JPH05105106A - 可変舵角比操舵装置 - Google Patents

可変舵角比操舵装置

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JPH05105106A
JPH05105106A JP29369291A JP29369291A JPH05105106A JP H05105106 A JPH05105106 A JP H05105106A JP 29369291 A JP29369291 A JP 29369291A JP 29369291 A JP29369291 A JP 29369291A JP H05105106 A JPH05105106 A JP H05105106A
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JP
Japan
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steering
steering angle
angle ratio
ratio
vehicle speed
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JP29369291A
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English (en)
Inventor
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Shigenori Takimoto
繁規 瀧本
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低車速時の取り廻し性の向上と高車速時の操
縦安定性の向上とを両立させることができる可変舵角比
操舵装置を提供する。 【構成】 操向ハンドル10と操向車輪94との間の操
舵系に舵角比可変手段100を設け、この舵角比可変手
段100により前記操向ハンドル10の回転角と前記操
向車輪94の転舵角との比率である舵角比を変更できる
ようにした可変舵角比操舵装置において、車両の車速を
検出する車速検出手段91を設け、この車速検出手段9
1により検出された車速に基づき前記舵角比可変手段1
00を制御し、車速が大きい高車速時には前記舵角比を
小さく、車速が小さい低車速時には前記舵角比を大きく
するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は操向ハンドルの回転角
に対する操向車輪の転舵角の割合、すなわち舵角比を変
更可能な可変舵角比操舵装置に係り、詳しくは、舵角比
を車速に応じ高車速時に小さくなるように制御する操舵
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両にあっては、舵角比が車両の取り回
し性、直進安定性および操舵フィーリング等に大きな影
響を与えることが知られ、舵角比を変更できる可変舵角
比操舵装置が装着される。従来、この種の可変舵角比操
舵装置としては、ステアリングギア機構のギア比を操舵
角に応じ変え、このギア比の変化で舵角比を変えるもの
が実用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、操舵装
置にあっては、一般に、舵角比の変更による改善効果も
車両の走行状態と密接に関連し、走行状態によっては最
適な操舵フィーリングを得られないことがあった。すな
わち、例えば、低速での車庫入れ時等には大きな舵角比
が求められるが、高速走行時に舵角比を大きくすること
は求められず、車両の走行状態によって求められる舵角
比が異なるという事情があった。本願発明は、上記事情
に鑑みてなされたもので、車両の走行状態に応じて適正
な舵角比を設定できる可変舵角比操舵装置を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明は、操向ハンドルと操向車輪との間の操舵
系に舵角比可変手段を設け、この舵角比可変手段により
前記操向ハンドルの回転角と前記操向車輪の転舵角との
割合である舵角比を変更できるようにした可変舵角比操
舵装置において、車両の車速を検出する車速検出手段を
設け、この車速検出手段により検出された車速に基づき
前記舵角比可変手段を制御し、車速が大きい高車速時に
