JP3108502B2 - 薬剤定量分与器 - Google Patents

薬剤定量分与器

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JP3108502B2
JP3108502B2 JP04038547A JP3854792A JP3108502B2 JP 3108502 B2 JP3108502 B2 JP 3108502B2 JP 04038547 A JP04038547 A JP 04038547A JP 3854792 A JP3854792 A JP 3854792A JP 3108502 B2 JP3108502 B2 JP 3108502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カートリッジを交換自
在に装着し、かつ、カートリッジ内に充填された薬剤の
分与量の設定およびその分与ができ、かつ連続使用でき
る薬剤定量分与器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液状の薬剤を定量分与するた
めに、注射器が用いらてきた。この種の注射器として
は、例えば、糖尿病の治療のための液状薬剤であるイン
スリンの注入用のインスリン注入器がある。そして、糖
尿病患者は、インスリンの投与を一日数回行うことが必
要な場合には、注射器および薬剤のアンプル瓶を常に持
ち運ばなくてはならず、携帯にも不便であり、さらに、
携帯者自信が糖尿病であることを他人に知られてしまう
不安感もあった。また、薬剤をアンプル瓶より注入器に
補給する際に、注射針をアンプル瓶のゴム部に一度穿刺
する必要があるが、この際、注射針の針先のが破損ある
いは注射針の針先が丸みを帯び刺通抵抗が増加するとい
った危険性もあった。そこで、カートリッジ内に充填さ
れた薬剤を任意の量分与でき、かつ携帯可能なペン型タ
イプの穿刺定量分与器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今まで
のペン型タイプの定量分与器においては、一回の分与量
の設定が容易でなく、かつ、設定した分与量の確認も容
易なものではなかった。さらに、カートリッジ内の薬剤
の残量の確認も困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、前記の
問題点に鑑みてなされたものであり、薬剤の分与量の設
定およびその確認が容易に行え、薬剤の分与量を間違え
る事なく分与することができ、かつ薬剤カートリッジ内
の薬剤の残量を容易に確認することができる薬剤定量分
与器を提供することにある。
【0005】上記目的を達成するものは、内部に薬剤
と、摺動可能なピストンとを有する薬剤カートリッジを
着脱自在に装着する薬剤カートリッジ装着部を有する筒
状本体と、前記薬剤カートリッジの前記ピストンを押圧
するための押圧プランジャーと、前記筒状本体より突出
した後端部を有し、そして、前記筒状本体に摺動可能か
つ回転可能に設けられ、さらに前記押圧プランジャーに
対し回転可能かつ回転により該押圧プランジャーの少な
くともその後方に移動し、かつ後端部を前方に押圧する
ことにより該押圧プランジャーを前方に移動可能に設け
られた回転ノブと、前記回転ノブの回転量または後端部
への移動距離を検出し、該検出値より、該回転ノブの後
端部を押圧した時の押圧プランジャーによる薬剤分与量
を算出する薬剤分与量算出機能と、薬剤カートリッジの
全薬剤量記憶部と、前記薬剤分与量算出機能よび前記全
薬剤量記憶部のデータより薬剤残量を演算する薬剤残量
演算機能と、前記薬剤分与量算出機能より算出された薬
剤分与量および前記薬剤残量演算機能により算出された
薬剤残量を選択的または同時に表示する表示部とを有す
る薬剤定量分与器である。
【0006】そして、前記薬剤定量分与器は、前記押圧
プランジャーが前記薬剤カートリッジの前記ピストンと
逆方向に移動することを防止するストッパーを有してい
ることが好ましい。また、前記薬剤定量分与器は、前記
回転ノブと前記押圧プランジャーとの間に挿入され、後
端部が前記筒状本体より突出するとともに、該後端部を
押圧することにより、前記押圧プランジャーと前記回転
ノブとの螺合状態を解除する螺合解除用プランジャーを
