JPH05110609A - 直交振幅変調方式デイジタル無線装置の復調装置 - Google Patents

直交振幅変調方式デイジタル無線装置の復調装置

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JPH05110609A
JPH05110609A JP3269519A JP26951991A JPH05110609A JP H05110609 A JPH05110609 A JP H05110609A JP 3269519 A JP3269519 A JP 3269519A JP 26951991 A JP26951991 A JP 26951991A JP H05110609 A JPH05110609 A JP H05110609A
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康功 大家
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は多値直交変調方式無線装置の復調装置
に於て簡易な構成で異常同期防止を可能にする。 【構成】コスタス方式の搬送波再生ループ(CRGL)を適用
して再生搬送波と受信信号とを混合させることにより復
調ベースバンド信号を得る多値直交変調方式の無線装置
の復調装置において、復調ベースバンド信号をもとに復
調した受信データの復調アイパターンを受信データの伝
送速度の倍の速度でサンプリングし、得たデータの検出
領域からデータの捩じれを異常同期検出手段13にて検出
して異常同期を検出し、異常同期時には所定の時間、CR
GLを禁止させて選択手段7 により所定の基準信号を制御
信号として出力させ、これをCRGLが有して制御信号対応
の周波数で発振し再生搬送波を得る発振手段9 に与えて
正常同期に極近い周波数の再生搬送波を得た後、CRGNを
元に戻すことで正常同期を行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は22n(n=1,2,3,
…)値直交振幅変調方式ディジタル無線装置の復調装置
に係わり、特に当該復調装置における異常同期防止回路
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信ニーズの増大や通信技術の発
展に伴い種々の通信システムが開発されており、その中
にディジタルマイクロ波無線通信システムがある。この
種のシステムは、例えばマイクロ波からなる搬送波を直
交位相変調(QPSK;Quadrature Phase Shift Keyin
g )方式や多値直交振幅変調(多値QAM;Quadrature
Amplitude Modulation)方式を用いて変調することによ
りディジタルデータを無線伝送するもので、アナログ無
線伝送システム、有線ディジタル伝送システムに比べ
て、安価にして高品質のデータ伝送が可能である。
【0003】ここで、直交変調の代表的なものであるQ
AMを考えてみると、これは搬送波の振幅と位相の双方
を変化させる方式であり、このように2つのパラメータ
を同時に変換させることにより、より高能率な変調を実
現することができるものである。原理的には2つの直交
するAM(振幅変調)波の合成により実現するものであ
り、この結果、得られた信号をQAM波と呼ぶ。
【0004】このQAM波は最も単純で取扱い易いAM
波を基本として作られることと、位相平面上の任意の点
を符号点に選べるので、理想的な符号配置が実現できる
ことなどから多値伝送において重要な役割を果たしてい
る。2つの直交するAM波それぞれの量子化値を2値と
したもの、それ以上の多値としたものに分けられ、後者
は多値QAMと呼ばれる。
【0005】ここでQAMの基本原理について少し触れ
ておく。QAMの特徴が実際に生かされるのは16値以上
の多値伝送であるが簡単のために4値伝送を取り上げて
みる。ディジタル信号で正弦搬送波を変調する基本的な
変調方式にはアナログ変調方式と同じく振幅変調、位相
変調、周波数変調の3種があり、これらはディジタル変
調の場合、ASK(Amplitude Shift Keying; 振幅変
調)、PSK(Phase Shift Keying; 位相変調)、FS
K(Frequency Shift Keying; 周波数変調)とも呼ぶ。
一般に、搬送波の位相を表わす円周上に等間隔(2π/
n間隔)で配置したn個の符号点を用いて信号伝送を行
う方式をn相PSKと云うが、実際に用いられるのはn
=2m (但し、mは自然数)の場合であり、このとき2
値パルスm系列の伝送が可能になる。
【0006】今、2つの2相PSK(Phase Shift Keyi
ng; 位相変調)波を直角に合成すると4相PSK波が得
られるが、2相PSK波は2値ASK波によって実現で
きることから4相PSK信号をE(t) 、2つの2相PS
K信号をe1 (t) ,e2 (t)、そして、角周波数をωc
とおくと式(1) のように表わすことができる。
【0007】
【数1】 但し、ψ1 (t) 、ψ2 (t) は共に独立な2値ベースバン
ド信号(変調信号)の波形を示しており、次のようにお
く。
【0008】
【数2】 E(t) はまた、合成振幅(包絡線)と位相角を用いて次
のように書くこともできる。
【0009】
【数3】
【0010】ψ1 (t) 、ψ2 (t) はその帯域幅は無制限
ではなく、一般に帯域制限を受けているのでパルスの中
心点(サンプル時刻)以外の時刻には“1”よりも小さ
くなり、従ってE(t) の絶対値も“1”より小さくな
る。このことは図5のベクトル図で考えると、E(t) の
軌跡は正方形ABCDおよびその対角線AC,BD上を
遷移することを示しており、E(t) は純粋のPM波とは
異なるものの、サンプル時刻に限れば一定振幅の条件を
満たしているので、PSK波と看做すこともできる。こ
のE(t) のように2つの直交するAM波の合成によって
得られる信号がすなわち、QAM波である。図6(a) は
2次元位相平面上の符号配置を16値の場合について示し
たもので、格子状配置QAMである。また、図6(b) は
PSKを示す図である。
【0011】図6(a) に示すような格子状配置QAMは
SN特性が比較的良く、搬送波のsin 成分とcos 成分に
情報を乗せる直交変復調技術が適用できる。格子状配置
QAMは2つの直交したn値(通常n=2m )のAM信
