JPH0510070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、塩ビ製小口径ます用管継手に関する
ものである。

〔従来の技術とその課題〕 一般の塩ビ製LT継手やWLT継手では、DT継
手と違い継手軸線に直角方向に開口される受口
は、一体的に成形した90°エルボ部を介して継手
本体に直角方向に開設されている。したがつて、
別個の90°エルボを必要としない反面、その成形
にはコアを回転させながら型開きを行う必要があ
る。

一方、会所ますは、排水管の合流点、屈曲管、
勾配変化点、あるいは管径の変化点等に設置さ
れ、管きよに対し、ミラーによる点検や掃除棒や
ジエツトノズルによる掃除を行うように構成され
ている。

ところで昨今、宅地の狭溢化に伴い、従来の大
型の会所ますを設置する場所がなくなり、しか
も、コンクリート製会所ますを施工する専門技術
者が不足し、加えて、コンクリート製会所ますと
排水用塩ビ管とを接合すれば、その継目から漏水
や浸水が生じる。そのため、コンクリート製ます
を使用せず、宅地内配管を接合できる管継手を介
在させ、これに掃除口管を立設した安価な、いわ
ゆる塩ビ製小口径ますが使用されるようになつて
きた。

かかる小口径ますについては、各種の提案が例
えば、実開昭57−133688号公報、実開昭59−
29489号公報、実開昭59−29490号公報、実開昭59
−29491号公報、実開昭59−107676号公報などで
紹介されている。そして、LT継手において、そ
の地表側に掃除口管用受口を開設したものが、前
記実開昭59−107676号公報で示唆されている。

ところが、実開昭59−107676号公報で示唆され
ているLT継手を用いた小口径ますは、その公報
中、その第１図ないし第３図をみれば明白なよう
に、掃除口管を挿入する受口から継手本体の管底
が全面的にみえず、換言すれば、本出願人が検討
したところ、第５図ロのように受口の開口面積の
63.5％しかみえず、ミラーによる点検に支障をき
たしていた。

これを詳しくいえば、第４図において、公道Ａ
と宅地ＢとをＬ形溝Ｃを境界とし、これらの地下
に下水用配管設備Ｄが埋設されている。すなわ
ち、下水道本管（図示せず）より塩ビ製の宅地内
配管１が分岐されて宅地Ｂ内に延設されている。
この宅地内配管１の水平部において、塩ビ製の口
径100〜150mmの掃除口管２を立設するため、この
宅地内配管１にLT継手３′を介在させ、このLT
継手３′のエルボ部４の受口６に掃除口管２を接
合している。この掃除口管２の上端には適宜の掃
除用蓋５を被蓋して、これを公道上の地表GLと
一致させている。なお、７は自在曲管を示す。

そして、この宅地内配管１と掃除口管２とは、
規格化されたLT継手３′を介在して接続し、LT
継手３′を介して汚水を流下させるとともに、掃
除口管２から掃除棒や、ジエツトノズルを挿入し
たり、また、アチユーマツト方式による掃除を行
つている。更には、ミラーを挿入し、内部点検も
行うようになつている。

ところが、かかるLT継手３′は、第５図イ，ロ
に示すように、受口６の開口側から見下ろすと、
三日月状縁部８が存在し、これに邪魔されて、受
口６の開口面積に対し、継手本体９の管底は63.5
％しか見えない。そのため、第５図図示のミラー
１０による点検には障害があつた。

加えて、かかるLT継手３′は、たがいに直交す
るようにコアの回転抜きを要するエルボ部の受口
と掃除口管用受口の２個の受口が放射状に突設さ
れているので、その成形が困難となつている。

