングを行うドクターブレード202を有して構成されている。
次に、図2の印刷機を用いた際の印刷の流れについて説明する。
まず基板定盤206上に被印刷基板が載置された後、版胴205の直下まで移動する。基板定盤206が移動したならば、版胴205が基板定盤206の動作と同期回転し、版胴205と等速で動作するアニロックスロール201より、凸版204へインキが供給される。凸版204へインキが供給された後速やかに凸版上のインキは被印刷基板207へ転写され印刷動作が終了する。
まず基板定盤206上に被印刷基板が載置された後、版胴205の直下まで移動する。基板定盤206が移動したならば、版胴205が基板定盤206の動作と同期回転し、版胴205と等速で動作するアニロックスロール201より、凸版204へインキが供給される。凸版204へインキが供給された後速やかに凸版上のインキは被印刷基板207へ転写され印刷動作が終了する。
ここで、ドクターブレード202はアニロックスロール201上に塗布されたインキのうち余剰インキを掻き落とすことによってアニロックスロールセル内に均一にインキを押し込むために、一般的に20kPa程度の圧力でアニロックスロールへ押し当てられる。そのため、アニロックスロール、ドクターブレードの両者が磨耗し、その削れ分がインキの中へ混入する問題がある。
アニロックスロールやドクターブレードは一般的に金属酸化物、若しくは樹脂からなるために、これらが異物としてインキ内に混入することとなる。
アニロックスロールやドクターブレードは一般的に金属酸化物、若しくは樹脂からなるために、これらが異物としてインキ内に混入することとなる。
従来の樹脂凸版印刷法においては、一般印刷物ならば大きな問題とはならない場合であっても、有機半導体薄膜や、有機EL薄膜などを代表とする機能性薄膜の微細パターニングなどを目的としたエレクトロニクス部材向け印刷では、前記削れ異物が製品不良の原因となり、異物が金属の場合、導電することによりショートを起こすなどの不具合が発生する。
以上のように、アニロックスロール上のインキを掻き落とす手段としては、主として、ドクターブレードが用いられているが、特許文献1に示すように、ゴムなどをロール上に加工したドクターロール法も採用されている。
ドクターロール法を用いることによって、ドクターブレード法で発生したような異物の発生を抑制できるが、ドクターブレードと比較した場合にインキを掻き落とす性能が劣ることでアニロックスロールのセルに十分にインキを押込むことができず、微細薄膜を高品質にパターニングすることが難しい。
ドクターロール法を用いることによって、ドクターブレード法で発生したような異物の発生を抑制できるが、ドクターブレードと比較した場合にインキを掻き落とす性能が劣ることでアニロックスロールのセルに十分にインキを押込むことができず、微細薄膜を高品質にパターニングすることが難しい。
ドクターブレード法、またはドクターロール法において、アニロックスロール上のインキを掻き落とした後、ドクターブレードまたはドクターロールとアニロックスロール接触面の端部から余剰インキがアニロックスロールに再付着する。これにより余剰インキが微細薄膜形成領域に侵入して所望の微細薄膜のパターニング性が低下するという問題もある。
以上のように、従来の樹脂凸版印刷法は優れた特性を持つ印刷法であるが、均一で高品質な微細薄膜印刷物を得るためのドクタリング性と、印刷物に影響を与える異物の発生を低減するといった、要求特性を満たすものではなかった。
よって、本発明の目的はかかる問題を解決し、機能性薄膜を高品質かつ異物が少なく印刷することが出来る手段を提供することにある。
よって、本発明の目的はかかる問題を解決し、機能性薄膜を高品質かつ異物が少なく印刷することが出来る手段を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記インキ供給装置がダイコーターであり、該ダイコーターは前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む50〜100%の領域に相当する領域の前記アニロックスロール上に選択的にインキを供給することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
前記インキ供給装置がダイコーターであり、該ダイコーターは前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む50〜100%の領域に相当する領域の前記アニロックスロール上に選択的にインキを供給することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
また、請求項2に記載の発明は、印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記インキ供給装置がインキチャンバであり、該インキチャンバの前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域を發インキ加工することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
