JPH05103833A - 薬剤定量分与器 - Google Patents

薬剤定量分与器

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JPH05103833A
JPH05103833A JP4093185A JP9318592A JPH05103833A JP H05103833 A JPH05103833 A JP H05103833A JP 4093185 A JP4093185 A JP 4093185A JP 9318592 A JP9318592 A JP 9318592A JP H05103833 A JPH05103833 A JP H05103833A
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JP
Japan
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drug
plunger
pressing
rear end
amount
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Pending
Application number
JP4093185A
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English (en)
Inventor
Masahiko Iizuka
昌彦 飯塚
Masaru Saiki
勝 斉木
Hitoshi Kuboki
等 久保木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤の分与量の設定およびその確認が容易に
行え、薬剤の分与量を間違える事なく分与することがで
きる定量分与器を提供する。 【構成】 筒状本体2と、該筒状本体2内に設けられ、
内部に薬剤Sと、摺動可能なピストンPとを有する薬剤
カートリッジ22を収納する薬剤カートリッジ収納部1
4と、前記薬剤カートリッジ22の前記ピストンPを押
圧するための押圧プランジャー11と、前記筒状本体2
に摺動可能かつ回転可能に設けられ、先端部に該押圧プ
ランジャー11のネジ部11aと螺合するネジ部9aを
有し、後端部が前記筒状本体2より突出した回転ノブ9
と、前記回転ノブ9の回転量または後端部への移動距離
を検出し、該検出値より、該回転ノブ9の後端部を押圧
した時の押圧プランジャー11による薬剤分与量を算出
する薬剤分与量算出部20と、該薬剤分与量算出部20
より算出された薬剤分与量を表示する表示部21とを有
することを特徴とする薬剤定量分与器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カートリッジ内に充填
された薬剤の分与量の設定およびその分与が簡便な操作
で確実に行うことのできる薬剤定量分与器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液状の薬剤を定量分与するた
めに、注射器が用いられてきた。この種の注射器として
は、例えば、糖尿病の治療のための液状薬剤であるイン
スリンの注入用のインスリン注入器がある。そして、糖
尿病患者は、インスリンの投与を一日数回行うことが必
要な場合には、注射器および薬剤のアンプル瓶を常に持
ち運ばなくてはならず、携帯にも不便であり、さらに、
携帯者自身が糖尿病であることを他人に知られてしまう
不安感もあった。また、薬剤をアンプル瓶より注入器に
補給する際に、注射針をアンプル瓶のゴム部に一度穿刺
する必要があるが、この際、注射針の針先の破損あるい
は刺通抵抗の増加といった危険性もあり、患者にとって
肉体的及び精神的にかなりの負担になるものであった。
そこで、カートリッジ内に充填された薬剤を任意の量分
与でき、かつ携帯可能なペン型タイプの穿刺定量分与器
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今まで
のペン型タイプの定量分与器においては、一回の分与量
の設定が容易でなく、かつ、設定した分与量の確認も容
易なものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、前記の
問題点に鑑みてなされたものであり、薬剤の分与量の設
定およびその確認が容易に行え、薬剤の分与量を間違え
る事なく分与することができる定量分与器を提供するこ
とにある。
【0005】上記目的を達成するものは、筒状本体と、
該筒状本体内に設けられ、内部に薬剤と、摺動可能なピ
ストンとを有する薬剤カートリッジを収納する薬剤カー
トリッジ収納部と、ネジ部を有し、前記薬剤カートリッ
ジの前記ピストンを押圧するための押圧プランジャー
と、前記筒状本体に摺動可能かつ回転可能に設けられ、
先端部に該押圧プランジャーのネジ部と螺合するネジ部
を有し、後端部が前記筒状本体より突出した回転ノブ
と、前記回転ノブの回転量または後端部への移動距離を
検出し、該検出値より、該回転ノブの後端部を押圧した
時の押圧プランジャーによる薬剤分与量を算出する薬剤
分与量算出部と、該薬剤分与量算出部より算出された薬
剤分与量を表示する表示部とを有する薬剤定量分与器で
ある。
【0006】そして、前記薬剤定量分与器は、前記押圧
プランジャーが前記薬剤カートリッジの前記ピストンと
逆方向に移動すること、すなわち前記本体の後端方向へ
の移動を防止する手段を有していることが好ましく、前
記回転ノブを回転させても前記押圧プランジャーが回転
しない機構を前記ストッパーにまたは独立して有してい
る。さらに、前記薬剤定量分与器は、前記回転ノブと前
記押圧プランジャーとの間に挿入され、後端部が前記筒
状本体より突出するとともに、該後端部を押圧すること
により、前記押圧プランジャーと前記回転ノブとの螺合
状態を解除する螺合解除用プランジャーを有しているこ
とが好ましい。
【0007】また、上記目的を達成するものは、筒状本
体と、該筒状本体内に設けられ、内部に薬剤と、摺動可
能なピストンとを有する薬剤カートリッジを収納する薬
剤カートリッジ収納部と、ネジ部を有し、前記薬剤カー
トリッジの前記ピストンを押圧するための押圧プランジ
ャーと、前記筒状本体に摺動可能かつ回転可能に設けら
れ、かつ先端部に該押圧プランジャーのネジ部と螺合す
るネジ部を有するプランジャー移動用部材と、前記本体
の後端部に摺動不能かつ回転可能に設けられ、そして、
前記プランジャー移動用部材を内部に摺動可能に挿通
し、かつ該プランジャー移動用部材を回転させるための
薬剤分与量設定部材と、前記プランジャー移動用部材の
回転量または後端部への移動距離、もしくは前記分与量
設定部材の回転量を検出し、該検出値より、該プランジ
ャー移動用部材の後端部を押圧した時の押圧プランジャ
ーによる薬剤分与量を算出する薬剤分与量算出部と、該
薬剤分与量算出部より算出された薬剤分与量を表示する
表示部とを有することを特徴とする薬剤定量分与器であ
る。
【0008】前記薬剤定量分与器は、前記押圧プランジ
ャーが前記薬剤カートリッジの前記ピストンと逆方向に
移動すること、すなわち前記本体の後端方向への移動を
防止する手段を有していることが好ましい。また、前記
薬剤定量分与器は、前記押圧プランジャーの回転を防止
する手段を有していることが好ましい。また、前記薬剤
定量分与器は、前記筒状本体の先端において、前記薬剤
カートリッジを着脱自在にする着脱手段を有することが
好ましい。さらに、前記薬剤定量分与器は、前記押圧プ
ランジャーと前記プランジャー移動用部材との螺合およ
び前記押圧プランジャーの後端方向への移動防止を解除
する機構を有していることが好ましい。また、前記薬剤
定量分与器は、分与量設定前において、前記プランジャ
ー移動用部材がそれ以上先端方向に移動できない位置に
あることを検知する手段を有していることが好ましい。
【0009】そこで、第1の発明に係る薬剤定量分与器
を図面に示した一実施例を用いて説明する。本発明の薬
剤定量分与器1は、筒状本体2と、筒状本体2内に設け
られ、内部に薬剤Sと、摺動可能なピストンPとを有す
る薬剤カートリッジ22を収納する薬剤カートリッジ収
納部14と、外面にネジ部11aを有し、薬剤カートリ
ッジ22のピストンPを押圧するための押圧プランジャ
ー11と、筒状本体2に摺動可能かつ回転可能に設けら