号波を2波、合成することにより得られるので、n2
の符号点を持つ。
【0012】今、ψ1 (t) 、ψ2 (t) をそれぞれn値の
振幅を有するベースバンドパルス(変調信号)とし、ψ
1 (t)、ψ2 (t) それぞれの絶対値のうちの各最大値を
“1”とすると、単位振幅のQAM波の波形E(t) の一
般式は式(1) と同じものとなる。そして、E(t) が22m
の符号点を有しているものとすると、m=1のとき、4
つの符号点はいずれも原点から等距離にあり、4相PS
Kの符号配置に一致する。m=2の場合を16QAMと
呼び、m=3の場合を64QAMと呼び、m=4の場合
を256QAMと呼ぶ。QAM波については、振幅およ
び位相の双方に情報を含むと云う条件を満たすものは1
6値以上である。従って、QAM波については16QA
M以上のものを使用するが、近年のディジタル無線方式
で広く使用されている変調法は16QAMである。
【0013】このようにして多値QAMにより変調した
ディジタル無線信号を再生する場合、振幅および位相の
双方に情報を含むことから、復調は同期検波でなければ
ならない。16QAM波を例にとると、受信された搬送
波は2分岐させ、90°位相が異なる2つの基準搬送波
(QAMは直交する2つのAM波の合成によるものであ
るから、直交する2つの軸の一方をI軸、他方をQ軸と
して、I軸の位相を有する基準搬送波及びQ軸方向の位
相を有する基準搬送波の2種を使用する)で各々同期検
波する。そして、I軸及びQ軸各々の検波出力により、
16の符号のうち、どの符号が受信されたかをその識別
を行う識別器で決定し、その種類に応じて4系列の2値
のパルスを再現する。
【0014】ところで、同期検波の際の位相基準を与え
る基準搬送波を作るには代表的な方式として次のような
ものがあげられる。一つは、受信機内に独立した搬送波
発振器(通常は電圧制御発振器VCOを使用する)を設
け、この搬送波発振器の位相を一定に制御することによ
り基準搬送波を得る方式であり、二つ目としては受信信
号の一部を分岐し、これに1タイムスロット分の遅延を
与えて後続パルスに対する基準搬送波とする方式であ
る。後者の方式は遅延検波に使用する方式であり、従っ
て、一般的には前者の方式を使用する。
【0015】PSK同期検波方式では位相基準は、送ら
れてきた受信波から得なければならないが、PSKの受
信波の位相は変調により刻々変化するので、この変調分
を打ち消した一定の制御信号を電圧制御発振器に帰還す
るようにし、これによって基準となる位相を得るが、前
記変調分の影響を無くす方法の一つに周波数逓倍する方
式や逆変調方式がある。
【0016】周波数逓倍方式はベースバンド帯の復調信
号を逓倍するのでベースバンド処理形と呼ばれ、このベ
ースバンド処理形の搬送波再生回路としては、ベースバ
ンド帯で復調信号の論理演算を実行して等化的に位相の
逓倍を行い、その出力で基準発振器の位相制御を行うも
のがあり、これはコスタス(Costas)形搬送波再生回路と
も呼ばれる。
【0017】そして、一般に搬送波再生回路をコスタス
形とした場合、逆変調方式に比べ、安価で簡易な回路構
成とすることができ、経済性や低消費電力と云う点で有
利なため、広く利用される。しかしながら、このような
利点がある半面、コスタス形搬送波再生回路は低速伝送
の場合、正常な搬送波周波数と異なる周波数に安定して
しまう異常同期を生ずる不具合がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、多値QA
Mにより変調したディジタル無線信号を再生する場合、
同期検波を行うが、この同期検波には位相基準を与える
基準搬送波が必要である。そして、基準搬送波を得るた
めには搬送波再生回路を用いるが、これには受信機内に
独立した搬送波発振器(通常は電圧制御発振器VCOを
使用する)を設け、この搬送波発振器の位相を一定に制
御することにより基準搬送波を得るコスタス形と呼ばれ
る方式が利用される。そして、位相基準は送られてきた
受信波から得なければならないが、PSKの受信波の位
相は変調により刻々変化するので、この変調分を打ち消
した一定の制御信号を電圧制御発振器に帰還するように
して得るが、前記変調分の影響を無くす経済的方法の一
つに周波数を逓倍する方式がある。
【0019】周波数逓倍方式はベースバンド処理形と呼
ばれ、このベースバンド処理形の搬送波再生回路として
は、ベースバンド帯で復調信号の論理演算を実行して等
化的に位相の逓倍を行い、その出力で基準発振器の位相
制御を行うものがあり、これはコスタス形搬送波再生回
路とも呼ばれる。
【0020】そして、一般に搬送波再生回路をコスタス
形とした場合、逆変調方式に比べ、安価で簡易な回路構
成とすることができ、経済性や低消費電力と云う点で有
利なため、広く利用される。
【0021】しかし反面、搬送波再生回路をコスタス形
とした場合、低速伝送のときは正常な搬送波周波数と異
なる周波数に安定して搬送波同期が異常となる異常同期
を発生する不具合があり、また、コスタス形で上述の不
具合を解決すべく搬送波再生ループ特性を変化させると
引き込み周波数および複合変調特性が劣化する問題が生
じる。
【0022】そこで、この発明の目的とするところは、
コスタス方式において、安価にしかも伝送特性を劣化さ
せずに異常同期を防止できるようにしたディジタル無線
装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、直交振幅
変調方式ディジタル無線装置の復調に用いられるもので
あって、復調ベースバンド信号を識別してこれより位相
誤差信号を得、制御信号に応じた発振周波数で発振して
再生搬送波を得る発振手段にこの位相誤差信号を制御信
号として与え発振制御すると共に、この再生搬送波は9
0°位相差を持たせて受信信号とそれぞれ混合すること
で復調ベースバンド信号を得る復調装置において、
【0024】前記復調ベースバンド信号をもとに搬送波
同期外れを監視し、搬送波同期外れが発生すると搬送波
同期外れ警報信号を出力する監視手段と、前記復調ベー
スバンド信号をもとに復調した受信データの復調アイパ
ターンを受信データの伝送速度の倍の速度でサンプリン
グし、このサンプリングしたデータの検出領域からデー
タの捩じれを検出して異常同期を検出する異常同期検出
手段と、前記搬送波同期外れ警報信号が無く、異常同期
