JPH05100175A - 光スキヤナ - Google Patents

光スキヤナ

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JPH05100175A
JPH05100175A JP3290744A JP29074491A JPH05100175A JP H05100175 A JPH05100175 A JP H05100175A JP 3290744 A JP3290744 A JP 3290744A JP 29074491 A JP29074491 A JP 29074491A JP H05100175 A JPH05100175 A JP H05100175A
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elastic deformation
piezoelectric element
strain
vibration input
optical scanner
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Hiroshi Goto
博史 後藤
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Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ビームの走査幅を変化させることができる
超小型、超薄型の光スキャナを提供する。 【構成】 プレート6の中央部に少なくとも1つの弾性
変形モードを有する弾性変形部2を設け、弾性変形部2
の上端に光ビーム反射用のスキャン部3を設け、弾性変
形部2の下端に振動入力部5を設ける。振動入力部5を
励振させる圧電アクチュエータ21は、圧電素子22の
表面にひずみ変換素子23を設けたものであり、圧電素
子22の横ひずみε31はひずみ変換素子23によって縦
方向変位x31に変換及び増幅される。したがって、厚み
の薄い圧電素子を低電圧で駆動して大きな振動を取りだ
すことができる。振動入力部5が振動すると、弾性変形
部2が共振し、スキャン部3が回動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光スキャナに関する。具
体的には、例えばレーザビームプリンタやバーコードス
キャナ等において光ビームを走査させるために用いられ
る光スキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタに用いられている
従来の光スキャナの概略図を図9に示す。これはポリゴ
ンミラーを用いた光スキャナ(ポリゴンスキャナ)であ
って、正多角形状をしたポリゴンミラー51の外周各面
にはミラー面51aが形成されており、ポリゴンミラー
51はサーボモータ52によって一定角速度で回転させ
られている。そして、半導体レーザ装置56から出射さ
れたレーザビームβは光学系53を通過した後、ポリゴ
ンミラー51のミラー面51aに照射される。ミラー面
51aで反射されたレーザビームβは、中間光学系54
を透過し、例えば感光ドラム57の表面に照射される。
ここで、ポリゴンミラー51が一定角速度で回転してい
ると、レーザビームβを反射させているミラー面51a
の角度が変化するので、ポリゴンミラー51で反射され
たレーザビームβの出射方向が変化し、レーザビームβ
が例えば感光ドラム57の表面を走査される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなタイプの光スキャナにあっては、ポリゴンミラーや
モータ等を用いているため、コンパクト化を図って小型
にするのが困難であった。また、レーザビームのスキャ
ン方向が1方向にのみ限られるうえ、レーザビームのス
キャン角が一定であり、走査幅を可変にすることは不可
能であった。
【0004】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、小型で走査
領域の可変な光スキャナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の光ス
キャナは、少なくとも1つの弾性変形モードを有する弾
性変形部と、弾性変形部の一端に設けられた光ビーム反
射用のスキャン部と、弾性変形部の他端に設けられた振
動入力部と、圧電素子の横ひずみ成分を縦方向変位に変
換するひずみ変換素子を圧電素子に設けた圧電アクチュ
エータとからなり、圧電アクチュエータから振動入力部
