JPH05100502A - 電子写真平版印刷原版用基材 - Google Patents

電子写真平版印刷原版用基材

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JPH05100502A
JPH05100502A JP28373491A JP28373491A JPH05100502A JP H05100502 A JPH05100502 A JP H05100502A JP 28373491 A JP28373491 A JP 28373491A JP 28373491 A JP28373491 A JP 28373491A JP H05100502 A JPH05100502 A JP H05100502A
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Japan
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paper
metal foil
adhesive
aronix
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JP28373491A
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Masanori Nishi
政則 仁志
Hideki Sekiguchi
英樹 関口
Hiroshi Tomimasu
弘 冨増
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製版時のブリスターや印刷時の層間剥離などの
発生しない耐刷性の良好な電子写真平版印刷原版用の基
材を提供すること。 【構成】金属箔の片面または両面に紙を接着して作製さ
れる金属箔ラミネート紙を基材とし、中間層を介して光
導電層を設けてなる電子写真平版印刷用原版の基材にお
いて、ベック平滑度が80秒以上の原紙と金属箔が1g
/m2以上の電子線硬化性樹脂により接着されているこ
と。 【効果】平滑度の高い原紙と金属箔を電子線硬化性樹脂
によりラミネートした金属箔ラミネート紙を基材として
使用すると、接着強度、耐水性、耐熱性が向上し、製版
時のブリスターや印刷時の湿し水の染み込みに起因する
層間剥離の発生しない耐刷性の良好な電子写真平版印刷
原版が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷時に版伸びの少な
い、耐刷性に優れた電子写真平版印刷原版用基材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真平版印刷原版は耐水性、
導電性などの特性を有する基材上に無機あるいは有機の
光導電性物質を含む層を設けることにより構成されてい
る。基材としては紙、金属箔、フィルム、あるいはそれ
らの複合体などのシート状物質が用いられるが、紙を使
用する場合には紙に耐水処理を施し、さらに電子写真画
像を良好にするため通常導電剤と称される、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの無機電解
質、あるいは第4級アンモニウム塩の如き有機高分子電
解質などを含む塗工層を設けている。
【0003】ところがこのような処理の施された紙を基
材として平版印刷用原版を作製すると、印刷中の湿し水
の付与により、耐水処理が施してあっても版伸びが避け
られない。このため印刷中に版にシワが発生したり、印
刷物の見当ずれ、罫線の寸法ぐるいなどのトラブルが発
生する。
【0004】紙の代りに、たとえばアルミニウム、亜
鉛、銅などの金属箔を接着剤により接着した紙(以下金
属箔ラミネート紙という)を用いればウェット時の伸び
や引張強度を向上することができ、寸法安定性の良好な
印刷原版を得ることができる(たとえば特公昭38−1
7249号、同41−2426号、同41−12432
号公報など)。
【0005】金属箔ラミネート紙は通常金属箔の片面の
み原紙と接着して作製されるが、金属箔の両面に接着剤
を塗布して原紙を接着して得られる金属箔ラミネート紙
を用いても寸法安定性の良好な印刷原版を得ることがで
きる。
【0006】金属箔と原紙の接着剤としては、工業的に
広く行なわれている例をとれば、通常酢酸ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂などが用いられる。
【0007】これらはエマルジョンなどの状態で水系塗
料として、あるいは適切な溶剤を選んで溶剤系塗料とし
て、金属箔と原紙との層間に塗布されラミネートが行わ
れる。
【0008】また、カゼイン、ポバール、澱粉、など水
