JPH05102607A - 埋込み構造半導体レーザの製造方法 - Google Patents

埋込み構造半導体レーザの製造方法

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JPH05102607A
JPH05102607A JP3285470A JP28547091A JPH05102607A JP H05102607 A JPH05102607 A JP H05102607A JP 3285470 A JP3285470 A JP 3285470A JP 28547091 A JP28547091 A JP 28547091A JP H05102607 A JPH05102607 A JP H05102607A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メサ構造埋込み成長時にSeなどのVI族ドー
パントを用いた高濃度n形InPを使用することによ
り、n形InP層がメサ構造上部に成長しない条件を実
現し、選択マスクの無いメサ構造を用いた1回の有機金
属気相成長法による埋込み長によって高性能な半導体レ
ーザを製作する。 【構成】 n形InP半導体基板1a上n形InPバッ
ファ層1bが形成されている基板上に有機金属気相成長
法により活性層2,p形InPクラッド層3を堆積す
る。そしてこの基板表面をストライプ状にマスクし、そ
のクラッド層3,活性層3,バッファ層1bを選択的に
エッチングしメサ構造を形成する。しかる後メサ構造上
面のマスクを除去し、その基板全面に有機金属気相成長
法によりp形InP電流ブロック層5,Seドーパント
n形InP電流閉じ込め層6,p形InPクラッド層7
とp形キャップ層8を順次堆積する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機金属気相成長法を
用いた埋込み構造半導体レーザの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】埋込み構造半導体レーザを製作する場
合、活性領域を含んだメサ構造を埋め込む工程が必要で
ある。この工程を有機金属気相成長法を用いて行う場
合、有機金属気相成長法が非平衡輸送律則であるために
メサ両端に異常成長が発生し、メサ構造を平坦に埋め込
むことが困難であった。
【0003】そのため従来技術においては、図3に示す
ように高さを低く(h<1μm)抑えたメサ構造を用
い、2回の埋込み成長を行うことにより埋込み構造レー
ザ素子を製作したり、また図4に示すように、メサ高の
高いメサ構造を用いたいときはメサ上部の選択マスク1
4に庇を形成してメサ両端の成長を抑えるメサ構造を用
いて埋込み成長を行いレーザ構造を製作したりしてい
た。なお、図3及び図4において、11aはn形InP
基板、11bはこの基板11a上のSeドープn形In
Pバッファ層、12はアンドープInGaAsP活性
層、13はp形InPクラッド層、14は選択マスクを
形成するSiO2 膜である。また、15はp形InP電
流ブロック層、16はn形InP電流閉じ込め層、17
はp形InPオーバークラッド層、18はp形InGa
AsPキャップ層である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来技
術では、高さを低く抑えたメサ構造を用いた場合(図
3)、p形InP電流ブロック層5,n形InP電流閉
じ込め層6からなる埋込み層でp−n逆バイアスにより
十分な電流ブロックを行うためには1.5〜2.0μm
程度の膜厚が必要であり、図3に示すようにメサ両端の
埋込み層が大きく盛り上がる(1.0μm以上)ことに
なる。そのため、2回目の埋込み成長で基板全面に成長
を行って素子表面の平坦化を行うことが困難であり、そ
の後の電極分離,素子間分離の工程に支障をきたすこと