は舵角比を小さく、車速が小さい低車速時には舵角比を
大きくするように構成した。
【0005】
【作用】この発明にかかる可変舵角比操舵装置は、高速
走行時には舵角比が小さくなるため高い操縦安定性を得
て操舵フィーリングの改善も図れ、また、低速時には舵
角比が大きくなるため車両の取り廻しが容易となる。
【0006】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図10はこの発明の一実施例にかかる
可変舵角比操舵装置を示し、図1が全体断面図、図2が
図1の2−2矢視断面図、図3が図1の3−3矢視断面
図、図4が制御系の回路ブロック図、図5が制御ブロッ
ク図、図6、図7、図8および図9が制御処理を表わす
フローチャート、図10a,b,cが制御処理に用いる
データテーブルである。
【0007】図1および図2において、11は図示しな
い車体に取り付けられたケースであり、ケース11には
図中上下にステアリング軸12が支持される。ステアリ
ング軸12は、ケース11の上下端で軸受13,14に
よって回転自在に支持され、図中上端が外部に突出して
操向ハンドル10と連結される。
【0008】ステアリング軸12にはケース11内部で
ねじ部12aが形成され、このねじ部12aにボールナ
ット15が多数のボール16を介し相対回転可能に螺合
している。ボールナット15は変換ナット部材17に軸
受21,22によって回転自在に抱持され、ボール16
はボールナット15とステアリング軸12との相対回転
でボールナット15に形成された循環孔を経て循環す
る。
【0009】ボールナット15にはピン18が径方向外
方に向けて植設され、このピン18が変換ナット部材1
7を径方向に貫通してスライダ19と係合する。スライ
ダ19は、ケース11の一側にステアリング軸12の軸
方向に形成された溝内にステアリング軸12の軸方向摺
動自在に嵌合し、ボールナット15の軸方向運動のみを
許容して回転運動を禁止する。上述したねじ部12a、
ボールナット15、ボール16およびスライダ19等が
双方向の動力伝達を許容するボールスクリュ機構20を
構成し、周知のように、ボールスクリュ機構20はねじ
部12aの回転とボールナット15の軸方向変位とが対
応する。
【0010】変換ナット部材17は、ステアリング軸1
2が遊挿する中空状を成し、ケース11内に軸方向運動
自在かつ回動可能に収容されている。変換ナット部材1
7の外周部には、図中下側に溝17aが軸方向に形成さ
れ、また、この溝17aの図中上方にアーム部23が一
体に突設されている。この変換ナット部材17は、溝1
7aに複数のボール24が転動自在に嵌入しボール24
を介しウォームホイール25と一体回動かつ軸方向相対
変位可能に結合し、また、アーム部23がレバー部材2
6と係合している。
【0011】レバー部材26は、図3に明示されるよう
に、軸部30と円筒部31とを一体に形成してなり、円
筒部31に係合孔26aが形成され、軸部30がケース
11に軸受27,28によってステアリング軸12と直
角な軸廻りの回動自在に支持される(回動中心C、図2
参照)。このレバー部材26には、円筒部31の係合孔
26aに変換ナット部材17が挿通し、軸部30に第1
のギア29が固設されている。なお、図2では変換ナッ
ト部材17等についてステアリング軸12の中心線を境
として異なる作動状態の2つの位置を表わしている。
【0012】レバー部材26の係合孔26aには内周面
に変換ナット部材17の軸方向両側で多数のボールを2
列に配置した軸受32が設けられ、この軸受32の内輪
に球面軸受33が枢動自在に取り付けられている。図3
に明示されるように、球面軸受33には変換ナット部材
17のアーム部23の先端が係合し、変換ナット部材1
7は、軸受32によりアーム部23の先端を係合孔26
aの内周面に沿わせた回動が許容され、また、球面軸受
33によってレバー部材26を軸部30廻りに回動させ
て軸方向移動が許容される。
【0013】また、図1に明示されるように、レバー部
材26には軸受32を介して円筒部31に第1のギア2
9が一体回転可能に固設され、この第1のギア29が中
間軸34に設けられた第2のギア34aと噛合する。中
間軸34にはピニオン35が第2のギア34aと同軸か
つ一体に設けられ、ピニオン35はラック軸36のラッ
ク36aに噛合している。図中明示しないが、ラック軸