前記インキ供給装置がインキチャンバであり、該インキチャンバの前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域を發インキ加工することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
また、請求項3に記載の発明は、印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備す
るシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記アニロックスロール上における前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域の余剰インキを掻き落とすドクターブレードを備えることを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
るシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記アニロックスロール上における前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域の余剰インキを掻き落とすドクターブレードを備えることを特徴とする機能性薄膜の印刷装置である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置を用いて被印刷物上にインキを転写することを特徴とする機能性薄膜の製造方法である。
請求項1記載の発明は、アニロックスロールへのインキ供給が、樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む50〜100%の領域に相当する領域に選択的にインキを供給することを特徴とする機能性薄膜の製造方法であり、印刷パターン有効領域外へのインキ濡れ広がりを抑制することができる。これによって、ドクターブレードまたはドクターロールとアニロックスロール接触面の端部から余剰インキがアニロックスロールに再付着する量を低減することができ、均一で高品位な機能性薄膜形成が可能となる。
請求項2記載の発明は、インキチャンバの前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域を撥インキ加工すること、すなわち同領域間で異なる材質を使用すること、を特徴とする機能性薄膜の製造装置であり、インキチャンバ内でのインキの濡れ広がりを一定量制御することが可能となるためインキチャンバ内で印刷パターン有効領域とその近傍のみに選択的にインキを溜めておくことが可能となる。これによって、アニロックスロール上で印刷パターン有効領域とその近傍に相当する領域にインキを選択的に転写することができる。その結果、ドクターブレードまたはドクターロールとアニロックスロール接触面の端部から余剰インキがアニロックスロールに再付着する量を低減することができ、均一で高品位な機能性薄膜の形成が可能となる。
請求項3記載の発明は、アニロックス上の前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域の余剰インキをドクターブレードで掻き落とすことを特徴とする機能性薄膜の製造方法であり、印刷パターン有効領域外のインキをドクターロールよりインキ掻きとり能力の高いドクターブレードで掻き落とすことによりドクターブレードとアニロックスロール接触面の端部から余剰インキがアニロックスロールに再付着する量を低減することができ、均一で高品位な機能性薄膜形成が可能となる。
請求項1〜2記載の発明では、ドクターロール法を採用することで、アニロックスロール上のインキを掻き落とす工程におけるアニロックスロールとの接触削れ異物を低減することが可能であり、これによって均一で高品位な機能性薄膜形成が可能となる。
以上説明したように、本発明の製造方法、製造装置を適用することによって均一な膜厚の印刷パターンを容易に形成でき、なおかつ薄膜の機能を損なう異物の発生を低減することができる。そのため、電子部材などの微細パターニング技術として、樹脂凸版印刷法の採用が可能となる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお。本発明はこれに限るものではない。
本発明の実施の形態を、図1に示す樹脂凸版印刷機におけるアニロックスロール101からなるインキ供給機構110を中心に説明する。
図1に示す樹脂凸版印刷機は、パターン形成用の樹脂凸版104が装着されるシリンダー式の版銅105、凸版104に接してインキを供給するアニロックスロール101、アニロックスロールへインキ供給する為のダイコーター109、アニロックスロール101上の余剰インキを掻き落とすドクターロール102、基板を載置する基板定盤106で構成された印刷装置である。
本発明の実施の形態を、図1に示す樹脂凸版印刷機におけるアニロックスロール101からなるインキ供給機構110を中心に説明する。
