JPH05100166A - 小型のズームレンズ - Google Patents

小型のズームレンズ

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JPH05100166A
JPH05100166A JP3258048A JP25804891A JPH05100166A JP H05100166 A JPH05100166 A JP H05100166A JP 3258048 A JP3258048 A JP 3258048A JP 25804891 A JP25804891 A JP 25804891A JP H05100166 A JPH05100166 A JP H05100166A
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JP
Japan
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lens group
lens
wide
telephoto end
angle end
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Application number
JP3258048A
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English (en)
Inventor
Atsushi Shibayama
敦史 芝山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はコンパクトカメラ用に適した高変倍
比でありながら、小型のズームレンズを提供するもので
ある。 【構成】 本発明は上記の目的を達成するために、物体
側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群G1 と、負
の屈折力を有する第2レンズ群G2 と、正の屈折力を有
する第3レンズ群G3 を有し、広角端から望遠端への変
倍に際し、前記第1レンズ群G1 と前記第2レンズ群G
2 との軸上空気間隔を狭めると同時に、前記第2レンズ
群G2と前記第3レンズ群G3 との軸上空気間隔を広
げ、前記第1レンズ群G1 と前記第2レンズ群G2 及び
前記第3レンズ群G3 のいずれも物体方向へ移動する構
成において、諸条件を満足している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンパクトカメラ用に適
した高変倍比でありながら小型のズームレンズに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】コンパクトカメラ用に適した正・負・正
の3群構成のズームレンズとしては特開昭58−199312号
公報、特開昭58−215620号公報、特開昭62−39812 号公
報、特開昭62−92909 号公報、特開昭62−187315号公
報、特開昭63−104010号公報、特開平2−71220 号公報
等で多数提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭58
−199312号公報、特開昭58−215620号公報、特開昭62−
92909 号公報、特開昭62−187315号公報の各実施例はい
ずれもズーム比が1.5 〜1.8 倍程度と低く、コンパクト
カメラ用のズームレンズとしては不満足なものであっ
た。
【0004】また、特開昭58−215620号公報、特開昭62
−39812 号公報、特開昭62−92909号公報、特開昭62−1
87315号公報、特開昭63−104010号公報の各実施例、お
よび特開平2−71220 号公報の実施例1乃至実施例4の
いずれも第3レンズ群が像面に対して固定されているた
め、可動レンズ群は第1レンズ群と第2レンズ群の2つ
の群だけなので構造を簡単にすることができた。
【0005】しかし、このようなズームレンズタイプの
射出瞳位置は、広角端では像面の近くに位置し、望遠端
では像面から遠く離れて位置する。このように、広角端
と望遠端における射出瞳位置が大きく変化するために、
第3レンズ群を通過する最大画角における主光線の光軸
からの高さが、バックフォーカスが非常に短いこともあ
り、図1に示す如く、広角端での高さhW よりも望遠端
での高さhT のほうが高い。
【0006】尚、図1においてFは像面位置、Yは最大