溶性樹脂を接着剤とすることも行われる。
【0009】このほか、ラミネートの方法としてワック
ス樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢ビ共重合樹脂、アイオノマーな
ど)のような加温により溶融する樹脂を用いたホットメ
ルト法、押出しコーティング法などもよく実用されてい
る。
【0010】本発明者らが金属箔ラミネート紙を基材と
して電子写真平版印刷原版を製造し、その実用性を調べ
たところ、金属箔ラミネート紙に必要とされる主な物性
は、次の2点であることが判明した。
【0011】(1)製版時、トナーの熱定着に際して金
属箔−原紙間の接着強度や原紙の内部結合強度の不足に
よりブリスター(火ぶくれとも称する層間の破壊)が発
生しないこと。
【0012】(2)印刷時、印刷原版の端面から湿し水
が侵入し、接着剤層が溶解ないし膨潤して金属箔−原紙
間の接着強度が低下したり、原紙の内部結合強度が低下
して金属箔−原紙間や原紙内の層間剥離が発生しないこ
と。
【0013】例えばホットメルト法、押出しコーティン
グ法による金属箔ラミネート紙は前記(1)の点におい
て全く不適当である。
【0014】金属箔―原紙間の接着剤としてアクリル樹
脂エマルジョンと合成ゴム系樹脂あるいは合成樹脂水性
エマルジョンとカゼインを一定比率で混合したものを用
いると(1)、(2)の点のある程度改良できることが
既に報告されている(特開昭58−16892号、58
−17449号公報)。しかし、これらの方法を利用し
ても製版時のブリスターの発生や印刷時の湿し水による
剥離を完全には防止できないのが現状であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術では実現できなかった製版時のブリスターの発
生や印刷時の湿し水による剥離のない電子写真平版印刷
原版用基材を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、金属箔と
接着される原紙表面の平滑性及び金属箔と原紙の接着剤
について検討した結果、金属箔と接着される原紙表面の
平滑性については、金属箔面は原紙表面に比べて非常に
平滑であるため、接着強度に影響を及ぼす金属箔−原紙
間の接着面積は原紙表面の平滑性にほとんど依存し、原
紙表面の平滑性が高いほど金属箔−原紙間の接着強度が
向上することが明らかになった。また、金属箔と原紙の
接着剤については、電子線硬化性樹脂を接着剤として使
用すると、電子線照射により瞬時に非常に強い接着力が
得られるため、金属箔ラミネート紙の耐水性や耐熱性が
大幅に向上すること、金属箔の両面に接着剤を塗布して
原紙をラミネートする場合、電子線の透過力が大きく、
両面のラミネートが一度に行えるため、加温エージング
を必要とする接着剤を使用した場合のような、加温エー
ジング中の金属箔表面の酸化や有機物の付着に起因する
2回目のラミネートにおける接着強度の低下がないこ
と、ラミネートの際に加熱の必要がないため、金属箔と
原紙の熱収縮の差に起因する金属箔のシワが発生しない
ことなどの利点があることを見いだした。そこで、表面
平滑性の高い原紙と金属箔を電子線硬化性樹脂によりラ
ミネートしたところ、製版時のブリスターの発生や印刷
時の湿し水による金属箔−原紙間の剥離のない耐刷性の
良好な電子写真平版印刷原版用基材の得られることが判
明し、本発明に到達したものである。
【0017】本発明において表面平滑性の高い原紙と
は、金属箔と接着される面のベック平滑度が80秒以上
の原紙を指すが、原紙面のベック平滑度が80秒より低
い場合には、金属箔−原紙間の接着面積の減少に起因す
る接着強度の低下により、製版時のブリスターの発生や
印刷時の湿し水による金属箔−原紙間の剥離が避けられ
ない。
【0018】本発明に用いられる表面平滑性の高い原紙
は、原紙表面をマシンカレンダーやスーパーカレンダー
などの装置によって平滑化したり、平滑な表面を有する
高温のヤンキードライヤーに原紙を押し当てながら乾燥
することにより得られる。
【0019】本発明において原紙には、金属箔と原紙の
接着剤の原紙中への浸透や原紙表面における繊維の剥離
などを防止するために、水溶性樹脂や合成樹脂エマルジ
ョンを主体とするバリア層が設けられていることが好ま
しい。また、このために使用される水溶性樹脂や合成樹
脂エマルジョンとしては、澱粉及びその誘導体、セルロ
ース及びその誘導体、ポリビニルアルコール、スチレン
ブタジエン系ラテックス、アクリル系樹脂エマルジョ
ン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンなどが好ましい。さ
らに、バリア層には水や有機溶剤に対するバリア性を向
