JPH049154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、横姿勢で搬入された金型を固定板及
び可動板によりクランプして予備加熱を行う金型
予備加熱装置に関するものでる。

（従来の技術） 一般に、射出成形においては、射出成形機によ
る成形に先立ち、作業能率を高めるために予め金
型予備加熱ステーシヨンにて金型を所定温度まで
予備加熱することが行われている。

上記予備加熱ステーシヨンにおいては、射出成
形機と同様に横姿勢で搬入された金型を固定板及
び可動板により両側からクランプし、該金型内部
に温油、温水等を流通させて加熱するようにして
いる。その場合、成形サイクルを高めるため、金
型の大きさに応じて可動板が移動して待機するよ
うになつており、また、搬出入を容易にするため
に固定板及び可動板に金型移動用ローラをそれぞ
れ設け、該ローラによつて金型を下側から支持す
るようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、故障などにより可動板が固定板に対
し開きすぎていると、金型が固定板を基準にそれ
に沿つて搬入されるので該可動板の金型移動用ロ
ーラにて金型がうまく支持されず、落下するおそ
れがある。

そこで、予めインターロツク装置等で、金型が
搬入される前に金型の大きさを検出し、その大き
さに応じて可動板の移動量（開き量）を補正する
ことも行われているが、それが故障すると、やは
り金型が落下するおそれがある。

ところで、成形機への金型の装着について、実
公昭59−5557号公報において、金型搬入時にその
搬入を一度停止し、可動板の位置が適切であるこ
とを確認した後に搬入を行うようにすることが提
案されているが、制御系が複雑となる。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、簡
単な構造で、金型搬入時の該金型の落下を確実に
防止することができる金型予備加熱装置を提供す
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するために、横姿勢
で搬入された金型を固定板及び可動板によりクラ
ンプして予備加熱するものにおいて、上記固定板
及び可動板に金型移動用ローラを配設し、該金型
移動用ローラと上面が略一致しかつ可動板をその
移動方向に貫通する金型落下防止用バーを、金型
搬出入方向に所定間隔でもつて複数本並設してい
る。

（作用） 金型搬出入時には、金型が、金型移動用ローラ
のみならず、金型落下防止用バーにて支持され
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。

金型段取り装置の全体構成を示す第１図におい
て、１は金型予備加熱ステーシヨンで、金型２を
射出成形機（図示せず）に取付けるのに先立ち、
予備加熱する部位である。上記金型２は、第１通
路３に沿つて搬送台車４にて運搬され、反転機５
にて反転されて、相互に連結された段取台車６，
７の一方に搭載される。この段取台車７に搭載さ
れた金型２は、第２通路８に沿つて搬送され、上
記金型予備加熱ステーシヨン１にて予備加熱さ
れ、図示しない射出成形機の部位では、成形後の
金型が段取台車６上に搬出され、それから金型２
が段取台車７より搬入される。

上記金型予備加熱ステーシヨン１には、第２図
乃至第５図に示す金型予備加熱装置１１が配設さ
れている。金型予備加熱装置１１は、横姿勢で搬
入された金型２を固定板１２及び可動板１３によ
り挟持クランプして予備加熱するものである。

上記固定板１２は、基台１４に下端部が固設さ
れている。該固定板１２のクランプ面１２ａに対
向するクランプ面１３ａを有する可動板１３は、
下端部に固定板１２側へ立設された延長部材１４
が固設され、可動板１３及び延長部材１４の下面
に、基台１４上のレール１５，１５の摺動可能に
係合する係合部材１６，１６が固設されている。

上記固定板１２の上下四隅の可動板１３と反対
側には支持ブラケツト１７，１７，１７，１７が
固着され、該支持ブラケツト１７，１７，１７，
１７に一端が連結されたシリンダ１８，１８，１
８，１８が、固定板１２を貫通して、可動板１３
のクランプ面１３ａの上下四隅に他端が連結され
ている。これによつて、シリンダ１８，１８，１
８，１８を同時に伸縮動作させることにより、固
定板１２に対し可動板１３をレール１５，１５に
沿つて移動させ、その開き量を調整することがで
きる。

上記固定板１２及び可動板１３のクランプ面１
２ａ，１３ａの下部には、上面が略一致しかつ搬
出入される金型２を移動可能に支持する複数の金
型移動用ローラ１９，１９が回転可能に枢支され
ている。