像高、H3 は第3レンズ群G3 の主点位置、PW は広角
端における射出瞳位置、PT は望遠端における射出瞳位
置、JW は広角端における最大画角の主光線、JT は望
遠端における最大画角の主光線である。その結果、第3
レンズ群のレンズ径は像面の対角長とほぼ同じ長さが必
要となり、コンパクト化の妨げになっていた。
【0007】また、特開平2−71220 号公報の実施例5
は、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群G
1 と第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3 のいずれも
物体方向へ移動する。しかし、第3レンズ群の移動量は
第1レンズ群及び第2レンズ群の移動量に比べ非常に小
さいため、第3レンズ群を通過する最大画角における主
光線の光軸からの高さは、広角端での高さhW よりも望
遠端での高さhT のほうが高い。
【0008】そのため、第3レンズ群のレンズ径は像面
の対角長と同程度必要となり、コンパクト化が難しい。
そのうえ変倍の際、3つのレンズ群を別々に動かしてい
るため、ズーム機構上も複雑であった。そこで本発明
は、以上のごとき従来のコンパクトカメラ用正・負・正
の3群ズームレンズタイプの欠点を解決し、第3レンズ
群のレンズ径を小さく抑え、さらに変倍の機構の単純
化、およびズームレンズの高変倍比化を達成するコンパ
クトカメラ用に適した小型のズームレンズを提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は上記の目的を達成
するために、物体側より順に正の屈折力を有する第1レ
ンズ群G1 と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
2 と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3 を有し、広
角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群G1
と前記第2レンズ群G2 との軸上空気間隔を狭めると同
時に、前記第2レンズ群G2 と前記第3レンズ群G3
の軸上空気間隔を広げ、前記第1レンズ群G1 と前記第
2レンズ群G2 及び前記第3レンズ群G3 のいずれも物
体方向へ移動する構成において、以下の条件を満足する
ように構成する。
【0010】(1) 1.4 <hw /hT <2.6 (2) 0.8 <mT <0.95 (3) 0.07<mw −mT <0.16 (4) 0.8 <|f2 /Y|<1.3 、f2<0 (5) 0.9 <f1 /Y<1.25 但し、 hw :広角端において、最大画角の主光線が第3レンズ
群G3 中の最も像面に近いレンズ面を通過する光軸から
の高さ hT :望遠端において、最大画角の主光線が第3レンズ
群G3 中の最も像面に近いレンズ面を通過する光軸から
の高さ mw :広角端における第3レンズ群G3 の結像倍率 mT :望遠端における第3レンズ群G3 の結像倍率 f1 :第1レンズ群G1 の焦点距離 f2 :第2レンズ群G2 の焦点距離 Y :ズームレンズの最大像高 さらに、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レ
ンズ群G1 と前記第3レンズ群G3 とを一体的に移動さ
せることが可能である。
【0011】
【作用】図1は、従来のコンパクトカメラ用正・負・正
の3群構成のズームレンズにおいて、可動群の1群と2
群でズーミングし、像面に対して第3レンズ群G3 を固
定した場合、第3レンズ群G3 を通る最大画角の主光線
w 、JT の光軸からの高さが、広角端での高さhw
りも望遠端での高さhT のほうが高いことを薄肉レンズ
を用いて示している。
【0012】そして、この説明を図2を用いて行う。図
2は、第3レンズ群G3 に対する入射瞳位置P2 、射出
瞳位置P3 及びバックフォーカスBfと、第3レンズ群G
3 を通る最大画角の主光線Jの高さhの関係を薄肉レン
ズを用いて示している。図中のFは像面位置、Yは最大
像高、H3 は第3レンズ群G3 を示す薄肉レンズの主点
位置である。
【0013】ただし、図中のP3 はズームレンズ全系の
射出瞳位置、P2 は第2レンズ群G 2 から射出される主
光線が見かけ上P2 から発したと見なせる光軸上の点で