れ、先端部に押圧プランジャー11のネジ部11aと螺
合するネジ部9aを有し、押圧プランジャー11を内部
に挿通する状態にて、後端部が筒状本体2より突出した
回転ノブ9と、回転ノブ9の回転量または後端部への移
動距離を検出し、該検出値より、該回転ノブの後端部を
押圧した時の押圧プランジャー11による薬剤分与量を
算出する薬剤分与量算出部20と、該薬剤分与量算出部
より算出された薬剤分与量を表示する表示部21とを有
することを特徴とする薬剤定量分与器である。
【0010】そこで、第1の発明に係る薬剤定量分与器
1の一実施例を、図1ないし図3を用いて説明する。図
1は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の正面図であ
り、図2は、図1のA−A線断面図であり、図3は、図
2のB−B線断面図である。この実施例の薬剤定量分与
器1は、内部に液状の薬剤Sと、薬剤を吐出するための
摺動可能なピストンPとを有する薬剤カートリッジ22
と、カートリッジ22の先端部に取り付けられ、カート
リッジの内部と外部とを挿通させる注射針15とを有す
る薬剤カートリッジ22に使用される薬剤定量分与器で
ある。
【0011】そして、この薬剤定量分与器1は、筒状本
体2と、筒状本体2内に設けられ、薬剤カートリッジ2
2を着脱自在の装着する薬剤カートリッジ装着部14
と、薬剤カートリッジのピストンPを押圧するための押
圧プランジャー11と、回転ノブ9と、回転ノブ9の回
転量または後端部への移動距離を検出し、検出値より、
回転ノブの後端部を押圧した時の押圧プランジャー11
による薬剤分与量を算出する薬剤分与量算出部20と、
薬剤分与量算出部20より算出された薬剤分与量を表示
する表示部21とを有している。
【0012】図1は、本発明の定量分与器1の内部に、
液状薬剤Sが充填され、先端部に注射針15を交換自在
に取り付けた透明体の薬剤カートリッジ22が取り付け
られた状態を示している。そして、注射針15には、キ
ャップ15aが被せられており、注射針15の針先を保
護する一方、使用後の廃棄時における危険防止を図って
いる。
【0013】薬剤カートリッジ22は、液状の薬剤Sを
充填し、カートリッジ22の先端には、注射針15の後
端側に設けられた中空針より刺通されるゴム栓14dが
設けられ、さらに、内部には、カートリッジ22の内周
面を長手方向に摺動自在かつ液密状態のピストンPが設
けられており、このピストンがカートリッジ22のゴム
栓方向に進行することにより、薬剤Sが分与される。
【0014】この実施例において、筒状本体は、筒状本
体2とその先端に着脱自在に取り付けられるカートリッ
ジホルダー13とからなり、筒状本体2は、後端が開口
し、カートリッジホルダー13は、図1に示すように、
カートリッジ22の先端部を被包するとともに、その先
端部を固定できる構造となっている。具体的には、この
カートリッジホルダー13の先端部外周面には、ネジ体
15bと螺合して、注射針15を保持する口ネジ部が形
成されており、また、後端側内周面には、筒状本体のし
めネジ部2aに螺合するネジ部13aが形成されてい
る。そして、カートリッジホルダー13を把持して、ネ
ジ体を緩めて針キャップ15aを被せた状態の注射針1
5をカートリッジ22のゴム栓14dから抜き去って取
り出した後、カートリッジホルダー13を把持回動し
て、本体2に対する螺合状態を解除してカートリッジホ
ルダー13を本体2から取り外すことにより、カートリ
ッジ22は、定量分与器1より取り外される。なお、こ
の薬剤定量分与器は、内部に収納された薬剤カートリッ
ジ22内の薬剤がなくなるまでの使い捨てのものとして
もよい。
【0015】そして、筒状本体2およびカートリッジホ
ルダー13により、薬剤カートリッジ装着部14が構成
されている。そして、筒状本体内には、押圧プランジャ
ー11が、筒状本体の内部に固定された係止具7により
摺動可能に把持されており、その先端には、ピストンP
を押圧するための円盤状部材が設けられており、押圧プ
ランジャー11の外面には、ネジ部11aが設けられて
いる。
【0016】回転ノブ9は、筒状本体2内に摺動可能か
つ回転可能に設けられ、押圧プランジャー11の先端部
が突出する状態にて、押圧プランジャー11を内部に挿
通するとともに、その先端部に押圧プランジャーのネジ
部11aと螺合するネジ部9aを有し、この定量分与器
1では、回転ノブ9を回転させることにより、回転ノブ
は回転された分だけ後端方向へ移動し、押圧プランジャ
ー11を挿通する係止具7と回転ノブ9の先端との間の
距離が長くなり、分与量が決定される。
【0017】そして、薬剤分与量算出部20は、回転ノ
ブの回転量または回転ノブの移動距離を検出し、この検
出値より、回転ノブの後端部を押圧した時の押圧プラン
ジャーによる薬剤分与量を算出する。回転ノブの回転量
または後端方向への移動量の検出器としては、リニアエ
ンコーダーまたはロータリエンコーダーを用いることが
できる。エンコーダーとしては、電圧、磁気式、電磁誘
導式のいずれでもよい。回転ノブの後端方向への移動量
を検出する検出器(リニアエンコーダー)の具体例とし
ては、筒状本体2の内面に長手方向に所定間隔ごとに、
磁気インデックスを取り付け、回転ノブ9に磁気インデ
ックスを検知する検出ヘッド(例えば、ホール素子、磁
気抵抗素子)を設けることが考えられる。この検出器に
よれば、回転ノブ9の後端方向への移動時における、検
出ヘッドが検出する磁気インデックスの数により、回転
ノブ9の移動距離を検出することができる。そして、こ
の検出器20による移動距離の検出値より、回転ノブの
後端を押圧したときの押圧プランジャーによる薬剤分与
量を算出する。通常、回転ノブの移動距離と押圧プラン
ジャーによりピストンPが先端側に進行する距離は等し
いので、薬剤分与量は、回転ノブの移動距離に、あらか
じめ記憶されているカートリッジの内部横断面積を積算
することにより算出される。また、検出器としては、磁
気インデックスを回転ノブに設け、検出ヘッドを筒状本
体に設けてもよい。また、検出器としては、リニアエン
コーダータイプのものに限らず、回転ノブの軸方向に平
行に所定間隔離間した磁気インデックスを回転ノブに設
け、筒状本体に設けられた検出ヘッドにて、回転ノブの
回転量を検出するロータリーエンコーダータイプのもの
であってもよい。そして、算出器20により算出された
薬剤分与量の算出値は、電気信号に変換され、デジタル
表示器21により図1のようにデジタル表示される。
【0018】さらに、この薬剤定量分与器1では、図2
に示すように、筒状本体2の内面には、ストッパー17
が設けられており、薬剤カートリッジ22が筒状本体2
にあるときは、板バネ18の付勢力により、押圧プラン
ジャー11を保持するとともに、プランジャー11がピ
ストンPを押圧する方向、言い換えれば定量分与器1の
先端方向には移動できるが、後端方向ヘの移動を防止す
る構造となっている。よって、携帯時及び分与量設定時
にプランジャー11が、後端方向に動くことに起因する
設定量と分与量とに相違が生じることを防止し、回転ノ
ブ9を回転させたときプランジャー11が回転しないよ
うになっている。また、このストッパー17の代わり
に、押圧プランジャー11を挿通する係止具7が、押圧
プランジャーをある程度の抵抗をもって摺動可能なもの
とすることにより、携帯時及び分与量設定時にプランジ
ャー11が、後端方向に動くことを防止してもよい。
【0019】そして、この定量分与器1では、カートリ
ッジ22内の薬剤がなくなるまで、何度でも分与するこ
とができる。そして、回転ノブ9の先端部には、押圧プ
ランジャー11に設けられたしめネジ部11aに螺合す
るしめネジ部9aが設けられており、押圧プランジャー
11の回転方向に対して固定されているため、回転ノブ
9は回転運動により長手方向へ自由に移動される。ま
た、回転ノブ9と押圧プランジャー11との間には、螺
合解除用プランジャー10が挿入されており、この螺合
解除用プランジャー10の後端部19を押圧することに
より、螺合解除用プランジャー10の先端部が押圧プラ
ンジャー11の先端方向に進行すると共に、押圧プラン
ジャーの先端部を押し広げる。このため、押圧プランジ
ャー11と回転ノブ9の螺合状態が解除され、回転ノブ
が長手方向に自由に移動可能とすることができるように
構成されている。また、解除用プランジャー10の後端