になる。
【0005】また、庇付き選択マスクを用いる場合は
(図4)、メサ構造形成にウェットエッチングを用いる
必要があり、メサ形状の制御性という点で問題があっ
た。そのため、レーザ特性の均一性,制御性の低下,レ
ーザ製作の歩留まりの低下の原因になっていた。
【0006】本発明は以上の点に鑑み、上記のような課
題を解決するためになされたもので、その目的は、メサ
構造埋込み成長時にVI族のドーパントを用いた高濃度n
形InPを使用することにより、n形InP層がメサ構
造上部に成長しない条件を実現し、選択マスクの無いメ
サ構造を用いた1回の有機金属気相成長法による埋込み
成長によって高性能な半導体レーザが製作できる製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、有機金属気相成長法を用いたメサ構造埋込
み工程においてn形InP埋込み層にSeなどのVI族ド
ーパントを用い、このVI族ドーパント高濃度ドーピング
n形InPに特徴的な(100)微小領域の成長抑制機
構を利用して、メサ構造を選択マスク無しに埋め込むこ
とを最も主要な特徴とするものである。
【0008】
【作用】したがって本発明によれば、選択成長マスクの
ないメサ構造を1回の有機金属気相成長法により埋め込
むことができる。すなわち、従来の技術では有機金属気
相成長法で埋込み成長を行う場合は、メサ構造領域以外
を埋め込む場合メサ構造上部に選択マスクが必要であっ
た。この選択マスクを用いた埋込み成長では異常成長を
抑えるために、低いメサを用い2回の埋込み成長工程で
埋め込んだり、庇付き選択マスクを用いたりしていた。
しかし、メサを低く抑えた場合は平坦な結晶表面を得る
ことが困難であり、また、庇を製作するためにはウェッ
トエッチングを用いるため、メサ形状の制御性に問題が
残る。
【0009】これに対して本発明では、選択マスクのな
いメサ構造を用いて埋込み成長を行うことが可能であ
り、1回の埋込み成長でメサ構造を埋め込むことができ
る。また、選択マスクを成長面に堆積し、その状態で高
温中で成長する必要がないので、基板に与えるダメージ
も低減する。このことにより、埋込み構造レーザの作製
方法を簡素化できると共に、成長層のダメージの低減に
もつながる。
【0010】
【実施例】実施例1 図1は本発明による半導体レーザの製造方法の一実施例
を示す工程断面図である。図1において、まず同図(a)
に示すように、(100)面n形InP基板1a上にS
eドープn形InPバッファ層1b(膜厚d=2.0μ
m),アンドープInGaAsP活性層2(d=0.1
μm)及びp形InPクラッド層3(d=0.3μm)
を有機金属気相成長(MOVPE)法によって成長す
る。
【0011】次に図1(b)に示すように、成長面にスパ
ッタリング法によってSiO2膜を堆積し、フォトリソ
グラフィ技術によって<011>方向にストライプ幅
1.5μmのSiO2 ストライプマスク4を形成する。
そして、塩素アルゴン系のリアクティブイオンエッチン
グ(RIE)装置を使用して高さ1.0μm程度のメサ
構造を形成する。さらに、HFによってメサ上面のSi
2膜4を除去する。
【0012】次に図1(c) に示すように、MOVPE法
を用いてZnドープp形InP電流ブロック層5,Se
ドープn形InP電流閉じ込め層6を成長する。p形I
nP層5,n形InP層6は電流狭窄及び光閉じ込め層
として働く。この時、n形InP層6のSeドープ量を
5×1018cm-3以上にするとメサ構造上部のn形In
P埋込み層6は成長が抑制され、メサ構造上部はp形I
nP層5(d=(メサ外×0.85)μm)のみが成長
した層構造になる。
【0013】その後連続して、図1(d) に示すように、
基板全面にp形InPオーバークラッド層7(d=1.
0μm),p形InGaAsPキャップ層8(d=0.