図1に示す樹脂凸版印刷機は、パターン形成用の樹脂凸版104が装着されるシリンダー式の版銅105、凸版104に接してインキを供給するアニロックスロール101、アニロックスロールへインキ供給する為のダイコーター109、アニロックスロール101上の余剰インキを掻き落とすドクターロール102、基板を載置する基板定盤106で構成された印刷装置である。
本発明の樹脂凸版印刷用に用いるアニロックスロール101としては、SUS材などで作成された芯ロール上に、酸化クロムをプラズマ溶射して形成した酸化クロム皮膜を、レーザー彫刻によってパターニングしたセラミックスロール、又は、芯ロール上に銅メッキを施した後樹脂を塗布し、レーザーパターニングした後に腐食処理をし、得られたパターン上にクロムメッキを施したクロムロールなどが挙げられる。
また、アニロックルロール上に形成されるパターンとしては、ヘリカルパターン、FMパターン、ハニカムパターン、ダイヤパターン、ARTパターンなどいずれのパターンも用いることが出来る。
アニロックスロール上に形成されるパターンはモアレを防止する為に適宜角度を設けても良い。パターン形成後、アニロックスロール101表面は、ドクターロール102側に傷をつけるのを防止する為に研磨されることが望ましい。具体的にはアニロックスロールのパターン土手部において4μm以上の突起がなくなるよう研磨されることが望ましい。
アニロックスロール101を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータでダイレクトドライブを行うことが望ましい。また、必要トルクを得るために減速機構を使用する場合にはバックラッシュレスの機構を用いることが望ましい。
アニロックスロール101を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータでダイレクトドライブを行うことが望ましい。また、必要トルクを得るために減速機構を使用する場合にはバックラッシュレスの機構を用いることが望ましい。
次に、使用することが出来るドクターロール102としてはSUS材などで作成された芯ロールに、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどを巻きつけて作成してもよいし、これらのゴムローラ上に、PFA熱収縮チューブを巻きつけたものなどを用いることが出来る。これらゴム材は、インキとして使用する溶剤に対する耐性から選定する。
これらゴムロールの表面は算術表面粗さRaが0.1μm以下、最大高さRzが1μm以下であることが望ましい。これらの条件を満たすことによって低発塵かつ、平滑なドクタリング面を得ることが出来る。
これらゴムロールの表面は算術表面粗さRaが0.1μm以下、最大高さRzが1μm以下であることが望ましい。これらの条件を満たすことによって低発塵かつ、平滑なドクタリング面を得ることが出来る。
次に、使用することが出来るドクターロール102の硬度としてはJIS−A硬度で30°〜70°の範囲であればいずれも使用することが出来る。
ドクターロール102を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータを使用し、ダイレクトドライブを行うことが望ましく、アニロックスロールの回転と同期回転可能な形で制御することが出来るシステムを持つことが望ましい。
ドクターロール102を回転する機構としては、回転速度ムラが印刷物に大きな影響を与える為、高精度に回転を制御可能なサーボモータを使用し、ダイレクトドライブを行うことが望ましく、アニロックスロールの回転と同期回転可能な形で制御することが出来るシステムを持つことが望ましい。
アニロックスロールへのインキ供給は、例えばシリンジからの滴下、スリットコーターやダイコーターによる成膜によって、樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む50〜100%の領域に相当するアニロックスロール上の領域にインキを供給することが望ましい。50〜100%の領域に相当する領域にインキを供給することで、インキ供給後
にドクターロール102でアニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすことによって、樹脂凸版上の印刷パターン有効領域に均一にインキを供給することが可能となる。
にドクターロール102でアニロックスロール上の余剰インキを掻き落とすことによって、樹脂凸版上の印刷パターン有効領域に均一にインキを供給することが可能となる。
また、インキ供給装置として撥インキ加工をしたインキチャンバを用いる場合は、樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域に、たとえばPTFEのようなフッ素系撥液剤をスプレー塗工など公知の技術を用いて成膜することで撥液処理を施し、アニロックスロールとドクターロールの接触端部領域へインキが集まることの無いようにすることが望ましい。