有していることが好ましい。また、前記薬剤残量演算機
能は、前記薬剤分与量算出機能および前記全薬剤量記憶
部のデータより薬剤残量を算出し、かつ記憶する機能を
有していることが好ましい。そして、前記全薬剤量記憶
部のデータは、前記薬剤残量演算機能より薬剤残量が算
出されると該算出データにより書き換えられるものであ
ることが好ましい。また、前記薬剤定量分与器は、前記
薬剤残量演算機能により算出された薬剤残量が、前回の
薬剤分与量より少ないことを検知する検知機能およびそ
の警報機能を有していることが好ましい。さらに、前記
薬剤定量分与器は、時計機能を有していることが好まし
い。さらに、前記薬剤定量分与器は、次回投与時刻また
はその所定時間前を知らせる警報機能を有していること
が好ましい。
【0007】そこで、本発明の薬剤定量分与器を図面に
示した実施例を用いて説明する。本発明の薬剤定量分与
器1は、内部に薬剤Sと、摺動可能なピストンPとを有
する薬剤カートリッジ22を着脱自在に装着する薬剤カ
ートリッジ装着部14を有する筒状本体2と、薬剤カー
トリッジ22のピストンPを押圧するための押圧プラン
ジャー11と、筒状本体2より突出した後端部を有し、
そして、筒状本体2に摺動可能かつ回転可能に設けら
れ、さらに押圧プランジャー11に対し回転可能かつ回
転により押圧プランジャー11の少なくともその後方に
移動し、かつ後端部を前方に押圧することにより押圧プ
ランジャー11を前方に移動可能に設けられた回転ノブ
9と、回転ノブ9の回転量または後端部への移動距離を
検出し、検出値より、回転ノブ9の後端部を押圧した時
の押圧プランジャーによる薬剤分与量を算出する薬剤分
与量算出機能と、薬剤カートリッジ22の全薬剤量記憶
部と、薬剤分与量算出機能および全薬剤量記憶部のデー
タより薬剤残量を演算する薬剤残量演算機能と、薬剤分
与量算出機能により算出された薬剤分与量および薬剤残
量演算機能により算出された薬剤残量を選択的または同
時に表示する表示部とを有している。
【0008】そこで、図1ないし図4を用いて説明す
る。図1は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の正面
図であり、図2は、図1のA−A線断面図であり、図3
は、図2のB−B線断面図であり、図4は、本発明の薬
剤定量分与器の一実施例に設けられている電気回路のブ
ロック図である。この実施例の薬剤定量分与器1は、内
部に液状の薬剤Sと、薬剤を吐出するための摺動可能な
ピストンPとを有する薬剤カートリッジ22と、カート
リッジ22の先端部に取り付けられ、カートリッジの内
部と外部とをを挿通させる注射針とを有する薬剤カート
リッジ22に使用される薬剤定量分与器である。
【0009】そして、この薬剤定量分与器1は、筒状本
体2と、筒状本体2内に設けられ、薬剤カートリッジ2
2を着脱自在に装着する薬剤カートリッジ装着部14
と、薬剤カートリッジのピストンPを押圧するための押
圧プランジャー11と、回転ノブ9と、回路基板5と、
電源である電池3とを有しており、回路基板5には、マ
イクロコンピュータ31、表示部22、警報手段である
ブザー33、モード切替スイッチ41(SW1)、時刻
または薬剤全量入力スイッチ42(SW2)、セットス
イッチ43(SW3)、回転ノブ9の回転量または後端
部への移動距離を検出し、検出値より、回転ノブの後端
部を押圧した時の押圧プランジャー11による薬剤分与
量を算出するためのエンコーダー32が取り付けられて
いる。そして、マイクロコンピュータ31は、エンコー
ダー32からのデータにより薬剤分与量を算出する薬剤
分与量算出機能と、薬剤カートリッジ22の全薬剤量記
憶部と、薬剤分与量算出機能および全薬剤量記憶部のデ
ータより薬剤残量を演算する薬剤残量演算機能と、薬剤
分与量算出機能により算出された薬剤分与量および薬剤
残量演算部機能より算出された薬剤残量を選択的または
同時に表示部21により表示させる機能とを有してい
る。
【0010】図1は、本発明の定量分与器1の内部に、
液状薬剤Sが充填され、先端部に注射針15を交換自在
に取り付けたた透明体の薬剤カートリッジ22が取り付
けられた状態を示している。そして、注射針15には、
キャップ15aが被せられており、注射針の針先を保護
する一方、使用後の廃棄時における危険防止を図ってい