36は両端がタイロッド等を介して操向車輪94のナッ
クルアーム等に連結している。これらピニオン35およ
びラック36は周知のラックアンドピニオン式のステア
リングギア機構70を構成する。
【0014】前述したウォームホイール25は、図2に
明示されるように、変換ナット部材17が同軸的に挿通
する中空筒状を成し、ケース11内図中下部に軸受3
7,38で回転自在に支持される。ウォームホイール2
5は、内周部に転動溝25aが形成され、この転動溝2
5aに前述したボール24が転動可能に嵌合して変換ナ
ット部材17と軸方向相対変位可能かつ一体回転可能に
結合する。
【0015】また、このウォームホイール25は、外周
部に被動ギア25bとセンサ用ギア25cとが設けら
れ、被動ギア25bがウォーム39と噛合してウォーム
ギア機構51を構成し、センサ用ギア25cにアイドラ
ギア66を介し舵角比センサ43の検知ギア64が噛合
する。ウォーム39はケース11に軸受92,93で回
転自在に支持され、かつ、上述のウォームギア機構51
を介し電動モータ40に連結して駆動される。電動モー
タ40は、回転軸をステアリング軸12と直角な方向に
延在させてケース11に固定され、コントローラ410
に結線される。
【0016】上述したボールスクリュ機構20、レバー
部材26および電動モータ40等がこの実施例における
舵角比可変手段100を構成する。この舵角比可変手段
100は、ステアリング軸12とラックアンドピニオン
式のステアリングギア機構70との間に介在してステア
リング軸12の回転運動、すなわち操向ハンドル10の
運動をステアリングギア機構70に可逆的に伝達する。
そして、この舵角比可変手段100は、変換ナット部材
17を電動モータ40により駆動して回動させ、レバー
部材26の揺動中心Cから変換ナット部材17のアーム
部23とレバー部材26との係合部までの距離を変えて
伝達比、すなわち舵角比を変更する。なお、この舵角比
可変手段100の詳細は本出願人が先に提出した特願平
3−25553号に記載されているため、その説明は簡
略している。
【0017】舵角比センサ43は、図2に示されるよう
に、固設されたナット部材63にコア部60aを有する
コア部材60がステアリング軸12と平行に軸方向変位
可能に螺合し、このコア部材60の軸方向変位を差動ト
ランス61で検出する。コア部材60は、上述の検知ギ
ア64が固設されて検知ギア64の回転により軸方向に
変位し、その位置がウォームホイール25の回転角度、
すなわち舵角比を表わす。
【0018】差動トランス61は、詳細な説明は割愛す
るが、一次コイル、二次コイルおよび補償用の三次コイ
ル等を有し、これらコイルがコントローラ410に結線
される。この差動トランス61は、一次コイルに交番電
流を印加し、コア部材60の位置に応じて二次コイルに
誘起される電圧を出力する。周知のように、この差動ト
ランス61は、出力電圧がコア部材60の軸方向変位、
すなわち舵角比を表す。
【0019】コントローラ410は、図4に示すよう
に、制御ユニット411、駆動ユニット412およびド
ライバ413を有する。制御ユニット411は、ワンチ
ップマイコン等から構成され、上述の舵角比センサ43
の差動トランス61および車速センサ91が接続する。
この制御ユニット411は、車速センサ91から車速を
表わす検知信号が、差動トランス61から舵角比を表わ
す検知信号が入力し、これらの検知信号を演算処理して
制御信号を駆動ユニット412に出力する。
【0020】駆動ユニット412は、昇圧回路等を包含
し、制御ユニット411が出力する制御信号に基づいた
デューティファクタのPWM信号をドライバ413に出
力する。ドライバ413は、4つの電界効果型トランジ
スタ(FET)Q1〜Q4をブリッジ状に結線して構成
され、これらFETのゲートが駆動ユニット412に接
続される。このドライバ413は、FETQ1,Q3の
ドレインが電源にリレー414を介し接続され、FET
Q2,Q4のソースが接地され、FETQ1,Q2のソ
ース・ドレイン接続部とFETQ3,Q4のソース・ド
レイン接続部との間に電動モータ40が接続される。
【0021】この実施例の可変舵角比操舵装置にあって
は、電動モータ40により変換ナット部材17を回動さ
せ、この変換ナット部材17のアーム部23とレバー部
材26との係合部の揺動中心Cからの距離、すなわち腕
の長さを変える。このため、この腕の長さに応じ変換ナ
