JPH05103635A - 魚介類の処理方法 - Google Patents
魚介類の処理方法Info
- Publication number
- JPH05103635A JPH05103635A JP3289423A JP28942391A JPH05103635A JP H05103635 A JPH05103635 A JP H05103635A JP 3289423 A JP3289423 A JP 3289423A JP 28942391 A JP28942391 A JP 28942391A JP H05103635 A JPH05103635 A JP H05103635A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seafood
- ultrasonic
- fishes
- treatment
- ultrasonic treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Landscapes
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 魚介類をより美味しくすることができ、例え
ば鮪の赤身についてはその身の中に鮪の脂やその他の食
用油脂を染み込ませてトロと同じように美味しい赤身に
変え、また、食用油脂や調味料を使用して調理する前に
魚介類に対して行う下ごしらえを容易にし、また、この
下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味しく味付けでき
る魚介類の処理方法を提供する。 【構成】 魚介類に周波数100KHz以下の超音波を
当てる超音波処理を施す魚介類の処理方法であり、この
超音波処理は、好ましくは+5℃以下の凍結状態又は半
解凍状態の魚介類に対して行われ、また、この超音波処
理に先駆けて、魚介類に食用油脂及び/又は調味料を付
ける下ごしらえが行われる。 【効果】 魚介類を調理する前にこの魚介類に対して超
音波処理を施すことにより、この魚介類をより美味しく
することができ、例えば鮪の赤身をトロのように変え、
また、食用油脂や調味料を使用する下ごしらえを容易に
し、また、この下ごしらえで魚介類に容易にかつ美味し
く味付けすることができる。
ば鮪の赤身についてはその身の中に鮪の脂やその他の食
用油脂を染み込ませてトロと同じように美味しい赤身に
変え、また、食用油脂や調味料を使用して調理する前に
魚介類に対して行う下ごしらえを容易にし、また、この
下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味しく味付けでき
る魚介類の処理方法を提供する。 【構成】 魚介類に周波数100KHz以下の超音波を
当てる超音波処理を施す魚介類の処理方法であり、この
超音波処理は、好ましくは+5℃以下の凍結状態又は半
解凍状態の魚介類に対して行われ、また、この超音波処
理に先駆けて、魚介類に食用油脂及び/又は調味料を付
ける下ごしらえが行われる。 【効果】 魚介類を調理する前にこの魚介類に対して超
音波処理を施すことにより、この魚介類をより美味しく
することができ、例えば鮪の赤身をトロのように変え、
また、食用油脂や調味料を使用する下ごしらえを容易に
し、また、この下ごしらえで魚介類に容易にかつ美味し
く味付けすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鮪、鮭、鱈、ブリ、
鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の魚介類を調理する前に行
う魚介類の処理方法に係り、特に鮪の赤身を脂があって
トロのように美味しくしたり、鮭やほたて貝を調理する
前にその身の中にバター等の食用油脂や他の調味料を十
分に染み込ませて美味しく調理できるようにする魚介類
の処理方法に関する。
鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の魚介類を調理する前に行
う魚介類の処理方法に係り、特に鮪の赤身を脂があって
トロのように美味しくしたり、鮭やほたて貝を調理する
前にその身の中にバター等の食用油脂や他の調味料を十
分に染み込ませて美味しく調理できるようにする魚介類
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鮪や鮭については、その種類や切り身の
部位によって品質が変わり、それに応じて味の違いや大
幅な値段の違いが生じている。特に、鮪においては、一
般に、その種類に応じて味や値段が異なるだけでなく、
赤身、中トロ、大トロ等とその切り身の部位によっても
大幅に味が変わり、その値段にも大きな差が生じてい
