JPH05111751A - アルミニウム合金製熱交換器の製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金製熱交換器の製造方法Info
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- JPH05111751A JPH05111751A JP3298099A JP29809991A JPH05111751A JP H05111751 A JPH05111751 A JP H05111751A JP 3298099 A JP3298099 A JP 3298099A JP 29809991 A JP29809991 A JP 29809991A JP H05111751 A JPH05111751 A JP H05111751A
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Abstract
器を製造するにあたり、ろう付け加熱終了後 150℃以下
に冷却した熱交換器を、さらに 400〜 500℃にて10分〜
30時間加熱し、その後 200℃以上 400℃未満の温度範囲
を30℃/分以上の冷却速度で冷却するアルミニウム合金
製熱交換器の製造方法。 【効果】 アルミニウム合金製熱交換器の部材の熱伝導
性、強度、耐食性が向上し、熱交換器の小型化、軽量化
が可能となる。
Description
換器の製造方法に関するものであり、さらに詳しくはろ
う付け工法により製造された熱交換器の熱効率, 強度及
び耐食性を向上させる方法に関するものである。
等に使用されるラジエーター等の熱交換器は、例えば図
1に示すように複数本の偏平チューブ(1) の間にコルゲ
ート状に加工した薄肉フィン(2) を一体に形成し、これ
ら偏平チューブ(1) の両端をヘッダー(3) とタンク(4)
とで構成される空間にそれぞれ開口させた構造であり、
一方のタンク側の空間から偏平チューブ(1) 内を通して
高温の冷媒を他方のタンク(4)側の空間に送り、チュー
ブへ(1) 及びフィン(2) の部分で熱交換させることによ
って低温となった冷媒を再び外部に循環させるものであ
る。
ダー材の材料としては、例えばJIS3003(Al−
0.15wt%Cu−1.1 wt%Mn)合金を芯材とし、該芯材
の片面には内張材としてJIS7072(Al−1wt%
Zn)合金を、他の片面にはろう付材として通常JIS
4045(Al−10wt%Si)合金等をクラッドしたブ
レージングシートを用いて上記内張材側を内側、即ち冷
媒が常時触れている側になるように構成している。また
フィン材はコルゲート加工したJIS3003合金やこ
れに犠牲効果を与える目的でZn等を含有させた材料が
用いられる。そしてこれらはろう付けにより一体に組み
立てられている。
うに、フィン(5) と冷媒通路(7)(7') を形成するブレー
ジングシートからなる通路構成シート(6)(6')を交互に
積層してこれらをろう付け接合するもので、このフィン
(5) には通常板厚が0.1mm 前後のブレージングシートが
用いられ、また通路構成シート(7)(7') には板厚 0.5mm
程度のブレージングシートが用いられている。
外部腐食から防食するため、JIS3003合金やこれ
に犠牲効果を与える目的でZn等を含有させた合金から
なるフィン材が用いられ、また冷媒通路材料としてはA
l−1wt%Mn合金にCuやZr等を必要に応じて添加
した合金を芯材とし、その表面にJIS4004(Al
−9.7 wt%Si−1.5 wt%Mg)合金やJIS4343
(Al−7.5 wt%Si)合金等のろう材をクラッドした
ものを用いている。
ンサーを示す。これは熱間又は温間で管状に押し出し成
形したチューブ(8) を蛇行状に折り曲げ、このチューブ
(8)の間にブレージングシートからなるコルゲートフィ
ン(9) を取り付けたものである。なお図中(10)はコネク
ターを示す。
上記チューブにはJIS3003合金等を用い、コルゲ
ートフィンにはJIS3003合金やこれに犠牲効果を
与える目的でZn等を含有した合金を芯材とし、その両
面にJIS4004合金やJIS4343合金等のろう
付けをクラッドしたものが用いられている。
温度に加熱してろう付けするブレージングにより組み立
てられる。このブレージング法としては真空ブレージン
グ法, フラックスブレージング法及び非腐食性フラック
スを用いたノコロックブレージング法等がある。
向にあり、そのため材料の薄肉化が望まれている。しか
し従来の材料で薄肉化を行うと、第1に材料の肉厚の減
少に伴って熱伝導性が低下してしまい熱交換器の熱効率
が低下するといった問題があった。これに対して従来フ
ィン材としてAl−Zr系合金材料等が開発されている
が、これは強度が低いという新たな問題点がある。又第
2の問題としては薄肉化により強度が不足してしまうこ
とが上げられる。これに対しては高強度合金がいくつか