が検出されると所定の時間、信号を発生する異常同期防
止手段と、前記位相誤差信号と搬送波の周波数に近い基
準搬送波周波数の信号を発振するための基準信号とを受
け、通常は前記位相誤差信号を前記制御信号として選択
し、前記異常同期防止手段の発生信号を受ける間、前記
基準信号を前記制御信号として選択して前記発振手段に
与える選択手段とを具備して構成する。
【0025】
【作用】このような構成において、復調ベースバンド信
号を識別してこれより位相誤差信号を得、これを制御信
号として発振手段に与え、この発振手段により当該制御
信号に対応して発振させて再生搬送波を得、この再生搬
送波を90°位相差を持たせて受信信号とそれぞれ混合
することにより、復調ベースバンド信号を得、この復調
ベースバンド信号をもとに受信データを再生するが、こ
のとき、再生搬送波が受信信号の搬送波周波数と一致し
てないと再生した受信データは搬送波同期外れによって
正しいものとならず、データは正しく再生されないの
で、発振手段の発振周波数を制御してこれを合わせる。
しかし、伝送速度が遅い信号の場合、同期検波における
再生搬送波との同期が本来の搬送波周波数と異なる周波
数にて安定してしまう異常同期が発生することがあり、
これではデータは正しく再生されない。
【0026】従って、本装置では監視手段により前記復
調ベースバンド信号をもとに搬送波同期外れを監視し、
また、異常同期検出手段により復調ベースバンド信号を
もとに復調した受信データの復調アイパターンを受信デ
ータの伝送速度の倍の速度でサンプリングし、このサン
プリングしたデータの検出領域からデータの捩じれを検
出することにより異常同期を検出し、異常同期防止手段
は当該異常同期が検出された場合、搬送波同期外れが無
いという条件のもとで、所定の時間、信号を発生する。
選択手段は前記位相誤差信号と搬送波の周波数に近い基
準搬送波周波数の信号を発振するための基準信号とを受
け、通常は前記位相誤差信号を前記制御信号として選択
するが、前記異常同期防止手段の発生信号を受けるとそ
の間、前記基準信号を前記制御信号として選択して前記
発振手段に与える。
【0027】この結果、本来の搬送周波数と異なる周波
数の再生搬送波による同期検波状態である異常同期が生
ずると、所定時間に亙り、基準信号に基づく発振手段の
発振制御が行われ、その後に復調ベースバンド信号をも
とにした位相誤差信号にて発振手段の発振制御が行われ
るが、基準信号に基づく発振手段の発振制御は受信信号
の搬送波周波数と近似の周波数であるから、この周波数
の再生搬送波により復調系は正しい位相に極めて近い状
態にあり、この状態から位相誤差信号による同期引き込
みを開始することになるので、正しい同期を得ることが
できるようになる。
【0028】特に本発明では異常同期検出手段により復
調ベースバンド信号をもとに復調した受信データの復調
アイパターンを受信データの伝送速度の倍の速度でサン
プリングすることにより、本来のサンプリング時点の中
間点での信号の状態をチェックすることにより、復調ア
イパターンの状態で正常同期、異常同期の判定を行い、
異常同期と判定するので、簡易な手法で異常同期が検出
でき、且つ、同期外れ警報が正常同期と判定した時、搬
送波再生ループを一旦切り、正常同期に極近い周波数を
発生させた後、ループに戻すことにより正常同期を行う
ようにするので、異常同期を防止することができ、従っ
て、簡易な構成で異常同期を防止することができるよう
になる直交振幅変調方式ディジタル無線装置の復調装置
が得られる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。図1において、1は変調IF(中間周波
数)信号を入力するIF変調波入力端子、2a,2bは
ミキサであり、IF変調波入力端子1より入力された変
調IF信号をそれぞれ受けて、90゜電力分配器10の
出力と混合して出力するものである。
【0030】3はクロック再生回路、4は識別器、5は
復調論理回路、6はディジタル論理演算部、7はデータ
セレクタ、8はループフィルタ付増幅器、9は電圧制御
発振器、11は再生搬送波同期外れ監視回路、12は位
相誤差信号発生回路、13は異常同期防止回路である。
【0031】識別器4はアナログ‐ディジタル変換器
(A/D変換器)で構成され、ミキサ2a,2bよりそ
れぞれ入力された信号をディジタル信号に変換して出力
するものである。90°電力分配器10は搬送波を90
°位相差を与えて位相の異なる2系統の信号を出力する
ものであり、前記ミキサ2aには90°電力分配器10
の互いに90°異なる出力のうちの一方を、また、前記
ミキサ2bには他方が入力され、ミキサ2a,2bはこ
れらと入力端子1を介して与えられる変調IF信号とを
ミキシングした差の信号を出力する。ここで、ミキサ2
aの出力をIch出力,ミキサ2bの出力をQch出力
と呼ぶことにする。
【0032】クロック再生回路3はこのIch出力と、
Qch出力とを受けて、これらより、伝送クロック信号
を再生して出力するものであり、識別器4の一方のA/
D変換器はこのクロック再生回路3の出力するクロック
信号の2倍のクロック信号(2逓倍クロック信号)に同
期して動作してIch出力をディジタルデータに変換す
るものであり、また、識別器4の他方のA/D変換器は
クロック再生回路3の出力するクロック信号の2倍のク
ロック信号(2逓倍クロック信号)に同期して動作して
Qch出力をディジタルデータに変換するものである。
【0033】識別器4の一方のA/D変換器にはIch
系列の復調ベースバンド信号が、また、他方のA/D変
換器にはQch系列の復調ベースバンド信号がそれぞれ
与えられ、これらA/D変換器ではこのクロック信号に
同期して前記復調ベースバンド信号をディジタル信号に
変換し、Ich,Qch各々例えば3系列の識別データ
SI1 ,SI2 ,SI3 ,SQ1 ,SQ2 ,SQ3 をそれぞれ別々に
出力する構成となっている(4PSKの例)。
【0034】今、Ichを図7における直交軸のうちの
横軸、Qchを直交軸のうちの縦軸とすると、識別デー
タSI1 は直交軸I,Qで示されるデータ位相平面の第1
または第2象限にデータがあるか、第3または第4象限
にデータがあるかにより、前者では例えば“1”、後者
では“0”としてデータを出力し、また、SI2 は第1お
よび第2象限または第3および第4象限における上半分
