JPH05103639A - κカラギーナンの分離取得方法 - Google Patents

κカラギーナンの分離取得方法

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JPH05103639A
JPH05103639A JP3289351A JP28935191A JPH05103639A JP H05103639 A JPH05103639 A JP H05103639A JP 3289351 A JP3289351 A JP 3289351A JP 28935191 A JP28935191 A JP 28935191A JP H05103639 A JPH05103639 A JP H05103639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrageenan
gelatin
seaweed
kappa
separated
Prior art date
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Pending
Application number
JP3289351A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Miyashita
聡史 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スギノリ科海藻抽出液よりκカラギーナン前
駆体であるμ、νカラギーナンを含むκカラギーナンを
効率よく分離すること。 【構成】 スギノリ科海藻の抽出液にゼラチンを加え
て、λカラギーナン−ゼラチンのゲル状物を分離し、分
離液からκカラギーナンを95%以上の精製率で分離す
る。 【効果】 純度95%以上でκカラギーナンをスギノリ科
海藻より効率よく分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラギーナンを含む海藻
抽出液、とくに紅藻類スギノリ科海藻抽出液より、κカ
ラギーナンを分離取得する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紅藻類スギノリ科海藻には、ギンナンソ
ウ属、スギノリ属、ツノマタ属等の海藻が、日本近海の
みならず、世界に広く分布している。これらの海藻類に
は有性世代である配偶体と、無性世代である胞子体とが
あり、前者はκカラギーナンおよびその前駆体である
μ、νカラギーナンを含み、後者はλカラギーナンを含
んでいる。
【0003】これらのカラギーナンはそれぞれ異なった
物性を有しており、中でもκカラギーナンはゲル化特性
を有するのに対し、λカラギーナンはゲル化しないが、
その水溶液は高い粘性を示す。それゆえ、これらのカラ
ギーナンはそれぞれ異なった用途適性を備えているた
め、海藻より抽出した各種のカラギーナンを含むカラギ
ーナン混合体としてはその商品性が劣り、高純度のκカ
ラギーナンとして商品化することが望まれているが、海
藻は前述のごとく、配偶体と胞子体とが混在しているた
め、収穫された海藻より取得したカラギーナンは種々の
カラギーナンの混合物となっている。
【0004】特開平1−312983号公報には、λカ
ラギーナンがカリウム塩水溶液に溶解するのに対し、κ
カラギーナンは不溶であるという性質の違いを利用した
λカラギーナンとκカラギーナンの分離法が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−31298
3号に示された方法によると、κカラギーナンの前駆体
であるμあるいはνカラギーナンもカリウム塩水溶液に
溶解し、λカラギーナン溶液中に混入するため、κカラ
ギーナンの前駆体であるμあるいはνカラギーナンの分
離取得法としては問題である。
【0006】
【問題を解決するための手段】そこで本発明者はμカラ
ギーナン、νカラギーナンなどのκカラギーナン前駆体
をも包含したκカラギーナンとλカラギーナンとを好ま
しい型で分離取得しうる方法を見出だすべく検討中のと
ころ、ゼラチンがλカラギーナンのみに特異的に反応し
てゲル体を形成し、κカラギーナンの前駆体であるμま
たはνカラギーナンとは反応しないことを見出だし、こ
の特異反応性を利用すれば、前駆体を含むκカラギーナ
ンを効率よく分離取得し得ることを見出だし本発明を完
成した。
【0007】本発明の要旨とするところは、カラギーナ
ンを含む海藻抽出液とゼラチンとを接触させてλカラギ
ーナン−ゼラチンのゲル化物を分離することにより、κ
カラギーナンを主とするカラギーナンを分取することを
特徴とするκカラギーナンの分離取得方法にある。
【0008】本発明は紅藻類スギノリ科海藻類が含む配
偶体および胞子体混合物から抽出したκ、μ、νおよび
λカラギーナンとを含む抽出液に対し、λカラギーナン
に対してのみ特異にゲル化反応するゼラチンを加えて、
まずλカラギーナン−ゼラチンのゲル状物をその系より
分離し、抽出液より効率よくμ、νおよびκカラギーナ
ンを取得するものである。
【0009】本発明を実施するには次のごとく行えばよ
い。まずスギノリ科海藻の配偶体および胞子体混合物
を、好ましくは60℃以上の温水に溶解させて海藻に含ま
れるカラギーナンを抽出する。次いで、この抽出液を濾
過して不純物を除き、この抽出液に対し、抽出処理した
海藻に対して20wt%以上の割合のゼラチンを加え、ゼラ
チンを完全溶解させる。
【0010】ゼラチンを加えた抽出液を、次いで、好ま
しくは20℃以下の温度に冷却するとλカラギーナンとゼ
ラチンとの反応体がゲル状物として分離してくる。この
抽出液を遠心分離し、上澄液[I]と沈殿ゲル状物
[I]に分離する。これは、ゼラチンとカラギーナン中
の硫酸基とが反応してゲル状物を生じるためと考えら
れ、硫酸基を多く含み蛋白反応性に富むλカラギーナン
