JP2009137085A - 高精細樹脂凸版印刷版 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、高精細パターン印刷において、印刷機の精度が十分でない場合や印刷条件がばらついた場合においても印刷膜厚の均一性が低下することのないように印刷版凸部と基板との印圧が小さくかつ均一になる印刷版を提供することである。
【解決手段】 本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版は、画像パターン部の凸部に塗布したインクを基材へ転写する凸版印刷に用いる樹脂凸版印刷版において、画像パターン部の凸部3と同一の厚みを有するダミーパターン2が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版は、画像パターン部の凸部に塗布したインクを基材へ転写する凸版印刷に用いる樹脂凸版印刷版において、画像パターン部の凸部3と同一の厚みを有するダミーパターン2が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、凸版印刷に使用する樹脂印刷版に関するものであり、特にプリンタブルエレクトロニクス用途、特に配線材料や発光材料などの機能性材料インクを基板に転写し微細パターンを形成するための高精細樹脂凸版印刷版に関する。
従来、表示パネルやプリント配線板等の微細パターン形成には高精細化が比較的容易なフォトリソグラフィー法が用いられてきた。これに対し近年、高価な設備や複雑な工程が少なく、プロセス廃棄物が少なく材料の利用効率が高い、低コストで環境に優しい印刷法が注目されている。
印刷法の中で特にインクジェット法は下地層へのダメージがなく、所定の場所に所定量の導電性インク等の機能性インクを描画することが可能であり、カラーフィルターなどで実用化が進みつつある。反面、高精細になると描画時間の増大、微細ノズルの詰りなどの問題がある。
これに対して凸版印刷法は、インクジェット法に比べて装置が単純で、一括印刷による印刷時間の短縮と低コストが期待される製造方法であるが、インク描画量の制御(インク計量性)、膜厚均一性(マージナル抑制)の向上が難しいとされてきた。これら課題に対して液晶パネルの配向膜印刷において、印刷版凸部表面に複数の微小突起や格子状パターンを設けることによって配向膜インクを所定量凸部に保持させることができ、マージナルの発生を低減する技術が開示されている(例えば特許文献1又は2を参照。)。
特許第3376908号公報
特開2001−030644号公報
しかし、これらの技術は配向膜などの比較的大きなエリアに均一な膜厚で印刷する技術に対して開示された技術であり、高精細なパターン印刷に適応されるものではない。
通常のフレキソ印刷では樹脂凸部にインクを充填した後、印刷用紙や段ボール紙へ数10μmから数100μm押し込むことによりインクを紙面へ転移し印刷を完了する。この場合、樹脂凸部に充填されたインクは印圧によって凸部外周部へ押し出されるため中心部より外周部のインク厚みが大きくなる。プリンタブルエレクトロニクスではパターンの膜厚精度が要求されるため、樹脂凸部に掛かる印圧を極力微小かつ均一することが要求され、理想的には印圧が殆どかからないキスタッチ印刷が理想である。近年、印刷機の開発が進み、機械精度としては10μmレベルのものが市販されるようになってきたが、印刷物の線幅や位置精度が数μm〜数10μmレベルの精度が要求されるエレクトロニクス用途ではまだ充分と言い難い状況である。
以上の観点から本発明は、高精細パターン印刷において、印刷機の精度が十分でない場合や印刷条件がばらついた場合においても印刷膜厚の均一性が低下することのないように印刷版凸部と基板との印圧が小さくかつ均一になる印刷版を提供することを目的とする。
