JPH05103436A - 固定子鉄心およびその製造方法 - Google Patents

固定子鉄心およびその製造方法

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JPH05103436A
JPH05103436A JP25816991A JP25816991A JPH05103436A JP H05103436 A JPH05103436 A JP H05103436A JP 25816991 A JP25816991 A JP 25816991A JP 25816991 A JP25816991 A JP 25816991A JP H05103436 A JPH05103436 A JP H05103436A
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Koji Seshimo
孝司 瀬下
Noriyuki Niimura
則行 新村
Kenji Ogino
賢二 荻野
Takeshi Kumagai
勇志 熊谷
Tatsuya Kondo
竜也 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、固定子鉄心の強度アップを
図るとともに、特性を損なうことなく生産性の高い、ま
た材料費のアップのない固定子鉄心を提供することにあ
る。 【構成】 コイルを挿入するための複数のスロット4と
磁気回路を形成する複数のティース5およびコア背部8
とからなるコア2を、複数枚積層して積層コアを形成す
る固定子鉄心において、ティ−ス5部のほぼ中央部とコ
ア背部の中央部付近とを結ぶ部分に突起部6,7を設け
たことを特徴とする。 【効果】 積層コアにおける比較的強度の弱いティ−ス
部の強度をアップすることにより、コイル挿入時に発生
していたコアの変形、ティ−スの浮き上がりを皆無に
し、スロットライナ−の損傷も防止でき、信頼性の高い
固定子鉄心を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定子鉄心およびその
製造方法に係り、特に、例えば単相誘導電動機のコイル
挿入後のスロット内コイル占積率が高いステ−タに適す
る固定子鉄心およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の固定子鉄心は、例えば特公昭51
−28401号公報に記載されているように、コイル挿
入用スロットと磁気回路を形成するティ−ス部およびコ
ア背部とからなるフラットな積層コアであり、さらにコ
アを複数枚積層するためのクランプ部をコア外周端部の
複数の箇所に設けていた。また、他の従来の固定子鉄心
は、例えば実開昭55−15982号公報に記載されて
いるように、コイル挿入用スロットと磁気回路を形成す
るティ−ス部およびコア背部とからなり、やはりフラッ
トな積層コアであり、さらにコアを複数枚積層するため
の、別部材のクランプピンを複数個使用していた。
【0003】これらの固定子鉄心(ステータコア)は、
電動機の固定子(ステ−タ)とするために、スロットに
コイルを挿入して完成させるものであるが、スロット内
に挿入されるコイルの量が大きい場合、すなわち、スロ
ット内導体占積率が高いと、コイルを挿入する際の挿入
力によりティ−スを押上げ変形させることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術を図6
ないし図9を参照して説明する。図6は、特公昭51−
28401号公報記載の従来のステ−タコアの平面図、
図7は、実開昭55−15982号公報記載の従来の他
のステ−タコアの平面図、図8は、コイルの挿入作業を
示す説明図、図9は、コイルを挿入した後の状態を示す
斜視図である。まず図6,7において、21はステ−タ
コア、22は積層用のコア、23はスロット、24はコ
ア背部、25はティ−ス部、27はクランプ部である。
コア22はいずれもフラットな平板であり、これを積層
して形成したステ−タコア21にエナメル線のコイルを
挿入してステ−タを完成させる。
【0005】このコイル挿入作業は、一般に図8に示す
如く、ステ−タ21をコイルインサ−タ13にセット
し、コイル29を挿入するものである。このとき、スロ
ット23内の導体占積率が高くなるとコイル挿入時の圧
力が大きくなり、図9に示すようにコイル29を挿入中
に、ステ−タコア21の変形が生じたり、ティ−ス部2
5が浮き上がったりする不良が発生していた。このため
スロットライナ−30、およびウエッジ31が破損した
り、内径側に飛び出したりするという欠点があった。こ
の欠点は、積層コアの硬度が柔らかいと、より顕著に現
われ、また、スロット内の導体占積率を低下して改善し
ようとすると製品が大きくなり、ステ−タの材料費が高
くなるという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、固定子鉄心の強度アップを図
るとともに、特性を損なうことなく生産性の高い、また
材料費のアップのない固定子鉄心およびその製造方法を
提供することを、目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る固定子鉄心の構成は、コイルを挿入す
るための複数のスロットと磁気回路を形成する複数のテ
ィース部およびコア背部とからなるコアを、複数枚積層
して積層コアを形成する固定子鉄心において、前記複数
のティース部に突起部を設けたものである。より詳しく
は、コアの平面におけるX−X軸あるいはY−Y軸の少
なくともいずれかの軸上にあるティースの両側に位置す
るティースにのみ突起部を設けたものであり、また、テ
ィースのほぼ中央部とコア背部のほぼ中央部との間にわ
たって突起部を設けたことを特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る固定子鉄心の製造方法の構成は、板材を打ち抜い
て、複数のスロットと磁気回路を形成する複数のティー
ス部およびコア背部とからなるコアを形成し、このコア
を複数枚積層して積層コアを形成し、この積層コアの複
数のスロットにコイルを挿入し巻回して固定子を製造す
る方法において、上記積層コアを形成する打抜工程中の
一工程で、複数のティース部に突起部を形成するように
したものである。
【0009】
【作用】本発明の固定子鉄心すなわちステ−タコアを構
成するコアは、複数のクランプ部を介して積層する際
に、同時にティ−ス部の中央部とコア背部の中央部との
間に突起部を形成させることによりコアの強度アップを
達成している。また、突起部をステ−タの条件により、
