JPH05101585A - 磁気デイスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 データの読み取りエラーが発生しない磁気デ
ィスク装置を提供することを目的とする。 【構成】 リブ外側面に溝を設け、その溝に弾性体６で
あるＯリングを挿入し、その弾性体側面とディスク２の
内径端面とが接すことにより、データの読み取りエラー
が発生することが少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、可動ヘッド型磁気ディスク装置
においては、磁気ディスク上の特定の情報の読み出しの
要求があり次第、読み出し時間を最小にするように可動
ヘッドを磁気ディスクの半径方向に急速に位置決めしな
ければならない。図２において、磁気ヘッド１は、磁気
ディスク２に対向した位置で浮上しており、指示アーム
３の揺動運動によって、磁気ディスク２上を半径方向に
動く。これにより、磁気ヘッド１が磁気ディスク２の所
定位置に位置決めされる。ここで、磁気ヘッド１の位置
の制御は、位置の検出機能を有するヘッドアッセンブリ
（以下、サーボヘッドと呼ぶ）によって磁気ヘッド１の
位置を検出し、その後ボイスコイルモータ制御回路によ
り、ボイスコイルモータ用のコイル４に通電し、磁気回
路５に設けられている永久磁石の磁界により、磁気回路
５とコイル４の間に力を生じ、コイル４と一体的に組み
付けられ揺動可能な支持アーム３をコイル４に生じた力
によって揺動し、支持アーム３に搭載されたヘッドアッ
センブリを移動し、以下同様に磁気ヘッド１の移動を検
出するという閉ループを形成するサーボ系によって行な
われる。

【０００３】ところで、磁気ディスク装置の記録密度を
向上させ、装置の記憶容量を増大させるためには、磁気
ディスクに対する磁気ヘッドの位置決め精度を向上させ
る必要がある。現在の磁気ディスク装置における磁気ヘ
ッド位置決め装置は、位置決め専用のサーボヘッドを有
し、このサーボヘッドが磁気ディスク面に予め記録され
た位置決め情報を読み取り、読み取られた情報に基づい
て位置決めを行っている。従って、サーボヘッドと磁気
ディスクの相対的な位置誤差はそのまま本来追従すべき
トラック量との偏差量つまりオフトラック量となる。こ
のオフトラック量が小さい程、位置決め精度が高いこと
となる。しかしながら、実際には種々の要因によって許
容以上のオフトラック量を招く場合がある。このオフト
ラック量の中でも、装置の発熱による温度上昇もしくは
環境温度の変化によって引き起こされるオフトラック
は、サーマルオフトラックと呼ばれ、磁気ディスク装置
を構成する種々の機構部品間における線膨張係数の違い
が主な要因と考えられる。又、落下した時の衝撃、持ち
運んだ時，移動した時に発生する振動によっても、種々
の構成部品の許容寸法内でオフトラックが発生する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の磁気デ
ィスク装置は、磁気ディスクとこの磁気ディスクが搭載
されているリブの材質が違うために、線膨張係数が異な
り、装置への温度変化もしくは、環境温度の変化によっ
て初期状態で磁気ディスク内径面とリブ外径面との間に
あった隙間がなくなり接触する場合、あるいは、初期状
態で磁気ディスク内径面とリブ外径面が接触している場
合に磁気ディスク内径面とリブ外径面との隙間がなくな
る方向に装置の発熱による温度変化もしくは環境温度の
変化がさらに進むと、磁気ディスクがずれて、サーボヘ
ッドと磁気ディスクとの相対的な位置誤差、即ちオフト
ラック量が存在することになり、データの読み取りエラ
ーが発生するという欠点がある。又、種々の部品の寸法
許容差により磁気ディスク内径面とリブ外径面との間に
あった一定の隙間が、振動及び衝撃によりずれて、オフ
トラックが発生し、データの読み取りエラーが発生する
という欠点がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装
置は、上部基板及び下部基板に内包される複数の磁気デ
ィスクと、前記磁気ディスク間に交互に挿入されるスペ
ーサと、前記磁気ディスク及び前記スペーサを挿入する
リブと、前記リブを回転させるスピンドルと、前記磁気
ディスクに対向して位置する磁気ヘッドを動作する磁気
ヘッド位置決め機構とを備える磁気ディスク装置におい
て、前記リブ外径面に、前記磁気ディスクが接する面に
溝をもうけ、前記スペーサの材質と異なる弾性体を上記
溝に挿入し、その弾性体に接す様に磁気ディスクを挿入
する事を特徴とする磁気ディスク装置を提供することに
ある。