さらに、印刷パターン有効領域外のインキを掻き落とすために、ドクターロールよりインキ掻きとり能力の高いドクターブレードをアニロックス上の樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域に配置してもよい。アニロックス上の樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域にドクターブレードを配置することで、アニロックスロール接触面の端部から余剰インキがアニロックスロールに再付着する量を低減することができる。なお、印刷パターン有効領域にはドクターロールが配置される。
本発明の印刷機を用いて形成される機能性薄膜としては、有機発光材料を溶解又は分散したインキを用いる場合には有機EL素子の発光層、染料又は顔料を溶解又は分散させたインキを用いる場合には液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタの着色層、導電性の有機材料や金属粒子を溶解又は分散したインキを用いる場合には薄膜トランジスタや有機EL素子の各種配線・電極等が挙げられる。本発明の印刷機ではこれらの機能性薄膜を異物や成膜不良なくパターン形成することができる。
また、上記の機能性薄膜が形成される被印刷基板としては、これらの機能性薄膜がディスプレイ用途として用いられることから、透明なガラス基板やプラスチック基板を用いることができる。
なお、本発明の印刷機を用いて形成される機能性薄膜としては、顔料や染料を分散・溶解させた一般的なインキを用いる印刷物の印字であっても良く、被印刷基板が紙であっても良い。
また、上記の機能性薄膜が形成される被印刷基板としては、これらの機能性薄膜がディスプレイ用途として用いられることから、透明なガラス基板やプラスチック基板を用いることができる。
なお、本発明の印刷機を用いて形成される機能性薄膜としては、顔料や染料を分散・溶解させた一般的なインキを用いる印刷物の印字であっても良く、被印刷基板が紙であっても良い。
次にこの印刷機を用いて印刷を行なう際の実際の動作について説明する。
基板定盤上106に、ガラス基板107を載置した後、印刷開始指示によって印刷動作が開始される。この間、アニロックスロール101上にはインキが供給されドクタリングが継続的に実施され平滑にドクタリングされた表面が常に保持されている。ドクタリングする際の表面速度は、使用するインキ粘度にも影響されるが、1〜200mm/sの間で設定されることが望ましい。
基板定盤上106に、ガラス基板107を載置した後、印刷開始指示によって印刷動作が開始される。この間、アニロックスロール101上にはインキが供給されドクタリングが継続的に実施され平滑にドクタリングされた表面が常に保持されている。ドクタリングする際の表面速度は、使用するインキ粘度にも影響されるが、1〜200mm/sの間で設定されることが望ましい。
次に基板定盤が版胴直下に移動した後、アニロックスロール101より版上へインキが転写され、その後版胴回転と同期した基板上に置かれたガラス基板107へ印刷が行われる。
アニロックスロール101から版上へインキを転写する際の速度は、ドクタリング速度と等速でもよいが、ドクタリング速度が低速の場合は転写に時間がかかる為、転写速度を早くしても良い。以上の動作によって均一で高品位な機能性薄膜が形成された印刷物が得られる。
アニロックスロール101から版上へインキを転写する際の速度は、ドクタリング速度と等速でもよいが、ドクタリング速度が低速の場合は転写に時間がかかる為、転写速度を早くしても良い。以上の動作によって均一で高品位な機能性薄膜が形成された印刷物が得られる。
<実施例1>
以下に本発明の機能性薄膜の製造方法と製造装置に係る実施例について述べる。なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
本実施例では高分子型有機発光材料を、素ガラス上へ印刷した例を示す。印刷機として
は、図1に示す印刷機を用いる。
以下に本発明の機能性薄膜の製造方法と製造装置に係る実施例について述べる。なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
本実施例では高分子型有機発光材料を、素ガラス上へ印刷した例を示す。印刷機として
は、図1に示す印刷機を用いる。
本実施例で用いる、アニロックスロールとしてはクロムロールを用いた。ロールに形成されるパターンは1辺65μmの正方形のセルが、72.5μmピッチで形成されるダイヤパターンであり、これらのパターンはロール水平線より60°傾いて形成されている。
次に、本実施例で用いるドクターロールとしては、SUS芯上に硬度JIS−A50°のウレタンゴムを巻き付け、目標直径に対して0.5mm以内になるように円柱状に加工した。加工したウレタンゴムロール上にPFA熱収縮チューブを巻きつけた後、研磨を実施しロール表面のRaが0.05μm、Rzが1μmとした。
上記アニロックスロールに対して、ドクターロールをその表面が50μm押込む形で設置した。設置されたアニロックスロール及び、ドクターロールはそれぞれサーボモータ駆動とした。