ット部材17の直線運動とレバー部材26の揺動運動と
の比率が変化し、操向ハンドル10の運動とラック36
との運動との伝達比率、すなわち舵角比が腕の長さに応
じた値に設定される。
【0022】そして、この可変舵角比操舵装置にあって
は、図5の制御ブロック図に示すプログラムに従い電動
モータ40を駆動して舵角比を制御する。同図に示すよ
うに、車速Vを基礎として換算される目標舵角比Rtか
ら検出された舵角比(実舵角比)Rfを減算して舵角比
偏差ΔRを算出し、また、実舵角比Rfから舵角比変化
速度Nfを算出する。この舵角比偏差ΔRからはさらに
所定の伝達関数で換算して目標回転速度Ntを算出する
とともに、この目標速度Ntと実回転速度Nfとの偏差
ΔNを算出し、この偏差ΔNから電動モータ40に通電
する電流のデューティファクタDを決定する。
【0023】そして、偏差ΔRの正負から回転方向を計
算し、また、偏差ΔRから通常制御モードとブレーキ制
御モードとの切換を行い、上述のデューティファクタD
の電流を回転方向および制御モードに応じ電動モータ4
0を制御する。ここで、後述するように、通常制御モー
ドにおいてはデューティファクタDの電流を通電する
が、ブレーキモードにおいては電動モータ40のコイル
を短絡して発電制動あるいは回生制動等の電気制動を行
い、舵角比を制御する。
【0024】具体的には、この実施例の可変舵角比操舵
装置は、図6、図7、図8および図9に示す処理をコン
トローラ410において実行し、舵角比を制御する。図
6に示す処理は周期T0で実行され、また、図7の処理
は周期T1、図8の処理は周期T2にてそれぞれタイマ
割り込みで実行され、図9に示す処理は外部割り込みに
て実行される。ただし、上述の周期T0、T1、T2は
下記の不等式を充足する。 T0<T1<T2
【0025】先ず、図6の処理について説明すると、イ
グニッションキーによりエンジンを始動し、バッテリ電
圧が供給されると制御が開始され(ステップP1)、ス
テップP2で初期値設定等のイニシャライズを行い、次
のステップP3で各センサの出力信号から車速等の各種
のデータを読み込む。そして、ステップP4において各
センサおよびコントローラ等の故障診断を行う。詳細な
説明は割愛するが、この故障診断においてはセンサ等が
故障と診断されると以降の処理を中止する。
【0026】次に、ステップP5では舵角比センサ43
の検知信号から実舵角比Rfを読み込み、ステップP6
で舵角比センサ43の故障診断を行う。この故障診断に
おいても舵角比センサ43が故障と判定されると故障フ
ラグ等を立てて以後の処理を中止する。
【0027】続くステップP7においては、今回ルーチ
ンの実行で読み込んだ実舵角比Rfから前回のルーチン
の実行で読み込んだ実舵角比Rfoを減算し、ルーチン
の1実行周期における実舵角比Rfの変化、すなわち舵
角比変化速度と対応する実回転速度Nfを求める。そし
て、ステップP8で実回転速度Nfを絶対値化し、ステ
ップP9でこの実回転速度Nfと目標回転速度Ntとの
速度偏差ΔNを求める。後に詳述するように、この目標
回転速度Ntはタイマ割り込みにより割り込みルーチン
1を実行して求める。
【0028】ステップP10においては速度偏差ΔNの
正負を判別し、速度偏差ΔNが正であれば直接にステッ
プP12の処理を実行し、速度偏差ΔNが0あるいは負
であればステップP11において速度偏差ΔNを0とし
た後にステップP12の処理を行う。ステップP12で
は、速度偏差ΔNをアドレスとしてデータテーブル1に
よりデューティファクタDをマップ検索する。データテ
ーブル1は図10aに示すように、上限値が規定される
一次関数的特性を有する。
【0029】続いて、ステップP13ではフラグαの値
を判別して通常制御とブレーキ制御との切換を行う。こ
のステップP13ではフラグαが0で通常制御、フラグ
αが1でブレーキ制御を行う。後述するように、このフ
ラグαは、舵角比偏差ΔRと対応し、舵角比偏差ΔRが
正で0、舵角比偏差ΔRが0あるいは負で1に設定され
る。
【0030】次のステップP14において出力処理、す
なわち電動モータ40にデューティファクタDの電流を
通電する。この出力処理においては、通常制御モードの
時電動モータ40への通電電流がデューティファクタD
で与えられ、かつ、ブレーキ制御モードの時デューティ
ファクタDは0であり電動モータ40を電気制動する。
