JP2000186098A - A−76202及びその類縁化合物の製造方法 - Google Patents

A−76202及びその類縁化合物の製造方法

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JP2000186098A
JP2000186098A JP10364338A JP36433898A JP2000186098A JP 2000186098 A JP2000186098 A JP 2000186098A JP 10364338 A JP10364338 A JP 10364338A JP 36433898 A JP36433898 A JP 36433898A JP 2000186098 A JP2000186098 A JP 2000186098A
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JP10364338A
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English (en)
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Masao Shiosaki
正生 汐崎
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたα−グルコシダーゼ阻害活性を有し、抗
肥満剤、抗糖尿病剤、抗腫瘍剤又は抗エイズ剤の有用な
A−76202及びその類縁化合物の新規な製造方法を
見出すことを目的する。 【解決手段】 【化1】 工程表中、R1、R2、R3、R4及びR5は、同一又は異
なって、水酸基の保護基を示し、R1a、R2a、R3a、R
4a及びR5aは、同一又は異なって、水素原子又は水酸基
の保護基を示し、Mは、一価の金属陽イオンを示し、X
は、ハロゲン原子を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−グルコシダー
ゼ阻害活性を有し、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗腫瘍剤又
は抗エイズ剤として有用なA−76202及びその類縁
化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然物であるA−76202は、ロドコ
ッカス(Rhodococcus)属に属する微生物の培養液から単
離された化学式
【0003】
【化4】
【0004】で示されるイソフラボンをアグリコンとす
るグリコシレートであり、該化合物は、特開平8−13
4091号に開示されている。該化合物は、α−グルコ
シダーゼ阻害活性を有し、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗腫
瘍剤又は抗エイズ剤として有用とされているため、その
類縁化合物も、該化合物と同等又はそれ以上のα−グル
コシダーゼ阻害活性を示し、これら薬剤として有用であ
ると期待される。
【0005】しかしながら、A−76202は天然物で
あるため、実用に供する程の量を得ることが困難であ
り、又、その類縁化合物についても同様であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】α−グルコシダーゼ阻
害活性を有し、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗腫瘍剤又は抗
エイズ剤として有用なA−76202及び類縁化合物の
新規な製造方法を見い出すことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意努力した結果、下記一般式(I
I)で表される化合物と下記一般式(III)で表され
る化合物とを、反応することを特徴とする、A−762
02及び類縁化合物の新規な製造方法を見い出し、本発
明を完成した。
【0008】本発明の製造方法は、一般式(II)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1及びR2は、同一又は異なっ
て、水酸基の保護基を示し、Mは、一価の金属陽イオン
を示す。)で表される化合物と、一般式(III)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R3、R4及びR5は、同一又は異
なって、水酸基の保護基を示し、Xは、ハロゲン原子を
示す。)で表される化合物とを反応し、次いで、所望に
より、脱保護することを特徴とする一般式(I)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5a
は、同一又は異なって、水素原子又は水酸基の保護基を
示す。)で表される化合物の製造方法である。
【0015】R1、R2、R3、R4及びR5の定義におけ
る「水酸基の保護基」並びにR1a、R2a、R3a、R4a
びR5aが「水酸基の保護基」を示す場合のその「水酸基
の保護基」としては、一般的に、当技術分野で使用され
るものであれば、特に問題がないが、例えば、C1−C6
の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基、置換基を有していて
もよいC7−C11のアラルキル基、シリル基、C3−C6
のアルケニル基、C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアルカ
ノイル基、置換基を有していてもよいC7−C11のアリ
ールカルボニル基、C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアル
コキシメチル基、置換基を有していてもよいC8−C12
のアラルキルオキシメチル基、C2−C7の直鎖又は分枝
鎖状のアルコキシカルボニル基、置換基を有していても
よいC8−C12のアラルキルオキシカルボニル基、置換
基を有していてもよいC7−C11のアリールオキシカル
ボニル基等があげられる。
【0016】上記「C1−C6の直鎖又は分枝鎖状のアル
キル基」としては、例えば、メチル、エチル、イソプロ
ピル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert-ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、ヘキシ
ル、イソヘキシル基のようなアルキル基があげられ、好
適には、C1−C4のものであり、さらに好適には、メチ
ル基である。