上させるために、必要に応じて顔料や架橋剤などを添加
しても良い。
【0020】本発明においてバリア層は、サイズプレス
装置、ゲートロールコーター、リバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、ダイコータ
ー、カーテンコーター、ブレードコーターなどにより原
紙表面に塗布されるが、生産効率を考慮するとオンマシ
ン塗工に適したサイズプレス装置やゲートロールコータ
ーなどが好ましい。
【0021】バリア層の塗布量は、原紙面を均一に被覆
して必要なバリア性を得るために少なくとも0.5g/
2以上必要である。塗布量の上限は原紙の表面性状や
経済性から自ずと制約されるが、実用的には0.5〜5
g/m2の範囲が好ましい。
【0022】本発明に用いられる金属箔は、電子写真方
式で画像を作製するために必要な導電層および印刷中の
湿し水が原紙層に染み込んだ際に伸びや引張強度の低下
を防ぐ支持層の二つの役割を持つもので、この目的に合
致するように金属が薄膜化されているものであれば材質
は何であってもよい。たとえば、鉄、銅、錫、アルミニ
ウム、鉛、亜鉛などの単独組成物、あるいはそれらの合
金である。なかでも、原紙にラミネートされる材質とし
ては、比重が小さく軽い、延展性がよく箔への加工が容
易であるなどの理由からアルミニウムが好まれている
が、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】本発明において、原紙と金属箔の接着剤と
して用いる電子線硬化樹脂は、通常一般に使用されるも
のから広く選択することができるが、その一例を挙げる
と以下の通りである。
【0024】例えば、分子末端にまたは分子側鎖にアク
リロイル基、メタクリロイル基、またはエポキシ基など
の反応基を有する化合物で、不飽和ポリエステル、変性
不飽和ポリエステル、アクリル系ポリマー、アクリル系
モノマー、メタクリル系ポリマー、メタクリル系モノマ
ーおよびビニル型不飽和結合を有するモノマーまたはオ
リゴマー、エポキシ化合物などが単体でまたは他の溶剤
とともに使用できる。以下代表的なものを例示する。
【0025】(a)ポリエステルアクリレート、ポリエ
ステルメタクリレート、例えば、アロニックスM−53
00、アロニックスM−5400、アロニックスM−5
500、アロニックスM−5600、アロニックスM−
5700、アロニックスM−6100、アロニックスM
−6200、アロニックスM−6300、アロニックス
M−6500、アロニックスM−7100、アロニック
スM−8030、アロニックスM−8060、アロニッ
クスM−8100(以上、東亜合成化学工業(株)商品
名)、ビスコート700、ビスコート3700(以上、
大阪有機化学工業(株)商品名)、カヤラッドHX−2
20、カヤラッドHX−620(以上、日本化薬(株)
商品名)
【0026】(b)エポキシアクリレート、エポキシメ
タクリレート、例えば、NKエステル、EA−800、
NKエステル、EPM−800(以上、新中村化学
(株)商品名)、ビスコート600、ビスコート540
(以上、大阪有機化学工業(株)商品名)、フオトマー
3016、フオトマー3082(以上、サンノプコ
(株)商品名)
【0027】(c)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート、例えば、アロニックスM−1100、ア
ロニックスM−1200、アロニックスM−1210、
アロニックスM−1250、アロニックスM−126
0、アロニックスM−1300、アロニックスM−13
10(以上、東亜合成化学工業(株)商品名)、ビスコ
ート812、ビスコート823、ビスコート823(以
上、大阪有機化学工業(株)商品名)、NKエステル、
U−108−A、NKエステル、U−4HA(以上、新
中村化学(株)商品名)
【0028】(d)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、N、N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレートな
ど。エチレンオキシド変性フェノキシ化りん酸アクリレ
ートエチレンオキシド変性ブトキシ化りん酸アクリレー
ト、この他に東亜合成化学工業(株)の商品名でいえば
アロニックスM−101、アロニックスM−102、ア
ロニックスM−111、アロニックスM−113、アロ
ニックスM−114、アロニックスM−117、アロニ
ックスM−152、アロニックスM−154などが挙げ
られる。
【0029】(e)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸トリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、プロピレンオキシド変性ジペンタエ
