JPH05104679A - 艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シートの製造方法 - Google Patents

艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シートの製造方法

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JPH05104679A
JPH05104679A JP3296496A JP29649691A JPH05104679A JP H05104679 A JPH05104679 A JP H05104679A JP 3296496 A JP3296496 A JP 3296496A JP 29649691 A JP29649691 A JP 29649691A JP H05104679 A JPH05104679 A JP H05104679A
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JP
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decorative sheet
resin
thermoplastic resin
layer
sheet
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JP3296496A
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Inventor
Sachiko Shima
幸子 島
Hitoshi Nakagawa
均 中川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化型樹脂による厚さ15μ以上の艶消し
調のトップコート層を具備する化粧シートを、該化粧シ
ートに歪みやカール等を発生させることなく製造する方
法を提供する。 【構成】 化粧シート基材の表面層をなす熱可塑性樹
脂層4面に対して、重量平均分子量1000〜10000 のウレ
タンアクリレートプレポリマーと無機質微粉末及び/又
は有機質微粉末からなる艶消し剤とを単官能アクリル系
モノマー中に混合させたコーティング剤を塗工した後、
電離放射線によって硬化させ、厚さ15μ以上のトップ
コート層6を形成することからなる化粧シート1の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、家具,壁面,
床面等の表面に、装飾あるいは表面保護の目的で貼着さ
れる化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】建材や家具等の基材の表面に装飾あるい
は表面保護の目的で化粧シートが貼着される。特に表面
物性において優れた特性を奏する化粧シートとして、硬
化型樹脂によるトップコート層を有するものが汎用され
ている。この化粧シートにおける硬化型樹脂によるトッ
プコート層は、化粧シート基材の表面に例えばポリウレ
タンやアミノアルキッド等の硬化型樹脂を2以上の官能
基を有する多官能性モノマー中に混合させたコーティン
グ剤による塗工層を形成した後、これを所定の手段で硬
化させることによって得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の硬化
型樹脂によるトップコート層の形成に利用されているコ
ーティング剤は、該コーティング剤中の樹脂の架橋反応
点が極めて大きく、化粧シート基材上で形成される塗工
層の厚さが例えば15μ以上になると、塗工層の上層部
と下層部とにおける硬化反応が均一でなくなるため、硬
化工程中に塗工層に収縮が発生し、この収縮時の剪断応
力が塗工層と化粧シートとの界面に集中するようにな
り、化粧シートに歪みやカール等が発生するだけでな
く、トップコート層と化粧シート基材との間の接着強度
が十分ではなくなる等の問題がある。このため、従来の
硬化型樹脂によるトップコート層を有する化粧シートの
トップコート層は、せいぜい厚さ1〜5μ程度に形成さ
れるのが普通であり、厚塗り塗装感による高品質感を得
ることができない。
【0004】さらに、従来の硬化型樹脂によるトップコ
ート層を有する化粧シートは、トップコート層の硬度が
非常に高いことにより、ラッピング加工,真空成形加工
等における曲げ加工やVカット加工等によって亀裂が発
生し易いという欠点をも有する。
【0005】なお、熱硬化型樹脂によるトップコート層
は、樹脂の硬化完了に長時間かかるため、巻き取りシー
トにブロッキングや置き跡が発生し、品質の高い化粧シ
ートを得ることができない。
【0006】したがって、硬化型樹脂による厚さ15μ
以上の所謂厚塗りのトップコート層は、家具等に組み立
てられた後に、また、施工された壁面等に対して直接刷
毛塗りやスプレー塗装による塗工層を形成し、これを硬
化させることによって形成されているため、生産性が著