また、固定板１２の背面側の下部中央付近に
は、別の支持ブラケツト２０，２０が固設される
一方、可動板１３の背面側には、基台１４より支
持部材２１，２１が立設されている。上記支持ブ
ラケツト２０，２０と支持部材２１，２１との間
には、固定板１２及び可動板１３を貫通する金型
落下防止用バー２２が複数本架設されている。金
型落下防止バー２２に対し可動板１３は移動可能
であり、その移動方向に直交する金型搬出入方向
に上記金型落下防止バー２２が所定間隔でもつて
並設されている。金型落下防止バー２２は金型移
動用ローラ１９と上面が略一致し、両者１９，２
２で金型２を略水平状態に支持するようになつて
いる。

また、上記両板１２，１３の上下部中央にはそ
れぞれ上下部支持ブラケツト２３，２４，２５，
２６が固設されており、上部支持ブラケツト２
３，２４には上シリンダ２７，２８を介してヒー
タ、リミツトスイツチ等の電気接続用の上側コネ
クタ２９，３０が、下部支持ブラケツト２５，２
６には別の下シリンダ３１，３２を介して温水、
温油等による加熱配管用の下側コネクタ３３，３
４が設けられている。しかして、金型２が両板１
２，１３の間にクランプされて予備加熱すると
き、上下シリンダ２７，２８，３１，３２を駆動
させて、上下側コネクタ２９，３０，３３，３４
が接続される。それから、温水、温油等が金型２
内を循環して予備加熱が行われる。

上記のように構成すれば、段取台車７により搬
送されてきた金型２が、金型予備加熱ステーシヨ
ン１において、横姿勢でもつて金型予備加熱装置
１１の固定板１２と可動板１３との間に搬入され
る。このとき、中央指令部からの信号により、シ
リンダ１８，１８，１８，１８が駆動し、可動板
１３が固定板１２に対し金型２の大きさに対応し
た距離だけ予め離隔せしめられている。

また、金型２は、固定板１２のクランプ面１２
ａを基準として両板１２，１３の間に搬入され、
その際該両板１２，１３に枢支された金型移動用
ローラ１９，１９とともに、金型落下防止用バー
２２，２２にて下面が支持されるので、可動板１
３が金型２の大きさに対して開きすぎていても、
落下することはない。

金型移動用ローラ１９、１９及び金型落下防止
用バー２２，２２の上面は略面一となつており、
金型２を搬出入時に略水平状態に支持するので、
金型２の移動は、ガタつくことなく、円滑に行わ
れる。

ところで、金型２の重心が金型２の中心線上に
ある場合、第６図に示すように、金型搬出入側の
金型落下防止用バー２２と、段取台車７の金型予
備加熱装置１１側の支持ローラ（可動金型４１側
のローラ４２、固定金型４３側のローラ４４）と
の間隔Ｌが金型２の幅Ｗより小さい限り、金型２
が移送中に落下することはない。また、固定金型
４３側のローラ４４にて金型２は常時支持されて
いるので、段取台車７より金型予備加熱装置１１
への移送中を示す第６図の状態においては、金型
２の重心がＡ部に位置しない限り、金型２が移送
中に落下することはない。なお、l₁は段取台車７
の中心線、l₂は金型予備加熱装置１１の中心線で
ある。

（考案の効果） 本考案は上記のように構成したから、金型落下
防止用バーによつて、インターロツク装置等が故
障したような場合でも、可動板の開きすぎによる
金型搬入時の金型の落下を確実に防止し得る。ま
た、金型落下防止用バーは金型移動用ローラと上
面が略一致しているので、金型の搬出入の移動の
際、金型のガタつきがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
金型段取り装置の全体構成図、第２図乃至第４図
は金型予備加熱装置の正面図、平面図及び側面
図、第５図は第２図の−線における断面図、
第６図は金型落下防止用バーと金型の重心との関
係の説明図である。 １……金型予備加熱ステーシヨン、２……金
型、１１……金型予備加熱装置、１２……固定
板、１３……可動板、１９……金型移動用ロー
ラ、２２……金型落下防止用バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横姿勢で搬入された金型を固定板及び可動板に
   よりクランプして予備加熱するものにおいて、上
   記固定板及び可動板に金型移動用ローラが配設さ
   れ、該金型移動用ローラと上面が略一致しかつ可
   動板をその移動方向に貫通する金型落下防止用バ
   ーが、金型搬出入方向に所定間隔で複数本並設さ
   れていることを特徴とする金型予備加熱装置。