JPH0481599B2 - - Google Patents

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JPH0481599B2
JPH0481599B2 JP19871984A JP19871984A JPH0481599B2 JP H0481599 B2 JPH0481599 B2 JP H0481599B2 JP 19871984 A JP19871984 A JP 19871984A JP 19871984 A JP19871984 A JP 19871984A JP H0481599 B2 JPH0481599 B2 JP H0481599B2
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methanol
solvent
demethoxyadriamycin
spectrum
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JP19871984A
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Atsuro Terajima
Yoshiichi Kimura
Micho Suzuki
Rumiko Abe
Mitsuyo Matsumoto
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Sagami Chemical Research Institute
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Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Publication of JPH0481599B2 publication Critical patent/JPH0481599B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は式 で表わされる4−デメキシアドリアマイシンに関
する。
本発明の4−デメトキシアドリアマイシン塩酸
塩は220℃付近から分解が始まり230℃付近で分解
が終了する化合物であり、メタノール溶媒を用い
ての20℃における比旋光度〔α〕20 Dは+190°を有
する化合物である。又、4−デメトキシアドリア
マイシン塩酸塩の質量分析、赤外及び1H−核磁
気共鳴スペクトルは下記の如くである。
記 質量分析スペクトル(SIMS);m/z514〔MH〕+
384〔アグリコン〕+. 赤外スペクトル(KBr);3400(OH,NH),1725
(CO),1620(キノン),1590(芳香環)cm-1.1 H−核磁気共鳴スペクトル(d6−ジメチルスル
ホキシド); δ=1.16(3H,d,J=6Hz,d,
6′−H3),1.70−2.00(2H,m,2′−H2),2.00
−2.30(2H,m,8−H2),3.02(2H,s,10
−H2),3.40−3.68(2H,m,3′−H+4′−H),
4.21(1H,q,J=6Hz,5′−H),4.60(2H,
brd,J=5Hz,14−H2,D2Oでbrd→sに変
化),4.82(1H,d,J=5Hz,4′−OH,D2O
で消失),5.01(1H,brs,ν1/2=8Hz,7−
H),5.34(1H,brs,ν1/2=6Hz,1′−H),
5.47(1H,s,9−OH,D2Oで消失),7.90〜
8.10(2H,m,ArH),8.22〜8.42(2H,m,
ArH). 本発明の前記一般式()で表わされる4−デ
メトキシアドリアマイシンは制癌活性を有する化
合物であり制癌剤として有用である(下記試験例
参照)。
すでに4−デメトキシアドリアマイシンを製造
したとの報告がなされているが(Brit.
Pat.1511680;特公昭57−36919;A.DiMarcoet
al,Cancer Treat.Rep.,62,375(1978))、本発
明者等の追試によると全く製造することはでき
ず、実際には14−ホルミルオキシ−4−デメトキ
シダウノルビシンが得られるにすぎない(比較例
1参照)。
本発明者等は高い制癌活性を有する化合物を見
出すべく検討した結果、本発明の4−デメトキシ
アドリアマイシンが極めてすぐれた制癌活性を有
していることが判り、本発明を完成した。
本発明の式()で表わされる4−デメトキシ
アドリアマイシは以下の反応式に従い製造するこ
とができる。
(式中、R1及びR2はアシル基、R3、R4はアルキ