しく悪く、しかも、垂直面では塗料の垂れ下がりにより
均一なトップコート層が得られない等の難点を有してい
る。
【0007】これに対して本発明方法は、硬化型樹脂に
よるトップコート層が15μ以上の厚さを有しており、
しかも、該トップコート層が艶消し調を呈する化粧シー
ト、すなわち、艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シ
ートを、該化粧シートに歪みやカールを発生させるよう
なことなく、容易かつ確実に得る方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本各発明の化粧シートの
製造方法は、化粧シートの表面層をなしている熱可塑性
樹脂層面に厚さ15μ以上の艶消し調のトップコート層
を形成することからなるもので、トップコート層を形成
する際のコーティング剤に特徴を有する。また、本第2
の発明の化粧シートの製造方法は、トップコート層を形
成する際のコーティング剤とコーティング剤が適用され
る化粧シート基材の表面層の熱可塑性樹脂の種類との組
み合わせに特徴を有し、さらに、本第3の発明及び第5
の発明の化粧シートの製造方法は、トップコート層を形
成する際のコーティング剤と、コーティング剤が適用さ
れる化粧シート基材の表面層の熱可塑性樹脂の種類と、
化粧シート基材の表面層をなす熱可塑性樹脂層に形成さ
れている凹部内に充填されるワイピング用インキのベヒ
クルの種類との組み合わせに特徴を有している。
【0009】本第1の発明は、化粧シート基材の表面層
をなしている熱可塑性樹脂層面に、重量平均分子量10
00〜10000のウレタンアクリレートプレポリマー
と無機質微粉末及び/又は有機質微粉末からなる艶消し
剤とを単官能アクリル系モノマー中に混合させて得られ
るコーティング剤による塗工層を形成した後、該塗工層
を電離放射線によって硬化させることにより、厚さ15
μ以上の艶消し調のトップコート層を有する化粧シート
を得ることからなる。
【0010】本第2の発明の化粧シートの製造方法は、
本第1の発明の化粧シートの製造方法において、トップ
コート層形成用のコーティング剤を適用する化粧シート
基材として、化粧シート基材の表面層が、塩化ビニル系
樹脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはアクリルポリ
オール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との
混合樹脂による熱可塑性樹脂によって形成されている化
粧シート基材を利用することからなる。
【0011】本第3の発明の化粧シートの製造方法は、
トップコート層形成用のコーティング剤を適用する化粧
シート基材として、化粧シート基材の表面層が、塩化ビ
ニル系樹脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはアクリ
ルポリオール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹
脂との混合樹脂による熱可塑性樹脂によって形成されて
おり、しかも、該熱可塑性樹脂層の表面にエンボスによ
る凹部が形成されている化粧シート基材を利用するもの
であり、エンボスによる凹部の形成面に、化粧シート基
材の表面層をなす熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を
ベヒクルとする着色塗料によるワイピング処理を施すこ
とにより、化粧シート基材の表面に形成されている凹部
内に着色塗料を充填した後、前記ワイピング処理面に対
して、重量平均分子量1000〜10000のウレタン
アクリレートプレポリマーと無機質微粉末及び/又は有
機質微粉末からなる艶消し剤とを単官能アクリル系モノ
マー中に溶解させて得られるコーティング剤による塗工
層を形成し、さらに、該塗工層を電離放射線によって硬
化させることにより、厚さ15μ以上の艶消し調のトッ
プコート層を有する化粧シートを得ることからなる。
【0012】本第4の発明の化粧シートの製造方法は、
表面に印刷模様が付されている第1の熱可塑性樹脂シー
トと透明な第2の熱可塑性樹脂シートとを、第1の熱可
塑性樹脂シートにおける印刷模様が中間に位置するよう
にして積層すると共に第2の熱可塑性樹脂シートの表面
にエンボスを行なう所謂ダブリングエンボスによって、
表面に凹部を有する積層シートを得た後、該積層シート
の表面に着色塗料によるワイピング処理を施すことによ
り、前記積層シートの表面に形成されている凹部内に着
色塗料を充填し、さらに、該ワイピング処理面に対し
て、重量平均分子量1000〜10000のウレタンア
クリレートプレポリマーと無機質微粉末及び/又は有機
質微粉末からなる艶消し剤とを単官能アクリル系モノマ
ー中に混合させて得られるコーティング剤による塗工層
を形成し、続いて、該塗工層を電離放射線によって硬化
させることにより、厚さ15μ以上の艶消し調のトップ
コート層を有する化粧シートを得ることからなる。