る。そして、いわゆる中トロ、大トロ等と称される鮪の
トロは、消費者に好まれ、また、赤身に比べて採れる量
も限られていることから、値段が高くなっている。これ
に対して、鮪の赤身は、脂が少なくて健康によく、安価
ではあるが、トロのようなしっとりとした美味しさに欠
け、現在では市場にだぶつき、売れ残って家畜の餌にな
る場合も生じている。
部位によって品質が変わり、それに応じて味の違いや大
幅な値段の違いが生じている。特に、鮪においては、一
般に、その種類に応じて味や値段が異なるだけでなく、
赤身、中トロ、大トロ等とその切り身の部位によっても
大幅に味が変わり、その値段にも大きな差が生じてい
る。そして、いわゆる中トロ、大トロ等と称される鮪の
トロは、消費者に好まれ、また、赤身に比べて採れる量
も限られていることから、値段が高くなっている。これ
に対して、鮪の赤身は、脂が少なくて健康によく、安価
ではあるが、トロのようなしっとりとした美味しさに欠
け、現在では市場にだぶつき、売れ残って家畜の餌にな
る場合も生じている。
【0003】また、鮪、鮭、鱈、ブリ、鮫、イカ、エ
ビ、ほたて貝等の魚介類を調理する際には、バター、サ
ラダ油、オリーブ油等の食用油脂や醤油、塩、こしょ
う、ワイン等の他の調味料を使用して予め下ごしらえを
し、これら魚介類やその切り身に予め味付けをして調理
することが多い。しかしながら、大きな切り身であった
り、また、イカ、エビ、ほたて貝等でそのままの姿で味
付けをしてバター焼等にする場合、食用油脂や調味料を
十分に染み込ませるのに長時間を要し、この魚介類を食
用油脂や調味料に漬ける下ごしらえのために、数時間、
場合によっては丸一日も費やす必要がある場合がある。
ビ、ほたて貝等の魚介類を調理する際には、バター、サ
ラダ油、オリーブ油等の食用油脂や醤油、塩、こしょ
う、ワイン等の他の調味料を使用して予め下ごしらえを
し、これら魚介類やその切り身に予め味付けをして調理
することが多い。しかしながら、大きな切り身であった
り、また、イカ、エビ、ほたて貝等でそのままの姿で味
付けをしてバター焼等にする場合、食用油脂や調味料を
十分に染み込ませるのに長時間を要し、この魚介類を食
用油脂や調味料に漬ける下ごしらえのために、数時間、
場合によっては丸一日も費やす必要がある場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、鮪、鮭、ほたて貝等の魚介類について、特に脂が少
なくて美味しさに欠けている鮪の赤身にその鮪の脂肪や
その他の食用油脂を染み込ませてトロと同じように美味
しい赤身に変えたり、あるいは、鮪、鮭、鱈、ブリ、
鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の魚介類を調理する際に行
う食用油脂や調味料による下ごしらえを容易にし、ま
た、確実にこれら魚介類の身の中に食用油脂や調味料を
染み込ませて美味しくすることができる方法について鋭
意研究を重ねた結果、魚介類に対して必要により食用油
脂及び/又は調味料を付ける下ごしらえをした後、周波
数100KHz以下の超音波を当てる超音波処理を行う
ことにより、驚くべきことには、この魚介類の身の中に
その魚介類の油が、あるいは、下ごしらえによりつけた
食用油脂や調味料がよく染み込み、例えば鮪の赤身がト
ロのように変化し、また、魚介類に美味しい味つけがで
きることを見出し、本発明を完成した。
は、鮪、鮭、ほたて貝等の魚介類について、特に脂が少
なくて美味しさに欠けている鮪の赤身にその鮪の脂肪や
その他の食用油脂を染み込ませてトロと同じように美味
しい赤身に変えたり、あるいは、鮪、鮭、鱈、ブリ、
鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の魚介類を調理する際に行
う食用油脂や調味料による下ごしらえを容易にし、ま
た、確実にこれら魚介類の身の中に食用油脂や調味料を
染み込ませて美味しくすることができる方法について鋭
意研究を重ねた結果、魚介類に対して必要により食用油
脂及び/又は調味料を付ける下ごしらえをした後、周波
数100KHz以下の超音波を当てる超音波処理を行う
ことにより、驚くべきことには、この魚介類の身の中に
その魚介類の油が、あるいは、下ごしらえによりつけた
食用油脂や調味料がよく染み込み、例えば鮪の赤身がト
ロのように変化し、また、魚介類に美味しい味つけがで
きることを見出し、本発明を完成した。
【0005】従って、本発明の目的は、例えば鮪の赤身
についてはその身の中に鮪の脂やその他の食用油脂を染
み込ませてトロと同じように美味しい赤身に変えること
ができる魚介類の処理方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、食用油脂や調味料を使用して
調理する前に魚介類に対して行う下ごしらえを容易に