あり、言い換えれば第3レンズ群G3 に入射する主光線
が見かけ上P2 に入射したと見なせる光軸上の位置とす
る。以下の説明中では、便宜上、第2レンズ群G2 に対
する射出瞳位置、および第3レンズ群G3 に対する入射
瞳位置と呼ぶ。
【0014】同様に第iレンズ群から射出する主光線が
見かけ上そこから発したと見なせる光軸上の点を、第i
レンズ群に対する射出瞳位置と呼び、第iレンズ群に入
射する主光線が見かけ上そこに入射したと見なせる光軸
上の位置を、第iレンズ群に対する入射瞳位置と呼ぶ。
【0015】また、第3レンズ群G3 の主点位置H3
ら像面位置Fまでの距離をBf、第3レンズ群G3 に対す
る入射瞳位置P2 から像面位置Fまでの距離をq、ズー
ムレンズ全系の射出瞳位置P3 から像面位置Fまでの距
離をpとし、第3レンズ群G3 の焦点距離をf3 とする
と、第3レンズ群G3 に対してP2 、P3 は共役である
ので、以下の式が成立する。
【0016】 1/f3 =1/(q−Bf)−1/(p−Bf) これより、 p=(q・Bf−Bf2 −f3 ・q)/(q−Bf−f3 ) このとき最大画角の主光線Jが第3レンズ群G3 を通過
する高さをhとすると、 h/Y=(p−Bf)/p =f3 ・(q−Bf)/{q・f3 −Bf・(q−Bf)} (a) である。第3レンズ群G3 を固定し、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2 を可動してズーミングする従来のズ
ームレンズは、(a)式中のf3 及びBfが定数である。
図3はバックフォーカスBfが一定の場合における第3レ
ンズ群G3 に対する入射瞳位置P3 の像面位置Fからの
距離qと、最大像高Yに対する最大画角の主光線Jが第
3レンズ群G3 を通る光軸からの高さhの割合h/Yの
関係を表すグラフである。
【0017】q=Bfの時、h/Y=0であり、q=Bf+
3 の時、h/Y=1となる。その間のh/Yはqの増
加に伴い単調に増加する。第3レンズ群G3 が固定のズ
ームレンズでは、広角端と望遠端とで第3レンズ群G3
に対する入射瞳位置P2 は大きく異り、望遠端において
のqは広角端におけるqより大きい。これより望遠端で
のh/Yは広角端でのh/Yより大きいことがわかる。
【0018】すなわち、最大画角の主光線Jが第3レン
ズ群G3 を通る光軸からの高さhは、広角端での高さh
W よりも望遠端での高さhT の方が大きくなり、第3レ
ンズ群G3 のレンズ径は像面の対角線と同程度必要とな
る。また、広角端と望遠端で第3レンズ群G3 に対する
入射瞳位置P2 が移動する理由を図4を用いて、以下に
述べる。
【0019】図4は、第2レンズ群G2 に対する入射瞳
位置P1と射出瞳位置P2 の関係を薄肉レンズを用いて
示す図である。絞りの中心を通る主光線が入射した場合
そして絞りが第1レンズ群G1 に密着しているとき、第
1レンズ群G1 の主点位置H 1 と第1レンズ群G1 から
射出する光束の射出瞳位置P1 は一致する。この時、第
2レンズ群G2 に対しP1 とP2 は共役である。第1レ
ンズ群G1 の主点位置H1 から第2レンズ群G2 の主点
位置H2 までの距離εと、第2レンズ群G2 に対する入
射瞳位置P1 から第2レンズ群G2 の主点位置H2 まで
の距離は等しく、その距離をεとする。そして、第2レ
ンズ群G2 に対する入射瞳位置P2から第2レンズ群G
2 の主点位置H2 までの距離をε’とし、また第2レン
ズ群G2 の焦点距離をf2 とすると、以下の関係式が成
立する。
【0020】1/f2 =1/ε−1/ε’ これより、 ε’=εf2 /(f2 −ε) (b) である。
【0021】同様に図5は、各レンズ群を薄肉レンズと
したとき、光軸に平行な光線が入射した場合の光線の通
り方を示す図である。第2レンズ群G2 に対する物点S
と像点S' は共役であり、第2レンズ群G2 の主点位置
2 から物点Sまでの距離をσとし、第2レンズ群G2
の主点位置H2 から像点S' までの距離をρとすると、
その結像関係は次の式で示される。
【0022】1/f2 =−1/σ+1/ρ ここで第1レンズ群G1 の焦点距離をf1 とすると、σ
=f1 −ε であり、 ρ=f2 (f1 −ε)/(f1 +f2 −ε) (c) が成立する。ここで、第2レンズ群G2 の主点位置H2
から像面位置Fまでの距離をηとし、像面位置Fから第
2レンズ群G2 に対する像点S' までの距離をtとする