【0013】本第5の発明の化粧シートの製造方法は、
本第4の発明の化粧シートの製造方法において、第2の
熱可塑性樹脂シートとして、塩化ビニル系樹脂,アクリ
ルポリオール樹脂,あるいはアクリルポリオール樹脂と
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂によ
る熱可塑性樹脂シートを利用し、また、積層シートの表
面に対するにワイピング処理を、前記第2の熱可塑性樹
脂シートの樹脂と同系の熱可塑性樹脂をベヒクルとする
着色塗料によって行なうことからなる。
【0014】なお、本第3及び第5の発明の化粧シート
の製造方法においては、化粧シート基材の表面層をなす
熱可塑性樹脂層の形成に利用される樹脂、すなわち、塩
化ビニル系樹脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはア
クリルポリオール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体樹脂との混合樹脂と、エンボスによる凹部の形成面に
対するワイピング処理に利用されるワイピング用インキ
のベヒクルをなす熱可塑性樹脂、すなわち、塩化ビニル
系樹脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはアクリルポ
リオール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂と
の混合樹脂ととして、同系の熱可塑性樹脂を利用するも
のであるが、化粧シートの表面層をなす樹脂には製膜適
性に優れた作用を有する高重合度のポリマーが、また、
ワイピング用インキのベヒクルには、プレポリマー〜ポ
リマーが利用されることは勿論である。
【0015】本第6の発明の化粧シートの製造方法は、
本第1の発明〜第5の発明のうちのいずれかの発明の化
粧シートの製造方法において、化粧シート基材の表面に
適用するコーティング剤、すなわち、重量平均分子量1
000〜10000のウレタンアクリレートプレポリマ
ーと無機質微粉末及び/又は有機質微粉末からなる艶消
し剤とを単官能アクリル系モノマー中に混合させて得ら
れるコーティング剤が、該コーティング剤中のウレタン
アクリレートプレポリマーと単官能アクリル系モノマー
との割合が、40〜60重量%:60〜40重量%から
なる。
【0016】前記構成による本発明の化粧シートの製造
方法において、化粧シート基材には、例えば、ポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニ
リデン,ポリビニルアルコール,ポリエチレンテレフタ
レート,ポリカーボネート,ナイロン,ポリスチレン,
エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアル
コール共重合体,アイオノマー樹脂,ABS樹脂等によ
るプラスチックシートを利用し得るが、化粧シート基材
の表面に形成される硬化型のトップコート層との間の密
接特性の点から、化粧シート基材の表面樹脂層が、塩化
ビニル系樹脂,アクリルポリオール樹脂またはアクリル
ポリオール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
との混合樹脂で形成されているものが好ましい。また、
該表面樹脂層が、ポリビニルアルコール,エチレン−酢
酸ビニル共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合
体,その他一般に活性な水酸基またはカルボキシル基を
分子中に有する熱可塑性樹脂層からなるものの場合に
は、化粧シート基材の表面樹脂層面に形成されるトップ
コート層との間に良好な密着性が得られる。
【0017】化粧シート基材には、例えば、木目,石
目,天然皮革の表面柄,布目,抽象柄等を表現する印刷
が付されており、その表面にエンボスによる凹部、例え
ば、木目の導管に模した凹部をはじめ、スタット,トラ
バーチン等の石目、皮革の絞り、布目等に類似する形状
をなす凹部を、前述の印刷模様と組み合わせて賦形させ
たものが好適である。
【0018】なお、凹部を有する化粧シート基材として
は、前述の印刷面に対して凹部を直接形成させたもので
あっても、あるいは、印刷が付されている熱可塑性樹脂
シートの印刷面に対して別製の熱可塑性樹脂シートを熱
接着によって積層すると共に、積層された熱可塑性樹脂
シートの表面にエンボスによる賦形を行なうことによっ
て得られる所謂ダブリングエンボスによる積層シートで
あっても良く、特に、表面に印刷が付されているポリ塩
化ビニルシートに対して別製のポリ塩化ビニルフィルム
をダブリングエンボスすることによって得られる積層シ
ートが化粧シート基材として最も好ましい。
【0019】化粧シート基材の表面における凹部内に着
色塗料を充填させるためのワイピング処理は、凹部が賦
形されている樹脂と同一系統の樹脂をベヒクルとする塗
料で行なうのが好適である。
【0020】本発明方法によって形成される化粧シート
におけるトップコート層は、トップコート層形成用のコ
ーティング剤中の無機質微粉末及び/又は有機質微粉末
からなる艶消し剤により、艶消し調に形成される。
【0021】トップコート層形成用のコーティング剤
は、重量平均分子量1000〜10000好ましくは4
000〜1000のウレタンアクリレートプレポリマー
と無機質微粉末及び/又は有機質微粉末からなる艶消し
剤とを、例えば、ラウリルアクリレート,2−エチルヘ
キシルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト,1,6−ヘキサンジオールモノアクリレート,ジシ
クロペンタジエンアクリレート等からなる単官能アクリ
ル系モノマー中に混合させて得られるものである。
【0022】このトップコート層形成用のコーティング
剤中に添加される無機質微粉末及び/又は有機質微粉末
からなる艶消し剤には、粒径0.1〜10μ程度の例え
ば、炭酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸マグネシウ
ム,シリカ,アルミナ,ガラスバルーン等による無機質
微粉末や、ポリエチレン,ポリウレタン,ポリカーボネ
ート,フェノール系樹脂,メラミン樹脂等による有機質
微粉末が利用される。艶消し剤として利用する無機質微
粉末及び/又は有機質微粉末の粒径が0.1μ未満にな
ると、艶消しの機能が果たされなくなり、また、10μ
を超えるものになると、形成されるトップコート層にざ
らつきが出てくるために表面化粧材としての用途に相応
しく無くなる。なお、トップコート層形成用のコーティ
ング剤中における無機質微粉末及び/又は有機質微粉末
からなる艶消し剤の量は、コーティング剤用組成物中の
0.1〜50重量%程度が好適である。艶消し剤の量が
コーティング剤用組成物中の0.1重量%未満になる
と、得られるトップコート層に顕著な艶消し調が得られ
なくなり、また、50重量%を超えると、化粧シートを
Vカット加工や折り曲げ加工等に付したときにトップコ
ート層に亀裂や白化等が発生する等の加工適性の悪化が
ある。
【0023】トップコート層の形成に利用される先の組
成によるコーティング剤は、例えば、ロールコート,カ
ーテンフローコート,ワイヤーバーコート,リバースコ
ート,グラビアコート,グラビアリバースコート,エア
ナイフコート,キスコート,ブレードコート,スムーズ
コート,コンマコート等によって化粧基材の表面に適用
された後、形成された塗工層に電離放射線が照射され、
硬化塗工層となる。
【0024】トップコート層の形成に利用されるコーテ
ィング剤は、前記した通り重量平均分子量1000〜1
0000のウレタンアクリレートプレポリマーと無機質
微粉末及び/又は有機質微粉末からなる艶消し剤とを単
官能アクリル系モノマー中に混合させて得られるもの
で、例えば、形成される化粧シートに対して、ラッピン
グ加工性や真空成形性等の曲面加工適性よりも高度の表
面硬度の方を優先させる場合には、コーティング剤中に
2官能アクリル系モノマーを添加剤として添加しても良
く、また、コーティング剤中には、ウレタンアクリレー
トプレポリマーを希釈,分散させるための他の有機溶剤
を添加しても良い。
【0025】なお、単官能アクリル系モノマー中に混合
させるウレタンアクリレートプレポリマーの重量平均分
子量が1000未満になったり、あるいは、10000
を超えるようになると、化粧シートに歪みやカール等を
発生させことなく厚さ15μ以上のトップコート層を具
備させることが困難になる。
【0026】また、トップコート層形成用のコーティン
グ剤が紫外線の照射によって硬化される場合には、該コ
ーティング剤中に、例えば、アセトフェノン類,ベンゾ
フェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,α・ア
ミロキシムエステル,テトラメチルメウラムモノサルフ
ァイド,チオキサントン類等による光重合開始剤と、必
要に応じて添加される光増感剤、例えば、n−ブチルア
ミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホスフィン
等による光増感剤とが混合されることは勿論である。ト
ップコート層となる塗工層の硬化は、例えば、超高圧水
銀灯,高圧水銀灯,低圧水銀灯,カーボンアーク,ブラ
ックライトランプ,メタルハライドランプ等による光源
の紫外線照射によるか、あるいは、コックロフトワルト
ン型,ハンデグラフ型,共振変圧器型,絶縁コア変圧器
型,直線型,ダイナミトロン型,高周波型等の各種の電
子線加速器による100 〜1000KeV 、好ましくは、100 〜
300 KeV のエネルギーの電子線の照射によってなされ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の艶消し調の厚塗り塗装感を有
する化粧シートの製造方法の具体的な構成を実施例に基
づいて説明する。
【0028】実施例1 [図1]において、セピア色に着色されている厚さ0.
1mmポリ塩化ビニルシート2の表面に、塩化ビニル樹脂
をベヒクルとする3色のインキのグラビア印刷によっ
て、オーク材の木目模様に類似する印刷層3,3・・・・を
形成した後、このポリ塩化ビニルシート2の印刷層3,
3・・・・面と、別製の厚さ0.1mmクリアポリ塩化ビニル
シート4とを、温度・・・・150℃,線圧・・・・1t,速度
・・・・15m/min.によるダブリングエンボスに付すことに
より、両者を積層すると同時にクリアポリ塩化ビニルシ
ート4の表面に木目の導管に相当する凹部を賦形した。
なお、前記ダブリングエンボスには、オーク材の板の表
面から電鋳法によって導管模様を写し取った高さ70〜
80μの凸部を有する電鋳エンボス版を利用した。
【0029】次いで、エンボスによる凹部が表面に賦形
されている前記積層シートに対して、塩化ビニル樹脂を
ベヒクルとする黒色系統のワイピング用インキをロール
コート法によって塗工した後、ドクターブレードで凹部
以外の部分に付着しているワイピング用インキを除去
し、積層シートの表面に形成されている凹部内に着色塗
料5,5・・・・を充填,固化させ、さらに、先の積層シー
トのワイピング処理面に対して、下記の組成(A)によ
るコーティング剤を斜線版によるグラビアリバースコー
ト法によって塗工し、厚さ25μの塗工層を形成した。
【0030】しかる後に、80W/cmの4灯の高圧水銀灯
による紫外線の照射を、コンベア速度30m/min.で行な
うことにより、符号6で表示される厚さ20μの電離放
射線硬化型樹脂によるマット調のトップコート層を有す
る本発明の目的製品である厚塗り塗装感を有する化粧シ
ート1を得た。
【0031】組成(A) (1) ウレタンアクリレートプレポリマー(重量平均分子
量:4500)・・・・53.0重量部 (2) 単官能アクリル系モノマー(2−エチルヘキシルア
クリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレート)・・
・・・・37.0重量部 (3) 光重合開始剤(2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン)・・・・・・・・・・・・・・・・1.0重量部 (4) 艶消し剤(シリカ)・・・・・・・・・・・・・・・・9.0重量部
【0032】
【発明の作用,効果】本発明の艶消し調の厚塗り塗装感
を有する化粧シートの製造方法は、化粧シート基材の表
面に、ウレタンアクリレートプレポリマーと無機質微粉
末及び/又は有機質微粉末からなる艶消し剤とを単官能
アクリル系モノマー中に混合させて得られるコーティン
グ剤による塗工層を形成した後、該塗工層を電離放射線
の照射によって硬化させることにより、硬化型樹脂によ
るトップコート層を形成することからなる。
【0033】前記硬化型樹脂によるトップコート層の形
成に利用されるコーティング剤は、該コーティング剤中
の樹脂の架橋反応点が従来の硬化型樹脂を利用したコー
ティング剤によるものと比較して十分に抑えられている
ために、該コーティング剤による硬化型樹脂のトップコ
ート層は、その厚さが15μ以上になっても、硬化工程
中において塗工層の上層部と下層部とでの硬化反応が不
均一になるようなことがなく、しかも、該コーティング
剤中に含有されている無機質微粉末及び/又は有機質微
粉末からなる艶消し剤の作用によって艶消し調のトップ
コート層となる。
【0034】したがって、本発明方法によって形成され
た硬化型樹脂によるトップコート層は、汚れや傷跡等が
目立たない艶消し調を呈し、かつ、このトップコート層
を形成する際のコーティング剤の塗工層の硬化工程にお
いて該塗工層に収縮が生ずるようなことがなく、通常の
場合の15μ以上の厚さのトップコート層の場合に発生
する歪みやカール等が化粧シートに発生することがな
く、また、トップコート層と化粧シート基材との間に優
れた接着強度が得られ、文字通り、艶消し調の厚塗り塗
装感を有する化粧シートとなる。
【0035】さらに、本発明方法によって形成される硬
化型樹脂によるトップコート層は、前述の通り、トップ
コート層の形成に利用されるコーティング剤中の樹脂の
架橋反応点が抑えられているため、15μ以上の厚さを
有する硬化型樹脂によるトップコート層であっても、該
トップコート層に十分な可撓性が備えられ、化粧シート
に優れた折り曲げ加工適性が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧
シートの製造方法によって得られた化粧シートの1実施
例品を模型的に示す切断端面図である。
【符号の説明】
1 艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シート 2 第1の熱可塑性樹脂シート 3 第1の熱可塑性樹脂シートに付されている印刷層 4 第2の熱可塑性樹脂シート 5 ワイピング処理によって凹部内に充填されている着
色塗料 6 電離放射線硬化型樹脂による艶消し調のトップコー
ト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 33/00 7141−4F C08J 7/04 7258−4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧シート基材の表面層をなす熱可塑
    性樹脂層面に、重量平均分子量1000〜10000の
    ウレタンアクリレートプレポリマーと無機質微粉末及び
    /又は有機質微粉末からなる艶消し剤とを単官能アクリ
    ル系モノマー中に混合させて得られるコーティング剤を
