JPH05107555A - アクテイブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 このアクティブマトリクス型液晶表示装置
は、特に信号電極(13)に接続される複数の薄膜トランジ
スタを介して設けられた複数個の画素電極から成る１列
あるいは隣接する複数列の画素電極列を１グループとし
て、夫々に対向させて対向電極(61)が配置されたもので
ある。 【効果】 このアクティブマトリクス型液晶表示装置に
よれば、走査電極方向の表示品位を高めることができ、
特に大型、高精細な液晶表示装置に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各画素にスイッチング
素子として薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）が設けられたア
クティブマトリクス型液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電
力の特徴から、ＣＲＴに代わる表示装置として有力視さ
れている。

【０００３】中でも、各画素毎にスイッチング素子とし
て薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）が設けられたアクティブ
マトリクス型液晶表示装置は、クロストークのない良好
な表示が可能であることから、近年では特に注目を集め
ている。

【０００４】図４は、一般的なアクティブマトリクス型
液晶表示装置の等価回路図を示すものである。アクティ
ブマトリクス型液晶表示装置(201) は、一対の基板間に
液晶組成物(101) が挾持されて成っている。

【０００５】例えば、一方の基板は、絶縁基板上に複数
本の走査電極(13)と複数本の信号電極(15)とがマトリク
ス状に配置され、各交点部分にＴＦＴ(21)が設けられ、
このＴＦＴ(21)のソース電極に画素電極(41)が接続され
て構成されている。また、他方の基板は、絶縁基板上に
共通な対向電極(61)が設置されて構成されている。

【０００６】そして、複数本の走査電極(13)には走査電
極駆動回路(111) が、複数本の信号電極(15)には信号電
極駆動回路(121) が、更に対向電極(61)には対向電極駆
動回路(151) が接続されている。ここで、走査電極駆動
回路(111) には、走査信号Ｄ２、クロック信号ＣＬ２
が、信号電極駆動回路(121) には、直列映像信号Ｄ１、
サンプリング信号ＣＬ２が入力される。

【０００７】図５は、この様なアクティブマトリクス型
液晶表示装置のフレーム反転による一駆動方法について
説明するための図である。

【０００８】走査電極(13)に垂直走査期間Ｔｆの所定の
タイミングで走査信号電圧Ｖｇが印加されると、ＴＦＴ
(21)のソース・ドレイン間は導通状態となり、この時の
信号電極(15)の入力端に印加される信号電圧ＶｓはＴＦ
Ｔ(21)を通じ画素電極(41)に画素電圧Ｖｐとして印加さ
れる。そして、対向電極(61)の電位Ｖｃと画素電極(41)
の電位Ｖｐとの差が液晶組成物(101) に印加され、この
電位差に応じで液晶組成物(101) が光学応答する。

【０００９】液晶組成物(101) はこの電位差を次に走査
されるタイミングまで保持することにより、表示が行わ
れる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図６に示すよ
うにＴＦＴ(21)のゲート・ソース間には寄生容量Ｃｇｓ
が存在するため、走査信号電圧ＶｇがＯＦＦレベルとな
ると、画素電圧Ｖｐは次式で示されるように負側にレベ
ルシフトΔＶｐを生じる。

【００１１】 ΔＶｐ＝（Ｖgp*p＊Ｃgs）／（Ｃgs＋Ｃlc） 但し、Ｖgp*pは走査信号電圧Ｖｇの振幅、Ｃlcは液晶組
成物(101) の容量を示すものである。

【００１２】対向電極電圧Ｖｃを、垂直走査期間Ｔｆ毎
に極性反転される信号電圧Ｖｓの中央に設定すると、レ
ベルシフトΔＶｐに起因して保持される画素電圧ＶLCが
垂直走査期間Ｔｆ毎に異なり、フリッカが発生する。そ
こで、対向電極駆動回路(151) の対向電極電圧Ｖｃをレ
ベルシフトΔＶｐ分だけ負側に移動することにより、液
晶に印加される電圧を各走査期間で等しくすることが考
えられる。