〔課題を解決するための手段〕

そこで本考案は、かかる不都合を除くために案
出されたもので、その要旨とするところは、メイ
ンの上流側受口１２とメインの下流側受口１３と
をその継手軸線に一致させて開設した継手本体１
１に、該継手軸線に対し水平面上で直角より上流
側に傾けた直状短管を介し、かつ、その受口を継
手軸線に対し直角方向に開口した枝管用受口１４
を開設し、該継手本体１１に、前記枝管用受口１
４と上流側受口１２との合流点上で、かつ、継手
軸線に直交した軸線をもつ掃除口管用受口１６を
地表側に開設し、該掃除口管用受口１６の延長部
周壁の上流側２１を略垂直状にし、かつ、該延長
部周壁の下流側２２を下流方向に傾斜させて、そ
れぞれ継手本体１１に接続するとともに、前記枝
管用受口１４を継手本体１１の管底より地表側に
偏位させることにより、継手本体１１の管底と枝
管用受口１４の直状短管の管底との間に、段差Ｌ
を設けた塩ビ製小口径ます用管継手にある。

〔実施例〕

以下、本考案の構成を添付図面に示す実施例に
より詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例の側面図、第２図は第
１図のＡ矢視平面図、第３図は第１図のＢ矢視一
部破断側面図を示す。

これらの図において、１１は塩ビ製の継手本体
で、その継手軸線に一致させてメインの上流側受
口１２とメインの下流側受口１３とをそれぞれ開
設し、また、上流側に60°傾斜させた直状短管を
介し、かつ、受口を継手軸線に直角方向に開口し
た左枝管用受口１４を開設し、右側に同構造の右
枝管用受口１５を開設して、いわゆる同径タイプ
の改造形WLT継手を形成し、更に継手軸線に直
交し、かつ、地表側に掃除口管用受口１６を開設
している。そして、この左枝管用受口１４には、
第２図中、２点鎖線で示すような片受短管１７を
挿入し、接着剤で固定できるようにしており、右
枝管用受口１５にも片受短管１８も同様に固定し
ている。但し、いずれの片受短管１７，１８と
も、挿込み側開口端面は、直状短管の軸線に対し
60°の傾きの切口１９を形成するとともに、片受
短管１８用の受口２０は継手軸線に対し直角方向
に開口している。

そして、掃除口管用受口１６の延長部周壁の上
流側２１は略垂直状とし、また、その延長部外周
壁の下流側２２は第１図示のように、若干の凸部
を形成した傾斜でもつてそれぞれ継手本体１１に
接続している。その結果、掃除口管（第４図参
照）より見下ろせば、掃除口管用受口１６の開口
面積と同じ大きさの継手本体１１の管底２３がみ
えるので、ミラーによる点検には好都合となる。

また、左および右枝管用受口１４，１５はその
管底を、継手本体１１の管底２３よりｌ（40〜50
mmが望ましい）だけ上方に偏位させて、段差Ｌを
形成している。そのため、たとえば、左枝管用受
口１５から流入する排水中の固形物はこの段差Ｌ
に衝突し、右枝管用受口１５の方へ流れ込まな
い。なお、掃除口管受口を開設しない、通常の規
格化されたWLT継手の場合、枝管用受口１４，
１５の位置を上方に偏位させれば、大きいアンダ
ーカツト部が形成され、その成形が困難となる
が、本実施例の場合、掃除口管受口１６が垂直方
向に開設されているので、継手本体１１の成形は
容易にできる。

次に、本実施例の作用を述べれば、継手本体１
１、片受短管１７、掃除口管２等を用意して現場
に臨み、継手本体１１を、掃除用管受口１６を地
表GL側に向け設置する。そして、左右の枝管用
受口１４，１５にそれぞれ片受短管１７，１８を
挿入して接着剤で固定する。なお、左右いずれか
の枝管が不要の場合は、当該受口には適宜のキヤ
ツプ２４（第６図参照）を挿入すればよい。した
がつて、本実施例の小口径ます用継手は左右兼用
の継手とすることができ、用意する部品の種類を
節減できる。