ル基、アルコキシ基、または水素原子である。) 〔第1工程〕 本工程は前記式()で表わされる14−ブロモ
体アシル化し、前記一般式()で表わされる14
−アシル体を製造するものである。
原料である14−ブロモ体は既知の方法に従い容
易に製造できる化合物である(N.Tanno et al.,
Chem.Pharm.Bull.,31,821(1983))。
本工程のアシル化にあたつてはアシル化剤とし
て、例えば酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、テト
ラブチルアンモニウムアセテート、ギ酸カリウ
ム、ギ酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウム
ホルメート、トリフルオロ酢酸ナトリウム等を使
用することができる。本工程を行なうにあたつて
は溶媒中で行うこのが望ましく、例えばテトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系
溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール形容媒、クロロホルム、
ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒
を単独若しくは混合して使用することができる。
尚、アシル化剤としてアルカリ金属塩を用いる
場合には、テトラブチルアンモニウム=ブロミ
ド、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、ベンジ
ルトリエチルアンモニウム=クロリド等の四級ア
ンモニウム塩、トリブチルオクチルホスホニウム
=ブロミド、トリブチルデシルホスホニウム=ク
ロリド等の四級ホスニウム塩、18−クラウン−
6、ジベンゾ−18−クラウン−6等のクラウンエ
ーテル類を反応促進のための触媒に用いることが
できる。
反応温度は0℃〜100℃で円滑に進行する。
〔第2工程〕 本工程一般式 R7R6R5SiOSO2A……() (式中、R5、R6及びR7はアルキル基であり、A
はアルキル基、アリール基、ボリフルオロアルキ
ル基又は水素原子である。)で表わされるシリル
スルホン酸誘導体の存在下、前記一般式()で
表わされる14−アシル体と前記一般式()で表
わされる糖とを反応させることにより、前記一般
式()で表わされるα−アノマ−グリコシドを
製造するものである。
本工程は前記一般式()で表わされるシリル
スルホン酸誘導体の存在下に行うことが必要であ
る。シリルスルホン酸誘導体としてはトリメチル
シリルトリフルオロメタンスルホネート、トリメ
チルシリルジフルオロメタンスルホネート、トリ
メチルシリルクロロジフルオロメタンスルホネー
ト、トリメチルシリル−1,1,2,2−テトラ
フルオロエタンスルホネート、トリエチルシリル
トリフルオロメタンスルホネート、ジメチルイソ
プロピルシリルトリフルオロメタンスルホネー
ト、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタ
ンスルホネート、トリメチルシリルペルフルオロ
ブタンスルホネート、トリメチルシリルペルフル
オロオクタンスルホネート、トリメチルシリルメ
タンスルホネート、トリメチルシリルエタンスル
ホネート、トリメチルシリルベンゼンスルホネー
ト、トリメチルシリルp−ブロモベンゼンスルホ
ネート、トリメチルシリルp−トルエンスルホネ
ート等を使用することができる。シリルスルホン
酸誘導体の使用量は前記式()で表わされる14
−アシル体に対し0.1〜4当量使用するものであ
る。
本工程を行なうには溶媒中で行うこのが望まし
く、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン系溶媒とTHF、ジオキサン、ジ
エチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル
系溶媒との混合溶媒を使用することができる。
反応は通常−20〜20℃で円滑に進行する。
〔第3工程〕 本工程は前記第2公定で得られる前記一般式
()で表わされるα−アノマ−グリコシドを脱
保護し、前記式()で表ぱされる化合物を製造
するものである。
本工程の脱保護はメタノールまたはTHF、ア
セトン等の溶液中炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等による
希アルカリ性条件下に行なうこのができる。
〔第4工程〕 本工程は前記第3工程で得られる式()で表