【００１３】また、アクティブマトリクス型液晶表示装
置(201) は、その大型化、高精細化に伴い、走査電極(1
3)長の増加あるいは一走査電極(13)に接続されるＴＦＴ
(21)数が増加しており、このため走査電極(13)の抵抗と
容量は増加の一途をたどっている。

【００１４】このように、走査電極(13)の抵抗および容
量の増加は、図７中（ａ）に示される走査信号電圧波形
を、走査電極(13)終端側では図中（ｂ）に示される走査
信号電圧波形の如く遅延させる。

【００１５】図８に示すように走査電極(13)の終端方向
への遅延時間τｇの増加に伴い、ＴＦＴ(21)がＯＦＦ状
態とならず、リーク電流が流れ、ΔＶｐは低下するとい
ったことが起こる。このため、走査電極(13)の走査信号
電圧Ｖｇ供給側から他端方向にΔＶｐは異なり、全面に
わたり均一な表示画像が得られなくなるといったことが
おこる。

【００１６】本発明は上記した課題に鑑がみ成されたも
ので、表示画面全面にわたってフリッカのない高品質な
表示が可能なアクティブマトリクス型液晶表示装置を提
供することを目的としたものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明のアクティブマト
リクス型液晶表示装置は、絶縁基板上に走査電極駆動回
路に接続された複数本の走査電極と信号電極駆動回路に
接続される複数本の信号電極とがマトリクス状に配置さ
れ、走査電極と信号電極との交点部分に設けられた薄膜
トランジスタを介して画素電極が設置されて成る第１の
電極基板と、絶縁基板上に対向電極駆動回路に接続され
た複数本の対向電極を備えた第２の電極基板と、第１の
電極基板と第２の電極基板との間に挾持された液晶組成
物とを備えたアクティブマトリクス型液晶表示装置にお
いて、対向電極は信号電極に接続される複数の薄膜トラ
ンジスタを介して設けられた複数個の画素電極から成る
１列あるいは隣接する複数列の画素電極列を１グループ
として対向して設置され、各対向電極には夫々異なる電
圧が印加されることを特徴としたものである。

【００１８】

【作用】上述したように、本発明のアクティブマトリク
ス型液晶表示装置は、その対向電極が複数に分割されて
おり、信号電極に接続される複数の薄膜トランジスタを
介して設けられた複数個の画素電極から成る１列あるい
は隣接する複数列の画素電極列を１グループとして対向
して設置されている。そして、更に各対向電極には夫々
異なる電圧が印加可能なように構成されている。

【００１９】このような構成により、走査信号電圧Ｖｇ
の入力側の画素電極列から他端側の画素電極列へ徐々に
減少する画素電圧ＶｐのレベルシフトΔＶｐを各対向電
極電圧Ｖｃを適宜調整して各所でフリッカのない均一な
表示を行うことができる。

【００２０】

【実施例】以下に本発明のアクティブマトリクス型液晶
表示装置の一実施例について、図面を参照して詳細に説
明する。

【００２１】図１は本実施例のアクティブマトリクス型
液晶表示装置の等価回路図を、図２はこのアクティブマ
トリクス型液晶表示装置の概略展開構成図を、図３は概
略断面図を示すものである。

【００２２】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
(1) は、第１の電極基板(11)および第２の電極基板(51)
を備えており、第１の電極基板(11)と第２の電極基板(5
1)との間にはネマチック型の液晶組成物(101) が所定の
間隔で挾持されている。

【００２３】第１の電極基板(11)は、透明な絶縁基板で
あるガラス基板(10)上に４００本の走査電極Ｙｊ(j=1,
2, …,400)(13) と、６８０本の信号電極Ｘｉ(i=1,2,
…,680)(15) とがマトリクス状に配置されており、走査
電極Ｙｊ(13)と信号電極Ｘｉ(15)との交点部分には活性
層にアモルファスシリコン薄膜(23)が用いられた薄膜ト
ランジスタ（ＴＦＴ）(21)が接続されている。