と、ρ=η+t となり、q+t=ε’+ρとなる。
(b)、(c)式より q = f2 2 1 /(ε−f2 )(ε−f1 −f2 )−t (d) となる。
【0023】第3レンズ群G3 が固定の場合、図5中の
第3レンズ群G3 の主点位置H3 、像面位置F、および
第3レンズ群G3 に対する物点位置S' は固定であるた
め、(d)式のtおよびf1 、f2 は定数である。図6
に(d)式によるεとqの関係を示す。横軸を第1レン
ズ群と第2レンズ群間隔ε、縦軸を第2レンズ群G2
よる射出瞳位置P2 から像面位置Fまでの距離qとし
た。
【0024】εが大きくなるに従いqは単調に減少す
る。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レ
ンズ群と第2レンズ群間隔εは単調に減少するため、そ
の時の第2レンズ群G2 による射出瞳位置P2 から像面
位置Fまでの距離qは単調に増加する。これより、望遠
端におけるqは広角端におけるqより大きいことがわか
る。そして、望遠端におけるqを広角端におけるqより
小さくするために、本発明は広角端から望遠端へのズー
ミングに際し、第3レンズ群G3 を物体方向に移動させ
た。図7は、薄肉レンズを用いて望遠端における最大画
角の主光線JT が第3レンズ群G3 を通る光軸からの高
さhT が、広角端での高さhW に比べて小さくなること
を示した図である。
【0025】前述したように第3レンズ群G3 を固定と
した場合のズームレンズの望遠端の状態より、第1、第
2レンズ群G1 、G2を動かさず第3レンズ群G3 のみ
を物体方向に移動させると、バックフォーカスBfが大き
く変化するとともに像点位置Fも変化する。
【0026】しかしながら本発明のズームレンズのよう
に第3レンズ群G3の屈折力が第1、第2レンズ群
1 、G2 の屈折力に比べ十分小さい場合は、像点位置
Fの変化はバックフォーカスBfの変化に比べ十分小さ
い。この場合、前記(a)式においてf3 とqを定数と
して考えれば、図8に示す如くバックフォーカスBfと最
大像高Yに対する最大画角の主光線Jが第3レンズ群G
3 を通る光軸からの高さhの割合h/Yの関係が得られ
る。そこで、横軸をBf、縦軸をh/Yとした。
【0027】図8から、Bf=0のときh/Y=1、Bf=
qのときh/Y=0であり、その間はバックフォーカス
Bfが大きくなるに伴いh/Yは単調に減少していること
がわかる。このように広角端から望遠端へのズーミング
に際し、第3レンズ群G3 を物体方向に移動させれば、
バックフォーカスBfが長くなり、望遠端における最大画
角の主光線JT が第3レンズ群G3 を通る光軸からの高
さhT を小さくすることができ、第3レンズ群G3 のレ
ンズ径を小型化することが可能になる。また、条件式を
設定し、その最良な関係を定めた。
【0028】以下に、各条件式の説明を行う。条件式
(1)は広角端と望遠端における最大画角の主光線が第
3レンズ群G3 中の最も像面に近いレンズ面を通過する
光軸からの高さの関係を規定している。下限をこえて1.
0 以下となる場合、望遠端における第3レンズ群G3
の最も像面に近いレンズ面の有効径が、広角端における
有効径よりも大きくなるため第3レンズ群G3 が大型化
し好ましくない。また、下限値である1.4 から1.0 の範
囲の場合も、図9に示す如く、軸外周辺光線J’T
J’W が第3レンズ群G3 を通過する高さを考慮した場
合、望遠端での高さh’T か広角端での高さh’W を上
まわるため第3レンズ群G3 が大型化し、好ましくな
い。
【0029】逆に上限をこえるとズーミングの際、第2
レンズ群G2 と第3レンズ群G3 の間隔の変化が小さく
なり、ズーミングの際の収差変動を小さくするという第
3レンズ群G3 本来の機能を十分生かせず、好ましくな
い。条件式(2)及び(3)は、条件式(1)のもとで
ズームレンズを構成するのに適した第3レンズ群G3
結像倍率に関する。
【0030】図5に示すごとく、第3レンズ群G3 の主
点位置をH3 、光軸に平行な入射光線が第1レンズ群G
1 と第2レンズ群G2 によって結像される像位置をS'
、第3レンズ群G3 を通過した光線が結像する位置を
Fとする。この時H3 からS'までの距離をu、H3
らFまでの距離をBfとし、第3レンズ群G3 の結像倍率
をmとし、第3レンズ群G3 の焦点距離をf3 とすれ
ば、1/f3 =−1/u+1/Bf及び、Bf=muで表さ