(樹脂凸版104の作製)
厚さ250μmの42ニッケル材を感光性樹脂凸版104の基材として用い、前記基材の上に黒色顔料を混錬したアクリルバインダー樹脂溶液を乾燥膜厚が10μmになるように塗布して乾燥し、反射防止層を形成した。
厚さ250μmの42ニッケル材を感光性樹脂凸版104の基材として用い、前記基材の上に黒色顔料を混錬したアクリルバインダー樹脂溶液を乾燥膜厚が10μmになるように塗布して乾燥し、反射防止層を形成した。
水溶性ポリアミドを主成分とし、ラジカル重合性モノマーとしてとしてジペンタエリスリトールヘキサキスアクリレート、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を混錬した感光性樹脂組成物を、前記基材の表面に版材の総厚が310μmとなるように溶融塗工したものを感光性樹脂層とし、ポリビニルアルコール溶液を乾燥膜厚1μmになるように塗布したポリエチレンテレフタレートフィルム(フィルム厚み125μm:帝人デュポンフィルム社製)をラミネートした。
合成石英基材のクロムマスクを樹脂凸版パターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットしたものを用いて感光性樹脂凸版を露光、現像することで所望のパターンが形成された感光性樹脂凸版104を作成し、樹脂凸版を印刷機の版胴に0.5mm厚の印刷用クッションテープ103を用いて版胴105に貼り付けた。
(高分子型有機発光インキの作成)
使用したインキは、高分子有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%、インキ粘度10mPa・sとなるようにアニソール溶媒に溶解させた有機発光インキを用意した。
使用したインキは、高分子有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%、インキ粘度10mPa・sとなるようにアニソール溶媒に溶解させた有機発光インキを用意した。
(印刷工程)
以上の装置、樹脂凸版、発光材料インキを用いて300×300mm、0.7mm厚みのソーダガラス上に印刷を行った。印刷は投入タクト60sで行い、ドクタリング速度は5mm/s(Ca=0.01)、印刷速度は100mm/sとした。
以上の装置、樹脂凸版、発光材料インキを用いて300×300mm、0.7mm厚みのソーダガラス上に印刷を行った。印刷は投入タクト60sで行い、ドクタリング速度は5mm/s(Ca=0.01)、印刷速度は100mm/sとした。
アニロックス上へのインキ供給はダイコーター109を使用した。樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む100%の領域に相当する領域に選択的にインキを供給し、その後ドクターロール102で余剰インキを掻き落とす。このようにしてインキ供給されたアニロックスロール101から樹脂凸版104にインキを転写、インキ転写された樹脂凸版104を被印刷基板107に押し当てることでストライプパターンを印刷した。
上記のように作成した印刷基板上のストライプパターンは、外観検査で印刷不良の発生
が認められず、また、有効領域におけるインキ転写量平均値は3.01μm2、有効領域内のインキ転写量のrangeと3σはそれぞれ0.04μm2、0.03であり、均一に薄膜が形成されることを確認した。
が認められず、また、有効領域におけるインキ転写量平均値は3.01μm2、有効領域内のインキ転写量のrangeと3σはそれぞれ0.04μm2、0.03であり、均一に薄膜が形成されることを確認した。
<実施例2>
実施例2においては、インキチャンバ内に溜めたインキにアニロックスロール101を回転させながら浸漬することでインキ供給すること、インキチャンバ底面の樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域に撥液処理を施したこと、を除いて実施例1と同様の方法で印刷した。
実施例2においては、インキチャンバ内に溜めたインキにアニロックスロール101を回転させながら浸漬することでインキ供給すること、インキチャンバ底面の樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域に撥液処理を施したこと、を除いて実施例1と同様の方法で印刷した。
上記のように作成した印刷基板上のストライプパターンは、外観検査で印刷不良の発生が認められず、また、有効領域におけるインキ転写量平均値は3.14μm2、有効領域内のインキ転写量のrangeと3σはそれぞれ0.05μm2、0.04であり、均一に薄膜が形成されることを確認した。
<比較例1>
比較例1においては、撥インキ処理を施していないインキチャンバを用いたことを除いて、その他は実施例2と同様に印刷した。
比較例1においては、撥インキ処理を施していないインキチャンバを用いたことを除いて、その他は実施例2と同様に印刷した。