本発明者は、インクを充填した凸部と基板との接触圧力(印圧)を一定にするために画像パターン部以外の部分にダミーパターンを設けることによって、印刷時の印刷版凸部と基板との印圧が均一になり、その結果、印刷機の設定印圧変動の影響を受けることが少なく、マージナル現象を低減できることを見出した。すなわち、本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版は、画像パターン部の凸部に塗布したインクを基材へ転写する凸版印刷に用いる樹脂凸版印刷版において、前記画像パターン部の凸部と同一の厚みを有するダミーパターンが設けられていることを特徴とする。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記ダミーパターンの幅が、前記画像パターン部の凸部の最小幅と同じか該最小幅よりも大きいことが好ましい。印圧の分散が図れると共に印刷機の精度ムラによる印圧のバラツキも吸収できる。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記ダミーパターンが、前記画像パターン部の外側に形成されていることが好ましい。印刷物の設計が容易となる。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記ダミーパターンは、前記樹脂凸版印刷版の最外周部に沿って前記画像パターン部の凸部とはつながらずに独立したパターンをなしており、かつ、前記ダミーパターンの幅が50μm以上であることが好ましい。ダミーパターンの配置の影響を無視することができ、また、印圧の分散が図れると共に印刷機の精度ムラによる印圧のバラツキも吸収できる。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記画像パターン部の凸部の印刷面の全面積(Sp)と前記ダミーパターンの凸部の先端面の全面積(Sd)との比(Sp:Sd)が10:1〜1:10であることが好ましい。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記画像パターン部の凸部の印刷面に複数個の窪みを設けることが好ましい。ダミーパターンを設け、さらに印刷版凸部表面に窪みを形成することによって、より一層、印刷機の設定印圧変動の影響を受けることが少なく、マージナル現象を低減できる。
本発明に係る高精細樹脂凸版印刷版では、前記窪みが前記画像パターン部の凸部の印刷面の全域に渡って形成されており、かつ、前記窪みが前記画像パターン部の凸部の印刷面のエッジ部にかかって形成されていないことが好ましい。窪みが画像パターン部の凸部の印刷面のエッジ部にかかっていないことによって、窪みに充填されたインクのはみ出しが抑制され、印刷物のエッジ部が極めてシャープな形状となる。
本発明で得られる凸版印刷版は、ダミーパターンがレイアウトされていることから印刷時における印圧等の印刷条件変動や印刷機の精度が充分確保できない場合においても良好な印刷が可能である。従って、プリンタブルエレクトロニクス用途における機能材料の微細パターニングに最適であり、生産性と作業性が良好な凸版印刷法の適用が可能となった。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
先ず、本実施形態に係るパターン印刷用高精細印刷版について説明する。図1は、本発明の一形態であり、四角形の印刷版ベース1aの中央に画像パターン部の凸部3(ライン&スペースパターン印刷用の凸部が5本設けられている)と、またその外周部にダミーパターン2の凸部が設けられている。図2は図1のA‐A’線での断面図である。さらに、図3は、図1のCにおける印刷版凸部表面の部分拡大図であり、印刷版凸部表面にインク充填のための窪み4が形成されている。本実施形態に係る高精細樹脂凸版印刷版1は、図1に示すように、画像パターン部の凸部3に塗布したインクを基材へ転写する凸版印刷に用いる樹脂凸版印刷版であり、図2に示すように、画像パターン部の凸部3と同一の厚みを有するダミーパターン2が設けられている。すなわち、画像パターン部の凸部3の印刷面(インク受容面)と同一平面上にダミーパターン2の凸部が先端面(頂面)を有している。高精細印刷版における高精度とは、印刷されたインクの膜厚均一性が高く、印圧による線太りが極めて小さいことであり、プリンタブルエレクトロニクス用途の要求に応えるものである。
印刷版1の構成および使用する材料は従来のフレキソ印刷版と同様のものが使用できるが、高精細なパターン印刷を行う場合、印刷版ベース1a材料としては収縮の少ない樹脂シート、金属シートが使用でき、好ましくはSUSなどの剛性の高い材料が好適である。印刷版ベース1aの上に樹脂製の画像パターン部の凸部3と樹脂製のダミーパターン2の凸部2を設ける。