部19はスプリング12により、右方向へ付勢されてい
るので、後端部19をスプリングの反発力以上の力で押
圧しない限り、解除用プランジャー10は動かない構造
となっている。
【0020】以上の構成において、カートリッジが収納
され、カートリッジのピストンを押圧プランジャーによ
り押圧する状態において、回転ノブを回転させると押圧
しランジャーのネジの作用にて回転ノブは長手方向に移
動される。あるいは、解除用プランジャーを作用させ、
回転ノブを長手方向に移動させる。これにより、分与す
る薬剤量が設定される。そして、設定したい薬剤の分与
量に相当する長さ分回転ノブを移動させた後、表示部の
デジタル表示を確認し、押圧プランジャーを押圧するこ
とにより、設定した薬剤分与量が定量的に患者に投与さ
れる。
【0021】次に、第2の発明に係る薬剤定量分与器1
の第一の実施例を図面に示した実施例を用いて説明す
る。なお、第1の発明に係る薬剤定量分与器と同様の部
分については同一の符号を付して説明は省略する。本発
明の薬剤定量分与器1は、筒状本体2と、筒状本体2内
に設けられ、内部に薬剤Sと、摺動可能なピストンPと
を有する薬剤カートリッジ22を収納する薬剤カートリ
ッジ収納部14と、中空で、内面にネジ部11aを有
し、薬剤カートリッジ22のピストンPを押圧するため
の押圧プランジャー11と、筒状本体2に摺動可能かつ
回転可能に設けられ、かつ先端部外面に押圧プランジャ
ー11のネジ部11aと螺合するネジ部8aを有し、押
圧プランジャー11の後端部を収納するプランジャー移
動用部材8と、筒状本体2の後端部に摺動不能かつ回転
可能に設けられ、そして、前記プランジャー移動用部材
8を内部に摺動可能に挿通し、かつプランジャー移動用
部材8を回転させるための薬剤分与量設定部材26と、
プランジャー移動用部材8の回転量、または後端部への
移動距離、もしくは前記分与量設定部材26の回転量を
検出し、該検出値より、プランジャー移動用部材8の後
端部を押圧した時の押圧プランジャー11による薬剤分
与量を算出する薬剤分与量算出部20と、該薬剤分与量
算出部より算出された薬剤分与量を表示する表示部21
とを有することを特徴とする薬剤定量分与器である。
【0022】そこで、図4ないし図11を用いて説明す
る。図4は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の正面
図であり、図5は、図4のC−C線断面図であり、図6
は、カートリッジ装着前の状態を示す、ストッパー付近
の部分拡大断面図であり、図7は、カートリッジ装着後
の状態を示す、ストッパー付近の部分拡大断面図であ
り、図8は、図5のD−D線断面図であり、図9は、図
5のE−E線断面図であり、図10は、薬剤分与量をデ
ジタル表示するための機構に係る電気回路を示すブロッ
ク図であり、図11は、図5のF−F線断面図である。
【0023】本発明の薬剤定量分与器1において、押圧
プランジャー11は、後端が開口した筒状体であり、ピ
ストンPを押圧するための先端部11dと、内周面全体
にわたり設けられたネジ部11aとを有している。ま
た、この実施例における押圧プランジャー11の外面に
は、後述するストッパー17の第2の凹凸部17bと咬
合する第1の凹凸部11bが設けられている。この第1
の凹凸部11bは、後述するプランジャー移動用部材8
の後端方向への独立した動きを許容するよう、一つの凸
部の縦断面が、筒状本体2の後端方向に頂部を有するの
こ歯形状(言い換えれば、本体2の先端方向に向かって
押圧プランジャー3の中心側に傾斜する傾斜面を有する
のこ歯形状)となるよう形成されている。
【0024】さらに、この実施例における押圧プランジ
ャー11は、図5に示すように、後端から所定距離離間
した場所より先端に向かって軸方向に伸びるスリット1
1cを有している。このため、押圧プランジャー11
は、第1の凹凸部11bと後述する第2の凹凸部17b
とが咬合することにより、中心方向への付勢力が与えら
れ、ネジ部8aとネジ部11bが螺合する。それに対
し、第1の凹凸部11bと第2の凹凸部17bとが咬合
しない状態においては、押圧プランジャー11において
中心方向への付勢力がないため、ネジ部8aとネジ部1
1bの螺合は解除され、押圧プランジャー11とプラン
ジャー移動用部材8は単に接している状態となり、互い
に自由に摺動可能となる。
【0025】薬剤定量分与器1は、押圧プランジャー1
1のピストンと逆方向、すなわち、本体2の後端方向へ
の動きを防止する後戻り防止手段を有していることが好
ましい。この実施例における後戻り防止手段としては、
短筒状に形成されたストッパー17が本体に固定されて
設けられ、その内面から中心に向かって舌片状部分17
dが突出し、この舌片状部分17dの押圧プランジャー
11に接触する面に第2の凹凸部17bが形成されてい
る。本体2に固定する手段としては、本体2の内側に2
つの凸部からなるストッパー収納部24a,24bを設
け、この間にストッパー17を挟着しているが、このよ
うなものに限定されない。そして、第2の凹凸部17b
は、一つの凸部の縦断面が、筒状本体2の先端方向に頂
部を有するのこ歯形状となるよう形成されている。この
ように形成することにより、ストッパー17は、その凹
凸部17bが押圧プランジャー11の第1の凹凸部11
bと咬合し、押圧プランジャー11の先端方向への動き
を許容するが後端方向への移動を防止する。
【0026】また、第1の凹凸部11bおよび第2の凹
凸部17bのピッチは、ピストンPの移動距離に対応し
て設定されており、所定量の薬剤を分与するのに必要な
ピストンPの軸方向への移動距離と同一となるよう設定
されていることが好ましい。この実施例においては、第
1の凹凸部11bのピッチは、2unitの薬剤を分与
するのに必要なピストンPの軸方向への移動距離と同一
となるよう設定されている。なお、押圧プランジャー1
7の後方への移動を防止する手段は上記の構造に限定さ
れるものではなく、例えば、ストッパー17として、押
圧プランジャーをある程度の抵抗をもって摺動可能なも
の、例えば環状ゴム部材とすることにより、携帯時及び
分与量設定時にプランジャー11が後端方向に動くこと
を防止してもよい。
【0027】さらに、本発明の薬剤定量分与器1は、押
圧プランジャー11を回転不能にするための手段を有し
ていることが好ましい。このように設定することによ
り、設定した薬剤分与量と実際にプランジャー移動用部
材8を押圧した時に分注される薬剤量との間に差異を生
じることを防止できる。また、押圧プランジャー11の
第1の凹凸部11bとストッパー17の第2の凹凸部1
7bとの咬合が確実となる。この実施例においては、第
1の発明に係る薬剤定量分与器における係止具7の代わ
りに、図8に示すように、ストッパー17の内側に凸部
17cが形成され、前述した押圧プランジャー11のス
リット11cにこの凸部17cが挿入された状態で、押
圧プランジャー17を摺接可能に係止している。凸部1
7cとしては、本体2内部に固定され、スリット11c
に挿入される大きさに形成されていればどのようなもの
でもよいが、ストッパー17に付設することにより、押
圧プランジャー11の回転防止手段と後戻り防止手段を
一体に構成でき、部品点数が削減し部品の製作、組み立
ての単純化を図ることができる。
【0028】なお、押圧プランジャー17の回動を防止
する手段はこの実施例の構造に限定されるものではな
く、例えば、押圧プランジャー11をその中心方向に付
勢する環状ゴム部材を設け、押圧プランジャー11を回
転させるためにはある程度の抵抗を要するものとしても
よく、また、スリット11cの代わりに単に横長の凹部
とし、凸部17cを挿通して係止してもよい。また、ス
リット11cと別に凸部を押圧プランジャー11に設
け、本体2の内面にこの凸部を挿通し、本体2の軸方向
に伸びる凹部を形成し、これらの係合により押圧プラン
ジャー11を摺動可能な状態で回転を防止してもよい。
【0029】プランジャー移動用部材8は、棒状に形成
され、本体2に対し摺動可能かつ回転可能に設けられ、
少なくとも一部に、該押圧プランジャーのネジ部11a
と螺合するネジ部8aを有し、かつ、前記本体2の後端
開口より突出し、分与量設定操作後に薬剤を分与する際
に押圧するための押圧部8bを有し、薬剤分与時におい
て、押圧プランジャー11内に少なくとも先端が収納さ
