JPH048333B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は容器排除装置に係り、搬送コンベア上
を搬送中の容器の中から洗浄不良の容器や充填不
良の容器や傷のある欠陥容器等の正常でない容器
を搬送コンベア外に排除するための容器排除装置
に関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来から欠陥のある不良容器を正常な容器から
選別して排除する装置として各種装置が提案され
てきた。

一般に、不良容器を電気的又は光学的な検査装
置で検出した場合、この検査装置に付属するスタ
ーホイール型排除装置で前記不良容器を把持し排
除するようにしている。このスターホイール型排
除装置の容器把持方式は大別して真空吸着式とク
ランプ式に分けることができる。

前記真空吸着式の装置は壜を吸引して保持する
吸着ユニツト、この吸着ユニツトに負圧を付与す
る負圧源および電磁弁等の各種補機を必要とし、
そのため、装置自体が非常に複雑となり、また多
数の構成部品を必要とする処から装置が高価にな
るという問題点がある。また、この装置を洗浄前
の容器に用いる場合には（洗浄後でも時には）、
容器を吸引する際にその容器に付着している塵、
汚れ等が真空経路に入り込んでこの真空経路を閉
塞するという問題点がある。しかも、洗浄後の容
器であつても、容器胴部等に商標表示のエンボス
その他の凹凸があれば、そのために前記真空の形
成が妨げられるために使用できないという問題点
がある。

一方、クランプ式の装置としては、例えば特公
昭52−34302号公報により開示されたものがある。
この装置は、容器をクランプで吊下げて搬送し、
クランプを解除して回収ラインに排出する方式で
あるが、この装置は正常容器も不良容器も全てク
ランプで挟持するために騒音が大きいし、クラン
プ等の部品の摩耗が著しいので耐久性に乏しいと
いう問題点がある。また、クランプで挟持する構
造のため、胴径の異なる容器、容器高の低い容器
（例えばビール中壜に対する小壜等）さらには首
なし容器等には適用できないという問題点があ
る。

さらに、真空吸着式の装置及びクランプ式の装
置の共通の欠点として、容器の種類が変更されて
容器サイズが異なるとこの容器サイズに合わせて
機械ユニツトを全て交換しなければならないとい
う問題点がある。

本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもの
で、その目的とする処は、上記した従来の容器排
除装置が有する問題点を解消し、容器洗浄の有無
を問わず、異種容器や首なし容器等の各種容器に
対応可能でありかつ高速搬送のコンベアラインか
ら排除可能な耐久性に優れた容器排除装置を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため本発明は、容器を搬
送する容器搬送用主コンベアと、この主コンベア
上の容器をコンベア外に押し出し排除するため隣
接するもの同士を交互に段違いとして配置される
多数のプツシヤと、前記主コンベアに隣接して並
設され前記の各プツシヤを前記主コンベアの走行
方向に対し直交する方向に進退自在に保持してそ
れらを主コンベアに沿つてこれと同方向に同一速
度で移動させるプツシヤ移動装置と、このプツシ
ヤを容器排除位置に案内するための案内部材とを
備え、前記プツシヤは、前記案内部材に係合する
位置の係合しない位置とにわたり回転可能とされ
た係合部材を有し、この係合部材を容器排除信号
に基づいて案内部材への係合位置に回転変位させ
る当接部材を設け、容器排除信号により排除すべ
き容器に対応するプツシヤの係合部材を当接部材
により回転変位させて案内部材に係合させ、プツ
シヤを前進させて容器を押動排除するようにした
ことを特徴とするものである。