リスリトールポリアクリレート、エチレンオキシド変性
ジペンタエリスリトールポリアクリレートなどが挙げら
れる。東亜合成化学工業(株)の商品名でいえばアロニ
ックスM−210、アロニックスM−215、アロニッ
クスM−220、アロニックスM−230、アロニック
スM−233、アロニックスM−240、アロニックス
M−245、アロニックスM−305、アロニックスM
−309、アロニックスM−310、アロニックスM−
315、アロニックスM−320、アロニックスM−3
25、アロニックスM−330、アロニックスM−40
0、TO−458、TO−747、TO−755、TH
IC.TA2などが挙げられる。
【0030】(f)エポキシ化合物 例えばグリシジルメタクリレート、1,3−ビス(N,
N−ジエポキシプロピルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,3−ビス(N,N−ジエポキシプロピルアミノ
メチル)ベンゼンなどが挙げられる。三菱瓦斯化学
(株)の商品名で言えば、GE−510、TETRAD
−X、TETRAD−Cなどが挙げられる。
【0031】このような接着剤を塗布する装置として
は、例えば、ブレードコーター、スクイズコーター、エ
アーナイフコーター、リバースロールコーター、グラビ
アロールコーター、トランスファーロールコーター、バ
ーコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイ
コーター等の方法が用いられる。
【0032】接着剤を塗布する面は、金属箔あるいは原
紙のどちらでもよいが、原紙面がバリア性処理を施され
ていない場合には、接着剤が原紙層中へ浸透するのを防
止するために金属箔面に接着剤を塗布するのが望まし
い。
【0033】接着剤の塗布量は、極端に少ない場合には
金属箔−原紙間の十分な接着を得ることができない。特
にラミネートされる一方が原紙であり、ミクロな凹凸の
多い表面であるために少なくとも1g/m2以上の塗布
量が必要である。もし塗布量がこれに満たない場合に
は、接着剤による塗布面の被覆が不十分となり、金属箔
−原紙間の接着強度が部分的に低下する。そして、製版
時に強熱されると原紙層内からの水蒸気の発生や空気の
膨張に耐えきれず金属箔−原紙間でブリスターが発生す
る。塗布量の上限は、ラミネーターの性能、原紙の表面
性状、あるいは経済性から自ずと制約される。
【0034】本発明において、接着剤である電子線硬化
性樹脂を硬化させるのに必要な電子線の照射量は、0.
1〜10Mrad程度の範囲で調整するのが望ましい。
0.1Mrad以下では十分な照射効果が得られず、1
0Mrad以上では基材を劣化させるため好ましくな
い。
【0035】電子線の照射方式としては、スキャニング
方式、カ−テンビ−ム方式等が採用され、電子線を照射
する加速電圧は、透過力、硬化力の面から100〜10
00kVであり、より好ましくは100〜300kVの
電子線加速器を用いることが好ましい。加速電圧がこの
範囲より低いと電子線の透過力が低すぎて十分な硬化が
行なわれず、またこの範囲より大きすぎるとエネルギー
効率が悪化するばかりでなく、樹脂、添加剤の分解、原
紙の強度低下など品質上好ましくない影響が現われる。
【0036】電子線照射に際しては、酸素濃度が高いと
電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウ
ム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素
濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下
に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0037】本発明において、中間層には通常、合成樹
脂エマルジョンが、必要に応じてクレー、セリサイト、
炭酸カルシウムなどの顔料、澱粉やポリビニルアルコー
ルなどの水溶性接着剤、導電剤、耐水化剤などと混合し
て塗布される。
【0038】本発明において、基材の耐水性や導電性を
高めるために、基材の光導電層と反対側に裏塗層を設け
てもよく、このような裏塗層には通常、合成樹脂エマル
ジョンが、必要に応じてクレー、セリサイト、炭酸カル
シウムなどの顔料、澱粉やポリビニルアルコールなどの
水溶性接着剤、導電剤、耐水化剤などと混合して塗布さ
れる。
【0039】本発明において、光導電層は電子写真方式
により作像されるものを指しており、光半導体をその基
本成分として含有するものである。通常、酸化亜鉛、二