わされる化合物を酸の存在下で保護し、前記一般
式()で表われる化合物を製造するものであ
る。試薬としてはオルトギ酸メチル、オルトギ酸
エチル、アセトンジメチルアセタール、ベンズア
ルデヒドジメチルアセタール等が用いられる。本
工程で使用できる酸としてはP−トルエンスルホ
ン酸、カンフアースルホン酸、塩酸等が用いられ
る。本工程は溶媒中で行うので好ましく、THF、
エーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタ
ン(DMB)、メタノール、エタノール、ベンゼ
ン、トルエン等の有機溶媒が単独または混合して
用いらるれる。反応温度は0℃〜100℃で円滑に
進行する。
〔第5工程〕 本工程は第4工程で形成した一般式()で表
わされる化合物をアルカリ性水溶液条件下で処理
しトルフルオロアセチル基を除去したのち、第4
工程で導入したアセタールなどの保護基を除去し
た式()で表わされる4−デメトキシアドリア
マイシンを製造するものである。本工程ではトリ
フルオロアセチル基を除去するために用いらるア
ルカリとしては水酸化ナトリム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等が用いられる。本工程は
溶媒中、または無溶媒中で行ないうるが溶媒を使
用する時は水と混合しうる溶媒、たとえばTHF、
メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジ
メチルホルムアミド(DMF)等を用いることが
できる。反応は0℃〜室温で円滑に進行する。ま
た、第4工程で導入したアセタールなどの保護基
の除去は、メタノール中希塩酸で処理する方法な
どの常法によつて収率よく行われる。
以下、実施例、参考例によつて本発明を詳細に
説明するが本発明はこれらに限定されものではな
い。
参考例 1 (+)−4−デメトキシダウノマイシノン30.0
mg(0.082mmol)を無水THF3mlに溶解し、ピリ
ジニウムハイドロブロミドペルブロミド30.0mg
(0.098mmol)を加え、23℃で2時間撹拌した。
反応液に水酸化テトラブチルアンモニウムメタノ
ール溶液とギ酸から調製したテトラブチルアンモ
ニウムホルメート146mg(0.51mmol)の無水
THF溶液(4ml)を加え10分間撹拌したのち、
反応液を50mlのジクロロメタンで希釈し飽和食塩
水で3回洗つたのち無水硫酸マグネシウムで乾燥
後溶媒を留去した。シリカゲルシヨートカラム
(展開液:酢酸エチル/ベンゼン/=1/4)を
通し31.1mg(92%)の(+)−14−ホルミルオキ
シ−4−デメトキシダウノマイシノンを得た。ク
ロロホルム−メタノール−エーテルで再結晶し分
析サンプルを得た。
mp183〜185℃. 〔α〕20 D+153°(c=0.11,ジオキサン). IR(KBr):1735(C=0),1720(C=0),1625
(キノン),1590cm-1(芳香環).1 H NMR(CDCl3): δ2.14(1H,ddd,J=15,
5,and 2Hz,8−ax−H),2.53(1H,dt,
J=15and2Hz,8−eq−H),3.02(1H,d,
J=19Hz,10−ax−H,3.34(1H,brs,7−
OH),3.38(1H,dd,J=19and2Hz,10−eq
−H),4.69(1H,s,9−OH),5.26(1H,
d,J=18Hz,14−H),5.39(1H,brs,7−
H),5.53(1H,d,J=18Hz,14−H),7.78
〜7.98(2H,m,Ar),8.24(1H,s,C
O),8.30〜8.52(2H,m,Ar),13.30(1H,
s,ArOH),13.63(1H,s,ArOH). 元素分析:C21H16O9−0.75H2Oとして 計算値:C,59.23;H,4.14(%). 分析値:C,59.24;3.87(%). 高分解能マススペクトル:C21H16O9として 計算値:m/e412.0792. 分析値:m/e412.0764. 参考例 2 2,3,6−ドリデオキシ−1,4−ジ−O−
p−ニトロベンゾイル−3−トリフルオロアセト
アミド−α−L−リキソヘキソピラノース133mg
(0.25mmol)、モレキユラーシーブ4A750mgを無
水ジクロロメタン8mlのエーテル6mlの混合溶媒
に懸濁し、−40℃でトリメチルシリルトルフルオ
ロメタンスルホネート0.10mlを加え0℃−3℃で
1時間撹拌後、再び−15℃に冷却した。(+)−14
−ホルミルオキシ−4−デメトキシダウノマイシ