画像パターン部の凸部3やダミーパターン2の凸部を形成するための凸部形成用樹脂は、使用するインク溶剤に耐性の有る樹脂を使用する。
ダミーパターン2の形状は、図1に示したような壁状で外枠状のものが使用しやすい。印刷物の設計が容易となる。図1では、ダミーパターンの形状が矩形枠状の場合を示したが、ダミーパターンの先端面の表面形状が多角形状或いは円形状の集合体(すなわち直方体や円柱体の集合体)である場合でもその効果に問題が出ない範囲で使用できる。しかし、ダミーパターンが前記集合体であると集合体同士の隙間にインクが入り込んで基板上に不要なインクが転写されることがある。
印刷時の必要パターン部である画像パターン部の凸部3の印刷面(被印刷対象物である基板の表面と接触する面、以降、単に「画像パターン部の凸部の表面」ともいう)にかかる印圧は、設けるダミーパターン2の凸部の先端面(ダミーパターン2の凸部が被印刷対象物である基板の表面と接触する面、以降、単に「ダミーパターンの凸部の表面」ともいう)の面積が大きい程、小さくかつ均一に出来る。
印刷時に画像パターン部の凸部3の表面にインクを充填し、基板に押し込んだ場合、ダミーパターン2がないと全印圧を画像パターン部の凸部3の表面で受けることになり、その結果、インクが画像パターン部の凸部3からはみ出しマージナル現象を引き起こす。ダミーパターン2が存在すると印圧は画像パターン部の凸部3の表面とダミーパターン2の凸部の表面で分散して受けることになり、画像パターン部の凸部3の表面にかかる印圧を小さくかつ均一にすることが出来る。また、印刷機の精度ムラによる印圧のばらつきも吸収することができる。従ってダミーパターン2の凸部の表面が大きい程、印圧分散効果も大きくなる。
ダミーパターン2の凸部の幅についても、少なくとも画像パターン部の凸部3の最小線幅と同等以上であることが好ましい。
さらに、通常のパターン印刷では有効エリアの外側にダミーパターン2を配置した方が印刷物の設計が容易である。また、ダミーパターン2形状は、印刷対象物の形態によっても異なるが、樹脂凸版印刷版、すなわち印刷版ベース1aの最外周部に沿って画像パターン部の凸部3とはつながらずに独立したパターンをなし、かつ、ダミーパターン2の凸部の幅が50μm以上で効果が現れやすい。所望の印刷された画像パターンとダミーパターンによる印刷部分がつながらないので、ダミーパターンの配置の影響を無視することができ、また、印圧の分散が図れると共に印刷機の精度ムラによる印圧のバラツキも吸収できる。さらにダミーパターンが画像パターン部の凸部とつながらずに独立していることによって、例えば、導体パターン印刷時に、回路のショートなど電気的な不具合を防止することができる。
画像パターン部の凸部3の印刷面の全面積(Sp)とダミーパターン2の凸部の先端面の全面積(Sd)との比率(Sp/Sd)が10〜1/10であることが好ましい。Sp/Sdが10より大きい場合は印圧を分散するには不十分でありマージナルや線太りが発生する場合がある。逆に1/10より小さい場合、ダミーパターンとしての効果が有効であるが不要なインクが基板上に多量に印刷されることになり工業的な価値は低減する。なお、ダミーパターンへのインクの充填量を低減するため、ダミーパターン表面は平滑であることが好ましい。
次に画像パターン部の凸部3の表面に形成する窪みについて説明する。本実施形態に係る高精細樹脂凸版印刷版では、画像パターン部の凸部3の印刷面に複数個の窪みを設けることが好ましい。窪みは規則的に配列することがより好ましい。凸部表面の窪みにはインクが一定量充填するため印刷時のインク計量性が向上する。同時に窪みや窪みの壁が印刷時のインクの流れ出しを阻止するように働くため、マージナルや線太りを抑制する効果がある。すなわち、従来の印刷版と異なり、凸部表面にインクを補充するための微細な凹部が規則的に配列しており、凸版印刷の欠点であったインク端部が盛り上がるマージナル現象を低く抑えることができ、特に配線分野で問題となる配線エッジ部でのギザギザ、インク膜厚の不均一性を解決できるものである。なお、窪み深さは印刷物の所望するインク厚みにより決定されるが、通常1〜50μmとすることが好ましい。
以上のように、画像パターンの凸部の印刷面に窪み構造を導入することで従来の凸版印刷の課題であったマージナル現象や線太りを改善し、さらにダミーパターンを設けることで各々の画像パターンの凸部の表面への印圧低減と均一化を改善し、高精細な印刷が可能になる。さらに印刷機の設定印圧変動の影響を受けることが少なくなる。