形状を変えたり、数を調整して設けることにより、磁気
特性を損なうことなく、また材料費をアップさせること
なく、生産性の高いステータコアを得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5を
参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係るス
テ−タコアの平面図、図2は、図1の側面図、図3は、
図1のステータコアに設けた突起部の拡大図、図4は,
図3のA−A矢視拡大断面図、図5は、コイルを挿入し
た後のステ−タの部分斜視図である。図1において、1
はステ−タコアで、このステ−タコア1は、複数枚の積
層用のコア2を、外周部に複数ヶ所設けてあるクランプ
部3を介して積層固着されたものである。コア2は、一
般に鋼板を打抜加工して形成される。
【0011】4は、打抜きによって形成されたスロッ
ト、5は磁気回路を形成するティ−ス、8は、磁気回路
を形成するコア背部である。6,7は、強度向上用の突
起部であり、前記複数個のクランプ部3を介してプレス
打抜時に金型内で積層される際に、打抜工程中の一工程
の中で、突起部6,7が形成される。突起部6,7は、
コア2の平面におけるX−X軸あるいはY−Y軸の少な
くともいずれかの軸上(図1の例ではY−Y軸上)にあ
るティースの両側に位置するティースに突起部6,7を
設けている。また、突起部6,7は、ティース5のほぼ
中央部とコア背部8のほぼ中央部との間にわたって形成
されている。なお、この突起部6,7は、ステ−タの使
用条件により、形状を変えたり、数を調整して設けるも
のである。
【0012】ステ−タを製作するには、スロット4内に
コイル9を複数本挿入する必要があり、図8に示すよう
に、コイルインサ−タ13を用いて挿入する。このとき
に生じる挿入圧力はスロット4内の側面に加わり、ティ
−ス5が押し上げられ変形しようとするが、本実施例で
は、強度補強用として突起物6,7を設けてあるためコ
イル9をスム−ズに挿入することが可能となる。これに
より、図9に示した従来技術の例のようなティ−ス部の
浮き上がりや変形を皆無にすることが可能となる。
【0013】また、スロット内の導体占積率に応じて、
突起部の数を増減させることにより余分な形状変更を必
要とせず、磁気抵抗を最小限にできるとともに、スロッ
ト内導体占積率を低下させることなくコアの強度向上が
できるため、材料費のアップがなく、ステ−タを大形に
することもなく、生産性の高い、ステ−タに最適な積層
コアを提供することができる。さらに、ティ−ス5の浮
き上がりが無くなり変形も無くなるため、スロット4内
に設けてあるコアとコイル9とを絶縁しているスロット
ライナ−10を損傷させる不良を皆無にすることができ
る。
【0014】本実施例によれば、生産性が高く、単相誘
導電動機で最も重要な、磁気特性を低下させることな
く、ステ−タコアのティ−ス部の強度を向上できるため
に、ステ−タの巻線作業時に発生するコイル挿入力によ
るコアの変形およびティ−スの浮き上がりを防止するこ
とが可能となり、生産コスト軽減に寄与することができ
る。
【0015】なお、上記の実施例では、図2に示したよ
うに、突起部6,7は、積層する複数個(多数個)のコ
ア2の全数に設けたものであるが、本発明はこれに限る
ものではなく、例えば上から10枚ないし20枚程度の
コアに設けるなど、コイル挿入時のコア変形を防止する
強度アップに必要とするコアにのみ設けるようにしても
差し支えない。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、固定子鉄心の強度アップを図るとともに、特性を
損なうことなく生産性の高い、また材料費のアップのな
い固定子鉄心およびその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るステ−タコアの平面図
である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のステータコアに設けた突起部の拡大図で
ある。
【図4】図3のA−A矢視拡大断面図である。
【図5】コイルを挿入した後のステ−タの部分斜視図で
ある。
【図6】従来のステ−タコアの平面図である。
【図7】従来の他のステ−タコアの平面図である。
【図8】コイルの挿入作業を示す説明図である。
【図9】コイルを挿入した後の状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ステ−タコア 2 コア 4 スロット 5 ティース 6,7 突起部 8 コア背部 9 コイル
フロントページの続き (72)発明者 熊谷 勇志 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 近藤 竜也 栃木県下都賀郡大平町大字富田709番地の 2 株式会社日立栃木エレクトロニクス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを挿入するための複数のスロット
    と磁気回路を形成する複数のティース部およびコア背部
    とからなるコアを、複数枚積層して積層コアを形成する
    固定子鉄心において、前記複数のティース部に突起部を
    設けたことを特徴とする固定子鉄心。
  2. 【請求項2】 コアの平面におけるX−X軸あるいはY
    −Y軸の少なくともいずれかの軸上にあるティースの両
    側に位置するティースにのみ突起部を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の固定子鉄心。
  3. 【請求項3】 ティースのほぼ中央部とコア背部のほぼ
    中央部との間にわたって突起部を設けたことを特徴とす
    る請求項2記載の固定子鉄心。
  4. 【請求項4】 突起部は、積層する複数枚のコアの少な
    くとも必要とするコアにのみ設けたことを特徴とする請
    求項1ないし3記載のいずれかの固定子鉄心。
  5. 【請求項5】 板材を打ち抜いて、複数のスロットと磁
    気回路を形成する複数のティース部およびコア背部とか
    らなるコアを形成し、このコアを複数枚積層して積層コ
    アを形成し、この積層コアの複数のスロットにコイルを
    挿入し巻回して固定子を製造する方法において、上記積
    層コアを形成する打抜工程中の一工程で、複数のティー
    ス部に突起部を形成することを特徴とする固定子鉄心の
    製造方法。
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