ノン77.9mg(0.189mmol)のTHF溶液25mlを加
え、7時間反応した。反応液を飽和炭酸水素ナト
リウム溶液(150ml)と酢酸エチル(80ml)の混
合液中に注いだのち、有機層を分離し、飽和食塩
水(100ml)で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去し粗製のグリコシド
()(R1=CHO、R2=p−NO2C6H4CO)150ml
(定量的収率)を得た。このものは不安定なため
精製せずに参考例3の脱保護反応に付した。
参考例 3 参考例2で得た()(R1=CHO、R2=p−
NO2C6H4CO)(1150ml、0.189mmol)を氷浴中
THF1mlとメタノール80mlに溶解し、
0.1MNaOH水溶液1.5mlを加えて20分間脱保護基
反応を行つた(反応液はPH8)。酢酸1滴で中和
したのち、飽和食塩水100mlと酢酸エチル100mlを
加え分液抽出し、抽出液を水洗後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残
渣をシリカゲルシヨートカラム(展開液:クロロ
ホルム/アセトン=9/1)でろ過し84.1mg(73
%)の(+)−3′−N−トリフルオロアセチル−
4−デメトキシアドリアマイシン()を得た。
mp143〜148℃ 〔α〕20 D+170°(c=0.11,ジオキサン). IR(KBr):3450(NH,OH),1725(C=O),
1630(キノン),1590cm-1(芳香環).1 H NMR(CDCl3):δ1.32(3H,d,J=7Hz,
6′−H3),1.80〜2.38(4H,m,8−H2+2′−
H2),2.97(1H,t,J=6Hz,14−OH),
3.08(1H,d,J=19Hz,10−ax−H),3.40
(1H,dd,J=19and1Hz,10−eq−H),3.62
〜3.78(1H,m,4′−H),4.10〜4.30(2H,m,
3′−H+5′−H),4.38(1H,s,9−OH),
4.79(2H,d,J=6Hz,14−H2),5.33(1H,
dd,J=4and2Hz,7−H),5.55(1H,d,J
=4Hz,1′−H),6.66(1H,brd,J=10Hz,
NH),7.81〜7.96(2H,m,Ar),8.36〜8.48
(2H,m,Ar),13.34(1H,s,ArOH),
13.65(1H,a,ArOH). 元素分析:C28H26F3NO11−H2Oとして 計算値:C,53.59;H,4.50; N,2.23(%). 分析値:C,53.83;H,4.80; N,2.21(%). 実施例 1 (+)−3′−N−トリフルオロアセチル−4−
デメトキシアドリアマイシン12.0mg
(0.020mmol)を無水THF3mlに溶解し、オルト
ギ酸メチル1mlと触媒量のカンフアースルホン酸
を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に5%炭
酸ナトリウム水溶液50mlを加えたのち、酢酸エチ
ルで抽出(2×50ml)した。抽出液を5%炭酸水
素ナトリウム水溶液(30ml)飽和塩化ナトリウム
水溶液(30ml)、水(30ml)で順次洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で留去す
ると13.5mg(定量的収率)のアセタール生成物が
得られた。これを直ちに次の加水分解反応に付し
た。即ち、13.5mgのアセタール生成物に0.1M水
酸化ナトリウム水溶液3mlを加え、アルゴン雰囲
気下室温で45分間撹拌した。反応液を5MHClで
PH8に調節したのち、クロロホルムで抽出(5×
30ml)した。抽出液は水(2×50ml)で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留
去後、残渣に3mlのメタノールと0.25MHCl水溶
液1mlを加え1晩撹拌した。反応液を真空で蒸発
乾固後、メタノール15mlを加え不溶物を別し
た。得られたメタノール溶液を少量に濃縮し、十
分量のエーテルを加え沈澱を析出させた。沈澱を
集めたのちKOH上で真空乾燥した。
収量4.3mg(40%) mp226〜229℃(dec.) 〔α〕20 D+190°(c0.042,CH3OH). MS(SIMS):m/z514〔MH〕+,384〔アグリコ
ン〕+ IR(KBr):3400(OH,NH),1725(CO),1620
(キノン),1590(芳香環)cm-1.1 H NMR(d6−DMSO): δ1.16(3H,d,J=