にデータがあるか、下半分にデータがあるかで前者では
例えば“1”、後者では“0”としてデータを出力し、
SI3 はそのまた半分の領域のいずれにデータがあるかに
より、その区分でのそれぞれ上側では“1”、下側では
“0”を示し、SQ1 では第1または第4象限にデータが
ある場合は“1”、第2または第3象限にデータがある
場合は“0”としてデータを出力し、また、SQ2 では第
1および第4象限または第2および第3象限における右
半分にデータがあるか、左半分にデータがあるかで前者
では例えば“1”、後者では“0”としてデータを出力
し、SQ3 はそのまた半分の領域のいずれにデータがある
かによりその区分でのそれぞれ右側では“1”、左側で
は“0”を示すと云った区分別に分ければ、どの領域に
信号が現われているかが識別できること、そして、これ
はそれぞれI軸、Q軸の信号レベルをそれぞれ区分別対
応の分解能でA/D変換することにより得られるA/D
変換器の分解能別出力(各ビット位置の出力)に対応さ
せることができることにより、I,Qの各チャネル成分
をA/D変換器で変換したデータを識別データとして使
用する。
【0035】復調論理回路5はこれら識別データSI1 ,
SI2 ,SI3 ,SQ1 ,SQ2 ,SQ3 を受けこのデータを演算
してI,Qの各チャネル成分の復調データを得、この復
調データをディジタル論理演算部6に出力するものであ
る。なお、識別データSI1 ,SI2 ,SI3 ,SQ1 ,SQ2 ,
SQ3 は必要に応じ、SI1 ,SQ1 を第1パスの識別デー
タ、SI2 ,SQ2 を第2パスの識別データ、SI3 ,SI3 を
第3パスの識別データと呼ぶことにする。
【0036】また、データセレクタ7は同期検波におけ
る正常同期時(本来の搬送波周波数と一致する周波数の
再生搬送波により同期検波の同期がとられているている
場合)には位相誤差信号を出力し、異常同期時(本来の
搬送波周波数と異なる周波数の再生搬送波により同期検
波の同期がとられているている場合)には所定の基準バ
イアス信号を出力するものであって、異常同期防止回路
13より出力される異常同期検出信号によりこの切り替
えを行い、出力を切り換えるものである。
【0037】従って、データセレクタ7は位相誤差信号
と基準バイアス信号とを受け、異常同期検出信号を受け
る間は基準バイアス信号を選択し、異常同期検出信号が
なくなると位相誤差信号を選択して出力する構成となっ
ている。
【0038】尚、位相誤差信号は識別器4の出力する識
別データSI1 ,SI2 ,SI3 ,SQ1 ,SQ2 ,SQ3 を演算し
て搬送波位相情報を求め、これより当該搬送波位相情報
対応のレベルの電圧信号に変換することより得るもので
あり、位相誤差信号発生回路12はこのような機能を実
現している。
【0039】また、基準バイアス信号は基準電圧発生器
9aより出力される信号で、そのレベルはVCO(電圧
制御発振器)9が予め定めた基準搬送波周波数で発振で
きるような電圧レベルとしてある。ループフィルタ付直
流増幅器8はデータセレクタ7の出力する信号をレベル
増幅するものである。
【0040】また、VCO9はこのループフィルタ付直
流増幅器8より得られる搬送波位相情報対応レベルの信
号に基づき、この信号のレベルに応じた周波数の信号を
発生してこれを再生搬送波信号として90゜電力分配器
10に与えるものである。90゜電力分配器10はこの
再生搬送波信号に90°位相差を与え、この90°位相
差を与えた2つの再生搬送波信号をその一方はミキサ2
aに、また、他方はミキサ2bにそれぞれローカル信号
として入力するものである。このように90°位相差を
与えた再生搬送波信号をミキサ2a,2bにローカル信
号として入力して入力端子1からの信号と混合すること
で、搬送波を除去し、データを復調することができる。
【0041】再生搬送波同期外れ監視回路11は搬送波
の同期外れを監視し、同期外れ時に警報信号(同期外れ
警報信号)を出力するものであり、識別器4の出力を監
視することで搬送波の同期外れを監視する。
【0042】位相誤差信号発生回路12は本来の搬送波
の周波数に対する再生搬送波の周波数の位相差を示す信
号である位相誤差信号を発生する回路であり、すでに説
明したように、この位相誤差信号は識別器4の出力する
識別データSI1 ,SI2 ,SI3,SQ1 ,SQ2 ,SQ3 を演算
して搬送波位相情報を求め、これより当該搬送波位相情
報対応のレベルの電圧信号に変換することより得るもの
である。また、基準バイアス信号は基準電圧発生回路8
より得るようになっている。
【0043】また、異常同期防止回路13は同期外れ警
報信号と異常同期検出信号とを受け、同期外れ警報信号
がなく、異常同期検出信号があるときに異常同期と判断
して所定時間、異常同期検出信号を出力し、データセレ
クタ7に与えるものである。
【0044】なお、7aはデータセレクタ7の位相誤差
信号入力端子で位相誤差信号を入力する端子であり、7
bは基準バイアス信号入力端子で基準バイアス信号を入
力する端子であり、7cは搬送波再生回路制御信号出力
端子でVCO側に与える搬送波再生回路制御信号を出力
する端子である。
【0045】次に上記構成の復調系の動作を説明する。
IF変調波入力端子1より入力されるIF変調波はミキ
サ2a,2bにより検波されることにより復調ベースバ
ンド信号を得る。一方、クロック再生回路3にてクロッ
ク信号を発生し、識別器4では復調ベースバンド信号を
このクロック信号で同期を取りながらその同期タイミン
グで識別し、識別データ化する。
【0046】この識別データは復調論理回路5に与えら
れ、復調論理回路5では識別データを論理演算して、復
調データを得る。この得られた復調データはディジタル
論理演算部6でフレーム同期がとられて出力される。
【0047】また、搬送波再生系の位相誤差信号発生回
路12は識別器4より出力された識別データより、搬送
波位相誤差情報を検出し、搬送波位相誤差信号として位
相誤差信号入力端子7aよりデータセレクタ7に与え
る。データセレクタ7は正常同期時にはこの搬送波位相
誤差信号をループフィルタ付増幅器8へ送り出す。ルー
プフィルタ付増幅器8ではこの誤差情報の信号を増幅
し、電圧制御発振器9に与えるので、電圧制御発振器9
ではこの誤差情報の信号に対応した発振周波数で発振
し、これによって搬送波クロックに同期した再生搬送波
を発生する。
