JPH05105907A - 粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法 - Google Patents
粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法Info
- Publication number
- JPH05105907A JPH05105907A JP26569891A JP26569891A JPH05105907A JP H05105907 A JPH05105907 A JP H05105907A JP 26569891 A JP26569891 A JP 26569891A JP 26569891 A JP26569891 A JP 26569891A JP H05105907 A JPH05105907 A JP H05105907A
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- hot
- speed steel
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 引抜工数を著しく低減し、しかも表面欠陥の
ない光輝肌の粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法を提供す
る。 【構成】 高速度鋼の組成を有する粉末原料を圧密化
後、熱間圧延して得られた線素材を雰囲気ガス中におい
て温間引抜する工程、該線材表面の薄い酸化層をバフ研
磨等により除去する工程および中間焼鈍を含む減面率５
０％以上の冷間引抜工程からなることを特徴とする粉末
高速度鋼製ワイヤの製造方法である。
ない光輝肌の粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法を提供す
る。 【構成】 高速度鋼の組成を有する粉末原料を圧密化
後、熱間圧延して得られた線素材を雰囲気ガス中におい
て温間引抜する工程、該線材表面の薄い酸化層をバフ研
磨等により除去する工程および中間焼鈍を含む減面率５
０％以上の冷間引抜工程からなることを特徴とする粉末
高速度鋼製ワイヤの製造方法である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ用のドットワ
イヤや極細ドリル等に用いられる粉末高速度鋼製ワイヤ
の製造方法に関するものである。
イヤや極細ドリル等に用いられる粉末高速度鋼製ワイヤ
の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】本発明が対象とする用途の一つであるド
ットワイヤは、耐摩耗、強度のより高いものの要求が高
まるにつれ、ドットワイヤ材料は、従来のピアノ線、タ
ングステン線、溶製高速度工具鋼線から、粉末高速度鋼
が広く用いられる様になってきている。これらのワイヤ
の製造方法としては、５ｍｍ丸程度までの熱間圧延線素
材より、冷間引抜、焼鈍の繰返しにより直径０．５ｍｍ
以下までの伸線を行なうものであった。ＪＩＳ等で規定
されている高速度工具鋼クラスの粉末化であればこのよ
うな冷間引抜と焼鈍の繰返しにより、なんとか細いワイ
ヤが製造可能であったが、粉末高速鋼は用途上の要求特
性（特に耐摩耗性、耐食性等である）から、次第に高合
金化しており、現在では主要成分として１〜２．５％程
度のＣ、５〜１２％のＣｒ、５〜１５％のＶ、Ｗ＋２Ｍ
ｏで１１〜２２％、および必要に応じてＣｏを１〜１０
％をも含む高合金のＦｅ系の粉末高速度鋼が、プリンタ
用途、工具用途に実用化されつつある。
ットワイヤは、耐摩耗、強度のより高いものの要求が高
まるにつれ、ドットワイヤ材料は、従来のピアノ線、タ
ングステン線、溶製高速度工具鋼線から、粉末高速度鋼
が広く用いられる様になってきている。これらのワイヤ
の製造方法としては、５ｍｍ丸程度までの熱間圧延線素
材より、冷間引抜、焼鈍の繰返しにより直径０．５ｍｍ
以下までの伸線を行なうものであった。ＪＩＳ等で規定
されている高速度工具鋼クラスの粉末化であればこのよ
うな冷間引抜と焼鈍の繰返しにより、なんとか細いワイ
ヤが製造可能であったが、粉末高速鋼は用途上の要求特
性（特に耐摩耗性、耐食性等である）から、次第に高合
金化しており、現在では主要成分として１〜２．５％程
度のＣ、５〜１２％のＣｒ、５〜１５％のＶ、Ｗ＋２Ｍ
ｏで１１〜２２％、および必要に応じてＣｏを１〜１０
％をも含む高合金のＦｅ系の粉末高速度鋼が、プリンタ
用途、工具用途に実用化されつつある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】このような最近の粉末
高速度鋼ワイヤは、前述のように高合金のためにその冷
間加工性が悪く、多くの中間焼鈍が必要であり、例え
ば、減面率３０％の冷間引抜毎に中間焼鈍を行なった場
合、たとえば５ｍｍ丸の熱間圧延線素材より、０．５ｍ
ｍ丸まで１０数回もの中間焼鈍が必要となり、これらの
焼鈍、引抜に多大な工数を必要とする問題があった。し
かし、焼鈍、引抜回数の低減するために温間引抜を検討
するに当って、ワイヤの必要とする表面欠陥のない光輝
肌得るためには、温間引抜によるスケールの生成、肌荒
れが問題になるものと考えられた。本発明の目的は、温
間引抜によるスケール生成を抑制し、小寸法まで温間引
抜を行なうことにより工数を低減し、かつワイヤの必要
とする表面欠陥のない光輝肌を得るための粉末高速度鋼
製ワイヤの製造方法を提供するものである。
高速度鋼ワイヤは、前述のように高合金のためにその冷
間加工性が悪く、多くの中間焼鈍が必要であり、例え
ば、減面率３０％の冷間引抜毎に中間焼鈍を行なった場