れ、ネジ部8aと押圧プランジャーのネジ部11aとが
螺合するように設けられている。押圧プランジャー11
はストッパー17によって回転および本体2の後端方向
への動きを防止されているため、プランジャー移動用部
材8は押圧プランジャー11と螺合しながら独立して回
転し、螺合が進行または後退しながら本体2の軸方向に
移動する。具体的には、本体先端方向に向かって反時計
回りに回転させることによりプランジャー移動用部材8
は本体後端方向に移動し、逆に時計回りに回転させるこ
とにより先端方向に移動する。そして、プランジャー移
動用部材8は本体先端方向に向かって時計回りに回転さ
れた分だけ後端方向へ移動し、このプランジャー移動用
部材8を押圧した際に分注される薬剤の分与量が決定さ
れる。
【0030】そして、この実施例において、押圧プラン
ジャー11には後端付近より先端方向に向かって伸びる
スリット11cが設けられているため、中心方向への付
勢力がない状態ではネジ部11aとネジ部8aの螺合は
解除され、押圧プランジャー11とプランジャー移動用
部材8は単に接している状態となる。このため、この状
態においては、押圧プランジャー11とプランジャー移
動用部材8は互いに独立して摺動可能となる。
【0031】また、プランジャー移動用部材8は、薬剤
を分注する際に押圧するための押圧部8bを有してい
る。押圧部8bは、分与量設定前では、本体2の後端に
取り付けられた後述の薬剤分与量設定部材26に当接し
それ以上先端方向に移動できない位置に設けられてい
る。そのため、押圧部8bが本体2の後端(言い換えれ
ば、薬剤分与量設定部材26)に当接しているのを確認
後、プランジャー移動用部材8を本体先端方向に向かっ
て時計回りに回転させて分与量を設定する。この操作に
より、プランジャー移動用部材8は本体2の軸方向後端
に移動し、押圧部8bが突出した状態となる。そして、
押圧部8bが本体2に当接しそれ以上プランジャー移動
用部材8が先端方向に移動しなくなるまで押圧部9を押
し切ることにより、薬剤が分与される。そして、プラン
ジャー移動用部材8が後端方向に移動した距離と、押圧
部8bを押圧した際カートリッジ内のピストンが押圧さ
れる距離とは確実に一致するため、プランジャー移動用
部材8が後端方向に移動した距離に対応する量の薬剤が
定量的に分注される。そして、この実施例のプランジャ
ー移動用部材8は、後述する分与量設定部材26および
回転子27とスプライン結合するための、本体2の軸方
向に伸びる凸部または凹部30を有している。
【0032】さらに、プランジャー移動用部材8の後端
方向への移動可能距離は、カートリッジのピストンの移
動可能距離と同一に設定してあることが好ましい。この
ように構成することにより、設定しようとする分与量よ
りもカートリッジ内の薬剤残量が少ない場合、プランジ
ャー移動用部材8が移動できなくなるため、残量以上に
は分与量を設定できず、誤って少量の薬剤を分注するこ
とがない。この実施例においては、図6および図7に示
すように、プランジャー移動用部材8のネジ部8aより
も後端に、段部8eを設け、この段部8eから後端のプ
ランジャー移動用部材8の外径を小さくし、かつ、押圧
プランジャー11において、ネジ部11aの内径をプラ
ンジャー移動用部材8のネジ部8aと螺合できる大きさ
とし、ネジ部11aより後端に段部11eを設け、この
段部11eから後端において、プランジャー移動用部材
8のネジ部8aを除く部分を挿通できる程度に内径を狭
めてあり、カートリッジ22内の薬剤が満量の時のこれ
らの段部間の距離と、カートリッジ22のピストンPの
移動可能距離とが同一となるよう設定されている。これ
より、後述する薬剤の分与量を設定する操作の際に、設
定した分与量と残量とが同量になった時、これら段部が
当接し、それ以上分与量を設定しようとしてもプランジ
ャー移動用部材8が押圧プランジャー11に引っ掛かり
後端方向に移動できなくなる。
【0033】さらに、このように設定することにより、
プランジャー移動用部材8がそれ以上移動できなくなっ
た時、後述する薬剤分与量表示部は薬剤残量を示してい
るので、残量を分注前に確認できる。なお、注入設定量
をカートリッジ22内の薬剤Sの残量よりも多く設定す
るのを防止する構造は、プランジャー移動用部材8の本
体2の後端方向への移動、またはプランジャー移動用部
材8の回転を防止するものであればよく、上記のものに
限定されるものではない。
【0034】そして、本発明に係る薬剤定量分与器1
は、プランジャー移動用部材8を回転し分与量を設定す
るための分与量設定部材26(以下「設定部材26」と
略す)を有している。設定部材26は、プランジャー移
動用部材8を挿通し、かつ、その後端が本体開口より突
出し、本体2に対し扇動不能に設けられている。具体的
には、設定部材26は、プランジャー移動用部材8を挿
通する筒状に形成され、その一端に、押圧部9bを覆う
ように設けられ、かつ手で把持し易いような大きさに形
成された把持部26bとを有し、把持部26bが本体2
の後端に当接する状態で、本体開口より本体2内に収納
され、本体2に収納された部分の外面には、本体2の内
面に当接するための段部26cが設けられており、これ
より設定部材26は本体に対し回転可能かつ摺動不能に
設けられている。そして、プランジャー移動用部材8
は、その内側面の少なくとも一部に、プランジャー移動
用部材8とスプライン結合するために、図5に示すよう
に、凸部または凹部30と係合する、本体2の軸方向に
伸びる凹部または凸部31が設けられている。このよう
に構成されているため、設定部材26を回転させること
により、プランジャー移動用部材8がともに回転しなが
ら独立して本体2の軸方向に移動する。なお、プランジ
ャー移動用部材8と設定部材26の係合を確実に行うた
めには、これら凹凸部30、31は当角度離間して複数
対設けられることが好ましい。
【0035】さらに、設定部材26において、本体2内
部に収納されている部分の外面には、後述するクリック
部28と係合するための、本体2の軸方向に所定長伸び
る凹部または凸部32が形成されていることが好まし
い。
【0036】そして、薬剤定量分与器1は、プランジャ
ー移動用部材8と連動して回転することによりクリック
機構を形成するクリック部28を有していることが好ま
しい。この実施例において、クリック部28は図9に示
すように、設定部材26を囲繞するように形成され、内
側に凹部または凸部32と係合する凸部または凹部33
と、外側に本体2の軸方向に伸びかつ当角度離間して設
けられた複数の凹部または凸部34とを有する第1のク
リック部材28aと、この第1のクリック部材28aを
囲繞するように本体2内に固定され、かつ第1のクリッ
ク部材28aの凹部または凸部34と係合する凸部また
は凹部35を有する第2のクリック部材28bから構成
されている。第1のクリック部材23aは、凸部32と
凹部33の係合により設定部材26とともに回転し、こ
の回転により凸部34と凹部35が間欠的に係合するク
リック機構を形成する。良好なクリック機構を形成する
ためには、凹凸部34、35の形状は図9のような鋭角
に形成することが好ましい。
【0037】このようなクリック機構を設けた場合は、
押圧プランジャー11の第1の凹凸部11bのピッチ
は、プランジャー移動用部材8のネジ部8aのピッチ
と、凸部または凹部34、35の個数に対応して設定さ
れることが好ましい。すなわち、ネジ部8aに1ピッチ
(P)mmを、凹部の個数(N)で割った値(P/N)
と、第1の凹凸部11cの1ピッチ(M)が同じか、ま
たは、P/Nを2以上の自然数Zで割った値が第1の凹
凸部11bの1ピッチM(M=P/N・Z)となるよう
に、第1の凹凸部11bのピッチが設定されることであ
る。より好ましくは、第1の凹凸部11bのピッチは、
ネジ部8aのピッチを、凹部の個数で割った値に設定す
ることである。このように、第1の凹凸部11bのピッ
チを、ネジ部8aのピッチと凹部または凸部34、35
の個数に対応して設定することによって、第1の凹凸部
11cとストッパー17の第2の凹凸部17bが確実に
咬合し、設定部材25で設定した分与量を正確に分与で
きる。この実施例においては、凹凸部34、35は90
°離間して4個ずつ設けられ、プランジャー移動用部材
8のネジ部8aのピッチは8unitの薬剤を分与する