酸化チタン、硫化カドミウムなどの無機光導電性物質を
絶縁性接着剤樹脂中に分散したもの、あるいはポリビニ
ルカルバゾールのような有機光導電性物質などが用いら
れる。
【0040】
【作用】本発明において、表面平滑性の高い原紙と金属
箔を電子線硬化性樹脂を接着剤としてラミネートするこ
とにより、金属箔−原紙間の接着強度が向上するため、
製版時のブリスターや印刷時の湿し水による金属箔−原
紙間の層間剥離の発生のない耐刷性の優れた電子写真平
版印刷原版用基材が得られる。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明の内容はこれらに限定されるものでは
ない。なお、以下に示す部および%はいずれも重量基準
である。
【0042】実施例1 市販の坪量50g/m2の上質紙をスーパーカレンダー
で平滑化処理し、ベック平滑度が92秒の原紙を得た。
【0043】厚さ10μmのアルミ箔の両面に、下記接
着剤を乾燥塗布量が1.5g/m2になるようにグラビ
アロールコーターで塗布し、上記の原紙をアルミ箔の両
面に重ね合わせ、加速電圧200kV、吸収線量4.0
Mradの条件で電子線照射を行い、アルミ箔ラミネー
ト紙を調製した。 (接着剤1) アロニックスM−5600(東亜合成化学工業製)
【0044】次に、このアルミ箔ラミネート紙の片面
に、下記組成の中間層を乾燥塗布量が15g/m2にな
るようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥した。 (中間層組成) セリサイト含有無機顔料(ジークライトTMC、ジーク
ライト化学製、50%水分散液):100部 カルボキシル変性SBRラテックス(固形分48%):
50部 メラミン樹脂初期縮合物(スミレーツレジン−613、
住友化学製、固形分80%):4部 有機アミン塩系触媒(スミテックスアクセラレーターA
CX−P、住友化学製、固形分35%):0.4部 ポリスチレンスルホン酸アンモニウム(固形分30
%):4部
【0045】そして、このアルミ箔ラミネート紙の中間
層と反対側に、下記組成の裏塗層を乾燥塗布量が15g
/m2になるようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥
した。(裏塗層組成) カオリン(ハイドラスパース、ヒューバー製、50%水
分散液):100部 セリサイト含有無機顔料(ジークライトTMC、ジーク
ライト化学製、50%水分散液):100部 酸化澱粉(10%水溶液):60部 カルボキシル変性SBRラテックス(固形分48%):
150部 ポリスチレンスルホン酸アンモニウム(固形分30
%):6部 メラミン樹脂初期縮合物(スミレーツレジン−613、
住友化学製、固形分80%):4部
【0046】さらに、このアルミ箔ラミネート紙の中間
層表面に、下記組成の光導電層を乾燥塗布量が20g/
2になるようにバーコーターで塗布、乾燥し、電子写
真平版印刷原版を作製した。 (光導電層組成) 電子写真用酸化亜鉛:200部 アクリル系樹脂(50%液):80部 ローズベンガル(2%メタノール溶液):15部 キシレン:250部
【0047】実施例2 市販の坪量100g/m2の上質紙をスーパーカレンダ
ーで平滑化処理し、ベック平滑度が103秒の原紙を得
た。
【0048】厚さ10μmのアルミ箔の片面に、下記接
着剤を乾燥塗布量が1.2g/m2になるようにグラビ
アロールで塗布し、上記の原紙を重ね合わせ、加速電圧
200kV、吸収線量4.0Mradの条件で電子線照
射を行い、アルミ箔ラミネート紙を調製した。 (接着剤2) アロニックスM−220(東亜合成化学工業製)
【0049】次に、このアルミ箔ラミネート紙のアルミ
面に、実施例1の中間層を乾燥塗布量が10g/m2
なるようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥した。
【0050】そして、このアルミ箔ラミネート紙の中間
層と反対側に、実施例1の裏塗層を乾燥塗布量が15g
/m2になるようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥
した。
【0051】さらに、このアルミ箔ラミネート紙の中間
層表面に、実施例1の光導電層を乾燥塗布量が20g/
2になるようにバーコーターで塗布、乾燥し、電子写
真平版印刷原版を作製した。
【0052】比較例1 実施例1における接着剤の乾燥塗布量を0.8g/m2
とした以外は、実施例1と全く同様にして電子写真平版
印刷原版を作製した。
【0053】比較例2 市販の坪量50g/m2の上質紙をスーパーカレンダー
で弱く平滑化処理し、ベック平滑度が67秒の原紙を得
た。
【0054】そして、実施例1における原紙を上記の原