れる結像関係が成立する。これより、 Bf=f3 (1−m) (e) となる。
【0031】図8に示した通り、望遠端において第3レ
ンズ群G3 を通る最大画角の主光線の光軸からの高さを
低くするためには、バックフォーカスを長くする必要が
あり、上記(e)式のBfを大きくすれば良い。そのため
には、望遠端における第3レンズ群G3 の結像倍率mT
を1に対して小さくすればよい。
【0032】条件式(2)は望遠端における第3レンズ
群G3 の結像倍率mT を規定している。下限をこえた場
合、第3レンズ群G3の結像倍率mT が小さくなり、望
遠端における焦点距離を長くするためには、第1レンズ
群G1 と第2レンズ群G2 の合成焦点距離をさらに長く
構成する必要が生じる。その結果、全長の増大を招き好
ましくない。
【0033】逆に上限を超えると、望遠端におけるバッ
クフォーカスBfが減少し、第3レンズ群G3 の有効径が
大となり、コンパクト化が難しくなる。条件式(3)は
条件式(2)のもとでの広角端と望遠端における第3レ
ンズ群G3 の結像倍率の差を規定している。広角端にお
ける全長のコンパクト化のためには広角端でのバックフ
ォーカスは短く構成するのが望ましく、第3レンズ群G
3 のレンズ径のコンパクト化のためには図8よりわかる
ように望遠端でのバックフォーカスを長く構成するのが
望ましい。そこで(e)式より、広角端での第3レンズ
群G3 の結像倍率mW を望遠端での第3レンズ群G3
結像倍率mT より大きくする。
【0034】その際、条件式(3)の下限をこえると広
角端でのバックフォーカスが長くなりコンパクト化が難
しくなる。反対に条件式(3)の上限をこえると広角端
でのバックフォーカスが短くなりすぎフィルム面との干
渉や第3レンズ群G3 のレンズ径の増大を招き好ましく
ない。以上の第3レンズ群G3 の結像倍率mと第3レン
ズ群G3 の移動軌跡の関係を図示したのが図10である。
【0035】図10において横軸をx軸とし、結像位置を
x軸上の原点とした。そして縦軸は第3レンズ群G3
結像倍率mをとった。そして、各結像倍率mにおける第
3レンズ群G3 の主点位置H3 と、第3レンズ群G3
対する物点位置S' の移動軌跡を示した。図10中で、任
意の結像倍率ma に対する第3レンズ群の主点位置H3
から縦軸までの距離は前述のバックフォーカスBfに相当
し、H3 と第3レンズ群G3 に対する物点位置S' の距
離が前述のuに相当する。
【0036】この図10より、0<mT <mW <1となる
ように構成すると、広角端でのバックフォーカスBfは短
く、望遠端でのバックフォーカスBfは長く構成でき、好
都合である。特にmW 、mT が条件式(2)、(3)を
満足するように構成すると広角端での全長のコンパクト
化、望遠端でのバックフォーカスBfの確保、および高変
倍比の確保に最適であることがわかる。
【0037】条件式(4)、(5)はコンパクトカメラ
用の正・負・正の3群ズームレンズを構成する際の適切
な第1レンズ群G1 および第2レンズ群G2 の焦点距離
範囲を規定している。条件式(4)は第2レンズ群G2
の焦点距離f2 を規定し、この上限をこえると主に変倍
の機能を担う第2レンズ群G2 の屈折力が小さくなり、
十分なズーム比を得るのが難しくなる。逆に、下限をこ
えると第2レンズ群G2 の負の屈折力が増大し、ペッツ
バール和が負に過大になる。そのため像面弯曲、非点収
差の補正が困難となる。
【0038】条件式(5)は条件式(4)のもとで、コ
ンパクトカメラ用として適切な画角を得るための条件式
である。コンパクトカメラ用のズームレンズの広角端で
の画角は約60°以上であることが望ましく、条件式
(5)の上限をこえると、広角端でのズームレンズ全体
の焦点距離が長くなるため、広画角を得ることができな
くなる。
【0039】逆に下限をこえると第1レンズ群G1 の正
の屈折力が過大となるため、球面収差をはじめとする諸
収差の補正が困難となり好ましくない。ところで、ズー
ムレンズの変倍機構を簡素化するためには第1レンズ群
1 と第3レンズ群G3 を一体的に移動させることが望
ましい。これは、2群構成のズーム機構と実質的に同一
となり、コストダウンをはかることができる。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。正
屈折力を有する第1レンズ群G1 と、負屈折力を有する
第2レンズ群G2 と、正屈折力を有する第3レンズ群G