合、たとえば５ｍｍ丸の熱間圧延線素材より、０．５ｍ
ｍ丸まで１０数回もの中間焼鈍が必要となり、これらの
焼鈍、引抜に多大な工数を必要とする問題があった。し
かし、焼鈍、引抜回数の低減するために温間引抜を検討
するに当って、ワイヤの必要とする表面欠陥のない光輝
肌得るためには、温間引抜によるスケールの生成、肌荒
れが問題になるものと考えられた。本発明の目的は、温
間引抜によるスケール生成を抑制し、小寸法まで温間引
抜を行なうことにより工数を低減し、かつワイヤの必要
とする表面欠陥のない光輝肌を得るための粉末高速度鋼
製ワイヤの製造方法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、所望の高速度
鋼組成を有する粉末原料を圧密化後、熱間圧延して得ら
れた線素材を雰囲気ガス中において温間引抜する工程、
該線材表面の薄い酸化層を除去する工程および中間焼鈍
を含む減面率５０％以上の冷間引抜工程からなることを
特徴とする粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法である。
鋼組成を有する粉末原料を圧密化後、熱間圧延して得ら
れた線素材を雰囲気ガス中において温間引抜する工程、
該線材表面の薄い酸化層を除去する工程および中間焼鈍
を含む減面率５０％以上の冷間引抜工程からなることを
特徴とする粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法である。
【０００５】
【作用】発明者は、温間引抜による加工を試みた結果、
雰囲気ガス中で温間引抜を行なうことにより、酸化皮膜
（スケール）の生成を抑制し得ることを確認し、さらに
線径が１ｍｍ以下の細線において、酸化皮膜が薄けれ
ば、軽度な酸化皮膜除去処理により簡単に処理できるこ
とを見い出した。すなわち本発明では、表面にほとんど
傷を付けない程度のバフ研磨や、酸などの軽い化学処理
で酸化皮膜が除去でき、特に前者のバフ研磨が有効であ
る。バフ研磨によるすじも、冷間引抜により表面が圧下
されることにより消えることを確認した。本発明は、温
間引抜により生じるスケール生成、肌荒れを雰囲気ガス
によって抑制することにより温間引抜を実施し、さらに
バフ研磨等の軽度な酸化皮膜除去処理により線材表面を
最小限傷つけたり、肌を荒らしたりすることなく薄い酸
化層を除去できること、および寸法、肌を仕上げるため
の冷間引抜が５０％以上で研磨によるすじが消えてしま
うことを見い出したことによる。この発明の製造方法に
より、効率の向上が図られ、かつ細いワイヤの必要とす
る表面欠陥のない光輝肌が得られるものである。本発明
で採用する雰囲気ガスは、温間加熱時の酸化を防止する
ために大気しゃ断を目的とするもので、窒素ガス、アル
ゴンガスなどの不活性ガスで温間引抜直前のワイヤ、あ
るいはさらに温間引抜ダイス周囲を保護（シール）すれ
ばよい。その保護（シール）は完全に大気をしゃ断して
しまうのが最も望ましいが、本発明の目的は次工程の酸
化皮膜除去の負担を軽減することも目的としているた
め、ワイヤの酸化皮膜除去に支障がない程度であれば若
干のシールの不完全度は許されるものである。
雰囲気ガス中で温間引抜を行なうことにより、酸化皮膜
（スケール）の生成を抑制し得ることを確認し、さらに
線径が１ｍｍ以下の細線において、酸化皮膜が薄けれ
ば、軽度な酸化皮膜除去処理により簡単に処理できるこ
とを見い出した。すなわち本発明では、表面にほとんど
傷を付けない程度のバフ研磨や、酸などの軽い化学処理
で酸化皮膜が除去でき、特に前者のバフ研磨が有効であ
る。バフ研磨によるすじも、冷間引抜により表面が圧下
されることにより消えることを確認した。本発明は、温
間引抜により生じるスケール生成、肌荒れを雰囲気ガス
によって抑制することにより温間引抜を実施し、さらに
バフ研磨等の軽度な酸化皮膜除去処理により線材表面を
最小限傷つけたり、肌を荒らしたりすることなく薄い酸
化層を除去できること、および寸法、肌を仕上げるため
の冷間引抜が５０％以上で研磨によるすじが消えてしま
うことを見い出したことによる。この発明の製造方法に
より、効率の向上が図られ、かつ細いワイヤの必要とす
る表面欠陥のない光輝肌が得られるものである。本発明
で採用する雰囲気ガスは、温間加熱時の酸化を防止する
ために大気しゃ断を目的とするもので、窒素ガス、アル
ゴンガスなどの不活性ガスで温間引抜直前のワイヤ、あ
るいはさらに温間引抜ダイス周囲を保護（シール）すれ
ばよい。その保護（シール）は完全に大気をしゃ断して
しまうのが最も望ましいが、本発明の目的は次工程の酸
化皮膜除去の負担を軽減することも目的としているた
め、ワイヤの酸化皮膜除去に支障がない程度であれば若
干のシールの不完全度は許されるものである。
【０００６】
【実施例】以下、実施例にもとづき、本発明を説明す
る。表１に示す２種の粉末高速度鋼を粉末原料から熱間
静水圧プレスにより圧密化した後、熱間圧延して得られ
た線径５．５ｍｍの線素材を皮むき加工により５．０ｍ
ｍ丸にした。その後一例を図１に示す温間引抜装置を用
い、表２に示す条件で線径が０．５ｍｍまでの温間引抜
を行ない、中間連続水素ガス焼鈍（７８０−８００℃）
を行なった。続いて図２に示す研磨用不織布ホイールを
用いた連続研磨装置により、線材表面の薄いスケールを
除去するために片肉０．０１ｍｍの研磨を行なった。そ
の後、実施例Ｎｏ．１の線材については、減面率２７％
毎に、Ｎｏ．２の線材については、減面率１０％毎に中
間連続水素ガス焼鈍（７８０−８００℃）を行ないなが
ら、０．３５ｍｍまで総減面率５０％の冷間引抜を行な
ったところ、いずれの線材も研磨によるすじの残らない