5μm)をMOVPE法により成長する。p形InP層
7,p形InGaAsP層8はメサ構造上部にも成長し
素子構造を形成する。
【0014】このようにして製作した素子は、メサ構造
埋込み構造成長時にSeドーパントを用いた高濃度n形
InP層6を使用することにより、そのn形InP層6
がメサ構造上部に成長しない条件を実現できるので、選
択マスクを使用することなく、1回のMOVPE法によ
る埋め込み成長で、埋込み構造レーザ素子を製作するこ
とができる。
【0015】実施例2 図2は本発明の他の実施例を示す図1相当の工程断面図
であり、同図中図1と同一のものは同一符号を付記して
ある。図2において、まず同図(a) に示すように、(1
00)面n形InP基板1a上にSeドープn形InP
バッファ層1b(d=2.0μm),アンドープInG
aAsP活性層2(d=0.1μm)をMOVPE法に
よって成長する。
【0016】その後は上記実施例1と同様に<100>
方向のマスクの無いメサ構造を形成し(図2(b) )、次
にMOVPE法を用いてZnドープp形InP電流ブロ
ック層5,Seドープn形InP電流閉じ込め層6を成
長して(図2(c) )、その後連続して、基板全面にp形
InPオーバークラッド層7(d=1.0μm),p形
InGaAsPキャップ層8(d=0.5μm)を成長
し素子構造を形成する(図2(d))。
【0017】このようにして製作した素子においても、
選択マスクを使用しないため、実施例1と同様に1回の
埋め込み成長で、埋込み構造レーザ素子を製作すること
ができる。
【0018】実施例3 この実施例では、上記実施例2において、アンドープI
nGaAsP活性層2の成長後(図2(a) )、さらに光
導波路層を成長させたのち、この光導波路層に対し回折
格子を形成後、図2(b)の工程と同様にメサ加工を施し
た後、図2(c)及び(d)と同様の工程により、分布帰還形
レーザ素子を製作した。この場合には、回折格子成長後
の再成長工程を省略できる利点がある。
【0019】なお、上述した実施例の中でメサ構造形成
方法として塩素アルゴン系ドライエッチングを用いた
が、他の方法でメサ構造の形成を行っても良い。また、
上記実施例では、Sなどの他のVI族ドーパントであって
も良いことは言うまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、Seなど
のVI族のドーパントを用いた高濃度のn形InPの微小
領域(100)面での成長抑制を使用することにより、
選択成長マスクのないメサ構造を1回の有機金属気相成
長法で埋め込むことが可能となる。そのため、埋込み構
造レーザの製作工程を簡素化することができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す工程断面図である。
【図3】従来の製造方法を説明するための工程断面図で
ある。
【図4】従来の別の製造方法を説明するための工程断面
図である。
【符号の説明】
1a n形InP基板 1b Seドープn形InPバッファ層 2 アンドープInGaAsP活性層 3 p形InPクラッド層 4 SiO2膜 5 p形InP電流ブロック層 6 Seドープn形InP電流閉じ込め層 7 p形InPオーバークラッド層 8 p形InGaAsPキャップ層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n形InP半導体基板上または該基板上
    にn形InPバッファ層が形成されている基板上に有機
    金属気相成長法により活性層,p形InPクラッド層を
    堆積する工程と、 この基板表面をストライプ状にマスクし、前記クラッド
    層,前記活性層,前記バッファ層または前記半導体基板
    を選択的にエッチングしメサ構造を形成する工程と、 このメサ構造上面のマスクを除去し、該基板全面に有機
    金属気相成長法によりp形InP電流ブロック層,VI族
    ドーパントを用いたn形InP電流閉じ込め層,p形I
    nPクラッド層とp形キャップ層を堆積する工程とを有
    することを特徴とする埋込み構造半導体レーザの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 n形InP半導体基板上または該基板上
    にn形InPバッファ層が形成されている基板上に有機
    金属気相成長法により活性層を堆積する工程と、 この基板表面をストライプ状にマスクし、前記活性層,
    前記バッファ層または前記半導体基板を選択的にエッチ
    ングしメサ構造を形成する工程と、 このメサ構造上面のマスクを除去し、該基板全面に有機
    金属気相成長法によりp形InP電流ブロック層,VI族
    ドーパントを用いたn形InP電流閉じ込め層,p形I
    nPクラッド層とp形キャップ層を堆積する工程とを有
    することを特徴とする埋込み構造半導体レーザの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 n形InP半導体基板上または該基板上
    にn形InPバッファ層が形成されている基板上に有機
    金属気相成長法により活性層を堆積する工程と、 この活性層成長後、さらに光導波路層を成長させたの
    ち、その光導波路層に対し回折格子を形成する工程と、 この回折格子形成後、その基板表面をストライプ状にマ
    スクし、前記光導波路層,前記活性層,前記バッファ層
    または前記半導体基板を選択的にエッチングしメサ構造
    を形成する工程と、 このメサ構造上面のマスクを除去し、該基板全面に有機
    金属気相成長法によりp形InP電流ブロック層,VI族
    ドーパントを用いたn形InP電流閉じ込め層,p形I
    nPクラッド層とp形キャップ層を堆積する工程とを有
    することを特徴とする埋込み構造半導体レーザの製造方
    法。
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