JPH0510454U - 輻射管付き熱処理炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱時間を短縮し、均一加熱の向上を計り品
質良好な熱処理を行うことができると共に輻射管を傷め
ず長期間に亘って使用できる。 【構成】 炉体１の側壁２，２と平行で天井壁３から垂
直に吊設する輻射管４，４を設ける。被処理Ａの両側面
から輻射管４，４によって加熱する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、線材コイルなどの被処理材を炉内を搬送させながら焼なましなどす る輻射管付き熱処理炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、線材コイルを焼なましする輻射管付き熱処理炉は、図３に示すように、 炉体１の一側壁２の上下部に加熱熱源の輻射管４，４を水平状態で配置し、線材 コイルＡの上下面から加熱しているが、近年、線材コイルＡの大型化に伴い、線 材コイルＡの高さが高くなり上下面からの加熱では、受熱面が小さく加熱に長い 時間がかかった。

【０００３】 また、輻射管４，４が水平状態で保持されているので、赤熱状態では下方に伸 びると共に輻射管自体の自重で撓みが発生し、均一加熱ができなく、品質の悪化 をきたすとともに輻射管４，４も破損し長期に亘って使用できなかった。

【０００４】 さらに、攪拌ファン５の真下に上部の輻射管４が配置されてあるため、ファン ５による雰囲気攪拌が充分でなく炉内雰囲気温度の均一化が計れなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような課題を解消したもので、線材コイルの受熱面積の大きい 側面より加熱して、その加熱効率を良くし、加熱時間を短くでき、品質良好な熱 処理を行うことができ、かつ輻射管を傷めることなく長い間使用できる管付き熱 処理炉を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の輻射管付き熱処理炉は、炉体１の側壁２ ，２と平行で天井壁３から垂設した輻射管４，４を、被処理材Ａの側面に配した ものである。

【０００７】

【作用】

被処理材Ａはその両側の輻射管４，４により受熱面積の大きい側面から加熱さ れるので、その加熱が効率的であり加熱時間を短縮できる。

【０００８】 また、輻射管４，４は天井部３から垂直に吊設してあるので、水平状態の輻射 管で生じる管自体の自重による撓みがない。さらに、攪拌ファン５の真下に輻射 管４が存在しないので、雰囲気攪拌が充分に行われ、炉内温度の均一化の向上が 計れる

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を示す図面について説明すれば、１は長手方向に加熱帯 １ａ、均熱帯１ｂ、徐冷帯１ｃを連設した熱処理炉で、各ゾーンの両側壁２，２ から適宜間隔を存した位置に、天井壁３から垂直に吊設する輻射管４，４が側壁 ２，２と平行に配してある。

【００１０】 ５は炉幅の中央部の天井壁３に配設した雰囲気攪拌ファンで、モータ６で駆動 しゾーン内の雰囲気を攪拌して均一化する。７は線材コイルなどの被処理材Ａを 搬送するハースローラ、８は炉体１の下方部に水平状態に配した輻射管である。

【００１１】 このように構成した輻射管付き熱処理炉は、線材コイルＡをハースローラに載 置し、炉体１内を横方向に移動させながら、受熱面積の大きい側面から輻射管４ ，４で加熱されると共に、天井壁３に設けた攪拌ファン５でゾーン内の雰囲気を 攪拌して線材コイルＡを均一加熱する。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案の輻射管付き熱処理炉は、炉体１の側壁２，２と平行で天 井壁３から垂設した輻射管４，４によって被処理材Ａを加熱するから、被処理材 Ａの受熱面積の大きい側面を加熱して加熱効率が良くなり加熱時間の短縮化がで きる。

【００１３】 また、輻射管４，４が垂直に吊設してあるから、従来の水平状態で配設した輻 射管のような自重による撓みがなく、輻射管の寿命を長く伸ばすことができる。 さらに、攪拌ファン５の真下に輻射管が配されていないので、ファン５による 雰囲気攪拌が充分に行われ、炉内雰囲気温度の均一化の向上を計れ品質良好な熱 処理を行うことができる。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の拡大縦断正面図

【図２】本考案の縦断側面図

【図３】従来の縦断正面図

【００１５】

【符号の説明】

１ 炉体 ２ 側壁 ３ 天井壁 ４ 輻射管 Ａ 被処理材

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 炉体１の側壁２，２と平行で天井壁３か
   ら垂設した輻射管４，４を，被処理材Ａの両側面に配し
   たことを特徴とする輻射管付き熱処理炉