紙に変更した以外は、実施例1と全く同様にして電子写
真平版印刷原版を作製した。
【0055】比較例3 厚さ10μmのアルミ箔の両面に、下記接着剤を乾燥塗
布量が2.5g/m2になるようにグラビアロールコー
ターで塗布し、実施例1の原紙をアルミ箔の両面に重ね
合わせてラミネートし、アルミ箔ラミネート紙を作製し
た。 (接着剤3) アクリル酸エステル樹脂エマルジョン(モビニール98
7、ヘキスト合成製)
【0056】そして、実施例1におけるアルミ箔ラミネ
ート紙を上記アルミ箔ラミネート紙に変更した以外は、
実施例1と全く同様にして電子写真平版印刷原版を作製
した。
【0057】比較例4 厚さ10μmのアルミ箔の片面に、下記接着剤を乾燥塗
布量が2.3g/m2になるようにグラビアロールコー
ターで塗布し、実施例1の原紙を重ね合わせてラミネー
トし、40℃、50%RHで2日間加温エージングし
た。次に、アルミ箔のもう一方の面に、下記組成の接着
剤を乾燥塗布量が2.3g/m2になるようにグラビア
ロールコーターで塗布し、実施例1の原紙を重ね合わせ
てラミネートし、再び40℃、50%RHで2日間加温
エージングし、アルミ箔ラミネート紙を作製した。 (接着剤4) ポリエステル樹脂(AD−588、東洋モートン製)
【0058】そして、実施例1におけるアルミ箔ラミネ
ート紙を上記アルミ箔ラミネート紙に変更した以外は、
実施例1と全く同様にして電子写真平版印刷原版を作製
した。
【0059】このようにして作製した電子写真平版印刷
原版を、20℃、65%RHの条件下でシーズニング
し、電子写真製版機ダイヤファックスEP−31V(三
菱製紙製、液体現像用製版機)で製版した。
【0060】次に、電子写真オフセットマスター用エッ
チ液ダイヤファックスLOM−OHII(三菱製紙製)で
不感脂化処理し、オフセット印刷機トーコーModel
810(東京航空計器製)で印刷した。
【0061】評価結果は一括して表1に示す。表1中の
接着性は、テープ剥離法により、耐水性は、上記エッチ
液を用いてウェットラブ試験法により、耐熱性は、ブリ
スター発生温度をオイルバス法により、それぞれ評価し
た。
【0062】製版時のブリスターは、製版機ヒーター部
の予熱状態、あるいはヒーター温度調節目盛によって変
化するので、ヒーター部は室温と同じになるまで一旦冷
却した後、ヒーター温度調節目盛が上限と下限のちょう
ど中間の状態において製版を行い判定した。
【0063】印刷時のアルミ−原紙間の剥離は、100
00枚印刷後の印刷原版の状態より判定した。
【0064】
【表1】
【0065】実施例1、2については、製版時のブリス
ターや印刷時の層間剥離の発生がなく、湿し水を与えて
の印刷において10000枚以上の印刷を行っても版伸
びがなかった。比較例1については、接着剤の塗布量が
少なく、接着性、耐水性、耐熱性が低下したため、製版
時のブリスターや印刷時の層間剥離が発生した。比較例
2については、金属箔と接着する原紙表面が粗く、接着
面積が減少し、接着性、耐水性、耐熱性が低下したた
め、製版時のブリスターや印刷時の層間剥離が発生し
た。比較例3については、接着剤の接着性、耐水性、耐
熱性が劣るため、製版時のブリスターや印刷時の層間剥
離が発生した。比較例4については、加温エージングに
より2回目のラミネートにおける接着性が低下し、製版
時のブリスターや印刷時の層間剥離が部分的に発生し
た。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、製版時のブリスターや印刷時の湿し水の侵入
に起因する層間剥離の発生しない耐刷性の良好な電子写
真平版印刷原版用基材が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の片面または両面に接着剤を塗布
    して原紙と接着することにより作製される金属箔ラミネ
    ート紙を基材とし、前記金属箔ラミネート紙上に中間層
    を介して光導電性物質を含む光導電層を設けてなる電子
    写真平版印刷原版の基材において、該基材が金属箔と接
    着される面のベック平滑度が80秒以上である原紙と金
    属箔を電子線硬化樹脂を接着剤として接着したものであ
    ることを特徴とする電子写真平版印刷原版用基材。
  2. 【請求項2】 前記接着剤が、1g/m2以上塗布され
    ていることを特徴とする請求項1記載の電子写真平版印
    刷原版用基材。
JP28373491A 1991-10-03 1991-10-03 電子写真平版印刷原版用基材 Pending JPH05100502A (ja)

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