JPH06150596A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的な非再現性等による情報とギャップと
の角度ずれを無くし、読取り／書込み性能を向上させ
る。 【構成】 磁気記録媒体に対し情報を操作すべく移動可
能磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを移動させる駆動側に
対して支持するサスペンションと前記磁気ヘッドとサス
ペンションとの間に取付けられたピエゾ素子とを有し、
前記ピエゾ素子の伸縮方向を前記磁気ヘッドの移動方向
に略一致させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、磁気記録ディスクを
利用して情報を記録／再生等する磁気ディスク装置に係
り、さらに詳しくはこのような装置の磁気ヘッドの改良
に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の磁気ディスク装置においては、
磁気ディスク表面上の同心記録トラックに沿って磁気ヘ
ッドを半径方向へ動かした後、情報を磁気的に書き込
み、または記録されている情報を読み出すために位置決
め機構が用いられている。

【０００３】従来、磁気ディスク装置の位置決め機構と
して、例えばボイスコイルモータを用いた１段アクチュ
エータ方式がある。この方式では同一トラックに位置決
めを行っても機械的な非再現性等の影響によりヘッドギ
ャップが目標トラック上であっても微妙にずれているこ
とがある。これに対し、より高精度な位置決めを行うた
めに、ボイスコイルモータにピエゾ素子を付加した２段
アクチュエータ方式のものがある。

【０００４】これは、図３に示すように、磁気ディスク
１０１に情報を磁気的に記録／再生するギャップを内蔵
するスライダ１０３からなる磁気ヘッド１０５と、スラ
イダ１０３を支持するサスペンション１０７と、駆動側
としてサスペンション１０７を一定高さに保持するヘッ
ドアーム１０９及びヘッドアーム１０９を平行移動する
ためのボイスコイルモータ１１１と、ヘッドアーム１０
９に設けられ電気信号により伸縮しアーム先端に微小歪
を発生させるピエゾ素子１１３とから構成されている。

【０００５】そして、つぎのように作動する。すなわ
ち、ボイスコイルモータ１１１によりヘッドアーム１０
９が段階的に移動されると、磁気ヘッド１０５が磁気デ
ィスク１０１の同心記録トラックに交差して段階的に半
径方向へ移動し、情報を磁気的に書き込み、または、記
録された情報を読み出すようになっている。そして、磁
気ヘッド１０５を目標トラックに位置決めするときは、
ボイスコイルモータ１１１で位置決めした後、ピエゾ素
子１１３に電気信号を送り、ピエゾ素子１１３を伸縮さ
せてヘッドアーム１０９を弾性変形させ、このヘッドア
ーム１０９の変形によってアーム１０９の先端にあるサ
スペンション１０７及びスライダ１０３を揺動運動さ
せ、微小な位置決め修正が行われる。

【０００６】かくして、１段アクチュエータ方式の場合
に生じる機械的な非再現性等による位置ずれ量がピエゾ
素子１１３の微小変位によって補正され、ヘッドギャッ
プは目標トラックの中心位置に正確に位置決めされる。
ところで、１度書込みされた情報を読出すときは、上述
のような同一トラックへの位置決め動作を書込みと読出
しの２回に行うことになる。

【０００７】このとき、機械的な非再現性等により書込
み時と読出し時で補正量が異なる現象が生じた場合、従
来の２段アクチュエータ方式による磁気ディスク装置で
は、ピエゾ素子１１３の伸縮運動をアーム先端の揺動運
動に変換して補正するようになっていたため、書込み情
報とヘッドギャップに角度ずれが生じ、読込みの有効ギ
ャップ幅が狭くなって読取りマージンが低下する恐れが
あった。

【０００８】また、情報の書込み時にも位置決め情報で
あるサーボデータを読取るときに、ピエゾ素子１１３の
補正量が異なる現象が発生した場合、書込み情報に角度
ずれが起こり性能低下等を招く恐れがある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
磁気ディスク装置にあっては、ピエゾ素子１１３がヘッ
ドアーム１０９に装着され、ピエゾ素子１１３が伸縮す
るときスライダ１０７が揺動運動をするため、情報とギ
ャップの角度差が発生し、ピエゾ素子１１３の応答性の
良さを充分に生かしきれず、読取り／書込み性能に悪影
響を及ぼす等の問題点があった。

