JPH05105922A - ニツケル微粉の製造法 - Google Patents

ニツケル微粉の製造法

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JPH05105922A
JPH05105922A JP29845591A JP29845591A JPH05105922A JP H05105922 A JPH05105922 A JP H05105922A JP 29845591 A JP29845591 A JP 29845591A JP 29845591 A JP29845591 A JP 29845591A JP H05105922 A JPH05105922 A JP H05105922A
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JP
Japan
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nickel
formate
anhydrous
producing
powder
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JP29845591A
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English (en)
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Toshio Hidaka
敏雄 日高
Takamasa Kawakami
殷正 川上
Akira Makinose
暁 牧之瀬
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱分解法により、形骸粒子で無いニッケル微
粉を得る。 【構成】 溶液から直接生成させた無水蟻酸ニッケル
を、非酸化性雰囲気下又は減圧下 160〜300 ℃で熱分解
させて、一次粒子径が50〜300 nm、比表面積が2〜20m2/
g、凝集粒子径が 5,000nm以下のニッケル粉を生成させ
ることを特徴とするニッケル微粉の製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一次粒子径が50〜300nm
で球状に近い形状で比表面積が 2〜20m2/g、凝集粒子径
が 5,000nm以下の粒の揃った新規なニッケル微粉の製造
法である。このニッケル微粉は塗料、ペースト、樹脂な
どの導電性フィラー、触媒、磁性合金、超硬合金のバイ
ンダー、粉末冶金などの分野において好適に使用できる
ものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル微粉の製造法としては、アトマ
イズ法、機械的粉砕、ニッケルカルボニルの熱分解、有
機酸のニッケル塩の熱分解或いはガス中蒸発法などが知
られている。アトマイズ法や機械的粉砕によるニッケル
粉は、粒子径が大きい。製造条件の制御や分別によって
よりより小さいニッケル粉が得られるようになってきて
いるが、生産性が悪く、微細化にも限度があった。
【0003】ニッケルカルボニルの熱分解や有機酸のニ
ッケル塩の熱分解では比較的微細な或いは比表面積の大
きなニッケル粉が得られるが、ニッケルカルボニルは極
めて毒性が高く、しかも爆発の危険性があり、その取扱
いに課題があった。また、通常の有機酸のニッケル塩の
熱分解では比表面積の大きなニッケル粉が得られ、触媒
として用いた場合、活性が高いものが得られるが、粒子
が不揃いで凝集性が強く、用いた原料ニッケル塩の構造
が粉体中にも残存するものであった。
【0004】また、ガス中蒸発法では、粒子の粒の揃っ
た、比較的比表面積の大きなニッケル微粉が得られる。
しかし、極めて活性の高い微粉であり、空気中での取扱
い中に発火、燃焼などが起こりやすく、また、製造設備
が高価で量産性に劣るという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はニッケル
微粉の簡便でかつ経済的で工業的規模で実施可能な方法
を鋭意検討した結果、無水蟻酸ニッケルを熱分解する方
法を見出し、本発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶
液から直接生成させた無水蟻酸ニッケルを非酸化性雰囲
気下又は減圧下 160〜300 ℃で熱分解させて、一次粒子
径が50〜300 nm、比表面積が 2〜20m2/g、凝集粒子径が
5,000nm以下のニッケル粉を生成させることを特徴とす
るニッケル微粉の製造法である。
【0007】また、本発明では該無水蟻酸ニッケルが、
炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又は酸化ニッケルである
ニッケル化合物と蟻酸又は蟻酸メチルとを反応させて得
た蟻酸ニッケルであること又は蟻酸ニッケルの蟻酸溶液
から生成させて得た無水蟻酸ニッケルであること、熱分
解を昇温速度 0.5〜20℃/minで昇温し行うことからなる
ニッケル微粉の製造法である。
【0008】以下、本発明について説明する。本発明の
無水蟻酸ニッケルとは、通常、反応液や蟻酸ニッケルの
蟻酸溶液から無水蟻酸ニッケルとして得たものであり、
結晶水を含有しない結晶構造を有する蟻酸ニッケルであ
る。蟻酸ニッケルの水和物を脱水・乾燥することにより
製造した無水蟻酸ニッケルを用いた場合、熱分解して得
られるニッケル微粉は、比表面積は大きいが、元の結晶
の構造が残った所謂『形髄粒子』となり、凝集性が強
く、凝集粒子径は通常10,000〜20,000nm程度となるので
不適当である。
【0009】上記に説明した本発明の無水蟻酸ニッケル
は、好適には(1).炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又は酸
化ニッケルであるニッケル化合物と蟻酸又は蟻酸メチル
とを反応させてなる反応液から無水蟻酸ニッケルとして
得たもの又は(2).蟻酸ニッケルの蟻酸溶液から無水蟻酸
ニッケルの結晶を生成させる方法により製造されるもの
である。また、用いる無水蟻酸ニッケル中の不純物はよ
り少ないものが好適であり、適宜、精製その他を繰り返
すなどして不純物を除去するのが良い。
【0010】無水蟻酸ニッケルの製造法の一例を示す
と、塩基性炭酸ニッケルをメタノールに分散させたスラ
リーに、過剰の蟻酸を添加した後、メタノール還流下に
反応させ、濾過し、洗浄し、乾燥する方法が挙げられ
る。
【0011】本発明では、上記に説明した無水蟻酸ニッ
ケルを非酸化性雰囲気中或いは減圧下に熱分解して製造
する。まず、熱分解温度は 160〜300 ℃の範囲、昇温速
度は 0.5〜20℃/minが好ましい。熱分解温度が 300℃を
越える場合や昇温速度が20℃/minを越える場合には、得
られたニッケル微粉の凝集性が高くなったり、粒子間の
融着が促進され、逆に、熱分解温度が 160℃未満や昇温
速度が 0.5℃/min未満では熱分解に長時間を要するので
好ましくない。
【0012】上記によるニッケル微粉は、SEM 観察(SEM
=scanning electron micrographs ;識別可能粒子径の下
限は約 10nm)によれば、通常、一次粒子径50〜300nm で
球状に近い粒子であり、凝集粒子径 5000nm 以下、比表
面積 2〜20m2/gである。
【0013】得られたニッケル微粉は、原料中に含まれ
る不純物をある程度含んだものとなる。従って、不純物
が低減されたものが要求される用途に使用する場合に
は、精製して使用するのが好適である。その例として
は、ニッケル微粉を(1).分散媒体中で適宜、高速攪拌し
て解砕処理したスラリーとし、(2).該スラリーを濾過
し、溶剤で洗浄してニッケル粉ケーキを得、(3).該ニッ
ケル粉ケーキを水素、ヒドラジンなどのガスを用いて気
相還元することが挙げられ、アルカリ金属、硫黄、ハロ
ゲン、重金属などの不純物を低減したものと出来る。
【0014】なお、空気中での安定的な取扱いのために
は予め粒子表面を極薄の酸化皮膜で被覆しておくことが
好適な方法として挙げられる。このためには、通常、酸
素を微量(1,000〜2,000 ppm)含む窒素気流で処理を施す
こと等の徐酸化(=表面に極めて薄い緻密な酸化膜を形
成する方法)を行うことが好ましい。
【0015】
【実施例】以下, 実施例などによって本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例1 塩基性炭酸ニッケル 50g に、200ml(ミリリットル) のメタノ
ールを加え、攪拌してスラリーとした。このスラリーに
88%蟻酸100g にメタノール 80ml を加えて均一にした
溶液を室温で添加した。ついでメタノールを還流させつ
つ30分間反応を行った。反応終了後、直ちに熱時濾過
し、得られたケーキを 50ml のメタノールで 3回洗浄し
た後、温度80℃で2時間減圧乾燥し、無水蟻酸ニッケル
55gを得た。
【0016】上記で得た無水蟻酸ニッケル 5g を減圧乾
燥機中に入れ、1mmHg の減圧下に、速度 2℃/minで 200
℃まで昇温し、30分間保持した。ついで室温まで冷却し
た後、窒素ガス置換し、一昼夜放置して、窒素ガス中に
含まれる微量の酸素により徐酸化処理を行った後、取り
出してニッケル微粉 2.9g を得た。このニッケル微粉
