JPH051069U - シール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂製パッキンの装着性を向上させる。 【構成】 シリンダー１と、このシリンダー１に摺動ま
たは揺動するピストン２との間をシールするために、こ
のピストン２に設けた溝４に収納する樹脂製パッキン
５、弾性バックリング６およびスナップリング９からな
り、前記溝４の一方の側壁７の外径を前記樹脂製パッキ
ン５の内径と同径または小径に形成し、前記溝４に樹脂
製パッキン５と、弾性バックリング６とを前記樹脂製パ
ッキン５を外側にして配設し、溝４の一方の側壁７と前
記樹脂製パッキン５および弾性バックリング６との間に
スナップリング９を配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はシール装置に関し、特に、シリンダーとピストンとの間をシールす るシール装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術および解決しようとする課題】

一般に、シリンダーとピストンとの間をシールする樹脂製パッキンおよび弾性 バックリングからなるシール装置にあっては図２に示すようなシール装置３０が 知られている。

【０００３】 このシール装置３０は、シリンダー２１内を摺動または揺動するピストン２２ に設けた溝２４に配設される環状の樹脂製パッキン２５と、この樹脂製パッキン ２５の内周側に配設される環状の弾性バックリング２６とから構成されている。 そして、この樹脂製パッキン２５および弾性バックリング２６によって、前記 シリンダー２１とピストン２２との間をシールしている。

【０００４】 しかしながら、前記樹脂製パッキン２５をピストン２２に設けた溝２４に配設 するには、前記ピストン２２の外径ｄ₀ 、ｄ₁ より小径となった内径Ｄを有する 前記樹脂製パッキン２５をピストン２２の外径ｄ₀ 、ｄ₁ に広げて装着しなけれ ばならず、前記樹脂製パッキン２５は剛性が高いため、手の力だけでは装着が困 難で、専用治具が必要である。 また、前記樹脂製パッキン２５は装着の際、ピストン２２の外径ｄ₀ 、ｄ₁ に 広げるため、前記樹脂製パッキン２５の外径はシリンダー２１の内径より大径に なるため、樹脂製パッキン２５の装着後、再度矯正をしなければならないという 問題点も有していた。

【０００５】 この考案は上記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、剛 性の高い樹脂製パッキンを専用治具等を使用することなく容易に装着できるとと もに、装着後、再度矯正する必要がないシール装置を提供することを目的とする ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案はシリンダーと、このシリンダーに摺 動または揺動するピストンとの間をシールするために、このピストンに設けた溝 に収納する樹脂製パッキン、弾性バックリングおよびスナップリングからなり、 前記溝の一方の側壁の外径を前記樹脂製パッキンの内径と同径または小径に形成 し、前記溝に樹脂製パッキンと、弾性バックリングとを前記樹脂製パッキンを外 側にして配設し、溝の一方の側壁と前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリング との間にスナップリングを配設するという手段を採用したものである。

【０００７】

【作用】

この考案は上記の手段を採用したことにより、シリンダーとピストンとの間を 樹脂製パッキンおよび弾性バックリングによってシールすることができる。 また、ピストンに設けた溝の一方の側壁の外径を前記樹脂製パッキンの内径と 同径または小径に形成することにより、前記樹脂製パッキンを溝に装着する際、 専用の治具を使用することなく容易に装着することができ、また、樹脂製パッキ ンが装着時に変形することもなくなる。 そして、前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングを装着後、前記溝の一方 の側壁と前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングとの間にスナップリングを 装着することにより、前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングが前記溝から 脱落することがない。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に示すこの考案の実施例について説明する。 図１にはこの考案によるシール装置の実施例が示されていて、このシール装置 １０はピストン２に設けた溝４に配設される環状の樹脂製パッキン５と、この樹 脂製パッキン５の内周側に配設される弾性バックリング６と、前記溝４の一方の 側壁７と前記樹脂製パッキン５および弾性バックリング６との間に配設されるス ナップリング９とで構成されている。

【０００９】 そして、前記ピストン２に設けた溝４の一方の側壁７（この実施例においては 、ピストン２のロッド３側）の外径ｄ₁ は前記樹脂製パッキン５の内径Ｄと同径 または小径に形成され、別の言い方をすると、前記シリンダー１の内周面と一方 の側壁７の外周面との間の間隙εは樹脂製パッキン５の肉厚ｔと同等または大き くなっている。