し、また、この下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味
しく味付けできる魚介類の処理方法を提供することにあ
る。
についてはその身の中に鮪の脂やその他の食用油脂を染
み込ませてトロと同じように美味しい赤身に変えること
ができる魚介類の処理方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、食用油脂や調味料を使用して
調理する前に魚介類に対して行う下ごしらえを容易に
し、また、この下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味
しく味付けできる魚介類の処理方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、魚
介類に周波数100KHz以下の超音波を当てる超音波
処理を施す魚介類の処理方法である。この超音波処理
は、出力された超音波の通りを良くするために、+5℃
以下の凍結状態又は半解凍状態の魚介類に対して行うの
がよく。また、魚介類に脂を含ませてその美味みを変え
たり、下味をつけて調理する必要がある場合には、この
超音波処理に先駆けて魚介類に食用油脂及び/又は調味
料を付ける下ごしらえを行う魚介類の処理方法である。
介類に周波数100KHz以下の超音波を当てる超音波
処理を施す魚介類の処理方法である。この超音波処理
は、出力された超音波の通りを良くするために、+5℃
以下の凍結状態又は半解凍状態の魚介類に対して行うの
がよく。また、魚介類に脂を含ませてその美味みを変え
たり、下味をつけて調理する必要がある場合には、この
超音波処理に先駆けて魚介類に食用油脂及び/又は調味
料を付ける下ごしらえを行う魚介類の処理方法である。
【0007】本発明において、超音波処理の対象となる
魚介類については、特に制限はないが、鮪、鮭、鱈、ブ
リ、鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の脂分があって美味し
いものやバター等の食用油脂で調理して美味しいものが
挙げられ、特に鮪等のように脂分があって美味しい魚介
類の場合にその赤身部分や、調理した際に脂分が染み込
んで美味しくなる鮭、鱈、ブリ、鮫、イカ、エビ、ほた
て貝等の魚介類等が挙げられる。本発明により魚介類に
超音波処理を適用するに際しては、基本的には超音波が
魚介類全体に亘って伝播しさえすればよく、その大きさ
や厚さに関係なく適用できるが、鮪、鮭等のように比較
的大きな魚で切り身や刺身にして食べる魚介類について
は、超音波が全体に均一に伝播するように、好ましくは
刺身にする直前の大きさの切り身や調理する際の大きさ
の切り身、例えば厚さ1〜5cm程度の大きさの切り身
にして超音波処理するのがよく、エビやほたて貝等のよ
うにそのまま調理する場合には勿論そのままの大きさで
よい。
魚介類については、特に制限はないが、鮪、鮭、鱈、ブ
リ、鮫、イカ、エビ、ほたて貝等の脂分があって美味し
いものやバター等の食用油脂で調理して美味しいものが
挙げられ、特に鮪等のように脂分があって美味しい魚介
類の場合にその赤身部分や、調理した際に脂分が染み込
んで美味しくなる鮭、鱈、ブリ、鮫、イカ、エビ、ほた
て貝等の魚介類等が挙げられる。本発明により魚介類に
超音波処理を適用するに際しては、基本的には超音波が
魚介類全体に亘って伝播しさえすればよく、その大きさ
や厚さに関係なく適用できるが、鮪、鮭等のように比較
的大きな魚で切り身や刺身にして食べる魚介類について
は、超音波が全体に均一に伝播するように、好ましくは
刺身にする直前の大きさの切り身や調理する際の大きさ
の切り身、例えば厚さ1〜5cm程度の大きさの切り身
にして超音波処理するのがよく、エビやほたて貝等のよ
うにそのまま調理する場合には勿論そのままの大きさで
よい。
【0008】そして、本発明の超音波処理は、通常、魚
介類に対して超音波を出力する加工具と金属製、セラミ
ック製、石製、プラスチック製、木製等のテーブルとの
間に魚介類を挟み込んで行われるが、魚介類を通過した
超音波を反射して再び魚介類にこの反射した超音波を供
給できるように、好ましくは金属製、セラミック製、石
製等の超音波を反射できる超音波反射性能を有するテー
ブルとの間に魚介類を挟み込んで行うのがよい。
介類に対して超音波を出力する加工具と金属製、セラミ
ック製、石製、プラスチック製、木製等のテーブルとの
間に魚介類を挟み込んで行われるが、魚介類を通過した
超音波を反射して再び魚介類にこの反射した超音波を供
給できるように、好ましくは金属製、セラミック製、石
製等の超音波を反射できる超音波反射性能を有するテー
ブルとの間に魚介類を挟み込んで行うのがよい。
【0009】そして、魚介類に対する超音波の供給は、
