JPH0480770B2 - - Google Patents

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JPH0480770B2
JPH0480770B2 JP8771584A JP8771584A JPH0480770B2 JP H0480770 B2 JPH0480770 B2 JP H0480770B2 JP 8771584 A JP8771584 A JP 8771584A JP 8771584 A JP8771584 A JP 8771584A JP H0480770 B2 JPH0480770 B2 JP H0480770B2
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JP
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electrode
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wire
capillary
machining
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Kyoshi Inoe
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Inoue Japax Research Inc
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Priority to DE198585301632T priority patent/DE161046T1/de
Priority to EP85301632A priority patent/EP0161046B1/en
Publication of JPS60232829A publication Critical patent/JPS60232829A/ja
Publication of JPH0480770B2 publication Critical patent/JPH0480770B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/02Wire-cutting
    • B23H7/08Wire electrodes
    • B23H7/10Supporting, winding or electrical connection of wire-electrode

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は被加工体に加工スタート孔の加工形成
とワイヤ電極の挿通を自動的に行ない得るように
したワイヤカツト放電加工方法及びその装置に関
する。
〔従来の技術〕
ワイヤカツト放電加工装置は、通常の放電加工
装置の如く加工形状に対応した電極を加工の都度
製作する必要がないこと、数値制御装置(NC装
置)の発達に伴い長時間の無人運転が可能である
こと等の理由により、現在広く利用されるに到つ
ている。
ワイヤカツト放電加工装置によつて抜型等の輪
郭加工を行なう場合には、最初に被加工体にワイ
ヤ電極を通すための電極挿通用細孔を形成し、上
記電極挿通用細孔にワイヤ電極を挿通すると共
に、上記ワイヤ電極を通常二本のアームの先端に
設けられた一対の電極ガイド間に適度の張力を持
たせて直線状に張架し、加工中は上記ワイヤ電極
及び被加工体間に加工液を供給すると共に両者間
に間歇的な電圧パルスを印加して放電を生じさ
せ、更に上記ワイヤ電極又は被加工体に数値制御
装置により加工送りを与え、これにより所望の輪
郭形状の切断、抜取り等の加工を行なうものであ
る。
然しながら、厚手の被加工体に真直ぐで曲りの
無い電極挿通用の細孔を形成することは非常に困
難であり、またその加工をワイヤカツト放電加工
装置とは別のボール盤や治具ボーラ等の機械的穿
孔装置や放電又は電解等の電気加工による穿孔装
置によつて行なうようにすると、穿孔加工の際と
ワイヤカツト放電加工の際の二度にわたつて被加
工体の位置決め操作を行なう必要があり、熟練を
要するだけでなく時間がかかると云う問題点があ
つた。更にまた、ワイヤ電極は、その直径が1mm
以下、通常0.05〜0.3mm程度と極めて細い線材で
あり、これを加工開始前に被加工体に形成された
上記電極挿通用細孔に正確に挿通すると共に、一
対のガイド間に直線状に張架することは非常に困
難であると云う問題点もあつた。
この問題点を解決するために、例えば、特願昭
58−239822号に記載したワイヤカツト放電加工装
置に於ては、昇降自在に設けたチヤツクに細管状
電極を取り付け、上記細管状電極へワイヤ電極を
挿通し、上記チヤツクを支承する部材に設けたク
ランプにより上記細管状電極と共に軸方向に加工
送りされるよりワイヤ電極を把持し、然る後、上
記ワイヤ電極の先端を上記細管状電極の先端部分
と略同一平面となるように切断し、上記細管状電
