JPH0510056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浴室等で用いられる混合栓や、洗面
所等での配管に用いられる継手が収納される配管
用ボツクスに関する。

（従来の技術） 従来、浴室や洗面所等での配管に際しては、鋼
管の端部に混合栓や継手等の配管部材が直接取り
付けられていたので、鋼管が配管された段階で配
管部材の位置は固定されてしまい、その後設置さ
れる浴槽のカウンターとなるパネルや、床板と、
配管部材の設置された位置とにずれを生じた場合
であつても、これを調節することができないとい
う問題があつた。

一方、出願人は、前記鋼管にかわつて合成樹脂
管あるいは鋼管等のフレキシブルな流体管を用い
て配管するシステムを提案している（特願昭61−
287154号）。この配管システムでは、配管部材を
ボツクス内に収納して、ボツクスを壁板に取り付
けるようにしているが、パネルや、床板に配管部
材を設置する床配管工法については、未だ確立さ
れていない。

したがつて、パネルや、床板が先に設置されて
いる場合には、配管部材を所定位置に設置するこ
とができるが、パネルや、床板が後から設置され
る場合には、これら板材にボツクスを固定するこ
とができず、配管部材を所定の設置面に位置調節
をすることができなかつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこのような事情に鑑みなされたもので
あり、浴槽のカウンター、床面に対して混合栓や
継手等の配管部材が所定位置に設置されるように
位置調節を行なうことができる配管用ボツクスを
提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） すなわち、本考案は、 「湯、水、ガス等の流体が通るフレキシブルな
流体管に接続される混合栓、継手等の配管部材を
支持すると共に配管部材を所定位置に設置するた
めの配管用ボツクスであつて、 フレキシブルな流体管の挿入される接続口を有
し、接続口から挿入された流体管に接続された配
管部材を内部に支持した状態に収納する収納部を
有するボツクス本体と、 このボツクス本体を床の構築面に立設した固定
用ボルトに沿つて移動し、ボツクス本体内に収納
された配管部材を床形成面に位置調節するため、
固定用ボルトを挿通させて、固定用ボルトに螺合
したナツトで両側から締め付けて挟持固定され
る、ボツクス本体に設けられた固定部と、を備え
たことを特徴とする配管用ボツクス」 を、その内容としている。

（作用） 本考案に係る配管用ボツクスは、フレキシブル
な流体管に接続された混合栓、継手等の配管部材
を収納して支持することができるとともに、ボツ
クス本体に設けた固定部が別に立てた固定用ボル
トに沿つて移動可能なため、ボツクス本体内に収
納された混合栓、継手等の配管部材の位置を棒材
に沿つて変えることができるようになつている。
したがつて、配管後であつても固定用ボルトに対
する固定部の位置を調節することによつて、ボツ
クス本体内に収納された配管部材が後で設けられ
るパネルや、床板の床形成面に配置されるよう
に、後で位置合わせを容易に行なうことができる
ようになつている。

（実施例） 以下、図面に示す実施例にしたがつて本考案を
詳細に説明する。

第１図〜第９図に示す配管用ボツクス１００
は、混合栓１が収納される収納部１１を有するボ
ツクス本体１０を備えた例である。

前記ボツクス本体１０は、上部に混合栓１を出
し入れする開口１２を有し、下部に流体管Ｒを挿
通する鞘管Ｓの一端が接続される２つの接続口１
３を有している。

収納部１１には、混合栓１のノブ取付部２及び
蛇口取付部３が突出するようにして、混合栓１が
収納されるようになつている。開口１２には、蓋
体３０が取り付けられるようになつている。接続
口１３には、切り欠き１４が設けられており、こ
の切り欠き１４に嵌め込まれる略Ｕ字形のストツ
パー１５により、波付管形状の鞘管Ｓの一端が接
続されるようになつている。

第１図〜第３図に配管用ボツクス１００にあつ
ては、ボツクス本体１０の外壁には固定部２０で
ある２つのボス２１が設けられており、これらボ
ス２１には鉛直方向に立設した棒材４０である固
定用ボルト４１を挿通させるようになつている。
固定用ボルト４１にはナツト５０が螺合し、ボス
２１はこの固定用ボルト４１に螺合した上下のナ
ツト５０によつて挟持されるようになつている。
これによりボツクス本体１０は固定用ボルト４１
に固定されるようになつている。したがつて、固
定用ボルト４１に螺合した前記ナツト５０の位置
を変えることにより、ボツクス本体１０の位置を
変え、これによつて混合栓１の高さを変えること
ができるようになつている。