提案されているが依然充分な強度の合金が得られていな
い。これは高強度合金自体の成分が上記ろう付け性や耐
食性等の観点から制約を受け、さらに製品の最終工程で
600 ℃付近まで加熱されるブレージングがあるため加工
硬化等の強度向上のメカニズムが利用できないためであ
る。
検討の結果、熱効率に優れ、高強度且つ耐食性に優れた
アルミニウム合金製熱交換器の製造方法について開発し
たものである。
ウム合金製熱交換器を製造するにあたり、ろう付け加熱
終了後 150℃以下に冷却した熱交換器を、さらに 400〜
500℃にて10分〜30時間加熱し、その後 200℃以上 400
℃未満の温度範囲を30℃/分以上の冷却速度で冷却する
ことを特徴とするものである。
象とするろう付け工法としては、JIS4004,JI
S4343,JIS4045等のろう材を用いる従来の
真空ブレージング法,フラックスブレージング法及びノ
コロックブレージング法等であればよく特に限定するも
のではない。これは本発明はろう付け加熱が完了した熱
交換器に上記の処理を施すことで熱交換器の特性を向上
させる方法であるため、それ以前のろう付け自体には無
関係であるためである。
ってはフラックス塗布等は従来通りに行えばよい。即ち
ろう付け加熱を行い、その後冷却するまでは従来の方法
で処理し、この際ろう付け性やフィンの潰れ防止等で定
められているろう付け条件は特に変更する必要はない。
よって本発明によりろう付け性等のろう付けの際に付随
する特性は悪化することはない。
説明する。本発明では上記のようにろう付け加熱終了後
150 ℃以下に冷却した熱交換器を再度加熱する。ここで
150 ℃以下に冷却した熱交換器と限定するのは、上記再
加熱処理の昇温中に析出の核なる金属間化合物を発生さ
せるためであり、150 ℃を越えた温度で再加熱を行って
も金属間化合物はほとんど発生しないからである。なお
150℃以下であれば例えば室温まで冷却した熱交換器を
用いても差し支えないことはもちろんである。
間とする。これは本発明の要点の一つであり、発明者が
熱交換器に対して再加熱を行った時の特性の変化を鋭意
検討した結果得られたものである。即ちろう付け加熱は
通常 600℃付近の温度で行われるが、その際に材料中の
合金元素はかなりの量が固溶してしまう。例えばJIS
3003合金の場合は1.0 wt%程度のMn、0.025 wt%
程度のFe及び全てのSiが固溶するまでろう付け加熱
での昇温と保持中に固溶が進行する。従来の熱交換器で
はこのように合金元素が固溶した材料を用いていたので
あるが、本発明はこのようなろう付け中に固溶した元素
を再加熱により析出させることで材料の熱伝導性を向上
させ、よって熱交換器の熱効率を向上させたのである。
即ち上記温度範囲で保持すると材料中の添加元素や不可
避的不純物として含有されている主としてMn, Fe,
Siが析出するので材料の熱伝導性が向上し、その結果
この処理を行わない場合と比較して、用いる材料合金に
より若干異なるが、熱交換効率は3%程度向上する。
体に対して実施しているので、フィンはもちろん従来熱
伝導性が考慮されていなかった冷媒通路の熱伝導性も向
上するため熱交換器としては熱効率は極めて向上する。
定したのは、 500℃を越え、また400℃未満では熱伝導
性向上に大きく寄与するMn, Fe, Si等の析出の進
行が遅く、加えて保持時間が10分未満の場合は十分な析
出量が得られないために400〜 500℃にて10分以上保持
するように定めた。また保持時間を30時間を越えて保持
しても、それ以降の析出は少なく経済性の上で劣るため
保持は30時間以内とする。この場合特に 400℃未満で保
持を行うと、冷媒通路に昇温時に生じた耐食性に有害な
析出相が加熱により再固溶しないため、耐食性が低下し
てしまう。なお上記の本発明でいう保持とは一定の温度
に保つものではなく、 400〜 500℃お温度範囲であれば
どのように変動させても構わないものである。
00℃以上 400℃未満の温度範囲の冷却を30℃/分以上の
冷却速度で行う。これは単体Si,Mg系の化合物,C
u系の化合物が析出するのを防止するためである。これ
らの化合物は 300℃付近の温度で析出しやすいが、いず
れも冷媒通路の耐食性に有害であるため、その析出を抑
えることで耐食性を向上させ、さらにこれらの元素の固
溶効果, 常温時効効果により強度を向上させるものであ
る。ここで冷却速度が30℃/分未満の場合は冷却中に上
記析出が生じて耐食性が低下し、さらに強度向上に効果
がなくなる。また冷却を行う温度範囲を 200℃以上と定
めたのはこれ未満の温度では析出速度が遅いため冷却速
度が30℃/分未満の徐冷を行ってもあまり析出が生じな
いからである。なお従来の平均的な冷却速度は10℃/分
程度であったので特性を減ずる原因となっていた。
冷,ミスト噴霧等いずれでもよく、特に定めない。
が、以下に本発明に係る熱交換器の材料として用いるア
ルミニウム合金について説明する。