る。
【0011】薬剤カートリッジ22は、液状の薬剤Sを
充填し、カートリッジ22の先端には、注射針15の後
端側に設けられた中空針より刺通されるゴム栓14dが
設けられ、さらに、内部には、カートリッジ22の内周
面を長手方向に摺動自在かつ液密状態のピストンPが設
けられており、このピストンがカートリッジ22のゴム
栓方向に進行することにより、薬剤Sが分与される。
【0012】筒状本体は、筒状本体2とその先端に着脱
自在に取り付けられるカートリッジホルダー13とから
なり、カートリッジホルダー13は、図1に示すよう
に、カートリッジ22の先端部を被包するとともに、そ
の先端部を固定できる構造となっている。具体的には、
このカートリッジホルダー13の先端部外周面には、ネ
ジ体15bと螺合して、注射針15を保持する口ネジ部
が形成されており、また、後端側内周面には、筒状本体
のしめネジ部2aに螺合するネジ部13aが形成されて
いる。そして、カートリッジホルダー13を把持して、
ネジ体を緩めて針キャップ15aを被せた状態の注射針
15をカートリッジ22のゴム栓22dから抜き去って
取り出した後、カートリッジホルダー13を把持回動し
て、本体2に対する螺合状態を解除してカートリッジホ
ルダー13を本体2から取り外すことにより、カートリ
ッジ22は、定量分与器1より取り外される。
【0013】そして、筒状本体2およびカートリッジホ
ルダー13により、薬剤カートリッジ装着部14が構成
されている。そして、筒状本体内には、押圧プランジャ
ー11が、筒状本体の内部に固定された係止具7により
摺動可能に把持されており、その先端には、ピストンP
を押圧するための円盤状部材が設けられており、押圧プ
ランジャー11の外面には、ネジ部11aが設けられて
いる。
【0014】回転ノブ9は、筒状本体2内に摺動可能か
つ回転可能に設けられ、押圧プランジャー11の先端部
が突出する状態にて、押圧プランジャー11を内部に挿
通するとともに、その先端部に押圧プランジャーのネジ
部11aと螺合するネジ部9aを有し、この定量分与器
1では、回転ノブ9を回転させることにより、回転ノブ
は回転された分だけ後端方向へ移動し、押圧プランジャ
ー11を挿通する係止具7と回転ノブ9の先端との間の
距離が長くなり、分与量が決定される。
【0015】次に、図4に示したブロック図を用いて本
発明の薬剤定量分与器の電気回路について説明する。マ
イクロコンピュータ31は、電池3により電力を与えら
れ起動し、内部に種々の演算を行うためのCPU35
と、演算用のプログラムなどが記憶されたROM37
と、必要なデータを一時的に記憶するRAM36と、ク
ロック発生器38と、エンコーダー32からの信号をC
PU35に入力するための信号に変換するインターフェ
ース39とを備えている。さらに、マイクロコンピュー
タ31には、時刻、演算結果などを表示する表示部2
1、警報手段であるブザー33、モード切替スイッチ4
1(SW1)、時刻または薬剤全量入力スイッチ42
(SW2)、セットスイッチ43(SW3)が電気的に
接続されている。
【0016】マイクロコンピュータ31では、エンコー
ダー32により検知された回転ノブ9の回転量に応答し
た信号が、インターフェース39に入力され、インター
フェース39内のアンプおよびコンパレータによりデジ
タル信号に変換されたのち、CPU35に入力されるよ
うに構成されている。そして、CPU35は、入力され
た信号に基づいて、薬剤分与量を算出し、表示部21に
より表示する。そして、この実施例の薬剤定量分与器で
は、図4に示すようにロータリーエンコーダーが用いら
れている。
【0017】ロータリーエンコーダー32は、回転ノブ
の回転量または回転ノブの移動距離を検出し、その検出
信号を、上記のようにマイクロコンピュータ31に送
り、マイクロコンピュータ31により、回転ノブの後端
部を押圧した時の押圧プランジャーによる薬剤分与量が
算出される。回転ノブの回転量または後端方向への移動
量の検出器としては、上記のようにロータリエンコーダ
ーを用いることが好ましい。エンコーダーとしては、電
圧、磁気式、電磁誘導式のいずれでもよい。そして、回
転ノブ9の回転量を検出するために、薬剤定量分与器1
の回転ノブ9には、その表面に軸方向に平行に所定間隔