【００１０】 また、前記ピストン２の溝４に樹脂製パッキン５とこの樹脂製パッキン５の内 周側に弾性バックリング６とを装着すると、前記弾性バックリング６の内周側は 前記溝４の底面に当接するとともに、前記樹脂製パッキン５の外周面は前記シリ ンダー１の内周面に当接し、前記シリンダー１とピストン２との間がシールされ る。

【００１１】 そして、スナップリング９を一箇所割り部分を拡げて、一方の側壁７側の溝４ 内に配設すると、スナップリング９の外周面とシリンダー１の内周面との間には 僅かな間隙δ₁ が形成され、また、ピストン２の他方の側壁８の外周面とシリン ダー１の内周面との間には僅かな間隙δ₀ が形成されるようになっていて、前記 樹脂製パッキン５の肉厚ｔはこの間隙δ₀ 、δ₁ より大きくなっている。

【００１２】 なお、前記スナップリング９は、一箇所割りとなっている。 また、Ｐ₀ はピストンのヘッド側の圧力であり、Ｐ₁ はピストンのロッド側の 圧力である。

【００１３】 上記のように構成されたシール装置１０において、シリンダー１とピストン２ との間は樹脂製パッキン５および弾性バックリング６によってシールされる。 また、ピストン２に設けた溝４の一方の側壁７（この実施例においてはピスト ン２のロッド３側）の外径ｄ₁ が前記樹脂製パッキン５の内径Ｄと同径または小 径に形成されている。 別の言い方をすると、シリンダー１の内周面と一方の側壁７の外周面との間の 間隙εが樹脂製パッキン５の肉厚ｔと同等または大きくなっているため、前記樹 脂製パッキン５を溝４に装着する際、専用の治具を使用することなく容易に装着 することができ、また、樹脂製パッキン５が装着時に変形することもなくなる。

【００１４】 そして、前記樹脂製パッキン５および弾性バックリング６を装着後、前記溝４ の一方の側壁７と前記樹脂製パッキン５および弾性バックリング６との間に、ス ナップリング９が配設される。 また、前記スナップリング９の外周面とシリンダー１の内周面との間の間隙δ ₁ および他方の側壁８の外周面とシリンダー１の内周面との間の間隙δ₀ が前記 樹脂製パッキン５の肉厚ｔより小さくなっているので、スナップリング９を装着 することにより、シリンダー１内に圧力Ｐ₀ 、Ｐ₁ が加わる場合においても、前 記樹脂製パッキン５および弾性バックリング６が前記溝４から脱落することがな い。

【００１５】

【考案の効果】

この考案は前記のように構成したことにより、シリンダーとピストンとの間は 樹脂製パッキンおよび弾性バックリングによってシールすることができる。 また、ピストンに設けた溝の一方の側壁の外径を前記樹脂製パッキンの内径と 同径または小径に形成することにより、前記樹脂製パッキンを溝に装着する際、 専用の治具を使用することなく容易に装着することができ、また、樹脂製パッキ ンが装着時に変形することもなくなる。 そして、前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングを装着後、前記溝の一方 の側壁と前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングとの間にスナップリングを 装着することにより、前記樹脂製パッキンおよび弾性バックリングが前記溝から 脱落することがないというすぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案によるシール装置の実施例を示す概略
断面図である。

【図２】従来のシール装置を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１、２１……シリンダー ２、２２……ピストン ３、２３……ロッド ４、２４……溝 ５、２５……樹脂製パッキン ６、２６……弾性バックリング ７、８、２７、２８……側壁 ９……スナップリング １０、３０……シール装置

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 シリンダー（１）と、該シリンダー
   （１）に摺動または揺動するピストン（２）との間をシ
   ールするために、該ピストン（２）に設けた溝（４）に
   収納する樹脂製パッキン（５）、弾性バックリング
   （６）およびスナップリング（９）からなり、前記溝
   （４）の一方の側壁（７）の外径を前記樹脂製パッキン
   （５）の内径と同径または小径に形成し、前記溝（４）
   に樹脂製パッキン（５）と、弾性バックリング（６）と
   を前記樹脂製パッキン（５）を外側にして配設し、溝
   （４）の一方の側壁（７）と前記樹脂製パッキン（５）
   および弾性バックリング（６）との間にスナップリング
   （９）を配設することを特徴とするシール装置。