上記のように作成した印刷基板上のストライプパターンは、印刷有効領域内の端部でストライプパターニングが不可という結果になり、均一に薄膜形成ができないことを確認した。
101… アニロックスロール
102… ドクターロール
103… 版下クッション
104… 樹脂凸版
105… 版胴
106… 基板定盤
107… 被印刷基板
109… ダイコーター
110… インキ供給機構
201… アニロックスロール
202… ドクターロール
203… 版下クッション
204… 凸版
205… 版胴
206… 基板定盤
207… 被印刷基板
208… インキチャンバ
209… インキ供給機構
102… ドクターロール
103… 版下クッション
104… 樹脂凸版
105… 版胴
106… 基板定盤
107… 被印刷基板
109… ダイコーター
110… インキ供給機構
201… アニロックスロール
202… ドクターロール
203… 版下クッション
204… 凸版
205… 版胴
206… 基板定盤
207… 被印刷基板
208… インキチャンバ
209… インキ供給機構
Claims (4)
- 印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記インキ供給装置がダイコーターであり、該ダイコーターは前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域の中心を含む50〜100%の領域に相当する領域の前記アニロックスロール上に選択的にインキを供給することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置。 - 印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記インキ供給装置がインキチャンバであり、該インキチャンバの前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域を發インキ加工することを特徴とする機能性薄膜の印刷装置。 - 印刷パターンが形成された樹脂凸版を外周部に具備するシリンダー状版胴と、前記樹脂凸版にインキを供給するアニロックスロールと、前記アニロックスロール上の余剰インキを掻き落とし均一成膜するドクターロールと、前記アニロックスロールへインキを供給するインキ供給装置と、前記樹脂凸版のインキが転写される被印刷物を載置する位置決め定盤とを具備する印刷装置において、
前記アニロックスロール上における前記樹脂凸版上の印刷パターン有効領域外に相当する領域の余剰インキを掻き落とすドクターブレードを備えることを特徴とする機能性薄膜の印刷装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置を用いて被印刷物上にインキを転写することを特徴とする機能性薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011072149A JP2012206308A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 印刷装置及びそれを用いた機能性薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011072149A JP2012206308A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 印刷装置及びそれを用いた機能性薄膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012206308A true JP2012206308A (ja) | 2012-10-25 |
Family
ID=47186519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011072149A Withdrawn JP2012206308A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 印刷装置及びそれを用いた機能性薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012206308A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101427344B1 (ko) * | 2013-05-22 | 2014-08-06 | 전자부품연구원 | 인쇄 패턴 형성 방법 |
-
2011
- 2011-03-29 JP JP2011072149A patent/JP2012206308A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101427344B1 (ko) * | 2013-05-22 | 2014-08-06 | 전자부품연구원 | 인쇄 패턴 형성 방법 |
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