【０００６】

【作用】本発明は上記した構成によって、環境温度の変
化によって生じる磁気ディスク，リブの線膨張をリブ外
径溝に挿入した弾性体により吸収し、オフトラックの発
生を防ぎ、又振動，衝撃においては、磁気ディスクのズ
レを上記弾性体がダンパーの役目を果たし、オフトラッ
クを防ぐこととなる。

【０００７】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は、本発明の一実施例におけるスピンドル部の
縦断面図である。磁気ディスク２は、スペーサ１０と交
互にリブ７に積層されている。弾性体６は、磁気ディス
ク２及びリブ７の線膨張係数の違いから装置の温度変化
もしくは、環境温度の変化、あるいは、移動中の振動及
び衝撃によりリブ７の外径面と磁気ディスク内径面が接
触しない様に、リブ７の外径面に磁気ディスクと同位置
に溝を設け、その溝に取り付けられている。

【０００８】磁気ディスク２の線膨張係数がリブ７の線
膨張係数より大きい場合は環境温度が低くなった時、
又、磁気ディスク２の線膨張係数がリブ７の線膨張係数
より小さい場合は、装置の発熱による温度が上昇するか
環境温度が高くなった時、相対的に磁気ディスク２とリ
ブ７との隙間が小さくなる。そこで弾性体６は磁気ディ
スク２及びリブ７の線膨張係数より小さく、磁気ディス
ク２とリブ７との小さくなった隙間を弾性体変形により
吸収できる。弾性体６は、金属よりも極めて膨張係数の
小さいゴム材あるいは、樹脂が考えられ、Ｏリング状で
リブ７の溝に挿入されている。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、装置の温
度変化もしくは、環境温度の変化及び移動中の振動，衝
撃を考慮して磁気ディスクとリブが接触することのない
半径方向の寸法関係にし、又、磁気ディスクとリブの隙
間を補うべき弾性体を介在させることにより、磁気ディ
スクの内径とリブ外径が同心円状に近い状態で、磁気デ
ィスクをリブに容易に組み込むことができ、磁気ディス
クとリブが直接、接触しない。そのために装置の温度変
化もしくは環境の変化により狭くなる隙間又は、振動，
衝撃により変化する隙間を弾性体にて吸収出来、直接、
磁気ディスクとリブが接触しないので、磁気ディスクが
経方向に非可逆的なずれを起こさず、サーボヘッドとデ
ータヘッドとの相対的な位置誤差即ちオフトラックがな
く、データの読み取りエラーが発生せず、信頼性を高め
ることが出来るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のスピンドル部縦断面図

【図２】従来の磁気ディスク装置の概略断面図

【図３】従来のスピンドル部の縦断面図

【符号の説明】

１ 磁気ヘッド ２ 磁気ディスク ３ 支持アーム ４ コイル ５ 磁気回路 ６ 弾性体 ７ リブ ８ 下部基板 ９ 上部基板 １０ スペーサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富崎 幹雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部基板及び下部基板に内包される複数
   の磁気ディスクと、前記磁気ディスク間に交互に挿入さ
   れるスペーサと、前記磁気ディスク及び前記スペーサを
   支持するリブと、このリブを回転させるスピンドルと、
   前記磁気ディスクに対向して位置する磁気ヘッドを駆動
   する磁気ヘッド位置決め機構とを備える磁気ディスク装
   置において、前記リブ外側面に溝をもうけ、その溝に弾
   性体であるＯリングを挿入しその弾性体側面とディスク
   内径端面とが接する事を特徴とする磁気ディスク装置。