JPH0510566U

JPH0510566U - 洗面器の取付構造

Info

Publication number: JPH0510566U
Application number: JP6555091U
Authority: JP
Inventors: 幸正池田
Original assignee: 株式会社イナツクス
Priority date: 1991-07-24
Filing date: 1991-07-24
Publication date: 1993-02-12

Abstract

(57)【要約】【目的】洗面器の取付位置の調整や修繕等を簡単且つ
迅速に行うことができ、取付作業の効率化を実現する。【構成】少なくとも上記カウンターの下面と洗面器と
の間には弾力性を有する漏水防止材が介在されてなると
ともに、該漏水防止材の下面は上記洗面器に貼付されて
なる一方、該漏水防止材の上面は前記カウンターの下面
に圧接されてなる。【効果】漏水を確実に防止できるのみならず、漏水防
止材の上面はカウンターの下面に接着されていないの
で、洗面器の取付位置の微調整やカウンター又は洗面器
を取り替える等の作業も簡単且つ迅速に行うことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カウンターと洗面器とを互いに固定する洗面器の取付構造に関し、特に、カウンターの下面に取り付けられるタイプの洗面器の取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カウンターの下面に取り付けられるタイプの洗面器の取付構造は、図９に示すように、略円形状の開口部１ａが開設されてなるカウンター１の下面１ｂに、洗面器２の上縁部２ａが複数の固定具３により圧接されて固定されている。そして、図示しない水栓から上記洗面器２内に供給される湯水が上記カウンター１の下面１ｂと洗面器２の上縁部２ａとの間から外部に漏水するのを防止するために、上記カウンター１の下面１ｂと洗面器２の上縁部２ａとの間には、シリコーンゴム又はブチルゴムからなるシール剤４が塗布されている。なお、上記固定具３は、上記カウンター１の下面に接着される固定板３ａと、この固定板３ａの下面にボルト３ｂ及びナット３ｃにより該固定板３ａに固定されてなるとともに洗面器２を支持する支持金具３ｄとから構成され、この支持金具３ｄは、上記固定板３ａの裏面に接合され一端側がＬ状に折曲され垂下してなるとともに上記ボルト３ｂの軸径よりも大きな径を有する図示しない透孔が穿設されてなる平板部３ｅと、一端がこの平板部３ｅに溶接されてなるとともに他端は上記洗面器２を支持してなる支持扞３ｆとから構成されている。

【０００３】ここで、上述した構造とするための洗面器の取付作業について簡単に説明すると、先ず、上記カウンター１の裏面に上記固定具３を接着させ、次いで、上記支持金具３ｄを構成する支持扞３ｆにより上記洗面器２を支持させ、その後に、上記ナット３ｃをボルト３ｂに螺着させ、このナット３ｃの螺進に伴い徐々に上記洗面器２の上縁部２ａをカウンター１の下面１ｂ方向に移動させる。そして、この洗面器２の上縁部２ａがカウンター１の下面１ｂに完全に圧接される前、すなわち、前記カウンター１の下面１ｂと洗面器２の上縁部２ａとの間に多少の隙間が形成された時点で、上記ナット３ｃの螺進を止め、該隙間内に前述したシール剤４を注入する。そして、このシール剤４の注入が終了した後に、再び上記ナット３ｃを螺進して、上記洗面器２の上縁部２ａをカウンター１の下面１ｂに圧接させる。以上の一連の作業により上述した洗面器の取付構造となり、図示しない水栓からの湯水は、上記シール剤４により洗面器２の上縁部２ａとカウンター１の下面１ｂとの間から外部に漏水することがない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来の洗面器の取付構造では、以下に詳細に説明するように、この構造とするための作業が極めて煩雑であり、また、修繕ないしは補修する場合においても極めて作業性が悪い。すなわち、前記従来の構造とするための洗面器の取付作業では、上述のように、ナット３ｃの螺進の調整によりカウンター１の下面１ｂと洗面器２の上縁部２ａとの間に隙間を形成させ、この隙間内にシール剤４を満遍なく注入する作業を行う必要があるが、こうしたシール剤４を注入することは極めて難しいばかりではなく、注入作業の際に、該シール剤４が洗面器２の上縁部２ａから湯水が収容される洗面器２の内表面２ｂに液垂れを生じたり、或いは該シール剤４がカウンター１の開口部１ａに付着してしまい、後にこれらのシール剤４を除去せざるを得ない場合が多い。そこで、従来では、こうしたシール剤４の液垂れ等による悪影響を防止するために、上記シール剤４の注入作業の前段階において、図９中破線で示すように、上記洗面器２の内表面２ｂやカウンター１の開口部１ａに予めマスクテープ７を貼付し、シール剤４が液垂れを生じた場合であっても、シール剤４の注入作業の後にこのマスクテープ７を剥離する作業を行っているが、極めて煩雑であり迅速な取付作業を阻害することとなっている。