合金には不可避的不純物として、Fe,Siが必ず含有
されている。しかしながら本発明では上記のようにFe
やSiを析出させるためこのような元素が含有されてい
るアルミニウム合金でも適用可能である。従って合金は
限定しないが、従来のJIS3003系合金のMnを1
wt%程度含有した合金を使用した場合、Mnの析出によ
る熱効率向上効果が顕著に現れ、またMg,Cu,Si
を添加して強度の向上を狙った材料においても、冷却速
度を規定しているためさらに強度向上が図れる。またA
l−Zr系合金の場合Zrの析出により、さらに熱効率
向上の効果がある。
響与えるものではないので従来より用いられているAl
−Si系やAl−Si−Mg系のろう材を用いればよ
く、本発明ではいかなる限定も行わない。なおフラック
ス除去や熱交換器への塗装等の工程は、本発明の後に従
来通り行えばよい。
る。 (実施例1)表1に示す組成からなる板厚0.08mmのフィ
ンA及びB(いずれもベア材)を常法により製造した。
また表2に示す組成の合金を芯材とし、その片面に表2
に示すろう材を片面10%の厚さでクラッドした厚さ0.4m
m のコイル状板材を常法により製造し、その後これら板
材を電縫管のサイズに合わせてスリッターにて幅35.0mm
の条材とした。さらにこれら条材を電縫管製造装置を用
いて幅16.0mm×厚さ2.2mm の通液管用の電縫管に加工し
て偏平チューブa及びbを製造した。また上記表2に示
す芯材合金と同一組成の合金を芯材とし、それら芯材の
片面にそれぞれJIS7072合金を片面10%の厚さで
クラッドした厚さ1mmのコイル状板材をスリッターして
幅60mmのヘッダー用プレートa及びbを製造した。即ち
表2の偏平チューブaの芯材と同一組成の芯材からなる
プレートをプレートaとし、偏平チューブbの芯材と同
一組成の芯材からなるプレートをプレートbとした。
の各部材を表4のように組合せて、図1に示すラジエー
ターを組立てこれに弗化物系フラックスの10%濃度液を
塗布し、窒素ガス中で通常の条件で加熱してろう付けし
た。そして表3に示す各温度まで冷却させた後、これを
表3に示す温度に加熱してその温度に保持し、その後室
温まで表3に示す冷却速度で冷却する再加熱・冷却条件
で処理してラジエーターを得た。得られたラジエーター
について熱効率と耐食性について調べ、表4に示した。
(自動車用冷房機試験方法)に準じて行い、それぞれ従
来法により得られたラジエーターの熱効率に対する向上
の度合いを百分率で表した。また耐食性についてはCA
SS試験を720 時間行い、チューブに発生した孔食深さ
を測定し、最大孔食深さで示した。なお耐食性は最大孔
食深さが0.1mm 以下の場合に良好であるといえる。また
ラジエーターのろう付け加熱の際及び表3で示す各条件
で再加熱・冷却した際に、それに供したラジエーターの
フィン及び偏平チューブと同一の材料を同時にろう付け
加熱及び再加熱・冷却して強度を測定し、それぞれフィ
ン材強度及びチューブ材強度として表4に併記した。
ターは熱効率の向上効果が大きく、且つ耐食性も優れて
いることが明らかである。さらに部材の強度について
は、本発明の再加熱・冷却の処理を行っても、従来法に
よるものと比較して同等もしくは優れており、従って本
発明製造方法は部材の強度に全く悪影響を与えないこと
が判る。
と、Al−0.31wt%Si−0.22wt%Fe−0.45wt%Cu
−1.21wt%Mn−0.01wt%Ti合金板材の両面にそれぞ
れ10%の厚さにJIS4004合金をクラッドした板厚
0.6mm のブレージングシートからなる通路構成シートと
を表5に示すように組み合わせて図2に示す積層型エバ
ポレーターのコアを組立て、通常の条件により真空ブレ
ージングを実施して一体とした。その後これらコアを表
3に示す再加熱・冷却条件でそれぞれ処理して積層型エ
バポレーターを得た。
施例1)と同様に熱効率と耐食性について調べ、その結
果を表5に示した。また上記コアのろう付け加熱の際及
び表3で示す各条件で再加熱・冷却した際に、それに供
したコアのフィン及びプレートと同一の材料を同時にろ
う付け加熱及び再加熱・冷却して強度を測定し、それぞ
れフィン材強度及びプレート材強度として表5に併記し
た。
レーターは熱効率及び耐食性に優れ、さらに部材強度も
従来の製造法によるものと比較して同等もしくはそれ以
上であることが明らかである。
ム合金を芯材とし、その両面に表6に示すようにJIS
4045合金ろう材又はJIS4343合金ろう材を10
%の厚さにクラッドしたブレージングシートからなるフ
ィンC(板厚0.14mm)及びD(板厚0.16mm)を製造し
た。そしてAl−0.21wt%Si−0.54wt%Fe−0.15wt
%Cu−1.11wt%Mn−0.01wt%Ti合金(JIS30
03合金)からなる板厚0.5mm の押し出し多穴チューブ
を蛇行状に曲げてこのチューブの間に上記のフィンC及
びDを取り付け、塩化物系のフラックスを塗布し、図3