【0048】電圧制御発振器9からのこの再生搬送波は
90°電力分配器10に与えられ、90°電力分配器1
0ではこの再生搬送波を90°位相差を与えて搬送波を
ミキサ2a,2bのローカル入力とする。そしてミキサ
2a,2bではこのローカル入力と入力端子1からの受
信信号をミキシングし、検波する。また、再生搬送波同
期外れ監視回路11では搬送波の同期外れを監視し、同
期外れ時に警報信号を出力する。
【0049】一方、異常同期防止回路13は再生搬送波
同期外れ監視回路11からの同期外れ警報信号(搬送波
同期外れ警報信号)がなく、異常同期が検出されたとき
にのみ、出力を発生するようにして搬送波同期外れと異
常同期の誤判定を防ぐ。
【0050】このように、同期外れ警報信号がなく、す
なわち、搬送波が同期しているときに、異常同期が検知
されると、ある一定の時間、異常同期検出信号が異常同
期防止回路13より出力され、データセレクタ7のセレ
クト信号入力端子に与えられる。
【0051】上述したように、データセレクタ7は位相
誤差信号入力端子7aより入力される位相誤差信号を正
常同期時には(すなわち、異常同期検出がなされていと
きは)搬送波再生回路制御信号出力端子7cに出力し、
この位相誤差信号をループフィルタ付直流増幅器8を介
して後段の電圧制御発振器(VCO)9に与え、このV
CO9より基準搬送波を再生している。
【0052】ここで本来の搬送波周波数(搬送波クロッ
ク)と異なる周波数の再生搬送波により同期状態になる
現象である異常同期が発生し、異常同期防止回路13よ
り異常同期検出信号がデータセレクタ7のセレクト端子
に入力されると、データセレクタ7は入力の選択を基準
バイアス信号入力端子7b側に切り換えて、この基準バ
イアス信号入力端子7bより入力されている所定の基準
バイアス信号を搬送波再生回路制御信号出力端子7cよ
り出力する。そして、この基準バイアス信号をループフ
ィルタ付直流増幅器8にて増幅した後、VCO9に基準
電圧として与えるので、VCO9はこの基準バイアス信
号に対応する周波数で発振する。
【0053】前記基準バイアス信号は基準電圧発生器9
aより出力される信号で、そのレベルはVCO(電圧制
御発振器)9が基準搬送波周波数で発振できるような電
圧レベルとしてあるので、電圧制御発振器9は基準搬送
波周波数で発振する。ただし、位相誤差情報を持たない
ため、搬送波同期は外れる。
【0054】一定時間後、異常同期防止回路13より異
常同期検出信号が出力されなくなると、データセレクタ
7は入力を基準バイアス信号入力端子7b側から位相誤
差信号入力端子7a側に切り換えるので、データセレク
タ7は再び位相誤差信号入力端子7aより入力される位
相誤差信号を搬送波再生回路制御信号出力端子7cより
出力し、VCO9に与えて同期引き込みをはじめる。
【0055】同期引き込みをはじめる直前までは前述の
基準バイアス信号によって発振されていた本来の搬送波
の周波数に極近い周波数の基準搬送波により、系は動作
していたので、同期引き込み開始はこの基準搬送波の周
波数から始める。
【0056】このように、搬送波再生ループは異常同期
時、前述の基準バイアス信号によって発振された基準搬
送波に極近い周波数より同期引き込みを開始することに
なるため、異常同期にはならず、正常同期が得られるよ
うになる。
【0057】次に本発明に使用している異常同期防止回
路13の具体的な実施例を図2を参照して説明する。図
2において、4は前述の識別器であり、4a,4bは識
別器4を構成するA/D変換器であって、クロック再生
回路3の出力するクロック信号の2倍の周波数のクロッ
ク信号(2逓倍クロック信号)CLK ×2を受けて駆
動するものである。7は上述のデータセレクタであり、
位相誤差信号を入力する位相誤差信号入力端子7a、基
準バイアス信号を入力する基準バイアス信号入力端子7
b、前記増幅器8に搬送波再生回路制御信号を出力する
搬送波再生回路制御信号出力端子7bとを有している。
すなわち、このデータセレクタ7は位相誤差信号と基準
バイアス信号のうちの一方を選択して搬送波再生回路制
御信号出力端子7cに出力するための切り替えスイッチ
である。
【0058】以上は本発明による異常同期防止回路13
の周辺回路部分であり、本発明による異常同期防止回路
13は次に説明するシフトレジスタ21a,21b、論
理演算部22、AND回路23および24、マルチバイ
ブレータ25から構成されている。13aは同期外れ警
報信号の入力端子であり、再生搬送波同期外れ監視回路
11からの同期外れ警報信号が入力される。
【0059】識別器4におけるA/D変換器4aはオー
バフロー(OF)/アンダーフロー(UF)の出力端子を有して
おり、量子化の上限および下限を超える入力に対しては
オーバフロー/アンダーフローの出力を出すことができ
る。
【0060】そして、A/D変換器4aがIch(チャ
ネル)の識別データを識別するものであり、A/D変換
器4bがQchの識別データを識別するものであるとす
ると、シフトレジスタ21aはA/D変換器4aの識別
データのうち、第1パス(最上位桁)の出力SI1 を順次
シフトするものであり、シフトレジスタ21bはA/D
変換器4aの識別データのうち、オーバフロー/アンダ
ーフローの出力(OF)/(UF) を順次シフトするものであ
る。
【0061】A/D変換器4a,4bは再生クロック信
号の2逓倍クロック信号CLK ×2で駆動するもので
あり、従って、復調アイパターンのデータと、このデー
タと次のデータの時間的な中間点のでの信号の位相配置
に関係するデータが交互に得ることになる。そして、シ
フトレジスタ21aはA/D変換器4aの識別データの
うちの第1パスの出力SI1 について連続する4ビット分
を監視すべく、最下位ビットから4ビット分を出力と
し、シフトレジスタ21bはA/D変換器4aの識別デ
ータにおけるオーバフロー/アンダーフローの出力(OF)
/(UF) を3ビット分、時間的にずらした時点での識別デ
ータとして得るべく、最下位から3ビット目を出力とし
て利用する。
【0062】また、論理演算部22はQchの識別デー
タを識別するA/D変換器4bの出力(この例では第1
パス(最上位ビット出力)から第5パス(最上位から5
ビット目のビット出力)までの識別データSQ1 〜SQ5 )
を論理演算して位相平面での後述する異常同期検出領域
ANに信号が検出されたか否かにより異常同期を検出す