魚介類に対して超音波を垂直に供給しても、また、水平
に供給してもよいが、好ましくは魚介類に対して垂直に
超音波を供給するのがよい。また、この超音波処理の処
理条件については、魚介類の種類やこの魚介類の切り身
の厚さや形状、更には含まれている脂肪分の量等により
適宜変更できるものであるが、通常、周波数100KH
z以下、好ましくは10〜40KHz程度の超音波を使
用し、出力15〜300W/cm2 で3〜30秒間であ
る。そして、この超音波処理に際しては、好ましくは魚
介類を+5℃以下の凍結状態又は半解凍状態、より好ま
しくは−5℃〜+5℃以下の凍結状態又は半解凍状態に
して行うのがよく、また、この際に50〜150g/c
m2 、より好ましくは80〜120g/cm2 の加圧力
で魚介類を押圧しながら行うのがよい。また、この超音
波処理の出力及び時間については、この超音波処理を魚
介類に対して直接行う場合には好ましくは出力50〜1
00W/cm2 、7〜10秒間であり、また、魚介類を
液体中に浸漬して行う場合には好ましくは出力100〜
200W/cm2 、15〜20秒である。
魚介類に対して超音波を垂直に供給しても、また、水平
に供給してもよいが、好ましくは魚介類に対して垂直に
超音波を供給するのがよい。また、この超音波処理の処
理条件については、魚介類の種類やこの魚介類の切り身
の厚さや形状、更には含まれている脂肪分の量等により
適宜変更できるものであるが、通常、周波数100KH
z以下、好ましくは10〜40KHz程度の超音波を使
用し、出力15〜300W/cm2 で3〜30秒間であ
る。そして、この超音波処理に際しては、好ましくは魚
介類を+5℃以下の凍結状態又は半解凍状態、より好ま
しくは−5℃〜+5℃以下の凍結状態又は半解凍状態に
して行うのがよく、また、この際に50〜150g/c
m2 、より好ましくは80〜120g/cm2 の加圧力
で魚介類を押圧しながら行うのがよい。また、この超音
波処理の出力及び時間については、この超音波処理を魚
介類に対して直接行う場合には好ましくは出力50〜1
00W/cm2 、7〜10秒間であり、また、魚介類を
液体中に浸漬して行う場合には好ましくは出力100〜
200W/cm2 、15〜20秒である。
【0010】そして、この魚介類の超音波処理に際して
は、例えば魚介類の脂肪分が極端に少なかったり、より
多くの脂肪分を含む魚介類が所望されたり、更には食用
油脂や調味料で予め下味をつけておきたいような場合
に、この超音波処理に先駆けて、魚介類に食用油脂及び
/又は調味料を付ける下ごしらえを行うのがよい。この
目的で使用される食用油脂としては、食用であれば特に
問題はなく、例えば処理の対象とする魚介類の脂、バタ
ー、マーガリン、サラダ油等の植物油等が使用され、ま
た、調味料としては、例えば醤油、ソース、タレ、ミリ
ン、酒、ワイン、パパイヤやレモン等の果実の絞り汁、
食塩、胡椒、ニンニク等が挙げられる。このような食用
油脂及び/又は調味料で下ごしらえをした後で超音波処
理を行うことにより、これらの食用油脂及び/又は調味
料が魚介類中によく分散し、浸透して魚介類全体の美味
しさが向上する。
は、例えば魚介類の脂肪分が極端に少なかったり、より
多くの脂肪分を含む魚介類が所望されたり、更には食用
油脂や調味料で予め下味をつけておきたいような場合
に、この超音波処理に先駆けて、魚介類に食用油脂及び
/又は調味料を付ける下ごしらえを行うのがよい。この
目的で使用される食用油脂としては、食用であれば特に
問題はなく、例えば処理の対象とする魚介類の脂、バタ
ー、マーガリン、サラダ油等の植物油等が使用され、ま
た、調味料としては、例えば醤油、ソース、タレ、ミリ
ン、酒、ワイン、パパイヤやレモン等の果実の絞り汁、
食塩、胡椒、ニンニク等が挙げられる。このような食用
油脂及び/又は調味料で下ごしらえをした後で超音波処
理を行うことにより、これらの食用油脂及び/又は調味
料が魚介類中によく分散し、浸透して魚介類全体の美味
しさが向上する。
【0011】この魚介類を超音波処理するための装置と
しては、それが魚介類に効率良く超音波を供給できるも
のであればよく、例えば典型的には、スタンドと、この
スタンドに上下方向移動可能に取り付けられ、超音波発
信器に接続された超音波振動子と、この超音波振動子に
取り付けられ、この超音波振動子で発生した超音波振動
の振幅を拡大して魚介類に対し超音波を出力する加工具
と、この加工具の下方に位置し、魚介類が載置されるテ
ーブルとを備え、このテーブル上に載置された魚介類に
対して加工具により加圧しながら超音波を供給できるも
のが挙げられる。そして、この超音波処理装置における
加工具の形状についても、特に制限されるものではな
く、例えば、円盤状、円柱状、角柱状、ローラー状等で