のに必要なピストンPの軸方向への移動距離と同一とな
るよう設定されているため、第1の凹凸部11bのピッ
チは2unitの薬剤を分与するのに必要なピストンP
の軸方向への移動距離と同一となるよう設定される。こ
のようなクリック部28を設けることにより、設定部材
26を間欠的に係止することができる。また、このクリ
ック機構は、所定量(この実施例においては、2uni
t)の設定ごとに設定部材26を係止できることに加
え、設定部材26をある程度固定する機能を有してい
る。
【0038】そして、薬剤分与量算出部20は、回転ノ
ブの回転量または回転ノブの移動距離を検出し、この検
出値より、回転ノブの後端部を押圧した時の押圧プラン
ジャーによる薬剤分与量を算出する。回転ノブの回転量
または後端方向への移動量の検出器としては、リニアエ
ンコーダーまたはロータリエンコーダーを用いることが
できる。エンコーダーとしては、電圧、磁気式、電磁誘
導式のいずれでもよい。回転ノブの後端方向への移動量
を検出する検出器(リニアエンコーダー)の具体例とし
ては、筒状本体2の内面に長手方向に所定間隔ごとに、
磁気インデックスを取り付け、プランジャー移動用部材
8に磁気インデックスを検知する検出ヘッド(例えば、
ホール素子、磁気抵抗素子)を設けることが考えられ
る。この検出器によれば、プランジャー移動用部材8の
後端方向への移動時における、検出ヘッドが検出する磁
気インデックスの数により、プランジャー移動用部材8
の移動距離を検出することができる。そして、この検出
器20による移動距離の検出値より、回転ノブの後端を
押圧したときの押圧プランジャーによる薬剤分与量を算
出する。通常、回転ノブの移動距離と押圧プランジャー
によりピストンPが先端側に進行する距離は等しいの
で、薬剤分与量は、回転ノブの移動距離に、あらかじめ
記憶されているカートリッジの内部横断面積を積算する
ことにより算出される。また、検出器としては、磁気イ
ンデックスを回転ノブに設け、検出ヘッドを筒状本体に
設けてもよい。また、検出器としては、リニアエンコー
ダータイプのものに限らず、回転ノブの軸方向に平行に
所定間隔離間した磁気インデックスを回転ノブに設け、
筒状本体に設けられた検出ヘッドにて、回転ノブの回転
量を検出するロータリーエンコーダータイプのものであ
ってもよい。
【0039】この実施例の薬剤定量分与器1には、図5
および図10に示すように、本体2の内部に電装基盤4
1を有し、薬剤分与量算出部20は、プランジャー移動
用部材8と共に回転するインデックス20aが設けられ
た回転子27と、電装基盤41と電気的に接続し、イン
デックス20aの回転量および後端方向への移動量を検
出する検出ヘッド20bと、電装基盤41に設けられ、
検出ヘッド20bの検出値より押圧部9bを押圧した時
の薬剤分与量を算出する演算処理部20cが設けられて
いる。
【0040】回転子27は、図11に示すように中央に
穴を有する円盤状で、プランジャー移動用部材8とスプ
ライン結合することにより、プランジャー移動用部材8
と連動して回転するが本体軸方向には移動しないよう設
けられている。具体的には、その穴において凸部または
凹部30と係合する凹部または凸部36が形成されてお
り、これらの凹凸部30と36が互いに係合し、プラン
ジャー移動用部材8を穴に挿通する状態で、本体2内部
の2つの凸部29a,29bが回転子27を両側から挟
むように設けられている。すなわち、回転子27は凹凸
部30と36の係合によりプランジャー移動用部材8と
ともに回転するが、凸部29a,29bにより本体2の
軸方向への動きを規制されている。
【0041】そして、この実施例のインデックス20a
は当角度離間して回転子27に設けられ、プランジャー
移動用部材8を360°回転した際に分与される薬剤量
と、何unit毎にプランジャー移動用部材8の回転量
を検出するかにより、その個数が設定される。すなわ
ち、プランジャー移動用部材8を360°回転すること
により分注される薬剤が8unitであり、2unit
毎にプランジャー移動用部材8の回転量を検出する場合
は、インデックス20aは90°ずつ離間して4個設け
られる。また、検出ヘッド20bの誤検知を防ぐため、
インデックス20aは回転子27の中央側(穴の付近)
に設けるよりも、回転による移動距離の大きい外側に設
けることが好ましい。また、例えば、回転子27を設け
ず、インデックス20aを設定部材26に当角度離間し
て設け、かつ検出ヘッド20bを設定部材26に隣接し
て設けることにより、設定部材26の回転量とインデッ
クス20aの個数を対応させて、設定部材26の回転量
を検出ヘッド20bで検出する構造としてもよい。
【0042】検出ヘッド20bは、インデックス20a
の回転を検出するためのセンサー(図示せず)を有して
いる。そして、この実施例におけるセンサーは、後述す
るように、設定したい薬剤分与量よりも多くプランジャ
ー移動用部材8を回し過ぎた場合に分与量の設定を修正
可能にするために、図10に示すようにA相37とB相
38という隣接した2相を検知するために2つのセンサ
ーを有している。これより、インデックス20aが本体
2の先端方向に向かって反時計回りに回転すると、A相
37、B相38の順にインデックス20aが検出され、
時計回りに回転するとB相38、A相37の順に検出さ
れる。演算処理部20cとしては、セントラルプロセッ
シングユニット(CPU)、リードオンリメモリ(RO
M)、ランダムアクセスメモリ(RAM)を用いること
ができる。通常、プランジャー移動用部材8の移動距離
と押圧プランジャーによりピストンPが先端側に進行す
る距離は等しいので、薬剤分与量は、プランジャー移動
用部材8の移動距離に、あらかじめ演算処理部20cに
記憶されているカートリッジの内部横断面積を積算する
ことにより算出される。
【0043】そして、本発明の薬剤定量分与器1は、プ
ランジャー移動用部材8の回転方向を判別し、これより
算出する薬剤分与量を増減する手段を有することが好ま
しい。この実施例において、演算処理部20cは、A相
37とB相38におけるインデックス20aの検知順序
を判別し、その順序により検出値を増減するように設定
されている。すなわち、この実施例の薬剤定量分与器に
おいて設定部材26を回転し分与量を設定する場合、プ
ランジャー移動用部材8を本体2の先端方向に向かって
反時計回りに2unit分回すことにより、検出器はA
相、B相の順で1つのインデックスを検知し、この順序
を演算処理部20cが判別し後述する表示部21に検出
値を1つ増やす電気信号を送る。また時計回りに回す場
合は、その逆の作用で検出値を1つ減らすよう信号が送
られる。このように設定することにより、薬剤分与量を
設定する際に設定部材26を誤って多く回し過ぎた場合
でも、逆方向に回転させることにより設定する分与量を
修正できる。そして、薬剤分与量算出部20は、表示部
21と電気的に接続し、これより薬剤分与量算出部20
により算出された薬剤分与量の算出値は、電気信号に変
換され、表示部21により図12のようにデジタル表示
される。表示部21としては、リキッドクリスタルディ
スプレイ(LCD)等を用いることができる。
【0044】さらに、本発明に係る薬剤定量分与器1
は、使い捨てとしてもよいが、新品のものと交換して半
永久的に再使用できるよう、カートリッジが着脱自在で
あることが好ましい。そして、カートリッジを着脱自在
とするために、この実施例のように薬剤定量分与器1
は、押圧プランジャー11とプランジャー移動用部材8
との螺合および押圧プランジャー11の後端方向への移
動防止を解除する機構を有することが必要となる。この
ような機構を有することにより、押圧プランジャー11
が後端方向に移動可能となり、また、プランジャー移動
用部材8が押圧プランジャー11の先端方向に移動可能
となる。
【0045】この実施例においては、筒状本体2の内部
に、カートリッジ受具23が長手方向に移動自在に設け
られており、この受具23は、略円筒状に形成され、図
6および図7に示すように、後端方向に向かって厚さが
漸減している。このため、受具23の内周面は、内径が
本体2の後端側に向かって拡径するテーパ部23aを形
成している。そして、受具23の先端面は、カートリッ
ジ22の後端部(ゴム栓22dと反対側)と当接する当
接部23bを形成している。ストッパー17は、舌片状