    塗工した後、電離放射線によって硬化させることによ
    り、厚さ15μ以上のトップコート層を形成することを
    特徴とする艶消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シート
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の艶消し調の厚塗り塗装
    感を有する化粧シートの製造方法において、化粧シート
    基材の表面層をなす熱可塑性樹脂層が、塩化ビニル系樹
    脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはアクリルポリオ
    ール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との混
    合樹脂による熱可塑性樹脂層であることを特徴とする艶
    消し調の厚塗り塗装感を有する化粧シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 化粧シート基材の表面層が、塩化ビニ
    ル系樹脂,アクリルポリオール樹脂,あるいはアクリル
    ポリオール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
    との混合樹脂による熱可塑性樹脂層からなり、しかも、
    該熱可塑性樹脂層の表面にエンボスによる凹部が形成さ
    れている化粧シート基材の表面に、該化粧シート基材の
    表面層をなす熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂をベヒ
    クルとする着色塗料によるワイピング処理を施すことに
    より、化粧シート基材の表面に形成されている凹部内に
    着色塗料を充填し、しかる後に、前記ワイピング処理面
    に、重量平均分子量1000〜10000のウレタンア
    クリレートプレポリマーと無機質微粉末及び/又は有機
    質微粉末からなる艶消し剤とを単官能アクリル系モノマ
    ー中に混合させて得られるコーティング剤を塗工し、電
    離放射線によって硬化させることにより、厚さ15μ以
    上のトップコート層を形成することを特徴とする艶消し
    調の厚塗り塗装感を有する化粧シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 表面に印刷模様が付されている第1の
    熱可塑性樹脂シートの印刷面に透明な第2の熱可塑性樹
    脂シートを積層すると共に、該第2の熱可塑性樹脂シー
    トの表面にエンボスを行なうことにより、表面に凹部を
    有する積層シートを得た後、該積層シートの表面に着色
    塗料によるワイピング処理を施すことにより、前記積層
    シートの表面に形成されている凹部内に着色塗料を充填
    し、しかる後に、前記ワイピング処理面に、重量平均分
    子量1000〜10000のウレタンアクリレートプレ
    ポリマーと無機質微粉末及び/又は有機質微粉末からな
    る艶消し剤とを単官能アクリル系モノマー中に混合させ
    て得られるコーティング剤を塗工し、電離放射線によっ
    て硬化させることにより厚さ15μ以上のトップコート
    層を形成することを特徴とする艶消し調の厚塗り塗装感
    を有する化粧シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の艶消し調の厚塗り塗
    装感を有する化粧シートの製造方法において、第2の熱
    可塑性樹脂シートとして、塩化ビニル系樹脂,アクリル
    ポリオール樹脂,あるいはアクリルポリオール樹脂と塩
    化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂による
    熱可塑性樹脂シートを利用し、また、積層シートの表面
    に対するにワイピング処理を、前記第2の熱可塑性樹脂
    シートの樹脂と同系の熱可塑性樹脂をベヒクルとする着
    色塗料によって行なうことを特徴とする艶消し調の厚塗
    り塗装感を有する化粧シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 重量平均分子量1000〜1000
    0のウレタンアクリレートプレポリマーと無機質微粉末
    及び/又は有機質微粉末からなる艶消し剤とを単官能ア
    クリル系モノマー中に混合させて得られるコーティング
    剤におけるウレタンアクリレートプレポリマーと単官能
    アクリル系モノマーとの割合が、ウレタンアクリレート
    プレポリマー40〜60重量%:単官能アクリル系モノ
    マー60〜40重量%であることを特徴とする請求項1
    〜請求項5のいずれか1項に記載の艶消し調の厚塗り塗
    装感を有する化粧シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141499A (ja) * 1994-11-25 1996-06-04 Dainippon Printing Co Ltd 化粧鋼板
JP2010241954A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型コーティングニス組成物およびその印刷物

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