るものであり、異常同期を検出したとき(異常同期検出
領域ANにて信号が検出されたとき)に出力信号を発生
する。
【0063】AND回路23はこの論理演算部22の出
力信号と、シフトレジスタ21aの出力する4ビット分
の信号と、シフトレジスタ21bの出力する第3ビット
目の信号のAND論理をとるものであり、
【0064】すなわち、論理演算部22はQchの識別
データよりQchから見た異常同期検出領域ANでの信
号を検出するために設けてあり、また、シフトレジスタ
21aの出力は同期異常を監視できる条件が整っている
か(信号が確実に出現しているか)を見るために設けて
あり、シフトレジスタ21bの出力はIchから見た異
常同期検出領域ANでの信号検出の出力をタイムラグを
持たせて出力するために設けたものである。
【0065】従って、論理演算部22の出力と、シフト
レジスタ21aの出力する4ビット分の信号と、シフト
レジスタ21bの出力する第3ビット目の信号のAND
論理をAND回路23にてとることにより、異常同期を
監視できる条件が整っている状態で異常同期検出領域A
Nでの信号検出があるか否かを知ることができる。
【0066】また、AND回路24はAND回路23の
出力と搬送波同期外れ警報信号出力とのAND論理をと
るものであり、搬送波の同期外れがないとき、AND回
路24の出力を通してマルチバイブレータ25に与える
ものである。マルチバイブレータ25はこのAND回路
24の出力を受けて動作し、所定時間、信号(レベル
“L”)を発生するものである。
【0067】このマルチバイブレータ25の発生する信
号は異常同期検出時の切り替え信号として前記データセ
レクタ7のセレクト信号入力端子に与えられ、データセ
レクタ7の切り替え操作を行う。
【0068】データセレクタ7は正常時、位相誤差信号
入力端子7aより入力された位相誤差信号を搬送波再生
回路制御信号出力端子7cより出力し、後段の電圧制御
発振器(VCO)9に与えるが、マルチバイブレータ2
5より異常同期検出信号が出力されると、このデータセ
レクタ7は基準バイアス信号入力端子11より入力され
ている基準バイアスを搬送波再生回路制御信号出力端子
7cより出力する構成となっている。基準バイアス信号
は電圧制御発振器9が出力する。搬送波同期外れ警報信
号は再生搬送波同期外れ時、再生搬送波同期外れ監視回
路11から出力される警報信号である。
【0069】このような構成において、識別器4のA/
D変換器4a,4bは再生クロック信号の2逓倍クロッ
ク信号CLK ×2で駆動してミキサ2a,2bからの
信号をA/D変換している。
【0070】従って、A/D変換器4a,4bからは復
調アイパターンのデータと、このデータと次のデータの
時間的な中間点のでの信号の位相配置に関係するデータ
が交互に得ることになる。そして、シフトレジスタ21
aはA/D変換器4aの識別データのうちの第1パスの
出力SI1 について連続する4ビット分を監視すべく、最
下位ビットから4ビット分を出力とし、シフトレジスタ
21bはA/D変換器4aの識別データにおけるオーバ
フロー/アンダーフローの出力(OF)/(UF) を3ビット
分、時間的にずらした時点での識別データとして得るべ
く、最下位から3ビット目を出力をAND回路23に入
力する。
【0071】また、論理演算部22はQchの識別デー
タを識別するA/D変換器4bの出力(この例では第1
パス(最上位ビット出力)から第5パス(最上位から5
ビット目のビット出力)までの識別データSQ1 〜SQ5 )
を論理演算して位相平面での後述する異常同期検出領域
ANに信号が検出されたとき、異常同期を検出して出力
をAND回路23に入力する。従って、異常同期発生時
にAND回路23からは出力が出される。
【0072】ここで、図3に正常同期時の復調アイパタ
ーンを2逓倍クロックによりサンプリングした場合のデ
ータの中間点のコンスタレーション(位相平面)を示
す。図において、ANは異常同期検出を行うために設定
した異常同期検出領域である。また、図4は異常同期時
の復調アイパターンを2逓倍クロックによりサンプリン
グした場合のデータの中間点のコンスタレーションであ
って、ANは図3と同様、異常同期検出領域である。
【0073】直交振幅変調方式(4PSKを含む)にお
いて、搬送波により同期検波すると、同期する位相は位
相平面において常にπ/4,3π/4,5π/4,7π
/4のいずれかであり、データ間の時間的な中間点のコ
ンスタレーション(位相平面信号配置)は図3のように
なる。
【0074】これに対し、本来の搬送波周波数と異なる
周波数の搬送波に同期する異常同期が発生すると同期す
る位相がデータ毎にπ/4ずつ、またはπ/2ずつな
ど、規則的に変化するので、位相平面で信号の捩じれが
生じる。この捩じれはπ/4,π/2などデータの位相
配置と一致しているため、データ点では正常時と変わら
ないが、データと次のデータの時間的な中間点では図4
のように捩じれが発生する。従って、ここに着目して前
述した検出領域ANを設け、この領域にデータが検出さ
れるときには異常同期とし、これによって、異常同期検
出をする。
【0075】そのため、上述したようにIチャネル側の
A/D変換器4aに2逓倍クロックCLK ×2を入力
し、復調アイパターンのデータと信号点間をサンプリン
グし、そのサンプリングしたデータが異常同期検出領域
AN内で検出されたものであるか否かの仕分けQチャネ
ル側のA/D変換器4bにおける出力の第1パスから第
5パスまでの識別データSQ1 〜SQ5 を論理演算部22に
て演算処理し、またIチャネル側の識別データは第1パ
スの識別データSI1 および信号点間サンプリングをシフ
トレジスタ21a,21bでシフトし、識別データSI1
について連続する4ビット分、およびA/D変換器4a
の識別データにおけるオーバフロー/アンダーフローの
出力(OF)/(UF) の3ビットシフトした時点での信号状態
(すなわち、信号点と信号点の中間である信号点間サン
プリング)を監視することにより行う。
【0076】これらのデータをAND回路23を通すこ
とにより得られた異常同期検出信号と、搬送波の同期外
れ信号とをAND回路24で論理積をとることにより、
異常同期検出信号があって、しかも、搬送波の同期外れ
信号のないときに出力を得るようにして搬送波の同期外
れと異常同期の誤判定を防ぎ、このAND回路24の出
力にてマルチバイブレータ25を駆動し、該マルチバイ