【0017】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11アラルキル基」の「C7−C11アラルキル基」として
は、例えば、ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフ
チルメチルのようなアラルキル基があげられ、好適に
は、ベンジル基である。
【0018】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11アラルキル基」の「置換基」としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプ
ロピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メ
チルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメ
チルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチ
ルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチル
ブチル又は2−エチルブチルのような炭素数1乃至6個
のアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、
tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、2−メ
チルブトキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、4−
メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチル
ペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメ
チルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジ
メチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ又は2,3
−ジメチルブトキシのような炭素数1乃至6個のアルコ
キシ基;、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子
のようなハロゲン原子があげられ、好適には、メチル、
エチル、メトキシ、エトキシ、弗素原子又は塩素原子で
ある。
【0019】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11アラルキル基」全体としては、好適には、ベンジル基
である。
【0020】上記「シリル基」としては、例えば、トリ
メチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリ
ル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、ジメ
チルtert−ブチルシリル基のようなトリC1−C4アルキ
ルシリル基;メチルジフェニルシリル基、t−ブチルジ
フェニルシリル基のようなC1−C4アルキルジC6−C1
0アリールシリル基;トリベンジルシリル基のようなト
リC11−C16アラルキルシリル基;トリフェニルシリル
基のようなトリアリールシリル基等があげられ、好適に
は、トリC1−C4アルキルシリル基であり、特に好適に
は、ジメチルtert−ブチルシリル基である。
【0021】上記「C3−C6アルケニル基」としては、
例えば、1−プロペニル基、2−プロぺニル(アリ
ル)、2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル
基のようなC3−C6アルケニル基があげられ、好適に
は、C3−C4アルケニル基であり、特に好適には、2−
プロペニル基(アリル基)である。
【0022】上記「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアル
カノイル基」としては、例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、ペンタノイル基のようなC2−C6の直鎖
又は分枝鎖状のアルカノイル基をあげられ、好適には、
2−C4アルカノイル基であり、特に好適には、アセチ
ル基である。
【0023】上記「置換基を有していてよいC7−C11
のアリールカルボニル基」の「C7−C11のアリールカ
ルボニル基」としては、例えば、フェニルカルボニル、
α−ナフチルカルボニル、β−ナフチルカルボニル基等
があげられ、好適には、フェニルカルボニル基である。
上記「置換基を有していてもよいC7−C11のアリール
カルボニル基」の「置換基」としては、前述の「置換基
を有していてよいC7−C11のアラルキル基」の「置換
基」としてあげられたものと同様のものがあげられ、好
適には、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、弗素原
子又は塩素原子である。
【0024】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11のアリールカルボニル基」全体としては、好適には、
ベンゾイル、4−メトキシベンゾイルのような置換又は
無置換ベンゾイル基であり、さらに好適には、無置換の
ベンゾイル基である。
【0025】上記「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアル
コキシメチル基」は、例えば、メトキシメチル、エトキ
シメチルのようなC2−C7アルコキシメチル基をあげら
れ、好適にはC1−C2アルコキシメチル基であり、さら
に好適には、メトキシメチル基である。
【0026】上記「置換基を有していてもよいC8−C
12のアラルキルオキシメチル基」の「C8−C12のアラ
ルキルオキシメチル基」としては、例えば、ベンジルオ
キシメチル、α−ナフチルメチルオキシメチル、β−ナ
フチルメチルオキシメチルのようなアラルキルオキシメ
チル基があげられ、好適には、ベンジルオキシメチルで
ある。上記「置換基を有していてもよいC8−C12のア
ラルキルオキシメチル基」の「置換基」としては、前述
の「置換基を有していてもよいC7−C11のアラルキル
基」の「置換基」としてあげられたものと同様のものが
あげられ、好適には、メチル、エチル、メトキシ、エト
キシ、弗素原子又は塩素原子である。
【0027】上記「置換基を有していてもよいC8−C
12のアラルキルオキシメチル基」全体としては、好適に
