JPH0510088B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は湯の注出を行なう電動式の給湯装置に
関するものである。

従来の技術 従来、この種の電動式の給湯装置は、モータ、
あるいは電磁石等で駆動するベローズポンプによ
つて、空気を容器内に圧送して容器内の湯を注出
するようにしたものが一般的であつた。

また、モータによりインペラを駆動して直接湯
を注出するものも一部提案されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来のベローズポンプ式の給湯
装置は、空気を容器内に圧送し、容器内の空気を
加圧することによつて内溶液を吐出させるため、
特に湯が沸騰直後の場合には湯の蒸気圧によつて
容器内の圧力が異常に高くなり、少量の空気を圧
送しても予想以上の多量の湯が吐出する。一方、
容器内の残り湯が少なくなると、今度は容器の中
に空気を溜める時間が必要で吐出するまでの時間
遅れがある。また空気と湯とが混じつた状態で吐
出口より出てくるため、湯が飛散し火傷をするこ
とが発生する。このように容器内に空気を送つて
間接的に湯を吐出させる従来の方式には問題があ
つた。

また、インペラを用いて直接湯を注出する給湯
装置では、高温の湯を扱うだけにモータ側のシー
ルの問題があつた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
湯の吐出量が安定しかつシールの問題も解消した
給湯装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、加熱用
ヒータを有する湯貯溜用の容器下部に容器内の湯
を揚水して注水口から注ぐ遠心ポンプを設け、こ
の遠心ポンプは、インペラに磁石を設けてこの磁
石をポンプ室の隔壁板を介してモータにより駆動
される磁石と対向させてモータの回転を磁力でイ
ンペラに動力伝達するとともに、ケーシング中央
の吸込口部に固定軸を設け、この固定軸の端部に
軸端面と挿入孔の底面が対向してスラスト方向に
摺動し、かつ回転するように軸受を挿入し、この
軸受にはインペラを取付けたものである。

作 用 上記構成によれば、モータの回転数を制御する
ことにより湯の吐出量を安定制御することができ
るとともに、インペラとモータ側とが分離されて
いるために高温の湯がモータ側にもれ出ることが
ない。また遠心ポンプは、回転数を高めて吐出量
を多くする場合には、ポンプ室内の圧力も高くな
り、インペラが吸込口部側のスラスト方向に移動
し、軸受の挿入孔の底面が固定軸の軸端面に接触
して回転する。一方、回転が低い場合には、ポン
プ室内の圧力も低くなり、インペラの磁石とモー
タ側の磁石とが吸引しているので、軸受の先端は
ポンプ室の隔壁板に接触して回転する。このよう
に、インペラの回転に伴つて、軸受の摺動接触す
る個所が変わることにより、軸受の耐久性が優れ
長期にわたり吐出量が安定した給湯装置が得られ
る。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。第１図において、１は給湯装置の外装
本体で、中には湯を貯溜する容器２を設けてい
る。３は容器２の開口を封じるように装着した中
栓である。４は外装本体１の上部を開閉できるよ
うに装着された上蓋である。

５は逆止弁であり、前記中栓３を貫通して容器
２内と連通しており、また沸騰検知部６を通つて
大気とも連通している。７は外装本体１と容器２
との間の底部に設けたモータである。８はモータ
７により駆動される遠心ポンプで、この遠心ポン
プ８は容器２の下部に設けられ、その吸込口９は
容器２の底部中央と連通している。１０は遠心ポ
ンプ８の吐出口で、吐出パイプ１１を介して湯は
上方に揚水され、注出口１２からコツプ等へ注が
れるようになつている。１３は加熱用ヒータであ
り、容器２の下部側面に装着されている。

１４はモータ７を駆動する起動スイツチであ
り、押し釦１５の押し動作によりロツド１６を介
して動作する。１７は圧縮形のスプリングで、こ
のスプリング１７は常時ロツド１６を上方に押し
上げるように付勢している。

次に第２図、第３図により遠心ポンプ８につい
て説明する。１７は放射状に複数枚の羽根１８を
設けるとともに、磁石１９を設けたインペラで、
このインペラ１７の外周に沿つて同心円上にポン
プ室２０を形成している。そして、インペラ１７
の磁石１９はポンプ室２０を構成する隔壁板２１
を介してモータ側の磁石２２と対向させている。
磁石２２はモータ７の軸に固着されており、磁石
１９と２２とにより電磁結合され、モータ７の回
転が磁力でインペラ１７に動力伝達される。