さらに、窪みが画像パターン部の凸部の印刷面の全域に渡って形成されており、かつ、窪みが画像パターン部の凸部の印刷面のエッジ部にかかって形成されていないことが好ましい。窪みがエッジ部にかかっている場合、印刷時に窪みに充填されたインクがはみ出し易くなり、その結果、印刷物のエッジ部がギザギザな形状を呈する。
次に本発明の印刷版の作製方法について述べる。印刷版の作製方法は通常のフレキソ印刷版の製造方法が適用でき、例えば、SUS基板上に版材樹脂を塗布・硬化してレーザーにより彫刻する方法、感光性樹脂とフォトマスクを使用したフォトリソ法などである。また必要な印刷版の雌型に対応するモールドを作製しインプリント法により製造することも出来る。
画像パターン部の凸部3の表面に窪みを形成する方法としては、レーザー彫刻による作成方法、窪み部に対応したモールドを利用したインプリント法が同様に適用できる。
インプリント法による製造例を以下に示す。モールドの作製では、紫外線遮光部分を有するフォトマスクを準備して、その上にポジ型感光性樹脂を被着、露光・現像によって窪みに対応した突起をフォトマスク上に形成する。この時点でフォトマスクをベース材としたポジ型感光性樹脂によるモールドが得られる。次にネガ型感光性樹脂をこのモールドに充填し、モールド側から再度、露光・現像し、モールドから剥離することで凸部表面に窪みを有する印刷版を得ることが出来る。ネガ型感光性樹脂は、充填の容易さから液状樹脂が好適に使用されるが、固体樹脂であっても充填時に粘度が低く樹脂モールドに充填できるものであれば問題はない。露光処理ではマスクの遮光部直下の樹脂を光硬化する必要があるため、通常の露光量より多いオーバー露光の状態で露光することにより印刷版凸部全体を硬化することが出来る。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
旭化成製製版装置A‐410を使用してガラス定盤上にフォトマスク、厚み12μmのPPフィルム、厚み150μmになるように調整した液状感光性樹脂(APR)、厚み0.1mmのSUSシートの順で積層し、ガラス定盤側から露光を行った。露光はオーク社製平行光光源で150mJ露光とし、現像は炭酸ナトリウム0.3%、40℃、シャワー現像を行った。SUSシートは使用前にバフロール研磨(#600)で表面を粗化した。その結果、SUSシート状にL/S=200μm/400μmでライン数10本、長さ4cmの凸部を有するレリーフパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、厚み150μmの外枠状ダミーパターンを有する印刷版を作製した。ライン部凸部の総面積Spは0.8cm2、ダミーパターン部の総面積Sdは2.32cm2であった。印刷版凸部表面全体(Sp)とダミーパターンの凸部表面全体(Sd)の面積比は約1:3であった。また、画像パターン部の凸部の厚みとダミーパターンの凸部の厚みは共に150μmであった。得られた印刷版を日本電子精機社製精密印刷機に両面テープで取り付け、インクテック社製UVインクをガラス基板に印圧100μm設定で印刷し、紫外線ランプでUVインクを硬化した。印刷物を光学顕微鏡で観察した結果、L/Sパターン部のライン幅は中央部での10点平均で223μmであった。
旭化成製製版装置A‐410を使用してガラス定盤上にフォトマスク、厚み12μmのPPフィルム、厚み150μmになるように調整した液状感光性樹脂(APR)、厚み0.1mmのSUSシートの順で積層し、ガラス定盤側から露光を行った。露光はオーク社製平行光光源で150mJ露光とし、現像は炭酸ナトリウム0.3%、40℃、シャワー現像を行った。SUSシートは使用前にバフロール研磨(#600)で表面を粗化した。その結果、SUSシート状にL/S=200μm/400μmでライン数10本、長さ4cmの凸部を有するレリーフパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、厚み150μmの外枠状ダミーパターンを有する印刷版を作製した。ライン部凸部の総面積Spは0.8cm2、ダミーパターン部の総面積Sdは2.32cm2であった。印刷版凸部表面全体(Sp)とダミーパターンの凸部表面全体(Sd)の面積比は約1:3であった。また、画像パターン部の凸部の厚みとダミーパターンの凸部の厚みは共に150μmであった。得られた印刷版を日本電子精機社製精密印刷機に両面テープで取り付け、インクテック社製UVインクをガラス基板に印圧100μm設定で印刷し、紫外線ランプでUVインクを硬化した。印刷物を光学顕微鏡で観察した結果、L/Sパターン部のライン幅は中央部での10点平均で223μmであった。