は、ベンジルオキシメチル基である。
【0028】上記「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアル
コキシカルボニル基」は、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、
ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
基のようなC2−C7アルコキシカルボニル基をあげら
れ、好適には、C2−C5アルコキシカルボニル基であ
り、さらに好適には、tert−ブトキシカルボニル基であ
る。
【0029】上記「置換基を有していてもよいC8−C
12のアラルキルオキシカルボニル基」の「C8−C12
アラルキルオキシカルボニル基」としては、ベンジルオ
キシカルボニル、α−ナフチルメチルオキシカルボニ
ル、β−ナフチルメチルオキシカルボニルのようなアラ
ルキルオキシカルボニル基があげられ、好適には、ベン
ジルオキシカルボニル基である。上記「置換基を有して
いてもよいC8−C12のアラルキルオキシカルボニル
基」の「置換基」としては、前述の「置換基を有してい
てもよいC7−C11のアラルキル基」の「置換基」とし
てあげられたものと同様のものがあげられ、好適には、
メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、弗素原子又は塩
素原子である。
【0030】上記「置換基を有していてもよいC8−C
12のアラルキルオキシカルボニル基」全体としては、例
えば、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベン
ジルオキシカルボニル基、p−エトキシベンジルオキシ
カルボニル基のような置換基を有してもよいC8−C12
アラルキルオキシカルボニル基をあげられ、好適には、
ベンジルオキシカルボニル基である。
【0031】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11のアリ−ルオキシカルボニル基」の「C7−C11のア
リ−ルオキシカルボニル基」としては、例えば、フェニ
ルオキシカルボニル、α−ナフチルオキシカルボニル、
β−ナフチルオキシカルボニルのようなアリールオキシ
カルボニル基があげられ、好適には、フェニルオキシカ
ルボニル基である。上記「置換基を有していてもよいC
7−C11のアリ−ルオキシカルボニル基」の「置換基」
としては、前述の「置換基を有していてよいC7−C11
のアラルキル基」の「置換基」としてあげられたものと
同様のものがあげられ、好適には、メチル、エチル、メ
トキシ、エトキシ、弗素原子又は塩素原子である。
【0032】上記「置換基を有していてもよいC7−C
11のアリ−ルオキシカルボニル基」全体としては、好適
には、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカ
ルボニル基のようなC7−C11アリ−ルオキシカルボニ
ル基があげられ、好適には、フェニルオキシカルボニル
基である
【0033】上記「保護基」のうち、R1及びR2並びに
1a及びR2aおける、好適な水酸基の保護基は、C2
6アルカノイル基又はC3−C6アルケニル基であり、
さらに好適には、C3−C4アルケニル基であり、特に好
適には、アリル基である。
【0034】また、R3、R4及びR5並びにR3a、R4a
及びR5aにおける、好適な水酸基の保護基は、置換基を
有してもよいC7アリールカルボニル基、C3−C4アル
ケニル基又はトリC1−C4アルキルシリル基であり、さ
らに好適には、置換基を有してもよいC7アリールカル
ボニル基であり、特に好適には、ベンゾイル基である。
【0035】Mは、フェノキシ基の反応性を高めるもの
一価の金属陽イオンであれば、特に制限はないが、好適
には、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイ
オンまたは銀イオンであり、さらに好適には、リチウム
イオンである。
【0036】Xは、好適には、臭素原子である。
【0037】本発明の製造方法であって、好適なもの
は、(2)一般式(II)で表される化合物のR1及び
2が、アリル基であり、一般式(III)で表される
化合物のR3、R4及びR5が、置換基を有していてもよ
いベンゾイル基、C3−C4アルケニル基又はトリC1
4アルキルシリル基である、一般式(I)で表される
化合物の製造方法、(3)一般式(II)で表される化
合物のR1及びR2が、アリル基であり、一般式(II
I)で表される化合物のR3、R4及びR5が、置換基を
有していてもよいベンゾイル基である、一般式(I)で
表される化合物の製造方法、(4)一般式(II)で表
される化合物のR1及びR2が、アリル基であり、一般式
(III)で表される化合物のR3、R4及びR5が、ベ
ンゾイル基である、一般式(I)で表される化合物の製
造方法、(5)一般式(II)で表される化合物のM
が、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン又は銀イオンである、一般式(I)で表される化合物
の製造方法、(6)一般式(II)で表される化合物の
Mが、リチウムイオンである、一般式(I)で表される
化合物の製造方法、(7)一般式(III)で表される
化合物のXが、臭素原子である、一般式(I)で表され
る化合物の製造方法。
【0038】本発明の製造方法により製造されるA−7
6202及び類縁化合物としては、以下の表1に示した
ものがあげられるが、本発明の製造方法により製造され
るものは、これらに限定されない。
【0039】
【化8】
【0040】
【表1】
【0041】 ----------------------------------------------------------- 化合物 立体配位(αorβ) 番号 1位 2位 3位 4位 ----------------------------------------------------------- 1-1 α α α α 1-2 α α α β 1-3 α α β α 1-4 α α β β 1-5 α β α α 1-6 α β α β 1-7 α β β α 1-8 α β β β 1-9 β α α α 1-10 β α α β 1-11 β α β α 1-12 β α β β 1-13 β β α α 1-14 β β α β 1-15 β β β α 1-16 β β β β -----------------------------------------------------------