ここで、遠心ポンプ８の構造を詳記すると、ポ
ンプ室２０はケーシング２３と隔壁板２１とから
なり、ケーシング２３の中央の吸込口部２４には
回転方向に固定された固定軸２５を設け、この固
定軸２５の端部２６にはスラスト方向に摺動し、
かつ回転するように軸受２７を挿入している。す
なわち、軸受２７は固定軸２５に挿入した際、固
定軸２５の軸端面２５ａと挿入孔２９の底面２９
ａとが対向しその間にわずかな間隔（実施例では
0.5mm程度）が存在して軸方向に摺動が可能であ
る。これはインペラ１７の回転による背圧をうけ
た場合におけるインペラのスラスト方向への移動
を可能にするとともに部品の組立時の寸法誤差を
吸収するためである。またこの軸受２７の外周に
は複数の突起２７ａを設けてここにインペラ１７
を挿着して回転方向に固定して取付けている。ま
た軸受２７の先端形状は球面２８の形状をしてお
り、磁石１９，２２が電磁結合しているので、常
時は球面２８は隔壁板２１に当接している。

上記構成の遠心ポンプは、モータ７の軸に磁石
２２を取付け、その後、順次、隔壁板２１、イン
ペラ１７、ケーシング２３を組立てて行くことに
より組立完了する。

上記構成において動作を説明する。容器２内の
湯は加熱用ヒータ１３により高温に保たれてい
る。この状態において注湯する場合には、押し釦
１５を押し下げることにより起動スイツチ１４が
ONされ、さらに押し下げることにより抵抗が可
変し、印加電圧を変えてモータ７に通電される。
モータ７が回転することによつて磁石１９と２２
の電磁結合でインペラ１７が回転して、遠心ポン
プ８の吸込口９より湯を吸い込み、インペラ１７
によつて加圧して吐出口１０より吐出パイプ１１
を通つて注出口１２から外部に出される。

ここで遠心ポンプの動作を詳記する。第５図に
示すように、通常の回転数の低い吐出時には、イ
ンペラ１７に固着した軸受２７の先端の球面２８
は、インペラ１７の磁石１９とモータ側の磁石２
２とが電磁結合されているため、隔壁板２１に当
接してインペラ１７が回転する。しかし吐出量を
増やすために回転数を高くした場合には、第６図
に示すようにインペラ１７の回転が高くなるた
め、ポンプ室２０内の内圧が高くなり、インペラ
１７の下方から矢印の方向に背圧がかかり、イン
ペラ１７が浮き上がる。それにしたがつて軸受２
７は吸込口部２４の方向に移動し、隔壁板２１か
ら離れて固定軸２５の軸端面２５ａに挿入孔２９
の底面２９ａが接触して回転する。すなわち、イ
ンペラ１７のスラスト方向の位置が規制され回転
するものである。

このように、インペラ１７の回転数に応じてポ
ンプ室２０の圧力が変化し、インペラ１７を取付
けた軸受２７の摺接個所が変わる。したがつて軸
受２７は耐久性に優れたものとなり耐磨耗性の樹
脂で形成すれば長期にわたり安定した吐出量を得
ることができるものである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、従来の容器内に
空気を送り込んで間接的に吐出する方法と異な
り、直接遠心ポンプで吐出量を自在に制御できる
ため、吐出量が安定して長期に使用することがで
きるとともに、湯の飛散が無く、火傷なども生じ
ない給湯を行なうことができる。同時にインペラ
とモータ側が磁気結合で分離しているため、高温
の湯のシールは何ら問題ないものである。

また、軸受は吐出量を可変させた場合に生じる
インペラのスラスト方向の移動により、摺接する
個所が変わるため、軸受は耐久性に優れたものと
なり、耐磨耗性の樹脂で形成すれば長期にわたり
安定した吐出量を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す給湯装置の断
面図、第２図は同装置に組込んだ遠心ポンプの一
部を断面で示した正面図、第３図は同遠心ポンプ
の一部を断面で示した側面図、第４図は同遠心ポ
ンプの軸受を示す斜視図、第５図は同遠心ポンプ
の低流量時の吐出状態における固定軸と軸受の関
係を示す動作説明図、第６図は同高流量の動作説
明図である。 ２……容器、８……遠心ポンプ、１７……イン
ペラ、１９……磁石、２１……隔壁板、２５……
固定軸、２７……軸受。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱用ヒータを有する湯貯溜用の容器下部に
   容器内の湯を揚水して注水口から注ぐ遠心ポンプ
   を設け、この遠心ポンプは、インペラに磁石を設
   けてこの磁石をポンプ室の隔壁板を介してモータ
   により駆動される磁石と対向させてモータの回転
   を磁力でインペラに動力伝達するとともに、ケー
   シング中央の吸込口部に固定軸を設け、この固定
   軸の端部に軸端面と挿入孔の底面が対向してスラ
   スト方向に摺動し、かつ回転するように軸受を挿
   入し、この軸受には前記インペラを取付けてなる
   給湯装置。