へ弾性変形部のいずれかの弾性変形モードに対する共振
周波数の振動を付与すると、弾性変形部が当該弾性変形
モードで弾性振動してスキャン部が少なくとも1方向に
回動できるようになっている。
【0006】また、本発明による第2の光スキャナは、
少なくとも1つの弾性変形モードを有する弾性変形部
と、弾性変形部の一端に設けられた光ビーム反射用のス
キャン部と、弾性変形部の他端に設けられ、圧電素子の
横ひずみ成分を縦方向変位に変換する機能を有する振動
入力部と、前記振動入力部に取り付けられた圧電素子と
からなり、圧電素子から振動入力部へ弾性変形部のいず
れかの弾性変形モードに対する共振周波数の振動を入力
すると、弾性変形部が当該弾性変形モードで弾性振動し
てスキャン部が少なくとも1方向に回動できるようにな
っている。
【0007】なお、上記圧電素子としては、積層型圧電
素子を用いるのが好ましい。
【0008】
【作用】弾性変形部の特定の弾性変形モードに対する共
振周波数の振動を振動入力部に加えると、弾性変形部が
当該弾性変形モードで弾性振動し、スキャン部が特定の
方向で回動する。このため、スキャン部に光ビームを照
射させていると、スキャン部で反射された光ビームがス
キャン部の回転によってスキャンされる。
【0009】スキャン部、弾性変形部及び振動入力部は
プレート状に形成することができ、駆動源としては圧電
素子を使用することができるので、光スキャナを超小型
化することができる。また、異なる弾性変形モードの共
振周波数の振動を振動入力部に加えることにより走査方
向を変化させることができ、さらに、駆動源によって振
動入力部の振幅を変化させれば、弾性変形部における弾
性振動の振幅(スキャン角)を変化させることができ、
光ビームの走査幅の調整も可能である。
【0010】さらに、第1の光スキャナにあっては、圧
電素子に圧電素子の横ひずみ成分を縦方向変位に変換す
るひずみ変換素子を設けているので、圧電素子を駆動す
ると、圧電アクチュエータの縦方向には圧電素子の縦ひ
ずみ成分とひずみ変換素子によって圧電素子の横ひずみ
成分から変換された縦方向変位が重畳し、大きな縦方向
変位が発生する。このため、縦寸法の小さな圧電アクチ
ュエータを用いて大きな振動を振動入力部へ入力させる
ことができ、圧電アクチュエータの小型化ないし薄型化
を図れ、光スキャナ全体をより小型化することができ
る。また、光スキャナの走査幅が同じであれば、圧電ア
クチュエータの駆動電圧を低くでき、消費電力を省電力
化することができる。
【0011】また、第2の光スキャナにあっては、弾性
変形部の端部に設けられた振動入力部が圧電素子の横ひ
ずみ成分を縦方向変位に変換する機能を有しているの
で、第1の光スキャナよりも部材(ひずみ変換素子)を
削減することができ、圧電素子と振動入力部とから構成
される部分をより薄型化することができる。さらに、組
み立て加工も容易になり、コストも安価になる。また、
接合箇所も減少するので、不安定な接合箇所が減少し、
圧電素子と振動入力部との接合箇所を安定させることが
でき、光スキャナの動作及び特性を安定させることがで
きる。
【0012】
【実施例】図1(a)(b)は本発明の一実施例による
光スキャナを示す斜視図である。この光スキャナ1は、
薄板状のプレート6と、プレート6に高周波振動(例え
ば、数100Hz)を印加するための圧電アクチュエータ
21とから構成されている。プレート6は、図1に示す
ような形状をしており、長い細幅の弾性変形部2の下端
に、圧電アクチュエータ21から振動を印加させるため
の振動入力部5が一体に設けられ、弾性変形部2の上端
に、光ビームを反射してスキャンさせるためのスキャン
部3が一体に設けられている。ここで、弾性変形部2
は、図1(a)に示すように、軸心Pの回りにねじれ変
形するねじれ変形モードと、図1(b)に示すように軸
心Pに沿って曲げ変形する曲げ変形モードが可能になっ
ており、ねじれ変形モードの弾性振動についてはfT
共振周波数を有し、曲げ変形モードの弾性振動について
はfBの共振周波数を有している。スキャン部3は、弾
性変形部2の軸心Pに関してアンバランスな形状に形成
されており、弾性変形部2の軸心Pから離れた部分にウ
エイト部3wが形成されている。したがって、スキャン
部3の重心は、弾性変形部2の軸心Pから外れた位置に
あり、さらに、弾性変形部2の上端よりも上方に位置し
ている。また、スキャン部3には、図6に示すように、
光ビームを反射させるためのミラー面4が形成されてい
る。振動入力部5は、圧電アクチュエータ21に接合さ
れて圧電アクチュエータ21に固定されており、スキャ