あってもよく、また、この加工具に超音波振動子を直接
組み込んでローラー状に形成したり、更には、必要によ
り魚介類中に差し込まれて超音波を伝播する多数の針を
有するもの等を挙げることができる。
しては、それが魚介類に効率良く超音波を供給できるも
のであればよく、例えば典型的には、スタンドと、この
スタンドに上下方向移動可能に取り付けられ、超音波発
信器に接続された超音波振動子と、この超音波振動子に
取り付けられ、この超音波振動子で発生した超音波振動
の振幅を拡大して魚介類に対し超音波を出力する加工具
と、この加工具の下方に位置し、魚介類が載置されるテ
ーブルとを備え、このテーブル上に載置された魚介類に
対して加工具により加圧しながら超音波を供給できるも
のが挙げられる。そして、この超音波処理装置における
加工具の形状についても、特に制限されるものではな
く、例えば、円盤状、円柱状、角柱状、ローラー状等で
あってもよく、また、この加工具に超音波振動子を直接
組み込んでローラー状に形成したり、更には、必要によ
り魚介類中に差し込まれて超音波を伝播する多数の針を
有するもの等を挙げることができる。
【0012】
【作用】本発明の方法によれば、魚介類中に伝播される
超音波の作用により、この魚介類中の脂分や外部から供
給される食用油脂及び/又は調味料が魚介類中によく分
散し、浸透し、そして、魚介類の美味みと一体化し、こ
れによって魚介類が一層美味しくなり、また、魚介類自
体の美味みが引き出されるものと思われる。また、脂が
全く無いかあるいは極端に少なくて全体がぱさぱさして
いるような鮪の赤身の場合に、その表面に鮪の脂や食用
油脂を付けて下ごしらえをし、その後に超音波処理を行
うことにより、この赤身はまるでトロのように味わいの
ある美味しい風味を持つようになる。そして、この様な
魚介類を食用油脂及び/又は調味料で下ごしらえし、そ
の後にこの超音波処理を行うことにより、食用油脂や調
味料が魚介類中に均一に浸透し、よく混ざり合い、乳化
し、この魚介類はよく味付けされるほか、この魚介類自
体の美味みも引き出される。特に、+5℃以下の凍結状
態又は半解凍状態の魚介類に対してこの超音波処理を行
うことにより、魚介類中で凍結している水分に対して超
音波が効果的に作用し、この超音波処理の作用がより効
果的に発揮され、魚介類それ自体の美味みが一層効果的
に引き出され、下ごしらえにより付けられた食用油脂や
調味料が魚介類中に良く浸透する。
超音波の作用により、この魚介類中の脂分や外部から供
給される食用油脂及び/又は調味料が魚介類中によく分
散し、浸透し、そして、魚介類の美味みと一体化し、こ
れによって魚介類が一層美味しくなり、また、魚介類自
体の美味みが引き出されるものと思われる。また、脂が
全く無いかあるいは極端に少なくて全体がぱさぱさして
いるような鮪の赤身の場合に、その表面に鮪の脂や食用
油脂を付けて下ごしらえをし、その後に超音波処理を行
うことにより、この赤身はまるでトロのように味わいの
ある美味しい風味を持つようになる。そして、この様な
魚介類を食用油脂及び/又は調味料で下ごしらえし、そ
の後にこの超音波処理を行うことにより、食用油脂や調
味料が魚介類中に均一に浸透し、よく混ざり合い、乳化
し、この魚介類はよく味付けされるほか、この魚介類自
体の美味みも引き出される。特に、+5℃以下の凍結状
態又は半解凍状態の魚介類に対してこの超音波処理を行
うことにより、魚介類中で凍結している水分に対して超
音波が効果的に作用し、この超音波処理の作用がより効
果的に発揮され、魚介類それ自体の美味みが一層効果的
に引き出され、下ごしらえにより付けられた食用油脂や
調味料が魚介類中に良く浸透する。
【0013】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。
を具体的に説明する。
【0014】実施例1 厚さ1.5cmの鮪の赤身の切り身200gを使用し、
その切り身の表面に鮪用調味油10gを平均に塗り、以
下に示す超音波処理装置を使用して周波数20KHz、
出力150W/cm2 、加圧力80g/cm2 、照射時
間10秒、肉の温度−5℃の条件で超音波処理し、この
超音波処理後に刺身にしてその外観と味とを調べた。結
果は、肉の筋に沿って調味油が内部までよく浸透し、赤
身があたかも中トロに変化したかのような外観を呈し、
味は赤身特有の渋さが抜けてまろやかになり、風味が増
した。
その切り身の表面に鮪用調味油10gを平均に塗り、以
下に示す超音波処理装置を使用して周波数20KHz、
出力150W/cm2 、加圧力80g/cm2 、照射時
間10秒、肉の温度−5℃の条件で超音波処理し、この
超音波処理後に刺身にしてその外観と味とを調べた。結
果は、肉の筋に沿って調味油が内部までよく浸透し、赤
身があたかも中トロに変化したかのような外観を呈し、