【０００５】また、上記カウンター１に対する洗面器２の取付位置は、一方に偏ることなく該カウンター１に形成された開口部１ａに対応した位置とする必要があり、このために、洗面器２を支持するために使用されている前記固定具３の支持金具３ｄを構成する平板部３ｅには、前述したようにボルト３ｂの軸径よりも太径となされた図示しない透孔が穿設され、この透孔を利用して洗面器２の取付位置の微調整がなされるようにされている。しかしながら、上述した従来の洗面器の取付構造では、シール剤４を注入した後における洗面器２の取付位置の微調整は、極めて困難であり、特にシール剤４としてブチルゴムを使用した場合にあっては、この微調整は不可能である。また、シリコーンゴムをシール剤４として使用した場合では、この洗面器２の取付位置の調整により該シリコーンゴムが部分的に切断されてしまう場合があり、このシール剤４の切断が原因となって後に水漏れが発生する危険性もある。

【０００６】さらに、上述した従来の洗面器の取付構造では、カウンター１や洗面器２の破損等により該カウンター１又は洗面器２のいずれか一方を取り替える場合の作業が煩雑となり短時間での修繕作業に支障を来している。すなわち、カウンター１又は洗面器２に割れや欠けが発生したり、或いは使用者の要求に応じてカウンター１や洗面器２を取り替える場合、従来の洗面器の取付構造では、該カウンター１の下面１ｂと洗面器２の上縁部２ａとの間はシール剤４が硬化していることから、該カウンター１又は洗面器２のいずれか一方を取り替えようとする場合には、ナイフ等の刃物を利用してシール剤４によるシール箇所を切断しなければならない。

【０００７】そこで、本考案は、上述した従来の洗面器の取付構造が有する課題を解決するために提案されたものであって、カウンターの下面と洗面器との間からの漏水を確実に防止することができ、さらに、カウンターに対する洗面器の取付位置の調整も簡単に行うことができるとともに、洗面器の取付作業及び該洗面器又はカウンターの取替え作業も簡単且つ迅速に行うことができる洗面器の取付構造を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した目的を達成するために提案されたものであり、カウンターの下面に洗面器が圧接されて取り付けられてなる洗面器の取付構造であって、少なくとも上記カウンターの下面と洗面器との間には圧縮可能な漏水防止材が介在されてなるとともに、該漏水防止材の下面は上記洗面器に貼付されてなる一方、該漏水防止材の上面は前記カウンターの下面に圧接されてなることを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案に係る洗面器の取付構造によれば、従来のようにカウンターの下面と洗面器との間にシール剤が注入されてなるものではなく、弾力性を有する漏水防止材が介在されてなるので、確実に漏水が防止されるのみならず、この漏水防止材は、下面が上記洗面器に貼付されてなる一方、上面は前記カウンターの下面に圧接されてなるので、洗面器の取付作業の際に行われる取付位置の微調整も簡単に行うことができるばかりではなく、該微調整の際に漏水の発生原因となる惧れもない。また、この漏水防止材の上面は上記カウンターの下面に圧接されてなるのみであって、接着されてなるものではないので、後にカウンター又は洗面器のいずれか一方を取り替える等の作業も簡単且つ迅速に行うことができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る洗面器の取付構造の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各実施例で説明するカウンター及び固定具は、前記従来のものと同様であることから、これらは従来の技術の説明で用いた符号と同一の符号を用いて説明する。

【００１１】先ず、本考案の第１の実施例に係る洗面器の取付構造について説明する。この実施例に係る構造は、図１に示すように、カウンター１の下面１ｂと洗面器１０の上縁部１０ａとの間に本考案を構成する漏水防止材としての漏水防止シート１１が介在され、上記洗面器１０は、固定具３により該洗面器１０の上縁部１０ａが間に上記漏水防止シート１１を介してカウンター１の下面１ｂに圧接されてなるものである。この漏水防止シート１１は、図２に示すように、洗面器１０の上縁部１０ａと略同一の幅を有してなるシート状となされているとともに、裏面には予め接着剤が塗布されており、内部には微細な独立気泡が多数形成されてなるものである。