ン部3は弾性変形部2によってフリーに支持されてい
る。
【0013】圧電アクチュエータ21は、図2に示すよ
うに、積層型圧電素子22の一方主面(電極を形成され
ている面)にひずみ変換素子23を接合させた構造とな
っている。圧電素子22は、電界を印加することにより
33方向(主面と垂直な方向;以下縦方向という。)へ
伸張ひずみ(縦ひずみ)を生じると共にd31方向(主面
と平行な方向;以下横方向という。)へ圧縮ひずみ(横
ひずみ)を生じる。ひずみ変換素子23は、弾性を有す
る薄板24の両側端に脚部25を設けることによってブ
リッジ状に形成されており、両側端の脚部25を圧電素
子22に接合され、圧電素子22の主面との間に空洞2
6を形成されている。この圧電アクチュエータ21は、
ひずみ変換素子23の薄板24の中央部をプレート6の
振動入力部5に接合されている。なお、圧電素子22と
ひずみ変換素子23の接合やひずみ変換素子23と振動
入力部5との接合は、接着剤、ハンダ、メタライズなど
強固に接合できる方法であれば特に限定されない。
【0014】図3はこの圧電アクチュエータ21の駆動
時の動作を示している。圧電素子22に縦方向の電界す
なわち電圧を印加すると、圧電素子22には縦方向の伸
張ひずみε33と横方向の圧縮ひずみε31とが生じる。こ
の横ひずみε31は圧電素子22のポアソン比で決まるも
ので、圧電素子22のポアソン比をμとすれば、 ε31=μ×ε33 …… で表わされる。
【0015】圧電素子22の厚みをWとすれば、圧電素
子22の縦ひずみε33によって圧電素子22はW×ε33
だけ伸び、圧電アクチュエータ21は伸び量 x33=W×ε33 …… だけ縦方向に変位する。
【0016】一方、圧電素子22の幅をLとし、圧電素
子22の駆動時における横方向の縮み量をy31とする
と、前記横ひずみε31は、 ε31=y31/L …… となるが、この横ひずみε31はひずみ変換素子23によ
って圧電アクチュエータ21の縦方向変位x31に変換さ
れる。つまり、図3に示すように、圧電素子22の横ひ
ずみε31によってひずみ変換素子23の薄板24が撓む
ことによりひずみ変換素子23の薄板24の中央部が縦
方向へx31だけ変位する。しかも、ひずみ変換素子23
は、横ひずみε31を縦方向変位x31に変換するだけでな
く、変位量の増幅作用も有しており、縦方向変位量x31
は横方向の縮み量y31の5〜10倍以上に増幅される。
【0017】この結果、圧電アクチュエータ21は、圧
電素子22の縦ひずみε33によって生じる変位x33とひ
ずみ変換素子23によって横ひずみε31から変換された
縦方向変位x31との和(x33+x31)だけ縦方向に伸び
る。従って、圧電素子22だけで振動入力部5を振動さ
せれば、x33/2の振幅でしか励振できないのに対し、
この圧電アクチュエータ21を用いれば、横ひずみε31
を拡大した縦方向変位x31を縦ひずみε33に重ねて利用
することができ、同じ駆動電圧により(x33+x31)/
2の大きな振幅で振動入力部5を振動させることができ
る。
【0018】例えば、厚みW=1mm、縦横の寸法がL
=5mmの市販の圧電素子22を用いた場合、約150
Vの動作電圧を印加したとき圧電素子22は約1μm
(=x33)伸びる。このときの縦ひずみは、式よりε
33≒1μm/1mmであるから、圧電素子22のポアソ
ン比をμ=0.3とすれば、上記式より、横ひずみε3
1≒0.3μm/1mmが得られる。さらに、圧電素子2
2の横方向の縮み量y31は、式より、y31=1.5μ
mとなる。従って、圧電素子22の横方向の縮み量y31
がひずみ変換素子23によって5〜10倍の縦方向変位
量x31に増幅されるとすれば、圧電アクチュエータ21
の縦方向変位量x31は7.5〜15μmとなり、圧電ア
クチュエータ21の全変位量はx31+x33=8.5〜1
6μmとなる。すなわち、圧電素子22の伸びx33≒1
μmがひずみ変換素子23によってx31+x33=8.5
〜16μmに拡大されるのである。
【0019】上記圧電アクチュエータ21は駆動回路に
よって制御されており、ねじれ変形モードの共振周波数
Tもしくは曲げ変形モードの共振周波数fBの振動を励
起される。図4に示すものは、この駆動回路15の一例
であり、ねじれ変形モードの共振周波数fTと一致する
周波数の電圧信号を出力し続けている発振器10と、発
振器10から出力されている電圧信号を増幅する増幅器
11と、曲げ変形モードの共振周波数fBと一致する周
波数の電圧信号を出力し続けている発振器12と、この