ブレータ25より、ある一定時間、異常同期検出信号を
データセレクタ7のセレクト信号の入力端子に入力す
る。
【0077】データセレクタ7は正常時、位相誤差信号
入力端子7aより入力した位相誤差信号を搬送波再生回
路制御信号出力端子7cより出力し、増幅器8を介して
後段の電圧制御発振器(VCO)9に与えることで該電
圧制御発振器9より基準搬送波を再生している。
【0078】しかし、異常同期が発生し、異常同期防止
回路13のマルチバイブレータ25より異常同期検出信
号が出力されてセレクト信号の入力端子に入力される
と、これによって入力を切り替えてデータセレクタ7は
位相誤差信号に代えて、今度は基準バイアス信号入力端
子7bより入力されている基準バイアス信号を搬送波再
生回路制御信号出力端子7cより出力する。
【0079】この基準バイアス信号は電圧制御発振器9
に基準搬送波に近い周波数で発振させることができるよ
うなレベルに設定した基準電圧発生器9aが発生するも
ので、これにより、電圧制御発振器9は基準搬送波に近
い周波数で発振することになる。ただし、位相誤差情報
はないので、搬送波同期は外れる。
【0080】そして、一定時間後、異常同期防止回路1
3のマルチバイブレータ25は出力を停止するので、デ
ータセレクタ7は再び元の状態に切り替えられて正常に
戻り、位相誤差信号入力端子7aより入力された位相誤
差信号を搬送波再生回路制御信号出力端子7cより出力
して、同期引き込みを始める。
【0081】このとき、搬送波再生ループは前述の基準
バイアス信号によって発振されていた本来の搬送波周波
数に極近い周波数の再生搬送波を出力しており、この再
生搬送波の周波数より同期引き込みを開始するため、異
常同期にはならず、正常同期が得られる。
【0082】尚、本発明は上記し、且つ、図面に示す実
施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない
範囲内で適宜変形して実施し得るものであり、例えば、
I,Qチャネル側入れ替えたり、入れ替えた検出領域と
合わせて4カ所の領域にて異常検出するなどの方法も可
能である。
【0083】このように、搬送波再生ループは異常同期
時は電圧制御発振器に与える位相誤差信号に代えて、基
準搬送波に極近い周波数で発振させることができる基準
バイアス信号に一時的に切り替え、電圧制御発振器をこ
の基準バイアス信号により発振させて、この発振された
基準搬送波に極近い周波数より同期引き込みを開始する
ことになるため、異常同期にはならず、正常同期が得ら
れるようになる。
【0084】以上、本発明は直交振幅変調方式ディジタ
ル無線装置の復調に用いられるものであって、復調ベー
スバンド信号を識別してこれより位相誤差信号を得、制
御信号に応じた発振周波数で発振して再生搬送波を得る
発振手段にこの位相誤差信号を制御信号として与え発振
制御すると共に、この再生搬送波は90°位相差を持た
せて受信信号とそれぞれ混合することで復調ベースバン
ド信号を得る復調装置において、前記復調ベースバンド
信号をもとに搬送波同期外れを監視し、搬送波同期外れ
が発生すると搬送波同期外れ警報信号を出力する監視手
段と、前記復調ベースバンド信号をもとに復調した受信
データの復調アイパターンを受信データの伝送速度の倍
の速度でサンプリングし、このサンプリングしたデータ
の検出領域からデータの捩じれを検出して異常同期を検
出する異常同期検出手段と、前記搬送波同期外れ警報信
号が無く、異常同期が検出されると所定の時間、信号を
発生する異常同期防止手段13と、前記位相誤差信号と
搬送波の周波数に近い基準搬送波周波数の信号を発振す
るための基準信号とを受け、通常は前記位相誤差信号を
前記制御信号として選択し、前記異常同期防止手段の発
生信号を受ける間、前記基準信号を前記制御信号として
選択して前記発振手段に与える選択手段とを具備して構
成したものである。
【0085】そして、このような構成において、復調ベ
ースバンド信号を識別してこれより位相誤差信号を得、
これを制御信号として発振手段に与え、この発振手段に
より当該制御信号に対応して発振させて再生搬送波を
得、この再生搬送波を90°位相差を持たせて受信信号
とそれぞれ混合することにより、同期検波して復調ベー
スバンド信号を得、この復調ベースバンド信号をもとに
受信データを再生するが、このとき、再生搬送波が受信
信号の搬送波周波数とずれていると再生した受信データ
は搬送波同期外れによって正しいものとならないので、
発振手段の発振周波数を制御してこれを合わせる。しか
し、伝送速度が遅い信号の場合、再生搬送波が本来の搬
送波周波数と異なる周波数にて安定してしまう異常同期
が発生することがあり、これではデータは正しく再生さ
れない。
【0086】従って、本装置では監視手段により前記復
調ベースバンド信号をもとに搬送波同期外れを監視し、
また、異常同期検出手段により復調ベースバンド信号を
もとに復調した受信データの復調アイパターンを受信デ
ータの伝送速度の倍の速度でサンプリングし、このサン
プリングしたデータの検出領域からデータの捩じれを検
出することにより異常同期を検出し、異常同期防止手段
は当該異常同期が検出された場合、搬送波同期外れが無
いという条件のもとで、所定の時間、信号を発生する。
選択手段は前記位相誤差信号と搬送波の周波数に近い基
準搬送波周波数の信号を発振するための基準信号とを受
け、通常は前記位相誤差信号を前記制御信号として選択
するが、前記異常同期防止手段の発生信号を受けるとそ
の間、前記基準信号を前記制御信号として選択して前記
発振手段に与える。
【0087】この結果、本来の搬送周波数と異なる周波
数の再生搬送波による同期検波状態である異常同期が生
ずると、所定時間に亙り、基準信号に基づく発振手段の
発振制御が行われ、その後に復調ベースバンド信号をも
とにした位相誤差信号にて発振手段の発振制御が行われ
るが、基準信号に基づく発振手段の発振制御は受信信号
の搬送波周波数と近似の周波数であるから、この周波数
の再生搬送波により復調系は正しい位相に極めて近い状
態にあり、この状態から位相誤差信号による同期引き込
みを開始することになるので、正しい同期を得ることが
できるようになる。
【0088】特に本発明では異常同期検出手段により復
調ベースバンド信号をもとに復調した受信データの復調
アイパターンを受信データの伝送速度の倍の速度でサン