離間した複数の磁気インデックス20が設けられてお
り、回路基板5には、磁気インデックス20を検出する
ための検出ヘッド2(例えば、ホール素子、磁気抵抗素
子)が設けられている。また、エンコーダーとしては、
ロータリーエンコーダーに限らず、回転ノブの後端方向
への移動量を検出する検出器(リニアエンコーダー)を
用いてもよい。リニアエンコーダーとしては、筒状本体
2の内面に長手方向に所定間隔ごとに、複数の磁気イン
デックスを取り付け、回転ノブ9に磁気インデックスを
検知する検出ヘッドを設けることが考えられる。この検
出器によれば、回転ノブ9の後端方向への移動時におけ
る、検出ヘッドが検出する磁気インデックスの数によ
り、回転ノブ9の移動距離を検出することができる。そ
して、この検出器20による移動距離の検出値より、回
転ノブの後端を押圧したときの押圧プランジャーによる
薬剤分与量を算出する。通常、回転ノブの移動距離と押
圧プランジャーによりピストンPが先端側に進行する距
離は等しいので、薬剤分与量は、回転ノブの移動距離
に、あらかじめ記憶されているカートリッジの内部横断
面積を積算することにより算出される。
【0018】モード切替スイッチ41(SW1)は、マ
イクロコンピュータ31が有する機能の切り替えるため
のスイッチであり、この実施例の薬剤定量分与器1は後
述するように、時刻表示モードM0、薬剤分与量設定モ
ードM1、前回分与量表示モードM2、前回分与時刻表
示モードM3、次回分与時刻表示モードM4、薬剤全量
入力モードM5、薬剤残量表示モードM6、次回分与時
刻または分与間隔入力モードM7、時刻入力モードM8
の9つのモードを有している。時刻または薬剤全量入力
スイッチ42(SW2)は、後述するように、現在時刻
の入力、次回薬剤分与時刻の入力および薬剤全量の入力
のためのスイッチである。セットスイッチ43(SW
3)は、時刻または薬剤全量入力スイッチ42により入
力された時刻、薬剤全量および回転ノブ9を回転するこ
とにより算出され、表示部21に表示された薬剤分与量
のセット(具体的には、CPU35へのデータの入力)
を行うためのスイッチである。表示部21としては、通
常のモノクロLCDでもよいが、糖尿病患者は視力が低
下している場合が多いので、より見やすいカラーLC
D、例えば、赤色モノカラーLCDなどのモノカラーL
CDを用いることが好ましい。ブザー33は、薬剤残量
が前回薬剤分与量より少なくなったことを、または次回
薬剤投与時刻の到来などを知らせるための警報手段であ
る。原点センサ50は、回転ノブ9の後端部を押圧し、
薬剤の投与が完了した時点で作動し、このセンサ50か
らの信号は表示器の表示の0への復帰、薬剤の注入完了
を知らせるブザーの鳴動、さらに薬剤投与完了のCPU
35への入力に用いられる。
【0019】さらに、この薬剤定量分与器1では、図2
に示すように、筒状本体2の内面には、ストッパー17
が設けられおり、薬剤カートリッジ22が筒状本体2に
あるときは、板バネ18の付勢力により、プランジャー
11を保持するとともに、プランジャー11がピストン
Pを押圧する方向、言い換えれば定量分与器1の先端方
向には移動できるが、後端方向ヘの移動を防止する構造
となっている。よって、携帯時及び分与量設定時にプラ
ンジャー11が、後端方向に動くことに起因する設定量
と分与量とに相違が生じることを防止し、回転ノブ9を
回転させたときプランジャー11が回転しない用になっ
ている。また、このストッパー17の変わりに、押圧プ
ランジャー11を挿通する係止具7が、押圧プランジャ
ーをある程度の抵抗をもって摺動可能なものとすること
により、携帯時及び分与量設定時にプランジャー11
が、後端方向に動くことを防止してもよい。
【0020】そして、この定量分与器1では、カートリ
ッジ22内の薬剤がなくなるまで、何度でも分与するこ
とができる。そして、回転ノブ9の先端部には、押圧プ
ランジャー11に設けられたしめネジ部11aに螺合す
るしめネジ部9aが設けられており、押圧プランジャー
11の回転方向に対して固定されているため、回転ノブ
9は回転運動により長手方向へ自由に移動される。ま
た、回転ノブ9と押圧プランジャー11との間には、螺
合解除用プランジャー10が挿入されており、この螺合
解除用プランジャー10の後端部19を押圧することに