発振器12から出力されている電圧信号を増幅する増幅
器13と、両増幅器11,13からの周波数fTの出力
電圧と周波数fBの出力電圧を切り換えて圧電素子22
に印加させるためのスイッチ14とから構成されてい
る。さらに、スイッチ14の切り換えにより、両増幅器
11,13から出力された周波数fTの電圧信号と周波
数fBの電圧信号を重畳させたミキシング信号を圧電素
子22に印加させられるようにしても良い。また、スイ
ッチ14を両発振器10,12と増幅器との間に配置す
れば、増幅器を1台で兼用させることができる。
【0020】本発明に係る光スキャナ1は、上述のよう
に構成されているので、駆動回路15によって圧電アク
チュエータ21をある周波数で振動させ、この振動を振
動入力部5に印加させて図6のX方向に往復振動させる
と、スキャン部3に慣性力が作用し、この慣性力によっ
て弾性変形部2は、慣性力の加わった方向に弾性変形し
て振動する。しかも、振動入力部5に印加される駆動周
波数fが、弾性変形部2のばね剛性や慣性モーメント等
から決まるねじれ変形モードの共振周波数fTまたは曲
げ変形モードの共振周波数fBに一致すると、当該モー
ドの弾性振動が弾性変形部2で増幅され、スキャン部3
が大きく回動される。すなわち、駆動周波数fとスキャ
ン部3のねじれ変形モードの回動角(図1(a)の軸心
Pの回りの回動角)θTまたは曲げ変形モードの回動角
(図1(b)の軸心Qの回りの回動角)θBとの関係
は、例えば図5に示すようになる。図5は、2つの共振
周波数がfT<fBの場合における、圧電アクチュエータ
21の駆動周波数fとスキャン部3の2方向の回動角f
T,fBとの関係を示しており、横軸が駆動周波数f、縦
軸がスキャン部3のねじれ変形モードの回動角θTまた
は曲げ変形モードの回動角θBを示している。このよう
にねじれ変形モードにおける回動角θTは、駆動周波数
fがfTに等しい時に最大となり、その両側では急激に
減衰する。一方、曲げ変形モードにおける回動角θ
Bは、駆動周波数fがfBに等しい時に最大となり、その
両側で急激に減衰する。
【0021】したがって、微小振動しか行なえないよう
な圧電アクチュエータ21であっても、各弾性変形モー
ドの共振周波数fTまたはfBと等しい周波数で駆動させ
ることにより、ミラー面4を図1(a)のように軸心P
の回りに振動させ、あるいは図1(b)のように軸心Q
の回りに振動させることができる。さらに、圧電アクチ
ュエータ21により、ねじれ変形モードの共振周波数f
Tをもつ振動と曲げ変形モードの共振周波数fBをもつ振
動とを重ね合わせた振動モードで振動入力部5を振動さ
せると、弾性変形部2でねじれ変形モードと曲げ変形モ
ードの両振動が同時に増幅されるので、スキャン部3で
は軸心P回りの回動角θTの振動とQ方向の回りの回転
角θBの振動とが合成される。また、圧電アクチュエー
タ21から振動入力部5に印加する駆動周波数fをいず
れかの共振周波数に保ちながら、圧電アクチュエータ2
1に印加する電圧を調整することにより振動入力部5の
振幅Xを変化させると、スキャン部3の回動角θTもし
くはθBを制御させることができる。すなわち、第5図
の破線で示した曲線は、実線で示した曲線よりも大きな
振幅Xで振動入力部5を振動させた場合であり、振動入
力部5の振幅Xが大きくなると、スキャン部3の回動角
θT,θBも増大する。
【0022】いま、図6に示すように、半導体レーザ素
子等の投光器(図示せず)からミラー面4に光ビームα
を照射するとミラー面4で反射されるので、光ビームα
はスキャン部3の回動角θT又はθBの2倍のスキャン角
2θT又は2θBで走査され、上記のようにスキャン角や
走査方向も自由に制御される。
【0023】本発明の光スキャナ1は、プレート6と圧
電アクチュエータ21とから構成されており、プレート
6は平板状をしている。しかも、圧電アクチュエータ2
1もひずみ変換素子23を有しているので、薄型化する
ことができ、光スキャナ1を超薄型化することができ
る。例えば、このような光スキャナ1では、振動入力部
5へ与える振動の振幅は約6μm〜10μmあれば所望
のスキャニングを行なえることが実験的に確認されてお
り、圧電素子22のみでプレート6を駆動するために
は、縦方向の長さが約10mmの圧電素子22を100
〜150Vの駆動電圧で駆動する必要がある。これに対
し、圧電アクチュエータ21にあっては、上記のように
縦方向の長さ(厚さW)が1mmの圧電素子22を用い
ても、縦方向の変位量は8.5〜16μmとなるので、
十分な振幅を得ることができる。言い換えると、圧電ア