部材17dを有し、その外側面は、後端方向に向かって
本体2の内面に近づく傾斜面17aを形成し、カートリ
ッジ受具23のテーパ部23aとこの傾斜面17aが常
時当接するよう配置されている。そして、カートリッジ
受具23とストッパー収納部24の間には、第1の押し
バネ25が設けられており、カートリッジ受具23は、
バネの圧縮作用により先端方向の付勢力を得ている。図
6および図7はストッパー17およびカートリッジ受具
23の動作を説明するための拡大断面図であり、図6は
カートリッジを装着する前の状態、図7はカートリッジ
を装着した後の状態を示している。
【0046】カートリッジ装着前の状態において、カー
トリッジ受具23は先端方向に付勢力を得ているため、
図6に示すように、ストッパー17の第2の凹凸部17
bと押圧プランジャー11の第1の凹凸部11bの間に
は隙間があり両者は咬合していない。装着時においての
動作について説明すると、まず押圧プランジャー11を
新品のカートリッジ22に挿入してピストンPに当接さ
せた後、カートリッジホルダー13のねじ部13aと本
体2先端のしめねじ部2aを合わせ、その後にカートリ
ッジホルダー13を押しバネ25の付勢力を上回る力で
回転する。カートリッジホルダー13が後端方向に移動
するにつれ、カートリッジ受具23のテーパ部23aが
ストッパー17の傾斜面17aを中心方向に押し、この
ためストッパー17の第2の凹凸部17bが移動して押
圧プランジャー11の第1の凹凸部11bと咬合すると
同時に、押圧プランジャー11において中心方向に付勢
力が働き、ネジ部11aとネジ部8aとが螺合する。そ
して、カートリッジ22が本体2に装着されるにつれ、
押圧プランジャー11の先端部がピストンPにより本体
2の後端方向へ押される。このため、図7に示すよう
に、押圧プランジャー11は後端方向への移動を防止さ
れた状態となり、押圧プランジャー11とプランジャー
移動用部材8は螺合した状態となる。
【0047】カートリッジ内の薬剤Sが無くなると、キ
ャップを外してから、カートリッジホルダー13を把持
し、ネジ体15bを緩めて針キャップ15aを被せた状
態の注射針15をカートリッジ22のゴム栓22dから
抜き取って取り外す。次にカートリッジホルダー13を
把持回動して本体2に対する螺合(すなわちネジ部11
aとネジ部8aの螺合)状態を解除して、カートリッジ
ホルダー13を本体2から取り外し、空のカートリッジ
22を取り出す。この際に、装着時とは逆の作用によ
り、ストッパー17の押圧プランジャー11に対する中
心方向への付勢力が解除されるため、前述のようにネジ
部8aとネジ部11aの螺合は解除され、押圧プランジ
ャー11とプランジャー移動用部材8は単に接している
状態となり、互いに自由に摺動可能となる。すなわち、
カートリッジ未装着時においては、図6に示すように、
押圧プランジャー11はストッパー17の第2の凹凸部
17bおよびネジ部8aに規制されず、摺動自在とな
る。
【0048】さらに、本発明に係る薬剤定量分与器1
は、プランジャー移動用部材8がそれ以上先端に移動で
きない位置にあることを判別する手段を有することが好
ましい。前記手段としては、タッチセンサ、例えば、リ
ミットスイッチ、マイクロスイッチ、等が使用できる。
具体的には、プランジャー移動用部材8において回転子
27よりも先端側に設けられた接触子40と、3つの端
子A、端子B、端子Cと、接触子40の接触の有無によ
り端子Aと端子B、端子Aと端子Cが接続するように切
り換えるスナップからなる切り換えスイッチ39とを有
し、押圧部8bが本体2後端に当接した状態において、
接触子40が切り換えスイッチ39に接触するように本
体2の内部に設けられている。そして、端子Aと端子B
は、演算処理部20cと接続しており、この演算処理部
20cは、この接続を検知した場合に表示部21にゼロ
を表示するように設定されている。これより、分与量設
定前に押圧部8bが完全に押し切ってある状態で電源を
入れると、切り換えスイッチ39と接触子40の接触を
演算処理部20cが検知し、表示部21にゼロが表示さ
れる。これに対し、押圧部8bを完全に押し切ってない
場合は、切り換えスイッチ39の接続が切り換わり演算
処理部20cと接続しないため、表示部21にゼロ表示
されず、ゼロ確認により設定した分与量と異なる量の薬
剤を分注するおそれが完全になくなる。
【0049】さらに、本実施例の薬剤定量分与器1に
は、圧電ブザー43が設けられ、演算処理部20cと電
気的に接続している。そして、前記ゼロ表示と同時にブ
ザーが鳴るように設けられている。これより、分与量設
定前および分与終了後に、押圧部9bが完全に押し切っ
てあることをブザー音で確認することができる。
【0050】また、この実施例における薬剤定量分与器
1は、電源(図示せず)および電源スイッチ46を有し
ている。電源スイッチ46は、図5に示すように、筒状
本体2より突出し、カートリッジホルダー13を被包す
るキャップ(図示せず)を薬剤定量分与器1に取り付け
た際に前記キャップの後端と接触する位置にある。そし
て、前記キャップが電源スイッチ46に接触している場
合は電源が入らず、前記キャップを取り外した時に電源
が入るように電気回路への接続を切り換えるように設け
られている。なお、この実施例のような電源スイッチ4
6としては、タッチセンサ、例えば、リミットスイッ
チ、マイクロスイッチ、等が使用できる。なお、電源お
よび電源スイッチは、この実施例のものに限定されるも
のではない。
【0051】そして、この薬剤定量分与器1を用いて薬
剤を分与する場合は、まず、キャップを取り外し電源ス
イッチ46を作動させることにより電源を入れる。する
と、押圧部8bが本体2の後端(すなわち、設定部材2
6の後端)に当接している場合には、接触子40が切り
換えスイッチ39と接触するため、演算処理部20cが
表示部21に電気信号を送り、そのため圧電ブザー43
が鳴ると共に表示部21にゼロが表示される。これよ
り、プランジャー移動用部材8が完全に押し切られてい
ることを確認することができる。
【0052】次に、設定部材26を把持して本体2の先
端方向に向かって反時計回りに回す。これにより、設定
部材26とスプライン結合したプランジャー移動用部材
8が共に回転しながら後端方向に移動し、図12および
図13に示すように、押圧部8bが設定部材26の後端
より突出する。それと同時に、プランジャー移動用部材
8とスプライン結合した回転子27が共に回転し、その
回転を検出ヘッド20が検知し、演算処理部20cに電
気信号を送る。演算処理部20cは、回転子27の回転
量すなわちプランジャー移動用部材8(および設定部材
26)の回転量より、押圧部8bを押圧した際に分与さ
れる薬剤分与量を算出し、表示部21にデジタル表示す
る。図12は、この設定後の状態を示しており、薬剤分
与量指示部42は、10unitを指示している。この
ように本発明の薬剤定量分与器1における分与量設定操
作は、設定部材26を把持し回転するのみであり、従来
の分与器に比べ極めて容易となっている。設定したい分
与量よりも多く設定部材26を回し過ぎた場合は、設定
部材26を時計回りに回転する。すると、演算処理部2
0cは、算出する分与量を減らす電気信号を表示部21
に送るため、表示部21に表示される薬剤分与量が減
り、分与量を修正できる。
【0053】そして、設定したい分与量と表示された量
が同じになったことを確認後、針キャップ15aを外し
針15を患者に穿刺してから、設定部材26より突出し
た押圧部8bを本体2の後端に当接しそれ以上先端方向
に移動しなくなり、接触子40が切り換えスイッチ39
と接触し、演算処理部20cが表示部21に電気信号を
送り、そのため表示部21にゼロが表示されると共に圧
電ブザー43が鳴るまで押圧する。すると、プランジャ
ー移動用部材8と螺合した押圧プランジャー11が先端
方向に移動し、先端部11dがピストンPを押圧し、針
15の先から設定した分与量の薬剤が吐出され患者に投
与される。なお、この押圧に伴って、プランジャー移動
用部材8は、図4に示される分与量0の位置に戻る。投
与後は、針キャップ15aおよびキャップを再び装着
し、電源スイッチ46を作動させ電源を切る。
【0054】また、プランジャー移動用部材8の移動可
能距離と薬剤カートリッジ22のピストンPの移動可能
距離とを同一となるように構成すれば、設定部材26に