3 とを有し、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レ
ンズ群G1 と第2レンズ群G2 の間隔を狭め、同時に第
2レンズ群G 2 と第3レンズ群G3 の間隔を広げつつ、
各レンズ群を物体方向へ移動させてズーミングを行う。
その際、第1レンズ群G1 と第3レンズ群G3 を一体的
に移動させる。実施例1は、図11に示すごとく第1レン
ズ群G1 は物体側より順に物体側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL11と物体側により強い凹面を向けた負レ
ンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ
L13n と両凸正レンズL13p とからなる接合正レンズL
13と、両凸正レンズL14と、絞りAと、正レンズL15と
から成る。第2レンズ群G2 は、物体側より順に、物体
側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と物体側に凹
面を向けた負メニスカスレンズL22とから成る。
【0041】第3レンズ群G3 は物体側に凹面を向けた
正メニスカスレンズL31からなり、正メニスカスレンズ
L31の像側面は非球面で構成されている。実施例2は、
図12に示すごとく第1レンズ群G1 は物体側より順に物
体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と両凹負レ
ンズL12n と両凸正レンズL12pとからなる接合負レン
ズL12と、両凸正レンズL13p と物体側に凹面を向けた
負メニスカスレンズL13n とからなる接合正レンズL13
と、絞りAと、正レンズL14とからなる。
【0042】第2レンズ群G2 は物体側より順に、物体
側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に
凹面を向けた負メニスカスレンズL22と、物体側に凹面
を向けた負メニスカスレンズL23とからなる。第3レン
ズ群G3 は物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL
31からなり、正メニスカスレンズL31の像側面は非球面
で構成されている。
【0043】また、実施例1、実施例2ともに、第3レ
ンズ群G3 中の正メニスカスレンズL31はアクリル系樹
脂でできている。以下に本発明の各実施例の諸元の値を
掲げる。実施例の諸元表中においてfは焦点距離、FNO
はFナンバー、2ωは画角であり、左端の数字は物体側
からの順序を表し、rはレンズ面の曲率半径、dはレン
ズ面間隔、nはd線に対する屈折率、νはアッベ数であ
る。
【0044】また、各実施例とも第3レンズ群G3 を構
成する物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31の
像側面は非球面で構成されている。非球面形状は、光軸
方向にx軸、光軸と垂直方向にy軸、光の進行方向を正
とし、rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、C2、C4、
C6、C8、C10を各々非球面係数としたとき、
【0045】
【数1】
【0046】式で表される。フォーカシングは第1レン
ズ群G1 を一体で物体方向に繰り出して行うか、また
は、第1レンズ群G1 中の絞りAより物体側の部分を物
体方向に繰り出して行うのが構造上望ましい。特に、絞
りAより物体側の部分を繰り出してフォーカシングを行
うのが像面弯曲等の収差変動が小さく好ましい。
【0047】また、図13、図14、図15に実施例1の諸収
差図を、図16、図17、図18に実施例2の諸収差図を示
す。この収差図において図13、図16は広角端の諸収差
図、図14、図17は中間焦点距離状態の諸収差図、図15、
図18は望遠端の諸収差図である。なお、各収差図中の非
点収差図においてメリディオナル像面をM、サジッタル
像面をSとして示している。
【0048】各収差図の比較から本発明は広角端から望
遠端にわたり優れた結像性能を有していることがわか
る。尚、本発明の各実施例における条件対応値の最大像
高YはY=21.6である。
【0049】