(比較例1)
実施例1に従いダミーパターンの付いていないフォトマスクを使用し、ダミーパターンのないL/S=200/400μmの印刷版を作製した。同様に印圧100μmで印刷試験を行った結果、ライン幅は極めて不均一であり、またライン中央部での10点平均で278μmであった。
実施例1に従いダミーパターンの付いていないフォトマスクを使用し、ダミーパターンのないL/S=200/400μmの印刷版を作製した。同様に印圧100μmで印刷試験を行った結果、ライン幅は極めて不均一であり、またライン中央部での10点平均で278μmであった。
(実施例2)
厚さ3mmのガラスクロムマスク上に接着層としてテスク社製ハードコート材(A‐1964、アクリレート系)と、東京応化社製ポジ型感光性樹脂(PMER P‐LA300PM)をスピンコーターによって乾燥後膜厚が10μmになるように塗布・風乾後、110℃*6分間加熱処理を行った。次にオーク社製平行光露光装置を用いてフォトマスク側から露光し、ディップ現像を行った。その結果、ガラスクロムマスク上に、画像パターン部としてはL/S=200/400μmでライン数10本、厚み10μm、それぞれライン内に1辺長さが28μmで厚みが10μmの四角柱状の凸部が10μmの間隔で幅方向に5個、ライン方向に約1000個(4cm)並んだL/Sパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、長さ5cmダミーパターン部の雌型に相当するモールドを作製した。この樹脂モールドに信越化学社製離型剤(溶剤型)をスプレー処理した後、旭化成製ネガ型液状感光性樹脂(APR)を150μmの厚みになるようにA‐410装置を用いて塗布した後、上記表面にサンドブラスト処理を施した厚み0.1mmのSUSシートを積層した。次に樹脂モールドのガラスマスク側から実施例1と同様の条件で露光・剥離・現像処理を行った。その結果、SUSシート上にL/S=200μm/400μmでライン数10本、長さ4cmで凸部の表面に28μm角の窪み(窪み深さは10μm)が10μm間隔で並んだレリーフパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、厚み150μmの外枠状ダミーパターンを有する印刷版を作製した。なお、画像パターン部の凸部の厚みとダミーパターンの凸部の厚みは共に150μmであった。印刷版凸部表面全体(Sp)とダミーパターンの凸部表面全体(Sd)の面積比は約3.6:10であった。得られた印刷版を日本電子精機社製精密印刷機に両面テープで取り付け、インクテック社製UVインクをガラス基板に印圧100μm設定で印刷し、紫外線ランプでUVインクを硬化させた。印刷物を光学顕微鏡で観察した結果、L/Sパターン部のライン幅は中央部での10点平均で203μmであった。
厚さ3mmのガラスクロムマスク上に接着層としてテスク社製ハードコート材(A‐1964、アクリレート系)と、東京応化社製ポジ型感光性樹脂(PMER P‐LA300PM)をスピンコーターによって乾燥後膜厚が10μmになるように塗布・風乾後、110℃*6分間加熱処理を行った。次にオーク社製平行光露光装置を用いてフォトマスク側から露光し、ディップ現像を行った。その結果、ガラスクロムマスク上に、画像パターン部としてはL/S=200/400μmでライン数10本、厚み10μm、それぞれライン内に1辺長さが28μmで厚みが10μmの四角柱状の凸部が10μmの間隔で幅方向に5個、ライン方向に約1000個(4cm)並んだL/Sパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、長さ5cmダミーパターン部の雌型に相当するモールドを作製した。