より、螺合解除用プランジャー10の先端部が押圧プラ
ンジャー11の先端方向に進行すると共に、押圧プラン
ジャーの先端部を押し広げる。このため、押圧プランジ
ャー11と回転ノブ9の螺合状態が解除され、回転ノブ
が長手方向に自由に移動可能とすることができるように
構成されている。また、解除用プランジャー10の後端
部19はスプリング12により、右方向へ付勢されてい
るので、後端部19をスプリングの反発力以上の力で押
圧しない限り、解除用プランジャー10は動かない構造
となっている。
【0021】以上の構成においてカートリッジ交換体を
筒状の本体に着脱手段により着脱し、カートリッジのピ
ストンをプランジャーにより押圧する状態にする。次に
回転ノブを回転させるとプランジャーのネジの作用にて
回転ノブは長手方向に移動される。あるいは、解除用プ
ランジャーを作用させ、回転ノブを長手方向に移動させ
る。これにより、分与する薬剤量が設定される。
【0022】次に、本発明の定量分与器の作用を図4の
ブロック図および図5ないし図7のフローチャートを用
いて説明する。この実施例の薬剤定量分与器は、マイク
ロコンピュータ31のクロック発生機能38により時計
機能を有しており、図5のフローチャートの左上に示す
ように、常時は、時刻表示モードM0となっており、表
示部21には、現在の時刻が表示されている。そして、
モード切替スイッチ41(SW1)が、押されるごと
に、薬剤分与量設定モードM1、前回分与量表示モード
M2、前回分与時刻表示モードM3、次回分与時刻表示
モードM4、薬剤全量入力モードM5、薬剤残量表示モ
ードM6、次回分与時刻または分与間隔入力モードM
7、時刻入力モードM8と移行する。よって、この実施
例の薬剤定量分与器は、時刻表示モードを入れて、9つ
のモードを有している。
【0023】そこで、この実施例の薬剤定量分与器の使
用方法を初期状態より説明する。まず、最初の状態で
は、時刻表示モードM0となっているが、その時刻が実
際の時刻と相違している可能性が高い。そこで、モード
切替スイッチ41(SW1)を8回押し、図7に示す時
刻入力モードM8とし、時刻または薬剤全量入力スイッ
チ42(SW2)を用いて、現在の時刻を入力し、セッ
トスイッチ43(SW3)を、押すと時刻が修正される
とともに、時刻表示モードM0に戻り、修正された現在
時刻が表示される。
【0024】そして、薬剤カートリッジ装着部に薬剤カ
ートリッジを装着し、再びモード切替スイッチ41(S
W1)を5回押し、図6に示す薬剤全量入力モードM5
とし、時刻または薬剤全量入力スイッチ42(SW2)
を用いて、薬剤全量TW(例えば、50unit)を入
力し、セットスイッチ43(SW3)を押すと、全量デ
ータが、マイクロコンピュータ31のRAM36に、T
=TWとして記憶され、時刻表示モードM0に戻る。
【0025】続いて、薬剤分与量設定を行う。時刻表示
モードM0において、切替スイッチ41(SW1)を1
回押すと、薬剤分与量設定モードM1に移行し、この状
態において、回転ノブ9が回転されると、その回転量が
エンコーダー32により検知され、マイクロコンピュー
タ31により回転量に対応した薬剤分与量が表示部21
に表示される。そして、回転ノブ9を分与したい量TW
N(1回目は、TW1)が表示部21に表示されるまで
回転させる。そして、セットスイッチ43(SW3)を
押すことにより、分与量が設定され、さらに、マイクロ
コンピュータ31により、TW−ΣTWN=T(1回目
は、TW−TW1=T)が演算され、薬剤残量Tがマイ
クロコンピュータ31のRAMに記憶される。そして、
薬剤定量分与器の穿刺針を患者に穿刺し、回転ノブ9を
押すことにより設定された分量の薬剤が患者に投与され
る。そして、時刻表示モードM0に再びもどる。なお、
この実施例では、セットスイッチ43(SW3)を押す
ことにより、分与量が設定されるように構成している
が、これにかぎらず、例えば、回転ノブが押されたこと
を検知する機能(薬剤投与検知機能)を原点センサ50
に設け、このセンサによる薬剤投与を検知した後、マイ
クロコンピュータ31により、薬剤残量Tを演算、記憶
するものとしてもよい。
【0026】次に、次回投与時刻の入力を行う。時刻表
示モードM0において、切替スイッチ41(SW1)を