味は赤身特有の渋さが抜けてまろやかになり、風味が増
した。
【0015】この実施例1で使用した超音波処理装置
は、図1に示すように、スタンド1と、このスタンド1
にハンドル2操作によって上下方向に移動できるように
垂直に取り付けられ、超音波発信器3に接続された超音
波振動子4と、この超音波振動子4の下端に取り付けら
れ、この超音波振動子4で発生した超音波振動の振幅を
拡大して魚介類5に対し超音波を出力する円盤形状の加
工具6と、この加工具6の下方に位置し、魚介類5が載
置されるステンレス製テーブル7とで構成され、このス
テンレス製テーブル7上に載置された魚介類5に対して
加工具6により加圧しながら超音波を供給できる構造に
なっている。
は、図1に示すように、スタンド1と、このスタンド1
にハンドル2操作によって上下方向に移動できるように
垂直に取り付けられ、超音波発信器3に接続された超音
波振動子4と、この超音波振動子4の下端に取り付けら
れ、この超音波振動子4で発生した超音波振動の振幅を
拡大して魚介類5に対し超音波を出力する円盤形状の加
工具6と、この加工具6の下方に位置し、魚介類5が載
置されるステンレス製テーブル7とで構成され、このス
テンレス製テーブル7上に載置された魚介類5に対して
加工具6により加圧しながら超音波を供給できる構造に
なっている。
【0016】実施例2 実施例1と同じ鮪の赤身の切り身の上面に厚さ5mmに
スライスした鮪の大トロ10gを平均に載せ、実施例1
と同じ装置を使用し、同じ条件で超音波処理し、処理後
切り身の上面に載せた大トロを取り除き、実施例1と同
様に刺身にしてその外観と味を調べた。結果は、大トロ
から出た脂肪分が赤身の内部によく浸透し、赤身の肉汁
とよく混ざり合い、全体が白っぽく変化し、特に筋の部
分に沿って脂肪分が浸透しているのが見えた。また、味
については、赤身特有の渋さが抜け、大トロのまろやか
なうま味が赤身全体に移り、風味が増した。
スライスした鮪の大トロ10gを平均に載せ、実施例1
と同じ装置を使用し、同じ条件で超音波処理し、処理後
切り身の上面に載せた大トロを取り除き、実施例1と同
様に刺身にしてその外観と味を調べた。結果は、大トロ
から出た脂肪分が赤身の内部によく浸透し、赤身の肉汁
とよく混ざり合い、全体が白っぽく変化し、特に筋の部
分に沿って脂肪分が浸透しているのが見えた。また、味
については、赤身特有の渋さが抜け、大トロのまろやか
なうま味が赤身全体に移り、風味が増した。
【0017】実施例3 ほたて貝の貝柱100gの表面にバター5gを平均に塗
り、実施例1で皺宇下と同じ装置を使用し、周波数28
KHz、出力80W/cm2 、加圧力50g/cm2 、
照射時間10秒、貝柱の温度−5℃の条件で超音波処理
し、この超音波処理後に鉄板焼にしてその外観と味とを
調べた。結果は、調理後の外観には特に変化は見られ
ず、また、味については、内部までバターがよく浸透
し、調理の際にバターをつけて鉄板焼にしたものに比べ
確実に風味が増した。
り、実施例1で皺宇下と同じ装置を使用し、周波数28
KHz、出力80W/cm2 、加圧力50g/cm2 、
照射時間10秒、貝柱の温度−5℃の条件で超音波処理
し、この超音波処理後に鉄板焼にしてその外観と味とを
調べた。結果は、調理後の外観には特に変化は見られ
ず、また、味については、内部までバターがよく浸透
し、調理の際にバターをつけて鉄板焼にしたものに比べ
確実に風味が増した。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、魚介類を調理する前に
この魚介類に対して超音波処理を施すことにより、この
魚介類をより美味しくすることができ、例えば鮪の赤身
についてはその赤身の中に鮪の脂やその他の食用油脂を
染み込ませてトロと同じように美味しい赤身に変えるこ
とができるほか、食用油脂や調味料を使用して調理する
前に魚介類に対して行う下ごしらえを容易にし、また、
この下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味しく味付け
することができる。
この魚介類に対して超音波処理を施すことにより、この
魚介類をより美味しくすることができ、例えば鮪の赤身
についてはその赤身の中に鮪の脂やその他の食用油脂を
染み込ませてトロと同じように美味しい赤身に変えるこ
とができるほか、食用油脂や調味料を使用して調理する
前に魚介類に対して行う下ごしらえを容易にし、また、
この下ごしらえの際に魚介類に容易かつ美味しく味付け
することができる。
【図1】 図1は本発明の実施例1〜3で使用した超音
波処理装置の説明図である。
波処理装置の説明図である。
1…スタンド、2…ハンドル、3…超音波発信器、4…
超音波振動子、 5…鮪の切り身、6…加工具、7…ステンレス製テーブ
ル。