なお、前記ボス２１は、わに口形状に形成され
るものであるが、固定用ボルト４１が挿通する筒
形状であつてもよい。

次に、このような配管用ボツクス１００を用い
て、浴槽ＢのカウンターとなるパネルＰ１に混合
栓１を設置する場合の施工例を第１図に示す配管
用ボツクス１００を例に説明する。

混合栓１を設置する場合は、まず、第４図に示
すように固定用ボルト４１の一端を、ナツトが溶
接により固定された固定板６０を介して床の構築
面７０に固定する。

次いで、第５図に示すように固定用ボルト４１
にナツト５０を螺合し、ボツクス本体１０のボス
２１を嵌挿させ、さらに別のナツト５０を螺合し
て、配管用ボツクス１００を固定用ボルト４１に
取り付ける。配管用ボツクス１００の接続口１３
には流体管Ｒを挿通する鞘管Ｓの一端を接続す
る。

次いで、第６図に示すようにボツクス本体１０
の外形状に対応する孔を開けたパネルＰ１を設置
する。その後、固定用ボルト４１に螺合している
ナツト５０の位置を調節して、ボツクス本体１０
の位置を上下させ、ボツクス本体１０内に収納さ
れる混合栓１が所定の設置面に配置されるように
位置を調節する。

ついで、第７図に示すように鞘管Ｓ内に流体管
Ｒを挿通し、その一端をボツクス本体１０の開口
１２から引き出し、流体管Ｒに混合栓１を接続し
てボツクス本体１０内に納め、開口１２に蓋体３
０を取り付ける。

その後、第８図に示すように混合栓１には、ノ
ブ２や蛇口３を取り付けて、配管が終了する。

なお、混合栓１が収納される配管用ボツクス１
００としては、第１図に示すような形状の他、第
９図に示すように全体が楕円の筒状で形成され、
鞘管Ｓの一端が接続される接続口１３が下部中央
に一箇所設けられたものであつてもよい。この場
合、鞘管Ｓ内には複数の流体管Ｒを挿通させるよ
うになつている。

次に、第１０図〜第１７図は、配管部材である
継手５が収納される収納部１１を有するボツクス
本体１０を備えた配管用ボツクス１００の例を示
したものである。

この配管用ボツクス１００のボツクス本体１０
は、上部に継手５を出し入れする開口１２を有
し、下部に流体管Ｒを挿通する鞘管Ｓの一端が接
続される接続口１３を有している。また、収納部
１１には継手５の一端に形成された鍔５ａが係止
された状態で、継手５が収納されるようになつて
いる。接続口１３には波付管形状の鞘管Ｓの一端
が挿入され、接続されるようになつている。

前記ボツクス本体１０の外壁には、固定部２０
である２つのボス２１が設けられている。これら
ボス２１には棒材４０である固定用ボルト４１が
挿通し、固定用ボルト４１に螺合しボス２１両側
に位置するナツト５０によつて挟持固定されるよ
うになつている。したがつて、ナツト５０の位置
を変えることにより、ボツクス本体１０を固定用
ボルト４１の所定位置に調節して固定することが
できるようになつている。

前記配管用ボツクス１００を用いて、床からの
立ち上げ配管に際し、床板Ｐ２に継手５を設置す
る場合の施工例を第１０図に示す配管用ボツクス
１００を例に説明する。

継手５を設置する場合は、まず、第１３図に示
すように、固定用ボルト４１の一端を、ナツトが
溶接された固定板６０を介して床の構築面７０に
固定する。

次いで、第１４図に示すように固定用ボルト４
１にナツト５０を螺合し、ボツクス本体１０のボ
ス２１を嵌挿させ、さらに別のナツト５０を螺合
して、配管用ボツクス１００を固定用ボルト４１
に取り付ける。配管用ボツクス１００の接続口１
３には流体管Ｒを挿通する鞘管Ｓの一端を接続す
る。