この樹脂モールドに信越化学社製離型剤(溶剤型)をスプレー処理した後、旭化成製ネガ型液状感光性樹脂(APR)を150μmの厚みになるようにA‐410装置を用いて塗布した後、上記表面にサンドブラスト処理を施した厚み0.1mmのSUSシートを積層した。次に樹脂モールドのガラスマスク側から実施例1と同様の条件で露光・剥離・現像処理を行った。その結果、SUSシート上にL/S=200μm/400μmでライン数10本、長さ4cmで凸部の表面に28μm角の窪み(窪み深さは10μm)が10μm間隔で並んだレリーフパターンとこれらのエリアから各々2mm離れた位置に幅2mm、厚み150μmの外枠状ダミーパターンを有する印刷版を作製した。なお、画像パターン部の凸部の厚みとダミーパターンの凸部の厚みは共に150μmであった。印刷版凸部表面全体(Sp)とダミーパターンの凸部表面全体(Sd)の面積比は約3.6:10であった。得られた印刷版を日本電子精機社製精密印刷機に両面テープで取り付け、インクテック社製UVインクをガラス基板に印圧100μm設定で印刷し、紫外線ランプでUVインクを硬化させた。印刷物を光学顕微鏡で観察した結果、L/Sパターン部のライン幅は中央部での10点平均で203μmであった。
(比較例2)
実施例2に従い、ダミーパターンに対応する雌型部のないモールドを使用し、ダミーパターンのないL/S=200/400μmの印刷版を作成した。同様に印圧100μmで印刷試験を行った結果、ライン中央部でのライン幅は10点平均で212μmであった。
実施例2に従い、ダミーパターンに対応する雌型部のないモールドを使用し、ダミーパターンのないL/S=200/400μmの印刷版を作成した。同様に印圧100μmで印刷試験を行った結果、ライン中央部でのライン幅は10点平均で212μmであった。
実施例1と比較例1とを比較すると、ダミーパターンを設けた実施例1の方がL/Sパターン部のライン幅の精度が高かった。また、実施例2と比較例2とを比較すると、同様にダミーパターンを設けた実施例2の方がL/Sパターン部のライン幅の精度が高かった。
本発明の印刷版を用いることにより、印刷機の精度が充分確保できない場合や若干の印刷条件の変動があった場合でも高精細なパターン印刷を容易に行うことが可能であり、表示パネルやプリント配線板等の高精細化に大いに寄与することができる。
1 高精細印刷版
1a 印刷版ベース
2 ダミーパターン
3 画像パターン部の凸部
4 窪み
1a 印刷版ベース
2 ダミーパターン
3 画像パターン部の凸部
4 窪み
Claims (7)
- 画像パターン部の凸部に塗布したインクを基材へ転写する凸版印刷に用いる樹脂凸版印刷版において、前記画像パターン部の凸部と同一の厚みを有するダミーパターンが設けられていることを特徴とする高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記ダミーパターンの幅が、前記画像パターン部の凸部の最小幅と同じか該最小幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記ダミーパターンが、前記画像パターン部の外側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記ダミーパターンは、前記樹脂凸版印刷版の最外周部に沿って前記画像パターン部の凸部とはつながらずに独立したパターンをなしており、かつ、前記ダミーパターンの幅が50μm以上であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記画像パターン部の凸部の印刷面の全面積(Sp)と前記ダミーパターンの凸部の先端面の全面積(Sd)との比(Sp:Sd)が10:1〜1:10であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記画像パターン部の凸部の印刷面に複数個の窪みを設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
- 前記窪みが前記画像パターン部の凸部の印刷面の全域に渡って形成されており、かつ、前記窪みが前記画像パターン部の凸部の印刷面のエッジ部にかかって形成されていないことを特徴とする請求項6に記載の高精細樹脂凸版印刷版。
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