のゼラチンとの反応性が最も高く、次いでμならびにν
カラギーナン、κカラギーナンの順に反応性は低くな
る。よって、このゲル状物[I]は主としてλカラギー
ナンとゼラチンよりなるものであり、上澄液[I]は主
としてκカラギーナンを含み、その前駆体であるμある
いはνカラギーナンおよび若干量のゼラチンを含むもの
である。この上澄液[I]を15℃以下に冷却すると、系
に残っていたゼラチンが沈降するので、抽出液よりゼラ
チンを除去した後、アルコールを添加するか、乾燥法等
によってκ、μおよびνカラギーナンを分離取得する。
【0011】なお、遠心分離によって得られたゲル状物
[I]は、主としてλカラギーナンとゼラチンよりなる
ゲル体であるが、κ、μおよびνカラギーナンをも若干
量含むものである。さらに収率を上げるために、ゲル状
物[I]を20℃以下の水を添加して攪拌し、再び遠心分
離した上澄液[II]と沈殿ゲル状物[II]に分離し、分
取した上澄液[II]を冷却(好ましくは15℃以下)した
後、遠心分離等の方法によりゼラチンとカラギーナン水
溶液を分離し、このカラギーナン水溶液にアルコール等
を添加するか、乾燥法等によってκ、μおよびν混合カ
ラギーナンを分離することもできる。また、得られた上
澄液[II]と上澄液[I]とを混合した後、同様の方法
でκ、μおよびν混合カラギーナンを分離することもで
きる。
【0012】さらに、λカラギーナンとゼラチンとの反
応体であるゲル状物[II]は、好ましくはpH10以上のア
ルカリ溶液となし、λカラギーナンとゼラチンとを分離
し、両者とも溶解した水溶液となした後、この水溶液を
15℃以下に冷却すると、ゼラチンが沈殿分離してくるの
で、遠心分離法によりゼラチンを除去する。ゼラチンを
除去した水溶液にアルコール等の沈殿剤を加えてλカラ
ギーナンを分離するか、乾燥法により分離取得してもよ
い。系に加えたゼラチンは回収し、再使用することがで
き、本発明によると前駆体であるμあるいはνカラギー
ナンとκカラギーナンを極めて効率よく分離することが
できる。
【0013】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。
【0014】
【実施例1】スギノリ科海藻の配偶体および胞子体混合
物の乾燥物80gを温水3000mlに溶解させた溶液を濾過し
てカラギーナン抽出液を得た。この抽出液にゼラチン30
gを加えて溶解した。この溶液を20℃に冷却してゲル状
物を生成させた後、遠心分離法にてゲル状物[I]と上
澄液[I]とに分けた。分離した上澄液[I]を15℃に
冷却するとゼラチンが沈殿してくるので、遠心分離法に
て除去した溶液に、この溶液量の2倍量のイソプロピル
アルコールを加えてカラギーナンを回収し、乾燥した。
分離したゲル状物[I]に対し、20℃以下の冷水500ml
を加えて攪拌した後、遠心分離してゲル状物[II]と上
澄液[II]に分離した。分離した上澄液[II]を15℃に
冷却し、沈殿したゼラチンを遠心分離で除去した溶液
に、この液量の2倍量のイソプロピルアルコールを添加
してカラギーナンを回収し、乾燥した。
【0015】上澄液[I]より回収したカラギーナンの
赤外線吸収スペクトルを図1に示したが、95%以上がκ
カラギーナンにて構成されていることを確認した。収量
は21.5gであった。
【0016】上澄液[II]より回収したカラギーナンの
赤外線吸収スペクトルを図2に示した。このスペクトル
より、このカラギーナンはκカラギーナンとμもしくは
νカラギーナンの1:1の混合物であることを確認し
た。収量は14.3gであった。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【図1】上澄液[I]より得たカラギーナンの赤外線吸
収スペクトル図である。
【図2】ゲル体洗浄液より得たカラギーナンの赤外線吸
収スペクトル図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 κカラギーナンを含む海藻抽出液とゼラ
    チンとを接触させてλカラギーナン−ゼラチンのゲル化
    物を分離することによりκカラギーナンを主とするカラ
    ギーナンを分取することを特徴とするκカラギーナンの
    分離取得方法。
  2. 【請求項2】 カラギーナンを含む海藻抽出液が紅藻類
    スギノリ科海藻抽出物であることを特徴とする請求項1
    記載のκカラギーナンの分離取得方法。
JP3289351A 1991-10-09 1991-10-09 κカラギーナンの分離取得方法 Pending JPH05103639A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5777102A (en) * 1993-04-06 1998-07-07 Grindsted Products A/S (Danisco) Carrageenan-containing product and a method of producing same
JP2002147578A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Koyo Seiko Co Ltd 樹脂製プーリ付軸受
AU2015367820B1 (en) * 2015-10-08 2016-11-17 Asics Corporation Shoe having upper and sole

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002147578A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Koyo Seiko Co Ltd 樹脂製プーリ付軸受
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