に示すコンデンサーのコアを組立て通常の条件によりろ
う付けを実施した。その後これらコアを表3に示す再加
熱・冷却条件でそれぞれ処理してサーペンタインタイプ
のコンデンサーを得た。
例1)と同様に熱効率と耐食性について調べ、その結果
を表7に示した。また上記コアのろう付け加熱の際及び
表3で示す各条件で再加熱・冷却した際に、それに供し
たコアのフィン及び押し出しチューブと同一の材料を同
時にろう付け加熱及び再加熱・冷却して強度を測定し、
それぞれフィン材強度及びチューブ材強度として表7に
併記した。
デンサーは熱効率及び耐食性の双方に優れていることが
判る。さらに部材の強度においては従来法によるものと
同等もしくはそれ以上であった。
ム合金製熱交換器の部材の熱伝導性、強度、耐食性が向
上し、熱交換器の小型化、軽量化が可能となる等工業上
顕著な効果を奏するものである。
る。
視図である。
視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ろう付け工法にてアルミニウム合金製熱
交換器を製造するにあたり、ろう付け加熱終了後 150℃
以下に冷却した熱交換器を、さらに 400〜500℃にて10
分〜30時間加熱し、その後 200℃以上 400℃未満の温度
範囲を30℃/分以上の冷却速度で冷却することを特徴と
するアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3298099A JPH05111751A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
AU26146/92A AU661865B2 (en) | 1991-10-18 | 1992-10-01 | Method of producing aluminum alloy heat-exchanger |
EP92117722A EP0537764B1 (en) | 1991-10-18 | 1992-10-16 | Method of producing aluminum alloy heat-exchanger |
DE69224580T DE69224580T2 (de) | 1991-10-18 | 1992-10-16 | Verfahren zur Herstellung eines Wärmetauchers aus Aluminiumlegierung |
CA002080865A CA2080865A1 (en) | 1991-10-18 | 1992-10-19 | Method of producing aluminum alloy heat-exchanger |
US08/197,202 US5375760A (en) | 1991-10-18 | 1994-02-16 | Method of producing aluminum alloy heat-exchanger |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3298099A JPH05111751A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05111751A true JPH05111751A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=17855148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3298099A Pending JPH05111751A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05111751A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021261005A1 (ja) * | 2020-06-22 | 2021-12-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換器およびその製造方法 |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP3298099A patent/JPH05111751A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021261005A1 (ja) * | 2020-06-22 | 2021-12-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換器およびその製造方法 |
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Effective date: 20080305 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |