JPH05104600A - ポリイミドの押出成形方法 - Google Patents

ポリイミドの押出成形方法

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JPH05104600A
JPH05104600A JP3267438A JP26743891A JPH05104600A JP H05104600 A JPH05104600 A JP H05104600A JP 3267438 A JP3267438 A JP 3267438A JP 26743891 A JP26743891 A JP 26743891A JP H05104600 A JPH05104600 A JP H05104600A
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JP
Japan
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polyimide
fatty acid
higher fatty
extrusion molding
dianhydride
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Pending
Application number
JP3267438A
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English (en)
Inventor
Kazunari Okada
一成 岡田
Yasuhiko Ota
靖彦 太田
Masumi Saruwatari
益巳 猿渡
Yasuko Honchi
靖子 本地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は熱可塑性ポリイミドの押出成形
において、気泡の発生がなく、押出量の変動が極めて少
ない、半結晶性のポリイミドに限らず、広く一般の熱可
塑性ポリイミドの安定した押出成形方法を提供すること
である。 【構成】熱可塑性ポリイミド100重量部に対し、高級
脂肪酸塩を組成物として0.01〜5重量部の範囲で含
有させ混合したものを、公知の二軸押出機を用いること
によりストランド状に押出し、ストランドカッターにて
切断して得られたペレット、又は熱可塑性ポリイミドを
公知の二軸押出機にて押出しストランドカッターにて切
断し得られたナチュラルペレット100重量部に対し、
高級脂肪酸塩0.01〜1重量部加え、付着させた高級
脂肪酸塩及びポリイミドペレット混合物を原料として押
出成形を行なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリイミドの押
出成形方法に関する。更に詳しくは、押出機内でのポリ
イミドの固体輸送部においてペレット間、スクリューや
シリンダーとペレットの間の摩擦を減少させることによ
り安定した押出成形ができるポリイミドの押出成形方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性を有するポリイミドを繊
維、フィルム等に加工する押出成形方法が提案されてい
る。例えば、特開平2−209924号公報において我
々は熱可塑性ポリイミドの押出成形方法によるフィルム
の製造方法を提案している。その方法は押出成形直前の
水分含有量を特定の範囲に調整した熱可塑性ポリイミド
を押出機に供給し、300〜450℃の範囲で加熱溶融
し、フィルム状に成形し冷却固化するというものであ
る。
【0003】しかし、上記公報に開示された熱可塑性ポ
リイミドであっても製造したポリイミド粉末をペレット
状に加工し、これをそのまま押出成形機に供給すると、
押出成形が円滑に出来難く、また成形品が得られても製
品中に気泡やダイ粕が発生し易く、安定した品質の製品
を得ることは困難であった。
【0004】この解決策として、我々は特開平3−20
354号公報において、半結晶性を有する熱可塑性ポリ
イミドについては、その結晶化度を5%以上にすること
で押出機内の供給部分、とりわけ固体輸送部でのペレッ
トの変形を起こし難くすることで、気泡の発生、押出量
の安定した方法を開示した。しかしながら、この方法は
安定した押出成形方法であるが、結晶性を有する熱可塑
性ポリイミドにしか応用できないために適用範囲が限ら
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は熱可塑
性ポリイミドの押出成形において、気泡の発生がなく、
押出量の変動が極めて少ない、半結晶性のポリイミドに
限らず、広く一般の熱可塑性ポリイミドの安定した押出
成形方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、熱可塑性のポリイミドで押出成形
を行なうと、押出機のスクリュートルクが一般の耐熱性
樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン等)に比べて著しく高く、
しかもこのトルクの大部分がスクリューの固体輸送部分
において消費されており、固体輸送部でのポリイミドペ
レットの変形が著しく速い過程で起こっていることが分
かった。そこで、ペレットに高級脂肪酸塩を含ませた
り、混合することにより、固体輸送部のペレット間、シ
リンダーやスクリューとペレットの間の摩擦が低減さ
れ、安定した押出量を達成することを見出し、遂に本発
明に到った。
【0007】即ち本発明は、熱可塑性ポリイミド100
重量部に対し、高級脂肪酸塩を0.01〜5重量部含有
してなる樹脂成形物を用いることを特徴とするポリイミ
ドの押出成形方法である。また、熱可塑性ポリイミド1
00重量部に対し、高級脂肪酸塩を0.01〜1重量部
混合してなる混合物を用いることを特徴とするポリイミ
ドの押出成形方法である。
【0008】以下、本発明の構成について詳細に説明す
る。本発明で使用する熱可塑性ポリイミドは、既に耐熱
性のポリイミドとして知られている構造式(1)〔化
1〕
【0009】
【化1】 (式中、RおよびR1は、炭素数2以上の脂肪族基、環
式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基からなる群より選ばれた基であり、R
は4価の基、R1は2価の基を示す)で表わされる繰り
返し構造単位を有するものの中から熱可塑性を有するポ
リイミドが用いられる。好ましくは、構造式(2)〔化
2〕
【0010】
【化2】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、Xは単結
合、硫黄原子、スルホン基、カルボニル基、イソプロピ
リデン基またはヘキサフルオロイソプロピリデン基の2
価の基を示す)で表される繰り返し構造単位を有するポ
リイミド、および構造式(3)〔化3〕
【0011】
【化3】 {式中、Aは硫黄原子、酸素原子、スルホン基、メチレ
ン基、エチリデン基、イソプロピリデン基またはヘキサ
フルオロイソプロピリデン基の2価の基を示し、Rは構
造式(4)〔化4〕
【0012】
【化4】 (式中、Bは硫黄原子、スルホン基、メチレン基、エチ
リデン基、イソプロピリデン基またはヘキサフルオロイ
ソプロピリデン基の2価の基を示す)を示す}で表され
る繰り返し構造単位を有するポリイミドである。
【0013】さらに、好ましく使用されるポリイミド
は、構造式(2)において、Rが構造式(5)〜(9)
〔化5〕〜〔化9〕
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】 である繰り返し構造単位を有するポリイミドが挙げられ
る。以上のポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無
水物と芳香族ジアミンとの脱水縮合反応によって得るこ
とができる。
【0019】このポリイミドを得るために用いる芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテ
トラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二
無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,
3,3−ヘキサクロロプロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸
二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフ
タル酸二無水物、4,4’−ジフェニルスルフィドジオ
キシビス(4−フタル酸)二無水物、4,4’−ジフェ
ニルスルホンジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、
メチレンビス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル
酸)二酸無水物、エチリデンビス−(4−フエニレンオ
キシ−4−フタル酸)二酸無水物、イソプロピリデンビ
ス−(4−フエニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無水
物、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス−(4−フエ
ニレンオキシ−4−フタル酸)二酸無水物等が挙げられ
る。
【0020】また、ポリイミドを得るために用いる芳香
族ジアミンとしては、例えば、ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、4,4’
−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン、1,1−ジ(p−アミノフェニル)エタン、
2,2−ジ(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−
ジ(p−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらの芳香
族テトラカルボン酸二無水物または芳香族ジアミンはそ
れぞれ単独で、または2種以上を混合して使用できる。
【0021】本発明で使用するポリイミドは、これらの
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンと
を、通常の公知の方法、例えば、モノマー同志またはモ
ノマーを有機溶媒中に懸濁または溶解させた後、加熱ま
たは化学的に脱水し、生成物を分離、精製する一般的な
方法により得ることが出来る。
【0022】本発明で使用する高級脂肪酸塩は、炭素数
12個以上で、不飽和結合を含まない脂肪酸のアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩および金属の塩である。例
えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステ
アリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウ
ム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カドミウム、二塩基性
ステアリン酸鉛等が挙げられる。これらの高級脂肪酸塩
は、単独または2種以上を混合して使用できる。
【0023】本発明において使用する高級脂肪酸塩の配
合量は、樹脂組成物としてポリイミド中に比較的均一に
分散させる場合は、ポリイミド100重量部に対して
0.01〜5重量部の範囲で配合する。好ましくは、
0.1〜1重量部である。高級脂肪酸塩がポリイミド1
00重量部に対して0.01重量部未満では、高級脂肪
酸塩の効果が弱い為安定した押出ができず、5重量部を
越えると押出機の固体輸送部の樹脂組成物としてのペレ
ット間、シリンダーやスクリューとペレットの間の摩擦
が低すぎ安定した押出ができないばかりか、押出製品の
品質を低下し、本発明の目的を達成することができな
い。
【0024】また、ポリイミドペレットに混合する場合
は、ポリイミドペレット100重量部に対して0.01
〜1重量部の範囲で使用する。好ましくは、0.05〜
0.5重量部である。高級脂肪酸塩がポリイミドペレッ
ト100重量部に対して0.01重量部未満では、高級
脂肪酸塩の効果が弱い為安定した押出ができず、1重量
部を越えると固体輸送部のペレット間、シリンダーやス
クリューとペレットの間の摩擦が低すぎ安定した押出が
できず、本発明の目的を達成することができない。
【0025】本発明においてポリイミドに高級脂肪酸塩
を配合して樹脂組成物を得る方法としては、ポリイミド
の粉体或いはペレットと高級脂肪酸塩をヘンシェルやユ
ニバーサルミキサー等の混合装置を用いて予め混合し、
公知のニーダー、溶融押出機等のペレット化装置により
ペレット化してポリイミドペレット中に比較的均一に分
散させる。
【0026】また、ポリイミドペレットに高級脂肪酸塩
を混合して混合物を得る方法としては、ポリイミドペレ
ットと高級脂肪酸塩をリボンブレンダーもしくは手配合
等の低剪断の混合機によりポリイミドペレット表面に高
級脂肪酸塩を付着させる。
【0027】上記の方法で得られたポリイミド樹脂組成
物あるいは混合物のペレットを用いて押出成形を行う
と、押出機内でのポリイミドの固体輸送部においてペレ
ット間、スクリューやシリンダーとペレット間の摩擦を
減少させる事により、ギアポンプ等の定量機器を用いな
くても安定した押出成形が出来、製品中に気泡やダイ粕
の発生が無く、フィルム製膜時の厚さ精度が向上する等
の効果が得られ、安定した品質の熱可塑性ポリイミド成
形物を得ることが出来る。
【0028】
【実施例】以下実施例で本発明を具体的に説明する。
【0029】実施例1〜6、比較例1〜3 〔表1〕に示すポリイミド粉体100重量部に対し、
〔表1〕に示す高級脂肪酸塩を〔表1〕に示す量配合
し、ユニバーサルミキサーにて5分間混合後、二軸押出
機を用いて400℃でストランド状に押出し、ストラン
ドカッターにて切断し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0030】得られたペレットを、φ20mmの単軸押
出機を用いてダイス温度400℃で押出製膜して厚さ1
00μmのフィルムを得た。この時のスクリュー回転に
掛かるトルクの変動及びフィルムの厚さ変動の値より押
出安定性を、また、フィルム外観を観察する事によりフ
ィルムの製品性を調べた。結果を〔表1〕に示す。
【0031】実施例7〜12、比較例4〜5 〔表1〕に示すポリイミドの粉体を二軸押出機を用いて
400℃でストランド状に押出し、ストランドカッター
にて切断しペレットを得た。得られたペレットに〔表
1〕に示す高級脂肪酸塩を〔表1〕に示す量添加し、リ
ボンブレンダーにて5分間混合し、ポリイミドペレット
と高級脂肪酸塩の混合物を得た。得られた混合物を実施
例1と同様にしてフィルムを得、実施例1と同様に押出
安定性及びフィルム外観を観察した。結果を〔表1〕に
示す。
【0032】尚、厚さ変動率は、得られたフィルムの巾
方向に10ケ所、流れ方向に20ケ所、計200ケ所に
ついて測定し、標準偏差(σ)、平均値(X)を求め、
σ/Xを計算した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の押出成形方法によれば、熱可塑
性ポリイミドに高級脂肪酸塩を組成物として含有、又は
混合することにより、押出機内でのポリイミドの固体輸
送部においてペレット間、スクリューやシリンダーとペ
レットの間の摩擦を減少させることにより、押出成形時
に気泡の発生が無く、押出量の変動が極めて少なく、製
品の外観、寸法精度が向上し、安定した品質の熱可塑性
ポリイミド成形物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 30:06 40:00 Z 8217−4H (72)発明者 本地 靖子 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリイミド100重量部に対
    し、高級脂肪酸塩を0.01〜5重量部含有してなる樹
    脂組成物を用いることを特徴とするポリイミドの押出成
    形方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリイミド100重量部に対
    し、高級脂肪酸塩を0.01〜1重量部混合してなる混
    合物を用いることを特徴とするポリイミドの押出成形方
    法。
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