プリングすることにより、本来のサンプリング時点の中
間点での信号の状態をチェックすることにより、復調ア
イパターンの状態で正常同期、異常同期の判定を行い、
異常同期と判定するので、簡易な手法で異常同期が検出
でき、且つ、同期外れ警報が正常同期と判定した時、搬
送波再生ループを一旦切り、正常同期に極近い周波数を
発生させた後、ループに戻すことにより正常同期を行う
ようにするので、異常同期を防止することができ、従っ
て、簡易な構成で異常同期を防止することができるよう
になる。尚、本発明は上記し、且つ、図面に示す実施例
に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適
宜変形して実施し得るものである。
【0089】
【発明の効果】このように、本発明は所謂コスタス方式
の搬送波再生ループを適用する多値直交変調方式のディ
ジタル無線装置の復調装置において、搬送波同期外れ
と、異なる周波数の搬送波による同期状態である異常同
期とを監視することにより、正常な周波数の搬送波によ
る正常同期と異常同期との判定を行い、異常同期時、搬
送波再生ループを所定の時間、一旦禁止して予め定めた
基準信号により発振手段(電圧制御発振器)を作動さ
せ、正常同期に極近い周波数で発振させた後、搬送波再
生ループを元に戻すことにより正常同期を行うように構
成したものであり、特に復調アイパターンを再生クロッ
ク信号の2逓倍のクロックでサンプリングし、信号点の
中間での値を監視することで異常同期を検出し、また、
異常同期であることを検出して且つ、搬送波の同期外れ
は無いと判断したとき、搬送波再生回路を本来正常同期
する周波数が得られる周波数で再生搬送波を発生させ、
その後、ループを元に戻して正常同期させることで異常
同期を防止するものである。
【0090】すなわち、搬送波の同期外れは無いが異な
る周波数の搬送波による異常同期を検出すると、搬送波
再生ループに具備される発振手段(電圧制御発振器)に
一時的に基準信号を与え、正常同期に極近い周波数で搬
送波信号を発振させ、その後、ループを元に戻して同期
引き込みをさせるようにし、これによって異常同期を防
止する。
【0091】このように異常同期を検出すると、搬送波
再生ループに具備される発振手段(電圧制御発振器)に
一時的に基準信号を与え、正常同期に極近い周波数で搬
送波信号を発振させ、その後、ループを元に戻して同期
引き込みをさせると云った簡易な方法で異常同期を防止
するようにしており、また、異常同期は復調アイパター
ンを再生クロック信号の2逓倍のクロックでサンプリン
グし、信号点の中間での値を監視することで検出してい
るので、簡易な構成で、しかも、異常同期を防止するこ
とができる直交振幅変調方式ディジタル無線装置の復調
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック
図。
【図2】周辺部を含む図1の異常同期防止回路の詳細を
示す回路図。
【図3】正常同期時の復調アイパターンを2逓倍クロッ
クによりサンプリングした場合のデータの中間点のコン
スタレーション(位相平面)の図。
【図4】異常同期時の復調アイパターンを2逓倍クロッ
クによりサンプリングした場合のデータの中間点のコン
スタレーション(位相平面)の図。
【図5】2値AM信号の直交合成による4相PSK波の
説明をするための図。
【図6】QAM、PSKの位相平面配置図。
【図7】識別データの説明をするための図。
【符号の説明】
1…IF変調波入力端子、2a,2b…ミキサ、3…ク
ロック再生回路、4…識別器、4a,4b…A/D変換
器、5…復調論理回路、6…ディジタル論理演算部、7
…データセレクタ、7a…位相誤差信号入力端子、7b
…基準バイアス信号入力端子、8…ループフィルタ付増
幅器、9…電圧制御発振器、9a…基準電圧発生器、1
0…90°電力分配器、11…再生搬送波同期外れ監視
回路、12…位相誤差信号発生回路、13…異常同期防
止回路、22…論理演算部、23,24…AND回路、
25…マルチバイブレータ、23…搬送波再生回路制御
信号出力端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平間 充 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 東 芝通信システムエンジニアリング株式会社 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交振幅変調方式ディジタル無線装置の復
    調に用いられるものであって、復調ベースバンド信号を
    識別してこれより位相誤差信号を得、制御信号に応じた
    発振周波数で発振して再生搬送波を得る発振手段にこの
    位相誤差信号を制御信号として与え発振制御すると共
    に、この再生搬送波は90°位相差を持たせて受信信号
    とそれぞれ混合することで復調ベースバンド信号を得る
    復調装置において、 前記復調ベースバンド信号をもとに搬送波同期外れを監
    視し、搬送波同期外れが発生すると搬送波同期外れ警報
    信号を出力する監視手段と、 前記復調ベースバンド信号をもとに復調した受信データ
    の復調アイパターンを受信データの伝送速度の倍の速度
    でサンプリングし、このサンプリングしたデータの検出
    領域からデータの捩じれを検出して異常同期を検出する
    異常同期検出手段と、 前記搬送波同期外れ警報信号が無く、異常同期が検出さ
    れると所定の時間、信号を発生する異常同期防止手段
    と、 前記位相誤差信号と搬送波の周波数に近い基準搬送波周
    波数の信号を発振するための基準信号とを受け、通常は
    前記位相誤差信号を前記制御信号として選択し、前記異
    常同期防止手段の発生信号を受ける間、前記基準信号を
    前記制御信号として選択して前記発振手段に与える選択
    手段とを具備して構成することを特徴とする直交振幅変
    調方式ディジタル無線装置の復調装置。
JP26951991A 1991-07-31 1991-10-17 直交振幅変調方式ディジタル無線装置の復調装置 Expired - Fee Related JP3359927B2 (ja)

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