【００２４】このＴＦＴ(21)は、走査電極Ｙｊ(13)に接
続されたゲート電極(21a) 、このゲート電極(21a) 上に
設置される酸化シリコン膜から成るゲート絶縁膜(24)、
ゲート絶縁膜(24)上に設置されるｉ型の水素化アモルフ
ァスシリコン薄膜（a-Si:H）(23)を備えている。更に、
この水素化アモルファスシリコン薄膜(23)とオーミック
コンタクトをとるためのドープ・アモルファスシリコン
薄膜(25)を介して信号電極Ｘｉ(15)と接続するためのア
ルミニウム（Ａｌ）から成るドレイン電極(21b) 、ＩＴ
Ｏ（Indium-Tin-Oxide）から成る画素電極(41)と接続す
るためのアルミニウム（Ａｌ）から成るソース電極(21
c) を備えて構成されている。

【００２５】そして、この上に低温キュア型のポリイミ
ドから成る配向膜(45)がラビング処理されて設置されて
おり、第１の電極基板(11)は構成されている。

【００２６】第２の電極基板(51)は、透明な絶縁基板で
あるガラス基板上(50)にＩＴＯから成る３４０本の対向
電極Ｃｋ(k=1,2, …,340)(61) が配置されており、この
上にポリイミドから成る配向膜(65)が設置されており、
第２の電極基板(51)は構成されている。

【００２７】そして、第１の電極基板(11)の走査電極Ｙ
ｊ(13)と第２の電極基板(51)の対向電極Ｃｋ(61)とは、
図２に示すように直交して配置されている。更に、一つ
の対向電極Ｃｋ(61)は、隣接する２本の信号電極Ｘｉ(1
5)に接続される画素電極(41)列を１グループとして対向
して設置され、各電極基板(11),(51) 外面には偏光板(7
1),(81) が夫々配置されている。

【００２８】また、第１の電極基板(11)の各走査電極Ｙ
ｊ(13)は走査電極駆動回路(111) に、各信号電極Ｘｉ(1
5)は信号電極駆動回路(121) に接続されている。また、
第２の電極基板(51)の各対向電極Ｃｋ(61)は対向電極駆
動回路(131) に接続されている。

【００２９】この対向電極駆動回路(131) は、各対向電
極Ｃｋ(61)に印加する対向電極電圧Ｖｃを個々に設定可
能に構成されている。

【００３０】そして、このアクティブマトリクス型液晶
表示装置(1) は、走査電極駆動回路(111) 側の対向電極
Ｃ1(61) から対向電極Ｃ340(61) に徐々に減少するレベ
ルシフトΔＶｐを解消するような個別の対向電圧Ｖｃが
印加される。即ち、走査電極駆動回路(111) 側の画素電
極(41)列に対向する対向電極Ｃ1(61) よりも走査電極駆
動回路(111) 側から遠い対向電極Ｃ340(61) には信号電
圧Ｖｓの中央との電位差が小さくなるような対向電圧Ｖ
ｃを印加すると良い。

【００３１】実際の調整方法としては、まずアクティブ
マトリクス型液晶表示装置(1) を駆動し、その光学応答
波形をフーリエ変換し周波数分解する。例えば、視覚に
ちらつきと感じさせる３０Ｈｚ成分の輝度変調度ｍを求
め、その値が最小となるように各対向電極(61)の対向電
圧Ｖｃを個々に調整する。

【００３２】次に、このアクティブマトリクス型液晶表
示装置(1) の駆動について簡単に説明する。

【００３３】信号電極駆動回路(121) には、直列映像信
号Ｄ１が入力され、この直列映像信号Ｄ１はサンプリン
グ信号ＣＬ１によって１信号電極Ｘｉ(15)分サンプリン
グされ、各信号電極Ｘｉ(15)に出力される。

【００３４】また、走査電極駆動回路(111) はシフトレ
ジスタによって構成されており、入力される走査信号Ｄ
２をクロック信号ＣＬ２のタイミングで順次各走査電極
Ｙｊ(13)にシフトさせる。

【００３５】これにより、各走査電極Ｙｊ(13)に接続さ
れる画素電極(41)に順次信号電圧Ｖｓが印加され、各対
向電極Ｃｋ(61)に印加される対向電極電圧Ｖｃと画素電
圧Ｖｐとの電位差が液晶組成物(101) に印加されて表示
が行われる。