光輝肌を有するワイヤを得ることができた。
る。表１に示す２種の粉末高速度鋼を粉末原料から熱間
静水圧プレスにより圧密化した後、熱間圧延して得られ
た線径５．５ｍｍの線素材を皮むき加工により５．０ｍ
ｍ丸にした。その後一例を図１に示す温間引抜装置を用
い、表２に示す条件で線径が０．５ｍｍまでの温間引抜
を行ない、中間連続水素ガス焼鈍（７８０−８００℃）
を行なった。続いて図２に示す研磨用不織布ホイールを
用いた連続研磨装置により、線材表面の薄いスケールを
除去するために片肉０．０１ｍｍの研磨を行なった。そ
の後、実施例Ｎｏ．１の線材については、減面率２７％
毎に、Ｎｏ．２の線材については、減面率１０％毎に中
間連続水素ガス焼鈍（７８０−８００℃）を行ないなが
ら、０．３５ｍｍまで総減面率５０％の冷間引抜を行な
ったところ、いずれの線材も研磨によるすじの残らない
光輝肌を有するワイヤを得ることができた。
【０００７】
【表１】
【０００８】
【表２】
【０００９】
【発明の効果】本発明は、スケールの発生を抑制しつつ
小寸法まで温間引抜することで、著しく工数を低減する
ことができ、しかも表面欠陥のない光輝肌の粉末高速度
鋼製ワイヤの製造を可能としたものでその効果は大き
い。
小寸法まで温間引抜することで、著しく工数を低減する
ことができ、しかも表面欠陥のない光輝肌の粉末高速度
鋼製ワイヤの製造を可能としたものでその効果は大き
い。
【図１】本発明の実施例で用いた温間引抜装置の概略図
である。
である。
【図２】本発明の実施例で用いた連続研磨装置の概略図
である。
である。
１ 線材 ２ 巻出スタンド ３ 潤滑剤塗布槽 ４ 雰囲気ガス ５ 均熱パイプ ６ 加熱熱源（プロパンガス燃焼） ７ 引抜ダイス ８ 引抜張力付与用キャプスタン ９ 巻取リール １０ 研磨用不織布ホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２１Ｄ 8/06 Ｂ 7412−4Ｋ
Claims (1)
- 【請求項１】 所望の高速度鋼組成を有する粉末原料を
圧密化後、熱間圧延して得られた線素材を雰囲気ガス中
において温間引抜する工程、該線材表面の薄い酸化層を
除去する工程および中間焼鈍を含む減面率５０％以上の
冷間引抜工程からなることを特徴とする粉末高速度鋼製
ワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26569891A JPH05105907A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26569891A JPH05105907A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05105907A true JPH05105907A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17420770
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26569891A Pending JPH05105907A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 粉末高速度鋼製ワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05105907A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013144345A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Kobe Steel Ltd | 線材の製造方法および製造装置 |
| CN110819781A (zh) * | 2019-11-06 | 2020-02-21 | 东南大学 | 一种高速钢线材循环形变热处理方法 |
| CN113523011A (zh) * | 2021-07-01 | 2021-10-22 | 常熟市标准件厂有限公司 | 冷镦用线材拉拔工艺 |
| CN115341073A (zh) * | 2022-08-01 | 2022-11-15 | 江苏天工工具新材料股份有限公司 | 一种基于粉末高速钢的热处理工艺 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP26569891A patent/JPH05105907A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013144345A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Kobe Steel Ltd | 線材の製造方法および製造装置 |
| CN110819781A (zh) * | 2019-11-06 | 2020-02-21 | 东南大学 | 一种高速钢线材循环形变热处理方法 |
| CN110819781B (zh) * | 2019-11-06 | 2021-06-01 | 东南大学 | 一种高速钢线材循环形变热处理方法 |
| CN113523011A (zh) * | 2021-07-01 | 2021-10-22 | 常熟市标准件厂有限公司 | 冷镦用线材拉拔工艺 |
| CN115341073A (zh) * | 2022-08-01 | 2022-11-15 | 江苏天工工具新材料股份有限公司 | 一种基于粉末高速钢的热处理工艺 |
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