【0031】また、割り込みルーチン1は、図7に示す
ように、ステップP2で目標舵角比Rtと実舵角比Rf
との舵角比偏差ΔRを算出する。なお、後述するよう
に、目標舵角比Rtはタイマ割り込みにより割り込みル
ーチン2を実行して求められる。次に、ステップP2で
舵角比偏差ΔRの正負を判別し、舵角比偏差ΔRが正で
あればステップP4においてフラグαを0に設定し、舵
角比偏差ΔRが0あるいは負であればステップP5で舵
角比偏差ΔRを正値化した後にステップP6でフラグα
を1に設定する。前述したように、フラグαは制御モー
ドの判断の基礎とされる。
【0032】続いて、ステップP7において、データテ
ーブル2を用いて舵角比偏差ΔRをアドレスとして目標
回転速度Ntをマップ検索する。データテーブル2は図
10bに示すように一次関数的な特性で舵角比偏差ΔR
が小さい所定の領域で目標回転速度Ntが0の不感帯を
有する。なお、前述したように、目標回転速度Ntは図
6のフローチャートでデューティファクタD決定の基礎
として用いられる。
【0033】一方、割り込みルーチン2は、図8に示す
ように、車速Vsをアドレスとしてデータテーブル3か
ら目標舵角比Rtをマップ検索する。データテーブル3
は、図10cに示すように、低車速域で一定値、かつ、
高車速になるにしたがい0に漸近する特性として規定さ
れる。そして、車速Vsは外部割り込みにより図9に示
す割り込みルーチン4を実行して算出される。
【0034】上述のように、この実施例は、車速Vsか
ら目標舵角比Rtを求め、この目標舵角比Rtと実舵角
比Rfとの偏差ΔRから目標回転速度Ntを決定し、こ
の目標回転速度Ntと実回転速度Nfとの速度偏差ΔN
に基づき電動モータ40への通電電流値Dを決定する。
そして、目標舵角比Rtは高車速域で0に漸近する特性
として決定されるため、舵角比は高車速域で小さくなる
車速感応特性に制御され、低車速域で大きく、高車速域
で小さくなる。したがって、低車速時の取り回し性を向
上させ、しかも、高車速域における操縦安定性を向上で
きる。
【0035】図11、図12および図13にはこの発明
の他の実施例にかかる可変舵角比操舵装置を示し、図1
1が機械部分の断面図、図12が図11の11−11矢
視断面図、図13が図11の13−13矢視断面図であ
る。なお、以下の説明では、上述した実施例と同一の部
分には同一の番号を付して説明を省略し、また、制御系
の構成が同一であるためその図示も省略する。
【0036】この実施例は、操向車輪94をラックアン
ドピニオン式のステアリングギア機構70で転舵し、こ
のステアリングギア機構70と操向ハンドル10との間
に前述した実施例のボールスクリュ機構20と他の1つ
のボールスクリュ機構71を直列に介設して構成され
る。これらボールスクリュ機構20,71は、レバー部
材72で連結され、舵角比可変手段100を構成する。
【0037】操向ハンドル10側の第1のボールスクリ
ュ機構20は、前述した実施例と同様に、ステアリング
軸12に形成されたねじ部12aにボールナット15が
多数のボール16を介し螺合し、このボールナット15
が変換ナット部材17に抱持される。変換ナット部材1
7は、ウォームギア機構51等を介し電動モータ40に
連結し、また、アーム部23が軸受32,33を介しレ
バー部材72に係合する。
【0038】また同様に、他方のボールスクリュ機構7
1は、図13に詳示されるように、出力軸73に形成さ
れたねじ部73aにボールナット74が多数のボール7
5を介し螺合する。出力軸73は、ケース11に軸受7
6で回転自在に支持され、ケース11外に突出した端部
がステアリングギア機構70のピニオンと連結する。
【0039】ボールナット75は、変換ナット部材77
に一体的に抱持される。変換ナット部材77は、アーム
部77aが突設され、このアーム部77aがレバー部材
72に係合する。なお、このボールスクリュ機構71
は、基本的構成が上述のボールスクリュ機構20と同一
であるため、その説明を簡略している。
【0040】レバー部材72は、一対の軸部80a,8
0bを有し、前述の実施例と同様に、これら軸部80
a,80bがステアリング軸12と直交する揺動中心C
廻りにおいて揺動自在にケース11に支持される。図1
2に詳示するように、このレバー部材72には2つの係
合穴72a,72bが形成され、一方の係合穴72aに
ボールスクリュ機構20の変換ナット部材17のアーム