6Hz,6′−H3),1.70〜2.00(2H,m,2′−H2
2.00〜2.30(2H,m,8−H2),3.02(2H,s,
10−H2),3.40〜3.68(2H,m,3′−H+4′−
H),4.21(1H,q,J=6Hz,5′−H),4.60
(2H,brd,J=5Hz,14−H2,D2Oでbrd→
sに変化),4.82(1H,d,J=5Hz,4′−
OH,D2Oで消失),5.01(1H,brs,ν1/2=8
Hz,7−H),5.34(1H,brs,ν1/2=6Hz,
1′−H),5.47(1H,s,9−OH,D2Oで消
失),7.90〜8.10(2H,m,Ar),8.22〜8.42
(2H,m,Ar).(第1図参照) 尚、比較のためにアドリアマイシン塩酸塩の
NMRスペクトルを第2図に示した。
元素分析値:C26H28ClNO10・1.75H2Oとして 計算値:C,53.70;H,5.46;N,2.41%. 分析値:C,53.32;H,5.03:N,2.35%. 実施例 2 (+)−3′−N−トリフルオロアセチル−4
−デメトキシアドリマイシン3.6mg
(0.0060mmol)を水THF1.5mlに溶解し、オル
トギ酸エチル0.4mlと触媒量のカンフアースル
ホン酸を加え室温で30分間撹拌した。実施例1
と同様に処理し生成物を得たのち、THF0.3ml
と0.1MNaOH1mlを加え室温で30分間撹拌し
た。反応後、1MHClでPH3にしたのち1時間
撹拌し、再び1MNaOHでPH8にもどしクロロ
ホルム(5×20ml)で抽出した。抽出液は水30
mlで洗つたのち無水硫酸ナトリムで乾燥後溶媒
を留去した。残渣を少量のメタノールクロロホ
ルム(1/9)に溶解したのち0.25MHClメタ
ノール溶液を数滴加えるとオレンジ色の沈澱が
析出した。十分量のエーテルで希釈したのち
(+)−4−デメトキシアドリアマイシン塩酸塩
0.7mg(22%)mp226〜228℃(dec)を得た。
このもののNMRスペストルは実施例1で得た
スペクトルに一致した。
実施例 3 (+)−3′−N−トリフルオロアセチル−4
−デメトキシアドリアマイシン25.8mg
(0.043mmol)、アセトンジメチルアセタール2
ml、カンフアースルホン酸1.5mgの混合物を60
℃で2.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素
ナトリウム30mlと酢酸エチル30mlを加え分液抽
出した。抽出液を飽和食塩水で洗つたのち、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し
27.8mg(定量的収率)のアセタール生成物を得
た。このものをTHF1mlと0.1MNaOH5mlに溶
解し、室温で30分間反応した。5MHClでPH8
に調整したのち、以下実施例1と同様に処理
し、7.9ml(33%)の(+)−4−デメトキシア
ドリアマイシン塩酸塩mp222〜227°(dec)を得
た。このもののNMRスペクトルは実施例1で
得たスペクトルと一致した。
比較例 1 (+)−4−デメトキシダウノルビシン塩酸
塩20.0mg(0.037mmol)無水メタノール0.3ml、
無水ジオキサン0.75ml、オルトギ酸エチル0.02
mlの混合物に臭素のジクロロメタン溶液(1.22
gBr2/10mlCH2Cl2)0.05mlと0.25MHClメタ
ノール溶液0.1mlを10℃加え、室温で1時間撹
拌した。反応液にヘキサン2mlとエーテル4ml
を加え沈澱を析出させたのち、上澄み液を取り
除き減圧乾燥した。得られたオレンジ色の粉末
固体に無水ジオキサン3mlと0.25M HBr水溶
液3mlを加え、22時間撹拌したのち、ギ酸ナト
リウム220mgを水2.2mlに溶解した液を加え、室
温で24時間撹拌した。反応液に5%NaHCO3
水溶液50mlを加え、メタノール/クロロホルム
=1/2溶液50ml、次いでクロロホルム30mlで
4回抽出を行い、得られた有機層を合わせて水
50mlで洗つたのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去し残つた残渣にメータノー
ル/クロロホルム=1/92mlを加え溶かしたの
ち、0.25M HClメタノール溶液数滴で酸性に
するとオレンジ色の沈澱が析出した。無水エー
テル15mlを加えたのち、沈澱を集めると6.0mg
(30%)のオレンジ色の結晶が得られた。
mp186〜189℃(dec) 〔α〕20 D+185°(c0.040,CH3OH) MS(SIMS):m/z542〔MH〕+(m/z514にピ