〔作用〕

容器検査装置によつて検査を終了した容器は容
器搬送用主コンベアに載置されて搬送され、正常
な容器はそのままこの主コンベアにて次工程に搬
送される一方、不良容器は上記主コンベアによつ
て搬送されている間に、上記検査装置からの容器
排除信号に基づいて作動する作動装置によつてプ
ツシヤの係合部材が反転してプツシヤは案内部材
に導かれ、そしてこのプツシヤはプツシヤ移動装
置によつて主コンベアと同一方向に同一速度で移
動する間に前記案内部材によつて容器排除位置に
案内される。これによつて、不良容器は主コンベ
アからコンベア外に押し出し排除される。

〔発明の実施例〕

以下、本発明に係る容器排除装置の一実施例を
第１図乃至第８図を参照して説明する。

第１図は容器排除装置１の概略平面図を示すも
ので、同図において符号２は容器（本実施例では
壜を例に説明する）を搬送する容器搬送用主コン
ベアであり、この主コンベア２は無端状プレート
チエーンコンベアからなり、壜３を載置して図上
左から右側に向かつて搬送する。そして主コンベ
ア２に隣接して平行にプツシヤ移動装置４が並設
されており、この移動装置４および前記主コンベ
ア２の上流側の側方にカメラ装置Ｃと照明装置Ｌ
からなる検査装置９が対向配置されている。

前記プツシヤ移動装置４は第２図に容器排除装
置のプツシヤの一部を除去した拡大平面図が示さ
れるように無端状のチエーンコンベアからなり、
このチエーンコンベアの移動面は主コンベア２の
載置面より若干上方にあり、その一側端には駆動
スプロケツト５，５が配設され（図上右側のスプ
ロケツト）、その他側端には従動スプロケツト６，
６が配設され、これらスプロケツト５，６間にそ
れぞれチエーン７，７が架渡されている。上記並
設された２本のチエーン７，７間に複数のガイド
棒８が横架されており、これらガイド棒８はチエ
ーン７，７に沿つて所定間隔毎に多数連続して配
置されている。そして、これらガイド棒８に摺動
可能にプツシヤ１０が嵌装されている。プツシヤ
１０は、第５図乃至第６図にその詳細図が示され
るように壜に当接してこれを押し出すプツシヤ片
１１と、ガイド棒８に嵌装支持される支持部１２
と、後述するガイドレールと係合する係合部材１
３とからなり、そしてこの係合部材１３は支持部
１２の下面に回転可能に枢支ピン１４によつて支
承された略三角形状のアーム１５とこのアーム１
５の下面に配設された２個のローラ部材１６とか
らなり、枢支ピン１４のセンタと２個のローラ部
材１６のセンタとは直角三角形をなすように配置
されている（第７図参照）。

しかして、上記のように構成されたプツシヤ１
０は、第３図に容器排除装置１の側面図が示され
るように相隣れるプツシヤが干渉しないように段
違いに配置されている。

一方、第２図で示されるようにプツシヤ移動装
置４の中間位置でこの移動装置の移動面に沿つ
て、案内部材１８が固定配置されており、この案
内部材１８はプツシヤ１０を容器排除位置に案内
するためのものであり、２本の上流側ガイドレー
ル１９，２０と１本の下流側ガイドレール２１と
からなつており、上流側ガイドレール１９，２０
は移動装置４の一側近傍から次第に主コンベア側
に傾斜し、下流側ガイドレール２１はその逆方向
に傾斜して配設されている。

しかして、上記ガイドレール１９，２０，２１
からなる案内部材１８と前記係合部材１３とは、
カムとカムフオロワーを構成し、案内部材１８の
案内面が形成するカム曲線にもとづいてプツシヤ
１０を作動位置に案内する。

また、第２図乃至第４図に示されるようにプツ
シヤ移動装置４の一側面で、上流側ガイドレール
１９，２０の入口近傍には電磁弁付エアシリンダ
２２が配設され、このエアシリンダ２２の作動ロ
ツド２３上端には板状の当接部材２４が取り付け
られており、エアシリンダ２２が作動して作動ロ
ツド２３が上方に摺動すると、この当接部材２４
が前記係合部材１３と当接するようになつてい
る。すなわち、プツシヤ１０の移動に伴ないこの
当接部材２４の半円弧状カム面２４ａに係合部材
１３のローラ部材１６が当接してアーム１５が反
転（180°回転）するようになつている。