7回押すと、図7に示す次回投与時刻入力モードM7に
移行する。この状態において、時刻または薬剤全量入力
スイッチ42(SW2)を用いて、次回の投与時刻を入
力し、セットスイッチ43(SW3)を、押すと次回投
与時刻が、マイクロコンピュータ31のRAMに記憶さ
れる。そして、図5のフローチャートの左側に示すよう
に、マイクロコンピュータ31が、次回投与時刻の5分
前になると、ブザーを作動し、次回投与時刻の到来を知
らせる。また、次回投与時刻を毎回入力するようにして
もよいが、マイクロコンピュータ31が、前回投与時刻
と次回投与時刻より、投与間隔を演算し、新たな次回投
与時刻の入力がされるまでは、算出した投与間隔により
ブザーを鳴らすものとしてもよい。また、上記説明で
は、次回投与時刻を直接入力するようになっているが、
これに限らず、次回の投与間隔(例えば、5時間)を入
力するようにしてもよい。
【0027】そして、前回の薬剤分与量を確認したい場
合は、時刻表示モードM0において、切替スイッチ41
(SW1)を2回押すと、前回薬剤分与量表示モードM
2に移行し、表示部21には、前回薬剤分与量が表示さ
れる。そして、図5のフローチャートに示すように、1
0秒間前回薬剤分与量を表示した後、時刻表示モードM
0に戻る。また、前回の薬剤分与時刻を確認したい場合
は、時刻表示モードM0において、切替スイッチ41
(SW1)を3回押すと、図6に示す前回投与時刻表示
モードM3に移行し、表示部21には、前回薬剤分与時
刻が表示される。そして、図6のフローチャートに示す
ように、10秒間前回薬剤分与時刻を表示した後、時刻
表示モードM0に戻る。
【0028】また、次回の薬剤分与時刻を確認したい場
合は、時刻表示モードM0において、切替スイッチ41
(SW1)を4回押すと、図6に示す次回分与時刻表示
モードM4に移行し、表示部21には、次回薬剤分与時
刻が表示される。そして、図6のフローチャートに示す
ように、10秒間次回薬剤分与時刻を表示した後、時刻
表示モードM0に戻る。また、薬剤残量を確認したい場
合は、時刻表示モードM0において、切替スイッチ41
(SW1)を6回押すと、図7に示す薬剤残量表示モー
ドM6に移行し、表示部21には、薬剤残量が表示され
る。そして、図7のフローチャートに示すように、10
秒間薬剤残量を表示した後、時刻表示モードM0に戻
る。
【0029】そして、次回時刻の5分前になると、上述
のように、ブザーが鳴り、再び、薬剤分与量設定を行
う。時刻表示モードM0において、切替スイッチ41
(SW1)を1回押すと、薬剤分与量設定モードM1に
移行し、この状態において、回転ノブ9が回転される
と、その回転量がエンコーダー32により検知され、マ
イクロコンピュータ31により回転量に対応した薬剤分
与量が表示部21に表示される。そして、回転ノブ9を
分与したい量TWN(2回目であれば、TW2)が表示
部21に表示されるまで回転させる。そして、セットス
イッチ43(SW3)を押すことにより、分与量が設定
され、さらに、マイクロコンピュータ31により、TW
−ΣTWN=T(2回目は、TW−TW1−TW2=
T)が演算され、薬剤残量Tがマイクロコンピュータ3
1のRAMに記憶される。そして、薬剤定量分与器の穿
刺針を患者に穿刺し、回転ノブ9を押すことにより設定
された分量の薬剤が患者に投与される。そして、時刻表
示モードM0に再びもどる。そして、マイクロコンピュ
ータ31は、図5のフローチャートの左側に示すよう
に、常時T<TWNであるか否か、つまり、薬剤残量T
が、前回の薬剤分与量TWNより少ないか否かを検知
し、T<TWNとなった場合は、ブザーを鳴らし、薬剤
残量が前回の分与量より少ないことを知らせる。
【0030】
【発明の効果】本発明の薬剤定量分与器は、内部に薬剤
と、摺動可能なピストンとを有する薬剤カートリッジを
着脱自在に装着する薬剤カートリッジ装着部を有する筒
状本体と、前記薬剤カートリッジの前記ピストンを押圧
するための押圧プランジャーと、前記筒状本体より突出
した後端部を有し、そして、前記筒状本体に摺動可能か
つ回転可能に設けられ、さらに前記押圧プランジャーに
対し回転可能かつ回転により該押圧プランジャーの少な
くともその後方に移動し、後端部を前方に押圧すること
により該押圧プランジャーを前方に移動可能に設けられ