ークは全く認められなかつた。) IR(KBr):3400,1725,1620,1590cm-1.1 H NMR(d6−DMSO):δ1.18(3H,d,J=6
Hz,6′−H3),1.69〜2.00(2H,m,2′−H2
2.02〜2.32(2H,m,8−H2),2.92(1H,d,
J=19Hz,10−ax−H),3.20(1H,d,J=
19Hz,10−eq−H),3.44〜3.69(2H,m,3′−
H+4′−H),4.10〜4.40(1H,m,5′−H),
5.01(1H,brs,ν1/2=8Hz,5.34(3H,brs,
14−H2+1′−H),5.46(1H,d,J=6Hz,
4′−OH,D2Oで消失),5.74(1H,s,9−
OH,D2Oで消失),7.88(3H,br,s,NH+ 3
D2Oで消失),7.96〜8.12(2H,m,Ar),8.24
〜8.46(2H,m,Ar),8.40(1H,s,C
O),13.36(1H,brs,ArOH,D2Oで消失),
13.56(1H,brs,ArOH,D2Oで消失).(第3
図参照) 試験例 実施例1〜3で得られた4−デメトキシアドリ
アマイシンは、マウスのリンパ性白血病細胞
(p388)を用いた細胞増殖試験の結果、優れた制
ガン剤として公知のアドリアマイシンに比較し
て、50%成長抑制率において10〜20倍の活性を示
した。即ち、マウスのリンパ性白血病細胞
(p388)を10%仔牛胎児血清含有のRPMI−1640
培養液に加え、培養細胞数を5×104個/mlに調
整し(+)−4−デメトキシアドリアマイシン塩
酸塩の2mMメタノール溶液を培養液で順次希釈
した液を加え、37℃で2日間培養した。測定はコ
ールターカウンター(Coulter Counter)を用い
浮遊細胞数を測り第4図の結果を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた(+)−4−デメ
トキシアドリアマイシン・塩酸塩のd6−DMSO
中での1HNMR(100MHzFT)スペクトルである。
第2図は市販品(SIGMA社)(+)−アドリアマ
イシン塩酸塩のd6−DMSO中での1HNMR(100M
HzFT)スペクトルである。第3図は比較例で得
た(+)−14−ホルミルオキシ−4−デメトキシ
ダウノルビシン塩酸塩を主成分とするd6
DMSO中での1HNMR(100MHzFT)スペクトル
である。第4図は4−デメトキシアドリアマイシ
ンとアドリアマイシンを用いたマウスのリンパ性
白血病細胞(p388)の細胞増殖試験結果である。
たて軸がp388の成長抑制率(%)であり、横軸
が濃度(mM)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で表わされる4−デメトキシアドリアマイシン。 2 塩酸塩の融点が220℃〜230℃の分解の範囲を
    有する特許請求の範囲第1項に記載の化合物。 3 塩酸塩が〔α〕20 D+190°(CH3OH)を有する
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載の化合物。 4 塩酸塩が以下に示すスペクトルを有する特許
    請求の範囲第1項、第2項又は第3項に記載の化
    合物。 質量分析スペクトル(SIMS);m/z514〔MH〕+
    384〔アグリコン〕+. 赤外吸収スペクトル(KBr);3400(OH,NH)、
    1752(CO)、1620(キノン)、1590(芳香環)cm
    -1.1 H−核磁気共鳴スペクトル(d6−ジメチルスル
    ホキシド);δ=1.16(3H,d,J=6Hz,d,
    6′−H3),1.70−2.00(2H,m,2′−H2),2.00
    −2.30(2H,m,8−H2),3.02(2H,s,10
    −H2),3.40−3.68(2H,m,3′−H+4′−H),
    4.21(1H,q,J=6Hz,5′−H),4.60(2H,
    brd,J=5Hz,14−H2,D2Oでbrd→sに変
    化),4.82(1H,d,J=5Hz,4′−OH,D2O
    で消失),5.01(1H,brs,ν1/2=8Hz,7−
    H),5.34(1H,brs,ν1/2=6Hz,1′−H),
    5.47(1H,s,9−OH,D2Oで消失),7.90〜
    8.10(2H,m,ArH),8.22〜8.42(2H,m,
    ArH).
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