【００１２】以下、この漏水防止シート１１を使用した本実施例に係る洗面器の取付構造とするための作業手順について説明する。先ず、図２に示すように、洗面器１０の上縁部１０ａ上の全体に上記漏水防止シート１１を貼付する。洗面器１０に対する漏水防止シート１１の貼付作業が終了すると、次いで、上記カウンター１の裏面に上記固定具３を構成する固定板３ａを接着し、さらに、上記支持金具３ｄを構成する支持扞３ｆにより上記洗面器１０を支持させる。そして、ナット３ｃをボルト３ｂに螺進させ、洗面器１０の上縁部１０ａを間に前記漏水防止シート１１を介在させた状態でカウンター１の下面１ｂに完全に圧接させる。この時、上記洗面器１０の上縁部１０ａ上に貼付された漏水防止シート１１は、ナット３ｃの螺進による押圧力によって徐々に圧縮され偏平となされ、最後に図１に示すように薄板状に変形される。以上の一連の作業により洗面器１０の取付作業が終了する。

【００１３】上述した構成に係る洗面器の取付構造によれば、カウンター１の下面１ｂと洗面器１０の上縁部１０ａとの間には、漏水防止シート１１が介在されてなり、この漏水防止シート１１には微細な独立気泡が多数形成されてなるので、湯水が外部に漏れることがないばかりではなく、該漏水防止シート１１は予め裏面に接着剤が塗布されてなることから、単に洗面器１０の上縁部１０ａに貼付するのみで足りる。したがって、従来のように、シール剤の液垂れ等による不都合も解消されるとともに迅速な取付作業を実現することができる。また、図１に示す洗面器１０の取付状態において、この漏水防止シート１１の上面は、ナット３ｃの螺進による洗面器１０の上昇によりカウンター１の下面１ｂに圧接されてなり、接着されてなるものではないので、ナット３ｃを螺退させれば簡単に洗面器１０の取付位置を微調整することができる。同様に、洗面器１０又はカウンター１を修繕又は取り替える際においても、ナイフ等の刃物によりカウンター１と洗面器１０との接着箇所を切断する必要もない。さらに、この構造によれば、洗面器１０の上縁部１０ａが多少変形していたり或いは凹凸がある場合であっても、上記漏水防止シート１１により該変形や凹凸を吸収することができる。

【００１４】次に、本考案の第２の実施例に係る洗面器の取付構造について図面を参照しながら説明する。この第２の実施例に係る洗面器の取付構造は、図３に示すように、洗面器２０の上縁部２０ａに段差部２０ｂが形成され、この段差部２０ｂ内に本考案を構成する漏水防止材としての漏水防止シート２１が洗面器２０により圧接された状態で配設されてなることに特徴を有するものである。この洗面器２０に形成された段差部２０ｂは、洗面器２０の上縁部２０ａの外周側に連続して形成されてなるものである。また、上記漏水防止シート２１は、前記第１の実施例で説明した漏水防止シート１１と同様の材料からなるものであり、該シート２１の厚さは、少なくとも上記洗面器２０の上縁部２０ａから段差部２０ｂまでの長さよりも厚いものとされているとともに、ナット３ｃの螺進により最大限圧縮された厚みと上記洗面器２０の上縁部２０ａから段差部２０ｂまでの長さとが略同一となるよう設定された厚みとされている。

【００１５】上述した第２の実施例に係る洗面器の取付構造によれば、前記第１の実施例に係る洗面器の取付構造と同様の作用効果を実現できるばかりでなく、図４に示すように、漏水防止シート２１を洗面器２０の段差部２０ｂに貼付する際、該漏水防止シート２１が位置ずれを生ずることがない。また、この漏水防止シート２１は、上述のようにナット３ｃの螺進により最大限圧縮された厚みと上記洗面器２０の上縁部２０ａから段差部２０ｂまでの長さとが略同一となるよう設定された厚みとなされていることから、カウンター１の下面１ａに洗面器２０が取り付けられた際、漏水防止シート２１の上面と洗面器２０の上縁部２０ａとは図３に示すように、常に面一の状態となされるので極めて安定性の良い取付構造とすることができる。