は、球状に近い形状で一次粒子径 80nm、BET 法による
比表面積は 9m2/g、レーザー方式による凝集粒子径は
2,000nmであった。
【0017】実施例2 実施例1で得た無水蟻酸ニッケル 5g を減圧乾燥機に入
れ、内部を 2回窒素ガスで置換した後、50ml/minの割合
で窒素ガスを流しながら 2℃/minで 280℃まで昇温した
後、30分間保持した。ついで室温まで冷却した後、取り
出してニッケル微粉 2.8gを得た。このニッケル微粉
は、球状に近い形状で一次粒子径 150nm、BET 法による
比表面積は 5m2/g、レーザー方式による凝集粒子径は
4,000nmであった。
【0018】比較例1 市販の蟻酸ニッケル・2水和物を良く乾燥して結晶水を
除いたもの 5g を使用する他は実施例2と同様にして、
ニッケル粉 2.8g を得た。得られたニッケル粉は、原料
の蟻酸ニッケル・2水和物の結晶構造の残った多孔質形
状であり、SEM 観察では一次粒子径の判別は困難であっ
た。BET法による比表面積は 16m2/g 、レーザー方式に
よる凝集粒子径は 24,700nm であった。
【0019】実施例3 昇温速度を18℃/minとする他は実施例1と同様にしてニ
ッケル微粉 2.7g を得た。得られたニッケル微粉は、粒
子間の融着の程度はやや大きいものであったが球状に近
い形状で一次粒子径約 200nm、BET 法による比表面積は
3.5m2/g、レーザー方式による凝集粒子径は 4,900nmで
あった。
【0020】実施例4 市販の蟻酸ニッケル・2水和物を良く乾燥して結晶水を
除いたもの 7gを熱蟻酸 400mlに溶解した。この溶液を
100℃まで昇温し、還流条件下にメタノール 100mlを添
加し、無水蟻酸ニッケルの沈殿を生成させた。この溶液
を熱時濾過し、得られたケーキを 50ml のメタノールで
洗浄した後、温度80℃で 2時間減圧乾燥し、無水蟻酸ニ
ッケル 5gを得た。
【0021】この無水蟻酸ニッケルを使用する他は実施
例1と同様にしてニッケル微粉 2.5g を得た。このニッ
ケル微粉は、球状に近い形状で一次粒子径 120nm、BET
法による比表面積は 4m2/g、レーザー方式による凝集粒
子径は 5,000nmであった。
【0022】
【発明の効果】以上、発明の詳細な説明、実施例、比較
例から明瞭なように、本発明のニッケル微粉の製造法に
よれば、従来知られていない球状に近い粒の揃った粒子
であり、一次粒子径が小さく、凝集性も小さいニッケル
微粉を製造することが可能であり、工業的に安全で、簡
便に、かつ経済的にニッケル微粉を製造可能とするもの
であり、その意義は極めて大きいものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液から直接生成させた無水蟻酸ニッケ
    ルを、非酸化性雰囲気下又は減圧下 160〜300 ℃で熱分
    解させて、一次粒子径が50〜300 nm、比表面積が 2〜20
    m2/g、凝集粒子径が 5,000nm以下のニッケル粉を生成さ
    せることを特徴とするニッケル微粉の製造法
  2. 【請求項2】 該無水蟻酸ニッケルが、炭酸ニッケル、
    水酸化ニッケル又は酸化ニッケルであるニッケル化合物
    と蟻酸又は蟻酸メチルとを反応させて得た蟻酸ニッケル
    である請求項1記載のニッケル微粉の製造法
  3. 【請求項3】 該無水蟻酸ニッケルが、蟻酸ニッケルの
    蟻酸溶液から生成させて得た蟻酸ニッケルである請求項
    1記載のニッケル微粉の製造法
  4. 【請求項4】 該熱分解を昇温速度 0.5〜20℃/minで昇
    温し行う請求項1記載のニッケル微粉の製造法
JP29845591A 1991-10-17 1991-10-17 ニツケル微粉の製造法 Pending JPH05105922A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998026889A1 (en) * 1996-12-19 1998-06-25 Tomoe Works Co., Ltd. Ultrafine particles and process for the production thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998026889A1 (en) * 1996-12-19 1998-06-25 Tomoe Works Co., Ltd. Ultrafine particles and process for the production thereof

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