クチュエータ21の厚み(d33方向の長さ)を1mm程
度に薄くでき、光スキャナ1を超小型化および超薄型化
することができる。さらに、圧電アクチュエータ21の
駆動電圧を下げても、光スキャナ1を駆動するのに十分
な振幅を得ることができるので、駆動電圧の低電圧化及
び省電力化も図れる。
【0024】図7は圧電アクチュエータ31の他例であ
って、積層型圧電素子22の両主面にひずみ変換素子2
3を接合してある。この圧電アクチュエータ31は、一
方のひずみ変換素子23の中央部をプレート6の振動入
力部5に接合され、他方のひずみ変換素子23の中央部
を光スキャナ1を支持させるための固定部(図示せず)
に接合される。
【0025】従って、圧電アクチュエータ31の変位量
には、圧電素子22の縦ひずみ成分と両面のひずみ変換
素子23により圧電素子22の横ひずみから変換及び増
幅された縦方向変位が加わり、図1の実施例のほぼ2倍
の変位量を得ることができる。よって、薄い圧電アクチ
ュエータ31と低消費電力の駆動回路によって一層大き
なスキャン角を得ることができる。
【0026】図8(a)は本発明の別な実施例による光
スキャナ32の斜視図、図8(b)は振動入力部5に接
合された圧電素子22を示す断面図である。この光スキ
ャナ32にあっては、プレート6の振動入力部5が薄板
7の両側縁に脚部8を設けられたブリッジ状をしてお
り、振動入力部5の脚部8が圧電素子22に接合され、
薄板7と圧電素子22の間に空洞9が形成されている。
しかして、振動入力部5は第1の実施例におけるひずみ
変換素子23と同様、圧電素子22の横ひずみを縦方向
の変位に変換及び増幅することができ、弾性変形部2を
大きな振幅で振動させることができる。
【0027】このプレート6は、フォトリソグラフィ技
術等を用いてSi等のウエハから一体加工で製作される
ものであるので、プレート6の製作時にエッチング等の
微細加工を用いて振動入力部5の形状を加工し、振動入
力部5にひずみ変換機能を付与する。なお、図8(a)
では、振動入力部5の板厚は弾性変形部2やスキャン部
3よりも厚くなっているが、プレート6の全体が同じ厚
みになるようにしてもよい。
【0028】しかも、この光スキャナ32にあっては、
振動入力部5がひずみ変換機能を有しているので、ひず
み変換素子23を有する圧電アクチュエータ21を振動
入力部5に接合させた第1の実施例と比較して次のよう
な長所を有している。まずはじめに、振動入力部5と圧
電素子22を接合させた部分が第1の実施例よりも薄く
なり、光スキャナ32をより薄型化できる。また、部材
点数が減るので、組み立て加工も容易になると共にコス
トも安価になる。第1の実施例では、圧電アクチュエー
タ21の薄板中央部のみを振動入力部5に接合させなけ
ればならないので、圧電アクチュエータ21と振動入力
部5の接合箇所が不安定になるが、当該実施例ではこの
ような恐れがなく、圧電素子22を振動入力部5に安定
に接合させることができる。また、接合箇所が減ること
により、接合具合のバラツキによる光スキャナ32の特
性のバラツキも減少し、光スキャナ32の特性を安定さ
せることができる。
【0029】なお、本発明の光スキャナは、上記実施例
に限定されるものでなく、本発明の技術思想を逸脱しな
い範囲において種々の設計変更が可能である。例えば、
上記実施例ではスキャン部の表面そのものがミラー面と
なっていたが、ミラー面を形成された別なミラー板をス
キャン部の表面に接着させても差し支えない。また、上
記実施例では、2つの共振周波数fT,fBは互いに異な
る値であったが、これらの共振周波数fT,fBは弾性変
形部のばね剛性や慣性モーメントの大きさ、プレートの
形状等によって任意に設定することができ、両共振周波
数fTとfBの値を一致させてもよい。
【0030】また、上記実施例では、2方向にレーザビ
ームをスキャンさせるタイプの光スキャナについて説明
したが、本発明は例えば特願平2−209803号(出
願日:平成2年8月7日)として特許出願されているよ
うな1方向にのみ光ビームをスキャンさせるタイプの光
スキャナにも適用できる。
【0031】さらに、プレートやひずみ変換素子の詳細
な形状や材質については、上記のような動作を行なえる
ものであれば特に限定されるものではない。また、圧電
素子は低電圧駆動できる積層型のものが好ましいが、単
板構成のものでも良く、圧電ひずみを生じるものであれ
ば特に形状、形態、材料等は限定されない。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光ビームの走査方向及