【００１０】そこでこの発明は、機械的な非再現性等に
よる情報とギャップとの角度ずれを無くし、読取り／書
込み性能を向上させることができる磁気ディスク装置の
提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、磁気記録媒体に対し情報を操作すべく
移動可能な磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを移動させる
駆動側に対して支持するサスペンションと、前記磁気ヘ
ッドとサスペンションとの間に取付けられたピエゾ素子
とを有し、前記ピエゾ素子の伸縮方向を前記磁気ヘッド
の移動方向に略一致させたことを特徴としている。

【００１２】

【作用】上記構成によれば、電気信号によりピエゾ素子
を伸縮させてスライダを平行移動させ、目標トラックに
対するギャップの微小な位置決め修正が行われる。

【００１３】このとき、ピエゾ素子の伸縮方向を磁気ヘ
ッドの移動方向に略一致させているから、機械的な非再
現性等による情報と磁気ヘッドとの角度ずれを無くすこ
とができる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１はこの発明の一実施例に係る磁気ディスク
装置の概略構成図を示すものである。

【００１５】磁気ヘッド１は、図２に示すように、ギャ
ップ３を内蔵するスライダ５により構成され、ギャップ
３は磁気記録媒体としての磁気ディスク７のトラックに
対する情報の操作を磁気的に行い、読取り／書込みを行
う。磁気ディスク７は情報を記録保持する。スライダ５
はサスペンション９を介して駆動側のヘッドアーム１１
の先端に支持されている。

【００１６】ヘッドアーム１１は回転軸１３により回動
可能に支持され、後端部に駆動側のボイスコイルモータ
１５を有している。ボイスコイルモータ１５はコイル１
７と図示しないマグネットとの間でヘッドアーム１１の
回転推力を発生する。

【００１７】スライダ５とサスペンション９との間に
は、ピエゾ素子１９が取付けられている。ピエゾ素子１
９は、その伸縮方向がギャップ３の幅方向と平行になる
ように取付けられている。従って、ピエゾ素子１９の伸
縮方向を磁気ヘッド１の移動方向に略一致させた構成と
なっている。

【００１８】ピエゾ素子１９には駆動回路２１が接続さ
れている。ピエゾ素子１９は駆動回路２１から出力され
る電気信号によって伸縮し、スライダ５を平行移動させ
る。駆動回路２１はコントローラ２３に接続され、この
コントローラ２３により駆動制御されるようになってい
る。次に、上記実施例の作用を説明する。

【００１９】ボイスコイルモータ１５によりヘッドアー
ム１１が段階的に移動されると、磁気ヘッド１が磁気デ
ィスク７の同心記録トラックに交差して段階的に半径方
向へ移動される。

【００２０】そして、磁気ヘッド１を目標トラックに位
置決めするときは、ボイスコイルモータ１５によって位
置決めした後、駆動回路２１より電気信号をピエゾ素子
１９に出力し、この電気信号によってピエゾ素子１９を
伸縮させてスライダ５を平行移動させ、微小な位置決め
修正が行われる。

【００２１】このとき、ピエゾ素子１９が伸縮してもギ
ャップ３の幅方向は一定であり、ギャップ３の幅方向と
トラック接続方向との角度が一定に保たれるから、情報
とギャップ３とに角度差を生じることがない。こうし
て、正確に位置決めされた状態で情報を磁気的に書込
み、または記録された情報を読み出す。かくして、磁気
ヘッド１のギャップ３が目標トラックの中心位置に正確
に位置決めされるため、読取り／書込み性能を向上させ
ることができる。

【００２２】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、この発
明によれば、機械的な非再現性等による情報とギャップ
との角度ずれを無くすことができ、読取り／書込み性能
を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る概略構成図である。

【図２】この発明の要部を示す斜視図である。

【図３】従来例の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 磁気ヘッド ３ ギャップ ５ スライダ ７ 磁気ディスク ９ サスペンション １１ ヘッドアーム １５ ボイスコイルモータ １９ ピエゾ素子 ２１ 駆動回路 ２３ コントローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気記録媒体に対し情報を操作すべく移
   動可能な磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを移動させる駆
   動側に対して支持するサスペンションと、前記磁気ヘッ
   ドとサスペンションとの間に取付けられたピエゾ素子と
   を有し、前記ピエゾ素子の伸縮方向を前記磁気ヘッドの
   移動方向に略一致させたことを特徴とする磁気ディスク
   装置。