【0042】上記表中、好適なものとしては、1−2、
1−6及び1−10のものがあげられる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明のA−76202及びその
類縁化合物の新規な製造方法について、さらに詳細に説
明する。
【0044】本発明の製造方法は、一般式(II)
【0045】
【化9】
【0046】(式中、R1及びR2は、同一又は異なっ
て、水酸基の保護基を示し、Mは、一価の金属陽イオン
を示す。)で表される化合物と、一般式(III)
【0047】
【化10】
【0048】(式中、R3、R4及びR5は、同一又は異
なって、水酸基の保護基を示し、Xは、ハロゲン原子を
示す。)で表される化合物とを反応し、次いで、所望に
より、脱保護することを特徴とする一般式(I)
【0049】
【化11】
【0050】(式中、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5a
は、同一又は異なって、水素原子又は水酸基の保護基を
示す。)で表される化合物の製造方法である。
【0051】本発明の製造方法は、以下の二工程からな
る。すなわち、(1)後述の方法で得られる化合物(I
I)と公知又は後述する方法により得られる化合物(I
II)とを反応する工程(第1工程)、(2)(1)で
得られる化合物の保護基を脱保護する工程(第2工程)
である。なお、第2工程は、所望に応じて、行なわれ
る。
【0052】以下、各工程につき、詳述する。 (第1工程)後述の方法により得られる化合物(II)
を含む溶液へ、化合物(III)を加えて、反応するこ
とにより行うことができる。反応温度は、0℃乃至60
℃であり、好適には、20乃至40℃である。反応時間
は、10分乃至24時間であり、好適には、1乃至3時
間である。反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮し、
水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水
洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグ
ネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば再結晶、
またはシリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって
更に精製できる。
【0053】(第2工程)脱保護の方法 本工程は、不活性溶剤中、第1工程で得られる化合物の
保護基を脱保護して、化合物(I)を製造する工程であ
る。保護基の除去は、保護基の種類によって異なるが、
他の副反応を生じない方法であれば、特に限定はなく、
例えば、”Protective Groups in Organic Synthesis”
(Theodora W. Greene 著、 1981年、A Wiley-Intersci
ence Publication発行)に記載の方法によって、行うこ
とができる。保護基の除去はその種類によって異なる
が、例えば、一般にこの分野の技術において周知の方法
によって以下の様に実施される。 「C1−C6の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基」の場合
は、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム、又は、トリメ
チルシリルイオダイドのようなアルキルシリルハライド
類を用いて除去する。 「置換基を有していてもよいC7−C11のアラルキル
基」及び「置換基を有していてもよいC8−C12のアラ
ルキルオキシメチル基」の場合は、通常、溶媒中、還元
剤と接触させることにより除去する。 「シリル基」の場合には、通常、弗化テトラブチルア
ンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化
カリウムのような弗素アニオンを生成する化合物で処理
するか、又は、酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸のような有機酸又は塩酸のような無機酸で処理
することにより除去する。 「C3−C6のアルケニル基」の場合には、パラジウ
ム、及びトリフェニルホスフィン、又はビス(メチルジ
フェニルホスフィン)(1,5−シクロオクタジエン)
イリジウム(I)・ヘキサフルオロホスフェ−トを使用
して除去する。 「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアルカノイル基」、
「置換基を有していてもよいC7−C11のアリールカル
ボニル基」、「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアルコキ
シカルボニル基」、「置換基を有していてもよいC8
12のアラルキルオキシカルボニル基」及び「置換基を
有していてもよいC7−C11のアリールオキシカルボニ
ル基」の場合には、溶媒中、ナトリウムメトキシドのよ
うな金属アルコキシド類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
バリウムのようなアルカリ金属水酸化物又はアンモニア
水、濃アンモニア−メタノ−ルのようなアンモニア類で
処理することにより除去する。 「C2−C7の直鎖又は分枝鎖状のアルコキシメチル
基」の場合には、通常、溶媒中、通常、塩化水素;塩
酸、硫酸、硝酸のような無機酸;又は酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸の
ような有機酸等のブレンステッド酸:三弗化ホウ素のよ
うなルイス酸を使用して除去する。
【0054】特に、保護基が、(1)C2−C6アルカノ
イル基又は置換基を有してもよいベンゾイル基、(2)
3−C6アルケニル基、(3)トリC1−C4アルキルシ
リル基の場合には、以下の方法により行うことができ
る。
【0055】(1)C2−C6アルカノイル基又は置換基
を有してもよいベンゾイル基の場合は、通常、不活性溶
剤中、塩基を反応して行う。使用される溶剤は、水と混
合しやすく、反応を阻害せず、出発物質をある程度以上
溶解するものであれば、特に限定はなく、例えば含水の
または無水の、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミドのようなアミド類;メチレンクロリド、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン又は四塩化炭素ようなハ
ロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、ジオキサンのようなエーテル類が挙げられ、好
適には、エーテル類であり、更に好適には、テトラヒド
ロフランである。使用される塩基としては、水酸化リチ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのようなアル
カリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのよ
うなアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドを
あげることができる。反応温度は、0℃乃至60℃であ
り、好適には、20乃至40℃である。反応時間は、1
0分乃至24時間であり、好適には、1乃至3時間であ
る。反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮し、水と酢
酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、
目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウ
ム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。 得ら
れた化合物は必要ならば常法、例えば、再結晶またはシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製
できる。
【0056】(2)保護基がC3−C6アルケニル基の場
合は、不活性溶剤中、金属錯体を用いて行う。使用され
る溶剤は、反応を阻害せず、出発物質をある程度以上溶
解するものであれば特に限定はなく、例えば、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド
類;メチレンクロリド、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン又は四塩化炭素ようなハロゲン化炭化水素類;
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンの
ようなエーテル類が挙げられ、好適には、エーテル類で
あり、更に好適には、テトラヒドロフランである。使用
される金属錯体は、例えば、塩化ロジウム、塩化パラジ
ウム、塩化テトラキス(トリフエニルリン)ロジウム、
イリジウム錯体、例えば、ビス メチルジフェニルホス
フィンシクロオクタジエンイリジウム(I)ヘキサフル
オロフォスフェートのような金属錯体があげられ、好適
には、塩化ロジウム及びイリジウム錯体である。反応温
度は、0℃乃至60℃であり、好適には、20乃至40
℃である。反応時間は、10分乃至24時間であり、好
適には、1乃至3時間である。反応終了後、例えば、反
応混合物を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない
有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分
離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去す
ることで得られる。 得られた化合物は必要ならば常
法、例えば、再結晶またはシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー等によって更に精製できる。
【0057】(3)保護基が、トリC1−C4アルキルシ
リル基の場合は、通常、弗化テトラブチルアンモニウ
ム、弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化カリウム
のような弗素アニオンを生成する化合物で処理するか、
又は、酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸
のような有機酸又は塩酸のような無機酸で処理すること
により除去できる。尚、弗素アニオンにより除去する場
合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加え
ることによって、反応が促進することがある。使用され
る溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度
溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ジ
エチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセ
トニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;
水;酢酸のような有機酸及びこれらの混合溶媒を挙げる
ことができる。反応温度は、0℃乃至100℃であり、
好適には、20乃至70℃である。反応時間は、5分乃
至48時間であり、好適には、1乃至24時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物を濃縮し、水と酢酸エ
チルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的
化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等
で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。 得られた
化合物は必要ならば常法、例えば、再結晶またはシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製でき
る。
【0058】本発明の製造方法における原料化合物であ
る化合物(II)は、以下の方法により製造することが
できる。すなわち、公知のイソフラボン(IV)の3位
に結合したフェニル基の4’位及び該イソフラボン(I
V)の8位の水酸基を選択的に保護することにより製造
される化合物の7位を一価の金属塩とすることにより製
造することができる。
【0059】さらに、詳細には、(1)不活性溶剤中、
化合物(IV)に塩基の存在下、水酸基の保護化試薬を
反応することにより製造される化合物に、(2)不活性
溶剤中、金属塩を形成するような試薬を反応することに
より行なわれる。(1)で使用される溶剤は、反応を阻
害せず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば
特に限定はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドのようなアミド類;メチレンクロリ
ド、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン又は四塩化
炭素ようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジオキサンのようなエーテル
類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのよう
なアルコール類が挙げられ、好適には、アルコール類で
あり、更に好適には、メタノールである。
【0060】(1)で使用される水酸基の保護化剤は、
脱保護処理を行うことにより、収率よく水酸基が回復で
きる保護基を精製する保護化剤であればよく、例えば、
メチルヨーダイド、エチルヨーダイド、プロピルブロミ
ド、ジメチル硫酸、ジアゾメタンのようなアルキル化
剤;トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロ
リド、トリイソプロピルシリルクロリド、トリブチルシ
リルクロリドのようなトリ(C1−C4アルキル)シリ
ルハライド又はジメチルフェニルシリルクロリド、ジte
rt−ブチルフェニルシリルクロリドのようなシリル化
剤;プロペニルブロミド、アリルブロミドのようなアル
ケニル化剤;アセチルクロリド、プロピオニルクロリ
ド、ヘキシルクロリド、無水酢酸のようなアルカノイル
化剤;ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、ナフ
トイルクロリド又は無水安息香酸のようなアリールカル
ボニル化剤;メトキシカルボニルクロリド、tert−ブト
キシカルボニルクロリド(BOC)、二炭酸ジtert−ブチ
ル、3,3,3−トリクロロエトキシカルボニルクロリ
ドのようなアルコキシカルボニル化剤;ベンジルオキシ
カルボニルクロリド、二炭酸ジベンジルのようなアラル
キルオキシカルボニル化剤;フェニルオキシカルボニル
クロリド又はナフトキシカルボニルクロリドのようなア
リールオキシカルボニル化剤があげられる。上記保護化
剤のうち、イソフラボンの水酸基の保護化剤としては、
好適には、アルケニル化剤、アルカノイル化剤又はアリ
ールカルボニル化剤であり、さらに好適には、アルケニ
ル化剤であり、特に好適には、アリルブロミドである。
【0061】(1)で使用される塩基は、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムのよう
なアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなア
ルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン
−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデク−7−エンのような3級アミン類;ジメチルアミ
ノピリジン、ピリジンのようなピリジン類;イミダゾー
ルのようなアゾール類があげられ、好適には、3級アミ
ン類であり、更に好適には、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデク−7−エンである。(1)にお
ける反応温度は、0℃乃至使用される溶媒の沸点であ
り、好適には、20乃至40℃である。
【0062】(1)における反応時間は、10分乃至2
4時間であり、好適には、1乃至3時間である。
【0063】(1)の反応終了後、例えば、反応混合物
を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒
を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無
水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで
得られる。(1)で得られた化合物は、必要ならば、常
法、例えば再結晶、またはシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー等によって更に精製できる。
【0064】(2)で使用される溶剤は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば特に
限定はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドのようなアミド類;メチレンクロリド、ク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタン又は四塩化炭素よ
うなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテル、ジオキサンのようなエーテル類が挙げら
れ、好適には、エーテル類であり、更に好適には、テト
ラヒドロフランである。(2)で使用される試薬は、イ
ソフラボンの水酸基が金属塩を形成するようなものであ
り、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシ
ドのようなアルカリ金属アルコキシド;炭酸銀(I)、
塩素酸銀(I)、過塩素酸銀(I)、硝酸銀(I)、四
フッ化ホウ素酸銀(I)、p−トルエンスルホン酸銀
(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)のよう
な銀塩;リチウムヒドリド;メチルリチウム、エチルリ
チウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムのよ
うなC1−C4アルキルリチウム;フェニルリチウムのよ
うなアリールリチウム;ヘキサメチルリチウムジシラザ
ンのようなシリル化リチウムがあげられ、好適には、C
1−C4のアルキルリチウム類であり、更に好適には、n
−ブチルリチウムである。(1)における反応温度は、
−20乃至50℃であり、好適には、10乃至30℃で
ある。(1)における反応時間は、1乃至30分間であ
り、好適には、5乃至10分間である。得られたリチウ
ム塩である化合物(II)は、生成した反応液のまま、
使用する。
【0065】本発明の製造方法における原料化合物であ
る、種々の立体配位を有する化合物(III)は、市販
又は公知の方法(文献名: J. Am. Chem. Soc., 80, 20
07-2010(1958), R. K. Ness and H.G. Fleteher,Jr.)
若しくはその方法に準じた方法により製造することがで
きる。
【0066】次に、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0067】
【実施例】(実施例1)7−(α−D−アラビノフラノ
シルオキシ)−4’,8−ジヒドロキシイソフラボン (a)4’,8−ジアリルオキシ−7−ヒドロキシイソ
フラボン 4’,7,8−トリヒドロキシイソフラボン (2, 270 m
g, 1.00 mmol) のメタノ−ル(2 ml)溶液に1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(530 mg,
3.48 mmol) 及びアリルブロミド(223 mg, 1.82 mmol)
を加え、16時間、室温で攪拌した。その後、反応液
に、1M-塩酸を加え、酸性(pH=1)とした後、さ
らに酢酸エチルを加え、得られた溶液を、水及び生理食
塩水を用いて、分液、洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、シクロヘキサ
ン:酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物 (144
mg, 41%) をワックスとして、得た。1 H-NMR 270 MHz(CDCl3) δ ppm : 4.58 (2H, dm, J=5.
3 Hz), 4.74 (2H, d, J=6.1 Hz), 5.28-5.46 (4H, m),
6.01-6.19 (2H, m), 6.27 (1H, bs, OH), 6.99(2H, d,
J=8.9 Hz), 7.05 (1H, d, J=9.1 Hz), 7.49 (2H, d, J=
8.9 Hz), 7.97(1H, s), 7.98 (1H, d, J=9.1 Hz) FAB MS (positive) m/z: 351 [M+H]+ High Resolution FAB MS: Calcd. 351.1232 (C21H19O5)
Found 351.1209.
【0068】(b)7−(2,3,5−トリ−O−ベンゾ
イル−α−D−アラビノフラノシルオキシ)−4’,8
−ジアリルオキシイソフラボン (a)で得られた化合物(480mg, 1.37 mmol) をテ
トラヒドロフラン(20ml)に溶解し、そこへ、n−ブチ
ルリチウムのn−ヘキサン溶液(100ml、1.53M)を室
温で加え、5分間攪拌した。その後、この反応液に、
2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−α−D−アラビフラ
ノシルブロマイド(864 mg, 1.64 mmol, 1.2 equivalen
ts)の テトラヒドロフラン溶液(10 ml)を加え、1.
5時間、室温で攪拌した。その後、この反応液を、更
に、6時間加熱還流した。その後、酢酸エチルを加え、
得られた溶液を、希釈重炭酸ナトリウム水及び生理食塩
水を用いて、分液、洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、シクロヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1)で精製し、標記化合物(285 m
g, 26%)を粉末として、得た。 IR νmax(KBr) 1726, 1646, 1604, 1568 cm-1 1H-NMR 400 MHz(CDCl3) δ ppm : 4.58 (2H, d, J=5.4
Hz), 4.70-4.87 (5H,m), 5.18 (1H, d, J=10.3 Hz), 5.
29-5.46 (3H, m), 5;.73 (1H, d), 5.90 (1H,s), 6.04-
6.12 (2H, m), 6.13 (1H, s), 6.99 (2H, d, J=8.5 H
z), 7.26-7.65(12H, m), 8.01-8.16 (8H, m) FAB MS (positive) m/z: 795 [M+H]+ High Resolution FAB MS: Calcd. 795.2441 for C47H39
O12;Found, 795.2444
【0069】(c)7−(2,3,5−トリ−O-ベンゾ
イル−α−D−アラビノフラノシルオキシ)−4’,8
−ジヒドロキシイソフラボン (1,5-シクロオクタジエン)ビス(メチルジフェニルホ
スフィン)イリジウム(I)ヘキサフルオロホスフェート
(10 mg, 0.01 mmol)及び(c)で得られた化合物(40 m
g, 0.05 mmol)を、テトラヒドロフラン(4 ml)に溶解
し、反応容器内を、まず、窒素ガスで置換し、次いで、
反応液中のイリジウム錯体が赤色が無色に変化するま
で、反応容器内を水素ガスで置換した。その後直ちに、
反応容器内を窒素ガスで置換し、16時間室温で攪拌し
た。その後、反応溶液に、水(0.7 ml), 塩化第二水銀(3
0 mg)及び酸化第一水銀(100 mg)を順次加え、得られた
液を、2時間攪拌後、酢酸エチルを加えた。不溶物を濾
過し、濾液に10%希アンモニア水及び飽和食塩水を加
えて、分液、洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒は、シクロヘキサン:
酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物(28 mg,78
%)を粉末として得た。 IR νmax(KBr) 3410 (broad), 1726, 1603, 1575 cm-1 1 H-270MHz NMR (CDCl3): δppm 4.70-4.92 (3H, m), 5.