よって設定した分与量より、薬剤カートリッジ22内の
薬剤残量が少ない場合は、設定部材26を回してもプラ
ンジャー移動用部材8は後端方向に移動できないので、
誤って少量の薬剤を投与することがない。さらに、この
時(これ以上プランジャー移動用部材8が後端方向に移
動しなくなった時)、表示部21は薬剤残量を指示して
いるので、残量を投与前に確認できる。
【0055】次に、図14に示す第2の発明に係る二の
実施例の薬剤定量分与器について説明する。図14は、
本発明の他の実施例の全体断面図である。なお、一の実
施例の薬剤定量分与器と同様の部分については同一の符
号を付して説明は省略する。この実施例の薬剤定量分与
器1が第1の実施例と相違するのは、プランジャー移動
用部材8がそれ以上先端に移動できない位置にあること
を判別する手段、すなわち、切り換えスイッチ39と接
触子40、および圧電ブザー43を有していない点であ
る。
【0056】そして、この薬剤定量分与器1を用いて薬
剤を分与する際は、まず、押圧部8bが本体2の後端に
当接しそれ以上プランジャー移動用部材8が先端方向に
移動しないのを確認後、キャップを取り外し電源スイッ
チ46を作動させる。次に、設定部材26を把持して本
体2の先端方向に向かって反時計回りに回す。これによ
り、設定部材26とスプライン結合したプランジャー移
動用部材8が共に回転しながら後端方向に移動し、押圧
部8bが設定部材26の後端より突出する。それと同時
に、プランジャー移動用部材8とスプライン結合した回
転子27が共に回転し、その回転を検出ヘッド20が検
知し、演算処理部20cに電気信号を送る。演算処理部
20cは、回転子27の回転量すなわちプランジャー移
動用部材8(および設定部材26)の回転量より、押圧
部8bを押圧した際に分与される薬剤分与量を算出し、
表示部21にデジタル表示する。設定したい分与量と表
示された量が同じになったことを確認後、針キャップ1
5aを外し、針15を患者に穿刺した後、設定部材26
より突出した押圧部8bを、本体2の後端に当接しそれ
以上先端方向に移動しなくなるまで押圧する。すると、
プランジャー移動用部材8と螺合した押圧プランジャー
11が先端方向に移動し、先端部11dがピストンPを
押圧し、針15の先から設定した分与量の薬剤が吐出さ
れ患者に投与される。
【0057】次に、図15に示す第2の発明に係る三の
実施例について説明する。図15は、本発明に係る三の
実施例の全体断面図である。この実施例の薬剤定量分与
器1が一の実施例および二の実施例と相違するのは、本
体2の内側より突出し、接触子40と当接するための当
接部材42が設けられ、さらに、押圧部8bは、当接部
材42が接触子40と当接した状態において、本体2の
後端に当接しないよう構成されている点である。
【0058】そして、この薬剤定量分与器1を用いて薬
剤を分与する際は、まず、当接部材42が接触子40と
当接しそれ以上プランジャー移動用部材8が先端方向に
移動しないのを確認後、キャップを取り外し電源スイッ
チ46を作動させる。次に、設定部材26を把持して本
体2の先端方向に向かって時計回りに回す。これによ
り、設定部材26とスプライン結合したプランジャー移
動用部材8が共に回転しながら後端方向に移動し、押圧
部8bが設定部材26の後端より突出する。それと同時
に、プランジャー移動用部材8とスプライン結合した回
転子27が共に回転し、その回転を検出ヘッド20が検
知し、演算処理部20cに電気信号を送る。演算処理部
20cは、回転子27の回転量すなわちプランジャー移
動用部材8(および設定部材26)の回転量より、押圧
部8bを押圧した際に分与される薬剤分与量を算出し、
表示部21にデジタル表示する。設定したい分与量と表
示された量が同じになったことを確認後、針キャップ1
5aを外し、針15を患者に穿刺した後、設定部材26
より突出した押圧部8bを、当接部材42が接触子40
と当接しそれ以上先端方向に移動しなくなるまで押圧す
る。すると、プランジャー移動用部材8と螺合した押圧
プランジャー11が先端方向に移動し、先端部11dが
ピストンPを押圧し、針15の先から設定した分与量の
薬剤が吐出され患者に投与される。これより、設定した
薬剤分与量を定量的に分与できる。すなわち、押圧部8
bが本体2の後端(言い換えれば、設定部材26)に当
接するような構造としなくても、別の部分に当接させる
等の手段により、ある位置から先端方向に移動しないよ
うにプランジャー移動用部材8を設けることにより、設
定した薬剤分与量を定量的に分与することができる。
【0059】次に、図16ないし図17に示す第1の発
明に係る薬剤定量分与器の他の実施例について説明す
る。図16は、本発明の他の実施例における後端部の部
分断面図であり、図17は、図16のH−H線断面図で
ある。なお、図16において、回転子27より先端の図
示されていない部分は、図5に示す薬剤定量分与器と同
一の構造である。なお今までの実施例と同一の部分につ
いては同一の符号を付して説明は省略する。図1に示し
た実施例では、回転ノブ9が押圧プランジャー11を内
部に挿通し、回転ノブ9の内面に設けられたネジ部9a
と押圧プランジャー11の外面に設けられたネジ部11
aとが螺合しているのに対し、この実施例の薬剤定量分
与器1は、押圧プランジャー11が筒状で、その内周面
にネジ部11aを有し、かつ回転ノブ9の先端部外側
に、ネジ部11aと螺合するネジ部9aを有し、押圧プ
ランジャー11が回転ノブ9を収納する状態で、回転ノ
ブ9と押圧プランジャー11が螺合している点で相違し
ている。
【0060】この実施例の薬剤定量分与器1において、
回転ノブ9後端は、本体2の後端に当接するよう本体開
口よりも広径に形成され、把持し押圧するための押圧部
9bを有している。この押圧部9bは、押圧しやすいよ
う、後端中央に穴が形成されていてもよい。そして、回
転ノブ9には、回転子27とスプライン結合し、かつ後
述する凹部または凸部と係合するための、押圧部9bよ
り先端から所定長本体2の軸方向に伸びる凸部または凹
部30(この実施例においては凹部30が形成されてい
る)が当角度離間して複数設けられている。
【0061】かつ、本体開口には、凹部または凸部30
と係合する凹部または凸部31(この実施例においては
凸部31が形成されている)を有するクリック部28が
設けられている。これより、押圧部9bを把持し回転ノ
ブ9を回転させることにより、凹部または凸部30と凸
部または凹部31とが間欠的に係合するクリック機構を
形成している。このようなクリック部28を設けること
により、設定部材26を間欠的に係止することができ
る。また、このクリック機構は、所定量(この実施例に
おいては、2unit)の設定ごとに設定部材26を係
止できることに加え、設定部材26をある程度固定する
機能を有している。
【0062】
【発明の効果】第1の発明に係る薬剤定量分与器は、筒
状本体と、該筒状本体内に設けられ、内部に薬剤と、摺
動可能なピストンとを有する薬剤カートリッジを収納す
る薬剤カートリッジ収納部と、前記薬剤カートリッジの
前記ピストンを押圧するための押圧プランジャーと、前
記筒状本体に摺動可能かつ回転可能に設けられ、先端部
が該押圧プランジャーと螺合するとともに、後端部が前
記筒状本体より突出した回転ノブと、前記回転ノブの回
転量または後端部への移動距離を検出し、該検出値よ
り、該回転ノブの後端部を押圧した時の押圧プランジャ
ーによる薬剤分与量を算出する薬剤分与量算出部と、該
薬剤分与量算出部より算出された薬剤分与量を表示する
表示部とを有するので、回転ノブを回転させながら後端
方向に移動させ、任意の分与量を設定し、その後回転ノ
ブを押すだけで設定された量の薬剤が分与され、さら
に、設定された分与量が一目で迅速に分かるようにデジ
タル表示される。よって、例えば糖尿病患者に多い弱視
者等でも薬剤の分与量の設定およびその確認が容易かつ
簡便に行え、薬剤の分与量を間違える事なく分与するこ
とができる。
【0063】また、第2の発明に係る薬剤定量分与器
は、筒状本体と、該筒状本体内に設けられ、内部に薬剤
と、摺動可能なピストンとを有する薬剤カートリッジを
収納する薬剤カートリッジ収納部と、前記薬剤カートリ
ッジの前記ピストンを押圧するための押圧プランジャー
と、前記筒状本体に摺動可能かつ回転可能に設けられ、