【００１６】なお、上記第２の実施例に係る洗面器の取付構造では、洗面器２０の上縁部２０ａの外周側に段差部２０ｂを形成したものを図示して説明したが、本考案に係る洗面器の取付構造は、第３の実施例に係る洗面器の取付構造として、図５に示すように、洗面器３０の上縁部３０ａに連続した凹条の溝部３０ｂを形成し、この溝部３０ｂ内に下面に接着剤が塗布されてなる漏水防止シート３１が圧縮された状態で配設されてなるものであっても良く、さらに、第４の実施例に係る洗面器の取付構造として、図６に示すように、洗面器４０の上縁部４０ａに連続した凹条の溝部４０ｂを設けるとともに、該溝部４０ｂが形成された洗面器４０の上縁部４０ａ上には、下面に上記溝部４０ｂに対応して連続する凸条部４１ａが形成され予め接着剤が塗布されてなる漏水防止シート４１が圧縮された状態で配設されてなるものであっても良い。上述した第３及び第４の実施例に係る各洗面器の取付構造による場合であっても、前記第１及び第２の実施例に係る洗面器の取付構造と同様の作用効果を実現することができる。

【００１７】また、上記各実施例に係る洗面器の取付構造では、いずれも本考案を構成する漏水防止材として、シート状のものを図示して説明したが、この漏水防止材は、このようにシート状のものに限定されず、例えば、縦断面が円形状となされた細長い漏水防止材を使用しても良い。すなわち、第５の実施例として、図７に示すように、洗面器５０の上縁部５０ａに縦断面円弧状の凹部５０ｂを形成するとともに、この凹部５０ｂ内に縦断面円形状で細長状の漏水防止材５１を貼付し、図８に示すように、この漏水防止材５１がカウンター１の下面と上記凹部５０ｂとにより圧縮された状態で配設されてなる洗面器の取付構造としても良い。

【００１８】さらに、前記各実施例に係る洗面器の取付構造では、いずれも漏水防止シート１１，２１，３１，４１又は漏水防止剤５１は予め下面に接着剤が塗布されてなるものを挙げて説明したが、本考案を構成する漏水防止材は、必ずしも予め下面に接着剤が塗布されているものを使用する必要はなく、洗面器の上縁部又は上縁部に形成された段差部の上面又は上縁部に形成された凹部内に接着剤を塗布し、この接着剤により接着されてなるものであっても良い。

【００１９】

【考案の効果】

上述した本考案の各実施例の説明からも明らかなように、本考案によれば、従来のようにカウンターの下面と洗面器との間にシール剤が注入されてなるものではなく、圧縮可能な漏水防止材が介在されてなるので、部分的に漏水する危険性が有効に解消され確実に漏水を防止することができるのみならず、この漏水防止材の下面は上記洗面器に貼付されてなる一方、該漏水防止材の上面は前記カウンターの下面に圧接されてなるので、洗面器の取付作業の際に行われる取付位置の微調整も簡単に行うことができるのみならず、該微調整が後に漏水の発生原因となる惧れもない。また、この漏水防止材の上面は上記カウンターの下面に圧接されてなるのみであって、接着されてなるものではないので、後にカウンター又は洗面器を取り替える等の作業も簡単且つ迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の第１の実施例に係る洗面器の取
付構造の要部を示す縦断面図である。

【図２】図２は図１に示す洗面器の取付構造を構成する
洗面器の上縁部に漏水防止シートを貼付する状態を示す
斜視図である。

【図３】図３は本考案の第２の実施例に係る洗面器の取
付構造の要部を示す縦断面図である。

【図４】図４は図３に示す洗面器の取付構造を構成する
洗面器の上縁部に漏水防止シートを貼付する状態を示す
斜視図である。

【図５】図５は本考案の第３の実施例に係る洗面器の取
付構造の要部を示す縦断面図である。

【図６】図６は本考案の第４の実施例に係る洗面器の取
付構造の要部を示す縦断面図である。

【図７】図７は本考案の第５の実施例に係る洗面器の取
付構造の要部を示す縦断面図である。

【図８】図８は図７に示す洗面器の取付構造を構成する
洗面器の上縁部に漏水防止材を貼付する状態を示す斜視
図である。

【図９】図９は従来の洗面器の取付構造の要部を示す縦
断面図である。

【符号の説明】

１カウンター３固定具１０洗面器１１漏水防止シート２０洗面器２１漏水防止シート３０洗面器３１漏水防止シート４０洗面器４１漏水防止シート５０洗面器５１漏水防止材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】【請求項１】カウンターの下面に洗面器が圧接さ
れて取り付けられてなる洗面器の取付構造であって、少
なくとも上記カウンターの下面と洗面器との間には圧縮
可能な漏水防止材が介在されてなるとともに、該漏水防
止材の下面は上記洗面器に貼付されてなる一方、該漏水
防止材の上面は前記カウンターの下面に圧接されてなる
ことを特徴とする洗面器の取付構造。