79 (1H, m), 5.93 (1H,d, J=1.0 Hz), 6.02 (1H, s),
6.63 (1H, bs, OH), 6.85 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.26-7.
64 (12H, m), 7.79 (1H, d, J=9.2 Hz), 7.98-8.11 (7
H, m) FAB MS (positive) m/z: 715 [M+H]+ FAB MS: Calcd. 715.1815 for C41H31O12,Found 715.1
811.:
【0070】(d)7−(α−D−アラビノフラノシル
オキシ)−4’,8−ジヒドロキシイソフラボン (c)で得られた化合物 (26 mg, 0.036 mmol)をメタノ
ール(1.8 ml)に溶解し、そこへ、0.2M水酸化ナトリ
ウム−メタノール溶液(1.8 ml)を加え、室温で3時間攪
拌した。その後、1M塩酸(1 ml)を加えて、酸性とし、
水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水
及び飽和食塩水で分液、洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣を、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、酢酸エチ
ル:メタノール=9:1)で精製し、標記目的物を含む
フラクションを合わせ、減圧下濃縮し、そこへ、酢酸エ
チルを加え、得られた溶液を、少量の水及び飽和食塩水
で分液、洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下濃縮して、標記化合物(7 mg, 48%)が得られた。1 H-NMR 400 MHz (CDCl3 + CD3OD) δppm 3.72 (1H, dd,
J=3.2, 12.1 Hz), 3.80(1H, dd, J=3.4, 12.1 Hz), 4.
20 (1H, d, J=2.6 Hz), 4.28 (1H, m), 4.34 (1H, s),
5.77 (1H, s), 6.90 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.25 (1H, d,
J=9.1 Hz), 7.38 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.73 (1H, d, J
=9.1 Hz), 8.05 (1H, s). FAB MS (positive) m/z: 403 [M+H]+ FAB MS: Calcd. 403.1029 for C20H19O9;Found, 403.10
26.
【0071】
【発明の効果】本発明の製造方法は、A−76202の
類縁化合物は、優れたα−グルコシダーゼ阻害活性を有
し、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗腫瘍剤又は抗エイズ剤と
して有用なA−76202及びその類縁化合物の新規な
製造方法として、有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61K 31/00 637C 43/00 643D A61K 31/7048 31/70 613

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(II) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水酸基の保
    護基を示し、Mは、一価の金属陽イオンを示す。)で表
    される化合物と、一般式(III) 【化2】 (式中、R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水酸
    基の保護基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)で表
    される化合物とを反応し、次いで、所望により、脱保護
    することを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5aは、同一又は
    異なって、水素原子又は水酸基の保護基を示す。)で表
    される化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、一般式(II)で表さ
    れる化合物のR1及びR2が、アリル基であり、一般式
    (III)で表される化合物のR3、R4及びR5が、置
    換基を有していてもよいベンゾイル基、C3−C4アルケ
    ニル基又はトリC1−C4アルキルシリル基である、請求
    項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において、一般式(II)で表さ
    れる化合物のR1及びR2が、アリル基であり、一般式
    (III)で表される化合物のR3、R4及びR5が、置
    換基を有していてもよいベンゾイル基である、請求項1
    に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、一般式(II)で表さ
    れる化合物のR1及びR2が、アリル基であり、一般式
    (III)で表される化合物のR3、R4及びR5が、ベ
    ンゾイル基である、請求項1に記載の一般式(I)で表
    される化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4において、一般式(II)
    で表される化合物のMが、リチウムイオン、ナトリウム
    イオン、カリウムイオン又は銀イオンである、請求項1
    乃至4に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4において、一般式(II)
    で表される化合物のMが、リチウムイオンである、請求
    項1乃至4に記載の一般式(I)で表される化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6において、一般式(II
    I)で表される化合物のXが、臭素原子である、請求項
    1乃至6に記載の一般式(I)で表される化合物の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003035896A3 (en) * 2001-10-24 2004-04-22 Michael Burton Chromogenic enzyme substrates and method for detecting beta-d-ribofuranosidase activity

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003035896A3 (en) * 2001-10-24 2004-04-22 Michael Burton Chromogenic enzyme substrates and method for detecting beta-d-ribofuranosidase activity
WO2003035897A3 (en) * 2001-10-24 2004-04-22 Michael Burton Enzyme substrates for detecting beta-d-ribofuranosidase activity

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