かつ先端部が該押圧プランジャーと螺合するプランジャ
ー移動用部材と、前記本体の後端部に摺動不能かつ回転
可能に設けられ、そして、前記プランジャー移動用部材
を内部に摺動可能に挿通し、かつ該プランジャー移動用
部材を回転させるための薬剤分与量設定部材と、前記プ
ランジャー移動用部材の回転量、または後端部への移動
距離、もしくは前記分与量設定部材の回転量を検出し、
該検出値より、該プランジャー移動用部材の後端部を押
圧した時の押圧プランジャーによる薬剤分与量を算出す
る薬剤分与量算出部と、該薬剤分与量算出部より算出さ
れた薬剤分与量を表示する表示部とを有するので、薬剤
分与量設定部材を回転させることによりプランジャー移
動用部材を後端方向に移動させ、任意の分与量を設定
し、その後プランジャー移動用部材を押すだけで設定さ
れた量の薬剤が分与され、さらに、設定された分与量が
一目で迅速に分かるようにデジタル表示される。よっ
て、弱視者等でも薬剤の分与量の設定およびその確認が
容易かつ簡便に行え、薬剤の分与量を間違える事なく分
与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の発明に係る薬剤定量分与器の一
実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図2のB−B線断面図である。
【図4】第2の発明に係る薬剤定量分与器の一実施例の
正面図である。
【図5】図4のC−C線断面図である。
【図6】第2の発明に係る薬剤定量分与器の一実施例
の、カートリッジを装着する前の状態を示す部分拡大断
面図である。
【図7】第2の発明に係る薬剤定量分与器の一実施例
の、カートリッジを装着した後の状態を示す部分拡大断
面図である。
【図8】図5のD−D線断面図である。
【図9】図5のE−E線断面図である。
【図10】第2の発明に係る薬剤定量分与器の一実施例
の、電気部品の回路図である。
【図11】図5のF−F線断面図である。
【図12】薬剤分与量設定操作後の、図4に示す薬剤定
量分与器の正面図である。
【図13】図11に示す薬剤定量分与器の全体断面図で
ある。
【図14】第2の発明に係る薬剤定量分与器の二の実施
例の全体断面図である。
【図15】第2の発明に係る薬剤定量分与器の三の実施
例の全体断面図である。
【図16】第1の発明に係る薬剤定量分与器の、他の実
施例における後端付近の断面図である。
【図17】図15のH−H線断面図である。
【符号の説明】
1 薬剤定量分与器本体 2 筒状本体 2a しめねじ部 7 係止具 8 プランジャー移動用部材 8a ネジ部 8b 押圧部 8e 段部 9 回転ノブ 9a ネジ部 9b 押圧部 10 解除用プランジャー 11 押圧プランジャー 11a ネジ部 11b 第1の凹凸部 11c スリット 11d 先端部 11e 段部 12 スプリング 13 カートリッジホルダー 13a ねじ部 14 薬剤カートリッジ収納部 14d ゴム栓 15 注射針 15a キャップ 15b ネジ体 17 ストッパー 17a 傾斜面 17b 第2の凹凸部 17c 凸部 17d 舌片状部分 18 板バネ 19 解除用プランジャー後端部 20 薬剤分与量算出部 20a インデックス 20b 検出ヘッド 20c 演算処理部 21 表示部 22 薬剤カートリッジ 23 カートリッジ受具 23a テーパ面 23b 当接部 24a,24b ストッパー収納部 25 押しバネ 26 薬剤分与量設定部材 26b 把持部 26c 段部 27 回転子 28 クリック部 28a 第1のクリック部材 28b 第2のクリック部材 29a、29b 凸部 30 凹部または凸部 31 凹部または凸部 32 凹部または凸部 33 凹部または凸部 34 凹部または凸部 35 凹部または凸部 36 凹部または凸部 37 A相 38 B相 39 切り換えスイッチ 40 接触部材 41 電装基盤 42 当接部材 43 圧電ブザー 46 電源スイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状本体と、該筒状本体内に設けられ、
    内部に薬剤と、摺動可能なピストンとを有する薬剤カー
    トリッジを収納する薬剤カートリッジ収納部と、前記薬
    剤カートリッジの前記ピストンを押圧するための押圧プ
    ランジャーと、前記筒状本体に摺動可能かつ回転可能に
    設けられ、先端部に該押圧プランジャーのネジ部と螺合
    するネジ部を有し、後端部が前記筒状本体より突出した
    回転ノブと、前記回転ノブの回転量または後端部への移
    動距離を検出し、該検出値より、該回転ノブの後端部を
    押圧した時の押圧プランジャーによる薬剤分与量を算出
    する薬剤分与量算出部と、該薬剤分与量算出部より算出
    された薬剤分与量を表示する表示部とを有することを特
    徴とする薬剤定量分与器。
  2. 【請求項2】 筒状本体と、該筒状本体内に設けられ、
    内部に薬剤と、摺動可能なピストンとを有する薬剤カー
    トリッジを収納する薬剤カートリッジ収納部と、ネジ部
    を有し、前記薬剤カートリッジの前記ピストンを押圧す
    るための押圧プランジャーと、前記筒状本体に摺動可能
    かつ回転可能に設けられ、かつ先端部に該押圧プランジ
    ャーと螺合するネジ部を有するプランジャー移動用部材
    と、前記本体の後端部に摺動不能かつ回転可能に設けら
    れ、そして、前記プランジャー移動用部材を内部に摺動
    可能に挿通し、かつ該プランジャー移動用部材を回転さ
    せるための薬剤分与量設定部材と、前記プランジャー移
    動用部材の回転量または後端部への移動距離、もしくは
    前記分与量設定部材の回転量を検出し、該検出値より、
    該プランジャー移動用部材の後端部を押圧した時の押圧
    プランジャーによる薬剤分与量を算出する薬剤分与量算
    出部と、該薬剤分与量算出部より算出された薬剤分与量
    を表示する表示部とを有することを特徴とする薬剤定量
    分与器。
JP4093185A 1991-04-18 1992-04-13 薬剤定量分与器 Pending JPH05103833A (ja)

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JP11547691 1991-04-18
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501157A (ja) * 1999-06-08 2003-01-14 メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド コストを考えたアプリケーション注入装置
WO2006137247A1 (ja) * 2005-06-21 2006-12-28 Asa Electronics Industry Co., Ltd シリンダー制御ユニット
US8613726B2 (en) 2000-03-23 2013-12-24 Medtronic Minimed, Inc. Control tabs for infusion devices and methods of using the same
JP2016537105A (ja) * 2013-11-22 2016-12-01 サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 薬物送達デバイスのアセンブリ

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US10537684B2 (en) 2013-11-22 2020-01-21 Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh Assembly for a drug delivery device
US11065389B2 (en) 2013-11-22 2021-07-20 Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh Assembly for a drug delivery device

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