び走査幅(もしくは、スキャン角)を変化ないし制御す
ることができる超小型の光スキャナを製作することがで
きる。
【0033】しかも、圧電素子とひずみ方向変換素子か
らなる圧電アクチュエータを用いた光スキャナにあって
は、小型ないし薄型の圧電アクチュエータを用いて大き
な縦方向ひずみを発生させることができる。このため、
圧電アクチュエータを小型化ないし薄型化することがで
き、光スキャナ全体をより超小型化することができる。
したがって、小型機器内への組込みも可能になる。
【0034】また、光スキャナのスキャン角が同じであ
れば、圧電アクチュエータの駆動電圧を低くでき、光ス
キャナを低消費電力化できる。そして、駆動電圧を低電
圧化できれば、バッテリー駆動も可能になり、電池駆動
等が主流のハンディ機器への搭載も容易になる。
【0035】さらに、圧電素子の小型化(積層型圧電素
子の場合には、積層枚数の低減)を図れるので、圧電素
子コストを低減でき、光スキャナ全体のローコスト化を
実現できる。
【0036】また、弾性変形部の端部に圧電素子の横ひ
ずみ成分を縦ひずみに変換する機能を有する振動入力部
を設けた光スキャナにあっては、弾性変形部の端部に設
けられた振動入力部が圧電素子の横ひずみ成分を縦方向
変位に変換する機能を有しているので、部材(ひずみ変
換素子)を削減することができ、圧電素子と振動入力部
とから構成される部分をより薄型化することができる。
さらに、組み立て加工も容易になり、コストも安価にな
る。また、接合箇所も減少するので、不安定な接合箇所
が減少し、圧電素子と振動入力部との接合箇所を安定さ
せることができ、光スキャナの動作及び特性を安定させ
ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の一実施例による光スキ
ャナを示す斜視図であって、(a)はプレートのねじれ
変形モードを示し、(b)はプレートの曲げ変形モード
を示す。
【図2】同上の圧電アクチュエータの側面図である。
【図3】同上の圧電アクチュエータの動作説明図であ
る。
【図4】同上の実施例における圧電アクチュエータを駆
動させるための駆動回路を示すブロック図である。
【図5】駆動周波数とスキャン部の回動角との関係を示
す図である。
【図6】同上の光スキャナの動作説明図である。
【図7】圧電アクチュエータの他例を示す正面図であ
る。
【図8】(a)(b)は本発明の別な実施例による光ス
キャナの斜視図とその拡大断面図である。
【図9】従来例の概略斜視図である。
【符号の説明】
2 弾性変形部 3 スキャン部 5 振動入力部 6 プレート 21 圧電アクチュエータ 22 圧電素子 23 ひずみ変換素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの弾性変形モードを有す
    る弾性変形部と、 弾性変形部の一端に設けられた光ビーム反射用のスキャ
    ン部と、 弾性変形部の他端に設けられた振動入力部と、 圧電素子の横ひずみ成分を縦方向変位に変換するひずみ
    変換素子を圧電素子に設けた圧電アクチュエータとから
    なり、 圧電アクチュエータから振動入力部へ弾性変形部のいず
    れかの弾性変形モードに対する共振周波数の振動を付与
    すると、弾性変形部が当該弾性変形モードで弾性振動し
    てスキャン部が少なくとも1方向に回動できるようにな
    った光スキャナ。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つの弾性変形モードを有す
    る弾性変形部と、 弾性変形部の一端に設けられた光ビーム反射用のスキャ
    ン部と、 弾性変形部の他端に設けられ、圧電素子の横ひずみ成分
    を縦方向変位に変換する機能を有する振動入力部と、 前記振動入力部に取り付けられた圧電素子とからなり、 圧電素子から振動入力部へ弾性変形部のいずれかの弾性
    変形モードに対する共振周波数の振動を入力すると、弾
    性変形部が当該弾性変形モードで弾性振動してスキャン
    部が少なくとも1方向に回動できるようになった光スキ
    ャナ。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子が積層型圧電素子であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の光スキャナ。
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