なお、本実施例は、改造されたWLT継手を用
いた小口径ますで説明したが、本考案はこれに限
らず、改造されたLT継手を用いた小口径ますに
も適用できるものである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、 継手本体１１に、傾斜した直状短管を介し、
かつ、その受口が継手軸線に直角に開口された
枝管用受口１４を開設したので、宅地内排水管
に用いるＹ継手のように、宅地内枝管を接続す
る際、別個のエルボを必要とせず、継手本体１
１の管底と枝管用受口１４の直状短管の管底と
の間に段差Ｌを設けていても、管継手の成形時
には、前掲の実開昭59−107676号公報などで示
された従来のLT継手の成形と違い、コアを回
転することなく型開きが可能となり、しかも段
差Ｌによるアンダーカツトも垂直方向に開設さ
れた掃除口管用受口１６によつて型開きが可能
となつて量産成形に好都合となり、ひいては安
価な小口径ます用管継手を提供することができ
る。

掃除口管用受口１６の延長部周壁の上流側２
１を略垂直状とし、かつ、その下流側２２を下
流方向に傾斜して継手本体１１に接続したの
で、掃除口管用受口１６の開口面積と同じ面積
の継手本体１１の管底がのぞき見することがで
き、特に、枝管用受口１４との合流点の管底が
のぞき見することができるので、ミラーや掃除
棒の使用が容易にでき、小口径ますにとつて好
都合となる。

掃除口管用受口１６の延長部外周壁の下流側
２２を下流方向に傾斜させて継手本体１１に接
続したので、掃除棒などの差し込みに際し、下
流方向に容易に案内されて差し込むことができ
る。

かかる下流側２２の構成により掃除口管用受
口１６のステイ（控え）となつて、補強するこ
とができる。

段差Ｌを設ければ、枝管用受口１４へ掃除棒
などの差し込みに困難をきたすが、枝管用受口
１４との合流点の継手本体１１の管底がのぞき
見することができるので、枝管用受口１４に対
しミラーが使用できるとともに、枝管用受口１
４への掃除棒などの差し込みが容易となる。

なお、例えば第６図示の状態で配管する場合、
宅地内配管１に対し第１の改造された90°大曲が
り両Ｙ継手１８（図中、中央のもの）は通常の使
用とするが、第２の改造された90°大曲がり両Ｙ
継手１１（図中、左側のもの）は一方の枝管用受
口１８にキヤツプ２４を被蓋して使用する。第３
の90°大曲がり両Ｙ継手１１″（図中、右側のも
の）はメインの下流側受口１３および一方の枝管
用受口１８にそれぞれキヤツプ２４を被蓋して使
用する。したがつて、第２の90°大曲がり両Ｙ継
手１１は90°大曲がりＹ継手として用いられ、第
３の90°大曲がり両Ｙ継手１１″は90°エルボとし
て用いられる。したがつて、本考案の小口径ます
用管継手は多様性のあるものとすることができる
という、効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の側面図、第２図は第
１図のＡ矢視平面図、第３図は第１図のＢ矢視一
部破断側面図、第４図は従来の小口径ますの使用
断面図、第５図イは従来の小口径ますの断面図、
同ロはイの一部平面図、第６図は本実施例の１使
用態様斜視図を示す。 １１……継手本体、１４，１５……枝管用受
口、１６……掃除口管用受口、２１……上流側、
２２……下流側、２３……管底、Ｌ……段差。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 メインの上流側受口１２とメインの下流側受口
   １３とをその継手軸線に一致させて開設した継手
   本体１１に、該継手軸線に対し水平面上で直角よ
   り上流側に傾けた直状短管を介し、かつ、その受
   口を継手軸線に対し直角方向に開口した枝管用受
   口１４を開設し、 該継手本体１１に、前記枝管用受口１４と上流
   側受口１２との合流点上で、かつ、継手軸線に直
   交した軸線をもつ掃除口管用受口１６を地表側に
   開設し、 該掃除口管用受口１６の延長部周壁の上流側２
   １を略垂直状にし、かつ、該延長部周壁の下流側
   ２２を下流方向に傾斜させて、それぞれ継手本体
   １１に接続するとともに、 前記枝管用受口１４を継手本体１１の管底より
   地表側に偏位させることにより、継手本体１１の
   管底と枝管用受口１４の直状短管の管底との間
   に、段差Ｌを設けた塩ビ製小口径ます用管継手。