一方、前記主コンベア２の側方直近（第１図に
おいて上方）には、不良壜排出用のターンテーブ
ル２６（回転方向は矢印方向）が設けられ、この
ターンテーブル２６に近接した主コンベア２のガ
イドの一部に切欠き部２ａが形成されており、壜
３がターンテーブル２６上に排出できるようにな
つている。そして、このターンテーブル２６の直
上には壜ガイド２７が設けられており、ターンテ
ーブル２６上の不良壜３ｂを案内するようになつ
ている。

次に、前述のように構成された本発明に係る容
器排除装置の動作について第８図を参照して説明
する。

まず、主コンベア２の搬送方向とプツシヤ移動
装置４の移動方向とは同一方向であり、主コンベ
ア２の搬送速度V₁とプツシヤ移動装置４の移動
速度V₂とするとV₁＝V₂の関係に設定されている
ことを明らかにして、本装置によつて壜が搬送さ
れている間に正常な壜と不良壜とが選別され、不
良壜はターンテーブル２６上に排除される過程を
説明する。

第８図はプツシヤ１０の先端部と係合部材１３
と案内部材１８との関係を図示した動作説明図で
ある。

第１図乃至第２図に示すように壜３は主コンベ
ア２によつて搬送されている間に、検査装置９を
通過して検査される。そして、正常な壜３ａは、
主コンベア２によつてそのまま次工程に搬送され
る。一方、不良壜３ｂは検査装置９によつて検出
され、この検査装置の出力信号は適当な遅延回路
によつて所定の遅延の後にエアシリンダ２２付属
の電磁弁に入力される。すると、第８図に示すよ
うにこの電磁弁が作動してエアシリンダ２２の作
動ロツド２３が上方に突出して、作動ロツド２３
上端の当接部材２４が移動してきたプツシヤ１０
の係合部材１３と当接する。上記プツシヤ１０の
移動に伴ない当接部材２４のカム面２４ａに係合
部材１３のローラ部材１６が当接して第８図のＡ
位置でアーム１５が反転する（仮想線上側で示す
状態）と、係合部材１３は案内部材１８に接触す
る位置になる。なお、エアシリンダ２２の作動
は、排除位置に押し出すべき当該プツシヤ１０を
図示されない光電装置によつて検出することによ
つてタイミングをとり、この検出はプツシヤ１０
の後部に立設された検出片１０ａが光電装置をよ
ぎることにより行われる。

そして、プツシヤ１０の下流側へのさらなる移
動で、カムフオロワーを構成するローラ部材１６
がカムを構成する案内部材１８に接触する。ここ
で第８図において説明の便宜上、ローラ部材１６
を、１６ａと１６ｂとする。係合部材１３のアー
ム１５が反転した直後に、図上Ｂ位置でローラ部
材１６ａはガイドレール１９のカム面１９ａに接
触し、このカム面１９ａに沿つてプツシヤ１０と
ともに主コンベア２側に移動し始める。

次に、Ｃ位置でローラ部材１６ｂもガイドレー
ル２０のカム面２０ａに接触し始め、そしてＤ位
置に至るまでローラ部材１６ａ，１６ｂはカム面
１９ａ，２０ａに各々接触しながらプツシヤ１０
とともに移動する。この間、プツシヤ１０は徐々
に主コンベア２側に突出していき、不良壜３ｂは
徐々にターンテーブル２６側に押し出される。Ｅ
位置でローラ部材１６ａ，１６ｂはカム面１９
ａ，２０ａから解放され、今度はローラ部材１６
ａがガイドレール２１のカム面２１ａに接触す
る。このＥ位置近傍がプツシヤ１０の最大突出位
置となり、不良壜３ｂは完全にターンテーブル２
６上に排出される。