超音波振動子、 5…鮪の切り身、6…加工具、7…ステンレス製テーブ
ル。
Claims (4)
- 【請求項1】 魚介類に周波数100KHz以下の超音
波を当てる超音波処理を施すことを特徴とする魚介類の
処理方法。 - 【請求項2】 超音波処理は、魚介類に対して超音波を
出力する加工具と超音波反射性能を有するテーブルとの
間に魚介類を挟み込んで行う請求項1記載の魚介類の処
理方法。 - 【請求項3】 超音波処理は、+5℃以下の凍結状態又
は半解凍状態の魚介類に対して行う請求項1記載の魚介
類の処理方法。 - 【請求項4】 超音波処理に先駆けて、魚介類に食用油
脂及び/又は調味料を付ける下ごしらえを行う請求項1
記載の魚介類の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3289423A JPH05103635A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 魚介類の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3289423A JPH05103635A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 魚介類の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05103635A true JPH05103635A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17743053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3289423A Pending JPH05103635A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 魚介類の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05103635A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020059575A (ko) * | 2002-05-16 | 2002-07-13 | 주식회사 미가원 | 초음파 분산기를 이용한 생오징어 육질 내 물질 침투법 |
KR100363471B1 (en) * | 2001-10-04 | 2002-12-05 | Migaone | Dried squid containing propolis and herbal medicines and preparation process thereof |
KR20030090989A (ko) * | 2002-05-24 | 2003-12-01 | 주식회사 미가원 | 초음파 분산기를 이용하여 한방엑기스를 침투시킨 기능성건오징어 제조법 |
WO2018168975A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 株式会社明治 | 含浸複合油脂性菓子の製造方法 |
CN111076480A (zh) * | 2020-01-09 | 2020-04-28 | 珠海格力电器股份有限公司 | 快速、均匀解冻并保鲜的解冻冰箱及其解冻控制方法 |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP3289423A patent/JPH05103635A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100363471B1 (en) * | 2001-10-04 | 2002-12-05 | Migaone | Dried squid containing propolis and herbal medicines and preparation process thereof |
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WO2018168975A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 株式会社明治 | 含浸複合油脂性菓子の製造方法 |
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CN111076480A (zh) * | 2020-01-09 | 2020-04-28 | 珠海格力电器股份有限公司 | 快速、均匀解冻并保鲜的解冻冰箱及其解冻控制方法 |
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