部23が軸受31,32を介し係合し、また、他方の係
合穴72bにボールスクリュ機構71の変換ナット部材
77のアーム部77aが球面軸受79を介し係合する。
【0041】この実施例にあっては、ボールスクリュ機
構20の変換ナット部材17が電動モータ40により駆
動されて回動し、そのアーム部23のレバー部材72の
揺動中心Cからの係合位置が変化する。そして、前述し
た実施例と同様に、電動モータ40は車速に応じ制御さ
れるため、舵角比を車速感応特性に制御でき、低車速時
の取り回し性を損うことなく高速走行時の操舵フィーリ
ングを向上できる。
【0042】なお、上述した各実施例では、操舵補助用
の油圧シリンダあるいは電動機を有さないいわゆるマニ
ュアルステアリング装置に適用したものを例示するが、
パワーステアリング装置にも本発明が適用できることは
述べるまでもない。そして、本願発明は、従来技術にお
いて述べたステアリングギア機構のギア比を舵角に応じ
変える可変ギア比のものにも適用でき、この適用で車速
感応、かつ舵角に応じ舵角比が変化する操舵装置を達成
できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
可変舵角比操舵装置によれば、車速に基づき高車速時に
舵角が小さくなるように舵角比を制御するため、低車速
時の車両の取り廻し性を向上させると同時に、高速走行
時の操舵フィーリングを改善できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる可変舵角比操舵装
置の断面図
【図2】図1の2−2矢視断面図
【図3】図1の3−3矢視断面図
【図4】同可変舵角比操舵装置の制御系のブロック図
【図5】同可変舵角比操舵装置の制御ブロック図
【図6】同可変舵角比操舵装置の1の制御処理を表すフ
ローチャート
【図7】同可変舵角比操舵装置の他の1の制御処理を表
すフローチャート
【図8】同可変舵角比操舵装置のまた他の1の制御処理
を表すフローチャート
【図9】同可変舵角比操舵装置のさらに他の1の制御処
理を表すフローチャート
【図10】a,b,c,が同制御処理に用いられるデー
タテーブル
【図11】この発明の他の実施例にかかる可変舵角比操
舵装置の断面図
【図12】図11の12−12矢視断面図
【図13】図11の13−13矢視断面図
【符号の説明】
10 ・・・ 操向ハンドル、17,77 ・・・ 変換ナット部
材、20 ・・・ ボールスクリュ機構、26 ・・・ レバー部
材、40 ・・・ 電動モータ、43 ・・・ 舵角比センサ、6
1 ・・・ 差動トランス、70 ・・・ ステアリングギア機
構、71 ・・・ボールスクリュ機構、72 ・・・ レバー部
材、91 ・・・ 車速センサ、94 ・・・操向車輪、100
・・・ 舵角比可変手段、410 ・・・ コントローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向ハンドルと操向車輪との間の操舵系
    に舵角比可変手段を設け、この舵角比可変手段により前
    記操向ハンドルの回転角と前記操向車輪の転舵角との舵
    角比を変更できるようにした可変舵角比操舵装置におい
    て、 車両の車速を検出する車速検出手段を設け、この車速検
    出手段により検出された車速に基づき前記舵角比可変手
    段を制御し、車速が大きい高車速時には前記舵角比を小
    さく、車速が小さい低車速時には前記舵角比を大きくし
    たことを特徴とする可変舵角比操舵装置。
JP29369291A 1991-10-14 1991-10-14 可変舵角比操舵装置 Pending JPH05105106A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008024058A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Jtekt Corp 車両用操舵装置

Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62214059A (ja) * 1986-03-14 1987-09-19 Fuji Heavy Ind Ltd 自動車のステアリング装置

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