【００３６】ここで、各対向電極Ｃｋ(61)に印加される
対向電極電圧Ｖｃは、各対向電極Ｃｋ(61)に対応する画
素電極(41)列のレベルシフトΔＶｐを各所で均一化する
ように設定されているため、走査電極Ｙｊ(13)方向への
レベルシフトΔＶｐ差に基づく表示品位の劣化を防ぐこ
とができる。

【００３７】なお、各対向電極Ｃｋ(61)の対向電極電圧
Ｖｃと、信号電圧Ｖｓの極性反転基準電圧Ｖｓｃとの差
は、走査信号電圧Ｖｇの遅延の効果を含んだ画素電極(4
1)の画素電圧ＶｐのレベルシフトΔＶｐと精度良く一致
した。

【００３８】上述した実施例のアクティブマトリクス型
液晶表示装置(1) は、対向電極Ｃｋ(61)を３４０本に分
割し、一つの対向電極Ｃｋ(61)に、２本の信号電極Ｘｉ
(15)に接続される画素電極(41)列を１グループとして対
向して設置させたが、１本の信号電極(15)に接続される
画素電極(41)を１グループとして対向させても、あるい
は１０本の信号電極(15)に接続される画素電極(41)を１
グループとして対向させても良い。

【００３９】しかし、逆に対向電極Ｃｋ(61)の本数を増
加させると、対向電極Ｃｋ(61)の抵抗の増加を招き、対
向電極電圧Ｖｃも劣化する恐れがあるが、低抵抗の材質
の対向電極Ｃｋ(61)を用いれば良い。

【００４０】また、本実施例によれば、個々の対向電極
Ｃｋ(61)の対向電極電圧Ｖｃの設定に当たり、個々に調
整したが、例えば輝度変調度ｍを１０本おきに測定し、
各間の対向電極電圧Ｖｃは補間して設定しても良く、こ
れにより調整を容易にすることができる。

【００４１】

【発明の効果】本発明のアクティブマトリクス型液晶表
示装置によれば、走査電極方向の表示品位を高めること
ができ、特に大型、高精細な液晶表示装置に有効であ
る。特に、表示画面全面にわたってフリッカのない高品
質な表示の確保も可能とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のアクティブマトリクス型液
晶表示装置の概略構成図を示すものである。

【図２】図１におけるアクティブマトリクス型液晶表示
装置の概略展開構成図を示すものである。

【図３】図１におけるアクティブマトリクス型液晶表示
装置の概略断面図を示すものである。

【図４】従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の
概略構成図を示すものである。

【図５】アクティブマトリクス型液晶表示装置の駆動波
形を示す図である。

【図６】アクティブマトリクス型液晶表示装置の一表示
画素の等価回路を示す図である。

【図７】走査信号電圧波形の劣化を示す図である。

【図８】縦軸に画素電圧ＶｐのレベルシフトΔＶｐを、
横軸に走査信号電圧波形の遅延時間をとり遅延時間τｇ
のレベルシフトΔＶｐへの影響を示した図である。

【符号の説明】

(1),(201) …アクティブマトリクス型液晶表示装置 (13)…信号電極 (15)…走査電極 (61)…対向電極

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁基板上に走査電極駆動回路に接続さ
   れた複数本の走査電極と信号電極駆動回路に接続される
   複数本の信号電極とがマトリクス状に配置され、前記走
   査電極と前記信号電極との交点部分に設けられた薄膜ト
   ランジスタを介して画素電極が設置されて成る第１の電
   極基板と、 絶縁基板上に対向電極駆動回路に接続された複数本の対
   向電極を備えた第２の電極基板と、 前記第１の電極基板と前記第２の電極基板との間に挾持
   された液晶組成物とを備えたアクティブマトリクス型液
   晶表示装置において、 前記対向電極は前記信号電極に接続される複数の前記薄
   膜トランジスタを介して設けられた複数個の前記画素電
   極から成る１列あるいは隣接する複数列の画素電極列を
   １グループとして対向して設置され、前記各対向電極に
   は夫々異なる電圧が印加されることを特徴としたアクテ
   ィブマトリクス型液晶表示装置。