た回転ノブと、前記回転ノブの回転量または後端部への
移動距離を検出し、該検出値より、該回転ノブの後端部
を押圧した時の押圧プランジャーによる薬剤分与量を算
出する薬剤分与量算出機能と、前記薬剤カートリッジの
全薬剤量記憶部と、前記薬剤分与量算出機能および前記
全薬剤量記憶部のデータより薬剤残量を演算する薬剤残
量演算機能と、前記薬剤分与量算出機能により算出され
た薬剤分与量および前記薬剤残量演算機能により算出さ
れた薬剤残量を選択的または同時に表示する表示部とを
有するので、回転ノブを回転させ、任意の分与量を設定
し、回転ノブを押すだけで設定された量の薬剤が分与さ
れ、さらに、設定された分与量が表示される。よって、
薬剤の分与量の設定およびその確認が容易に行え、薬剤
の分与量を間違える事なく分与することができる。さら
に、薬剤カートリッジの全薬剤量記憶部と、前記薬剤分
与量算出部および前記全薬剤量記憶部のデータより薬剤
残量を演算する薬剤残量演算部と、前記薬剤分与量算出
部により算出された薬剤分与量および前記薬剤残量演算
部により算出された薬剤残量を選択的または同時に表示
する表示部を有するので、薬剤カートリッジ内の薬剤の
残量を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の
正面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図2のB−B線断面図である。
【図4】図4は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例に
用いられている電気回路を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の
作用を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の
作用を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の薬剤定量分与器の一実施例の
作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 薬剤定量分与器本体 2 筒状本体 3 電池 9 回転ノブ 10 解除用プランジャー 11 押圧プランジャー 13 カートリッジホルダー 15 注射針 17 ストッパー 20 磁気インデックス 21 表示部 22 薬剤カートリッジ 31 マイクロコンピュータ 32 エンコーダー 33 ブザー 41 モード切替スイッチSW1 42 時刻および薬剤残量入力スイッチSW2 43 セットスイッチSW3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/00 310 A61M 5/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に薬剤と、摺動可能なピストンとを
    有する薬剤カートリッジを着脱自在に装着する薬剤カー
    トリッジ装着部を有する筒状本体と、前記薬剤カートリ
    ッジの前記ピストンを押圧するための押圧プランジャー
    と、 前記筒状本体より突出した後端部を有し、そして、前記
    筒状本体に摺動可能かつ回転可能に設けられ、さらに前
    記押圧プランジャーに対し回転可能かつ回転により該押
    圧プランジャーの少なくともその後方に移動し、かつ後
    端部を前方に押圧することにより該押圧プランジャーを
    前方に移動可能に設けられた回転ノブと、 前記回転ノブの回転量または後端部への移動距離を検出
    し、該検出値より、該回転ノブの後端部を押圧した時の
    押圧プランジャーによる薬剤分与量を算出する薬剤分与
    量算出機能と、薬剤カートリッジの全薬剤量記憶部と、
    前記薬剤分与量算出機能よび前記全薬剤量記憶部のデー
    タより薬剤残量を演算する薬剤残量演算機能と、前記薬
    剤分与量算出機能より算出された薬剤分与量および前記
    薬剤残量演算機能により算出された薬剤残量を選択的ま
    たは同時に表示する表示部とを有することを特徴とする
    薬剤定量分与器。
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