次いで、第１５図に示すように用意した床板Ｐ
２にボツクス本体１０の外形状に対応する孔を開
け、床板Ｐ２を設置する。その後、固定用ボルト
４１に螺合しているナツト５０の位置を調節し
て、ボツクス本体１０の位置を上下させ、ボツク
ス本体１０内に収納される継手５が床板Ｐ２に対
し所定の設置面に配置されるように位置を調節す
る。

次いで、第１６図に示すように鞘管Ｓ内に流体
管Ｒを挿通し、その一端をボツクス本体１０の開
口１２から引き出し、流体管Ｒに継手５を接続す
る。継手５はボツクス本体１０内に納め、開口１
２に蓋体を螺着して継手５をボツクス本体１０内
に固定する。

その後、第１７図に示すように継手５には立ち
上げ管である鋼管Ｋを接続し、洗面台等の蛇口３
への配管がなされる。

なお、配管用ボツクスの位置調節に用いられる
棒材４０は、一端が床あるいは壁の構築面に固定
されるものであり、配管部材の設置面が形成され
るパネルや、床板、あるいは壁板に対して垂直ま
たは平行に立設している。なお、棒材４０は一端
が構築面に埋め込まれて固定される場合、構築面
に別途固定された固定板を介しこの固定板に一端
が固定される場合等がある。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案に係る配管用ボツ
クスは、フレキシブルな流体管に接続された混合
栓、継手等の配管部材を収納して支持することが
できるとともに、ボツクス本体に床の構築面に固
定された固定ボルトに沿つて移動し、ボツクス本
体内に収納された配管部材を所定の設置面に配置
するための固定部を設けたことにより、ボツクス
本体内に収納された混合栓、継手等の配管部材を
所定の設置面に確実、容易に配置することができ
る。

したがつて、パネルや、床板を後から設置する
際に生じる配管部材との位置ずれを簡単に修正す
ることができる。また、配管後に取り付ける浴槽
や床板が変更されて配管部材の設置位置が変わつ
た場合でも、これに対応するように配管部材の配
置を容易に変更することができる。このため、業
者間での綿密な打ち合わせや、厳密は配管工事を
必要とせず、配管工事を効率よくすすめることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は混合栓が収納される配管用ボ
ツクスであつて、第１図はその斜視図、第２図は
混合栓を収納した状態における部分断面図、第３
図は棒材に固定した状態における側面図、第４図
〜第８図は第１図に示す配管用ボツクスを用いて
浴槽のカウンターとなるパネルに混合栓を設置す
る場合の施工例を工程順に示す各側面図、第９図
は接続口の異なつた例の配管用ボツクスを示す斜
視図、第１０図〜第１２図は継手が収納される配
管用ボツクスであつて、第１０図はその斜視図、
第１１図は継手を収納した状態における部分断面
図、第１２図は棒材に固定した状態における側面
図、第１３図〜第１７図は第１０図に示す配管用
ボツクスを用いて床板に継手を設置する場合の施
工例を工程順に示す各側面図である。 符号の説明、１……混合栓、５……継手、１０
……ボツクス本体、１１……収納部、２０……固
定部、２１……ボス、２２……筒体、２３……螺
孔、２４……当接板、２５……螺子挿通孔、３０
……蓋体、４０……棒材、４１……固定用ボル
ト、４２……棒、４３……角棒、５０……ナツ
ト、６０……固定板、７０……構築面、Ｒ……流
体管、Ｓ……サヤ管、Ｐ１……パネル、Ｐ２……
床板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 湯、水、ガス等の流体が通るフレキシブルな流
   体管に接続される混合栓、継手等の配管部材を支
   持すると共に配管部材を所定位置に設置するため
   の配管用ボツクスであつて、 フレキシブルな流体管の挿入される接続口を有
   し、接続口から挿入された流体管に接続された配
   管部材を内部に支持した状態に収納する収納部を
   有するボツクス本体と、 このボツクス本体を床の構築面に立設した固定
   用ボルトに沿つて移動し、ボツクス本体内に収納
   された配管部材を床形成面に位置調節するため、
   固定用ボルトを挿通させて、固定用ボルトに螺合
   したナツトで両側から締め付けて挟持固定され
   る、ボツクス本体に設けられた固定部と、を備え
   たことを特徴とする配管用ボツクス。