【実施例1】 f =30.8〜78.5 FNO=4.18〜10.67 2ω=68.6°〜31.4° (第17面非球面係数) K = 1.0000 C 2= 0.0000 C 4=-0.1924×10-5 C 6=-0.6660×10-8 C 8= 0.0000 C10= 0.0000 (条件対応値;Y=21.6) (1)hW /hT =2.011 (2)mT =0.903 (3)mW −mT =0.096 (4)|f2 /Y|=1.157 (5)f1 /Y=1.163
【0050】
【実施例2】 f =30.8〜78.5 FNO=4.11〜10.47 2ω=68.5°〜31.1° (第18面非球面係数) K = 1.0000 C 2= 0.0000 C 4=-0.4765×10-5 C 6= 0.1292×10-7 C 8=-0.4067×10-10 C10=-0.1474×10-13 (条件対応値;Y=21.6) (1)hW /hT =2.075 (2)mT =0.875 (3)mW −mT =0.120 (4)|f2 /Y|=0.926 (5)f1 /Y=1.069
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、小型でありながら変倍
機構が単純な、高変倍比を有するコンパクトカメラ用に
適した小型のズームレンズを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する説明図
【図2】本発明に関する説明図
【図3】本発明に関する説明図
【図4】本発明に関する説明図
【図5】本発明に関する説明図
【図6】本発明に関する説明図
【図7】本発明の説明図
【図8】本発明の説明図
【図9】本発明の説明図
【図10】本発明の説明図
【図11】本発明の実施例1におけるレンズ構成図であ
る。
【図12】本発明の実施例2におけるレンズ構成図であ
る。
【図13】本発明の実施例1における広角端での収差図で
ある。
【図14】本発明の実施例1における中間焦点距離状態で
の収差図である。
【図15】本発明の実施例1における望遠端での収差図で
ある。
【図16】本発明の実施例2における広角端での収差図で
ある。
【図17】本発明の実施例2における中間焦点距離状態で
の収差図である。
【図18】本発明の実施例2における望遠端での収差図で
ある。
【主要部分の符号の説明】
1 :第1レンズ群 G2 :第2レンズ群 G3 :第3レンズ群 A :絞り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に正の屈折力を有する第1
    レンズ群G1 と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2
    と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3 を有し、 広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群G
    1 と前記第2レンズ群G2 との軸上空気間隔を狭めると
    同時に、前記第2レンズ群G2 と前記第3レンズ群G3
    との軸上空気間隔を広げ、前記第1レンズ群G1 と前記
    第2レンズ群G 2 及び前記第3レンズ群G3 のいずれも
    物体方向へ移動するズームレンズにおいて、以下の条件
    を満足することを特徴とする小型のズームレンズ。 (1) 1.4 <hW /hT <2.6 (2) 0.8 <mT <0.95 (3) 0.07<mW −mT <0.16 (4) 0.8 <|f2 /Y|<1.3 ;f2 <0 (5) 0.9 <f1 /Y<1.25 但し、 hW :広角端において、最大画角の主光線(絞りの中心
    を通る光線)が第3レンズ群G3 中の最も像面に近いレ
    ンズ面を通過する光軸からの高さ hT :望遠端において、最大画角の主光線が第3レンズ
    群G3 中の最も像面に近いレンズ面を通過する光軸から
    の高さ mW :広角端における第3レンズ群G0の結像倍率 mT :望遠端における第3レンズ群G3 の結像倍率 f1 :第1レンズ群G1 の焦点距離 f2 :第2レンズ群G2 の焦点距離 Y :ズームレンズの最大像高
  2. 【請求項2】 広角端から望遠端への変倍において、前
    記第1レンズ群G1と前記第3レンズ群G3 を一体的に
    移動させることを特徴とする請求項1記載の小型のズー
    ムレンズ。
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