一方、係合部材１３のアーム１５は、Ｆ位置で
反転し、今度はローラ部材１６ｂのみがカム面２
１ａに接触するようになり、Ｇ位置に至るまでそ
の接触状態のままプツシヤ１０とともに移動す
る。そして、Ｈ位置で係合部材１３のアーム１５
は元の状態に戻る。

連続して主コンベア２上を搬送される壜中に不
良壜３ｂがれば、連続的に上記動作を繰り返し、
次々に不良壜３ｂがターンテーブル２６上に排除
される。

本実施例においては、容器を排除する装置とし
て説明したが、本発明は容器分岐装置としても適
用できる。

〔発明の効果〕

以上、実施例の説明から明らかなように、本発
明によれば、主コンベア上に載置された容器は、
検査装置によつて検査された後正常な容器はその
まま主コンベアによつて次工程に搬送される一
方、不良容器は主コンベアと同一速度で移動する
プツシヤによつて徐々に主コンベア外に押し出し
排除される。したがつて、容器洗浄の有無を問わ
ず、異種容器や首なし容器等の多種類の容器に対
応可能排除装置とすることができる。

また本発明によれば、プツシヤが個々に有する
係合部材を回転変位させることによりそのプツシ
ヤを案内部材によつて排除動作させるようにする
とともにプツシヤを段違い配列としていることに
より、容器の搬送間隔とプツシヤとを対応関係に
設けずとも適確に排除動作させることができ、ま
たプツシヤの配列が密にできるため容器の搬送間
隔に拘らず確実に排除することができるなど、構
造が簡単でありながら耐久性に優れた排除装置と
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る容器排除装置の一実施例
を示す概略平面図、第２図は同装置のプツシヤを
一部除去した要部拡大平面図、第３図は同装置の
側面図、第４図は第１図における−線の沿つ
て切断した断面図、第５図は同装置のプツシヤの
平面図、第６図は同プツシヤの一部欠截側面図、
第７図は同プツシヤの一部を省略した底面図、第
８図は容器排除装置の動作説明図である。 １……容器排除装置、２……主コンベア、３…
…壜、４……プツシヤ移動装置、５，６……スプ
ロケツト、７……チエーン、１０……プツシヤ、
１３……係合部材、１５……アーム、１６……ロ
ーラ部材、１８……案内部材、１９，２０，２１
……ガイドレール、２２……エアシリング、２４
……当接部材、２６……ターンテーブル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器を搬送する容器搬送用主コンベアと、こ
   の主コンベア上の容器をコンベア外に押し出し排
   除するため隣接するもの同士を交互に段違いとし
   て配置される多数のプツシヤと、前記主コンベア
   に隣接して並設され前記の各プツシヤを前記主コ
   ンベアの走行方向に対し直交する方向に進退自在
   に保持してそれらを主コンベアに沿つてこれと同
   方向に同一速度で移動させるプツシヤ移動装置
   と、このプツシヤを容器排除位置に案内するため
   の案内部材とを備え、前記プツシヤは、前記案内
   部材に係合する位置の係合しない位置とにわたり
   回転可能とされた係合部材を有し、この係合部材
   を容器排除信号に基づいて案内部材への係合位置
   に回転変位させる当接部材を設け、容器排除信号
   によりその排除すべき容器に対応するプツシヤの
   係合部材を当接部材により回転変位させて案内部
   材に係合させ、プツシヤを前進させて容器を押動
   排除するようにしたことを特徴とする容器排除装
   置。 ２ 前記係合部材は、２個のローラ部材とこれら
   ローラ部材を支持するアームからなり、前記ロー
   ラ部材と前記アームの回転中心とは三角形をなす
   ように配置したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の容器排除装置。 ３ 前記案内部材の案内面は、カムを構成するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の容器
   排除装置。