極の中心孔に加工液を供給して上記細管状電極及
びワイヤ電極の先端を被加工体に相対向させて電
圧パルスを印加し、上記細管状電極を加工送りさ
せつつ電極挿通用細孔を加工形成し、上記電極挿
通用細孔の貫通加工が終了した後、上記細管状電
極への給電を停止し、上記ワイヤ電極の把持を解
除すると共に、ワイヤ電極引取り装置へ上記ワイ
ヤ電極を送り出して張架した後、上記電極挿通用
細孔から上記細管状電極を引き抜きワイヤカツト
放電加工を開始するよう構成された装置が開発さ
れた。
而して、上記装置は電極挿通用細孔へのワイヤ
電極の挿通を、上記電極挿通用細孔の加工形成と
実質上同時進行的に行なわれるよう構成したこと
により、ワイヤ電極を電極挿通用細孔に確実に挿
通することが可能になつた。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
然しながら、上記装置は、電極挿通用細孔加工
に際し、細管状電極が被加工体を貫通する際、最
初に生じた微小孔から加工液が漏れるとか、被加
工体の加工残り部の存在等のために、所謂抜け際
加工の加工不調があり、例えば、電極と被加工体
間に気中放電を生じ、そのため加工が中断すると
か、細管状電極、特にその先端部や被加工体に損
傷を生じ、このため、貫通加工を終了しても細管
状電極先端からのワイヤ電極の送り出しを不調又
は不能として、ワイヤ電極の自動挿通セツトの成
功率を著しく低下させる等と云う問題点があつ
た。
本発明は叙上の観点にたつてなされたものであ
つて、その目的とするところは、厚手の被加工体
であつても、また、焼入れ済みや超硬合金等の被
加工体であつても、安全確実に電極挿通用細孔の
加工を行なうことができ、また、形成した上記電
極挿通用細孔へのワイヤ電極の挿通を上記電極挿
通用細孔の加工形成と実質上同時進行的に行なえ
るように構成することによつて、上記ワイヤ電極
を上記電極挿通用細孔に確実、且つ能率的に挿通
することが可能であり、更に、被加工体の他側の
ガイドが小さな案内ダイス等のガイドであつても
上記ワイヤ電極を確実に挿通させることができ、
一対のガイドによつてワイヤ電極を直線状に張架
し、精度の高い自動加工が可能であり、更には作
業に手間と時間がかからず、装置全体をコンパク
トに構成し得るワイヤカツト放電加工方法及びそ
の装置を提供しようとするものである。
〔問題点を解決する手段〕
而して、上記の目的は、被加工体に電極挿通用
細孔を形成すると同時に、該電極挿通用細孔に自
動的にワイヤ電極を挿通して放電加工を開始させ
るワイヤカツト放電加工方法において、以下の(a)
項乃至(o)項記載の工程、即ち、(a)加工時に加工領
域において直線状に張架されるべきワイヤ電極の
当該張架軸を中心に回転可能なよう且つ上記張架
軸に沿つて被加工体へ向けて進退昇降可能なよう
設けられたチヤツクに、細管状電極を取り付ける
工程と、(b)上記細管状電極の軸に平行な孔にワイ
ヤ電極を挿通し、ワイヤ電極の先端を細管状電極
の先端の開口端部近傍に一致させる工程と、(c)上
記細管状電極の進退行路を横切る所定の位置に被
加工体を取り付ける工程と、(d)上記細管状電極の
上記孔に加工液を供給し、上記細管状電極を回転
させながら被加工体へ向かう加工送りを与えると
共に、ワイヤ電極の先端が常時細管状電極の開口
端部近傍に位置するように保持又は制御した状態
を保つて、細管状電極と被加工体間に電圧パルス
を印加して被加工体に電極挿通用細孔を加工する
工程と、(e)上記被加工体に電極挿通用細孔が開通
する寸前からその開通完了までの間、被加工体を
介して上記細管状電極と相対向する位置より上記
被加工体に加工液を噴出供給する工程と、(f)上記
電極挿通用細孔の加工が終了した後、上記加工液
の噴出供給を停止すると共に、上記細管状電極の
回転及び給電を停止し、ワイヤ電極引取り装置へ
向けてワイヤ電極を送り出す工程と、(g)上記電極
挿通用細孔から細管状電極を引き抜き退避させる
工程と、を順次遂行することによつて達成でき
る。
また、上記のワイヤカツト放電加工方法は、以
下の(h)項乃至(n)項記載の構成要素を具備するワイ
ヤカツト放電加工装置、即ち、(h)加工時に加工領
域において直線状に張架されるべきワイヤ電極の
当該張架軸を中心に回転可能なよう且つ上記張架
軸に沿つて被加工体へ向けて進退昇降可能なよう
設けられたチヤツクと、(i)内部にワイヤ電極及び
加工液を通過させるための軸に平行な孔を有し、
その孔軸が上記ワイヤ電極の張架軸と平行するよ
うに上記チヤツクに取り付けられる細管状電極
と、(j)上記チヤツクに取り付けられた細管状電極
の進退行路に臨む位置に設けられ、細管状電極の
先端から伸び出たワイヤ電極を細管状電極の先端
位置において切断し得るカツタと、(k)上記細管状
電極の上記孔にワイヤ電極を挿通させると共に、
電極挿通用細孔加工時には上記ワイヤ電極の先端
が常時細管状電極の開口端部近傍に位置するよう
にワイヤ電極の送り出しを行ない得るワイヤ電極
供給装置と、(l)電極挿通用細孔加工時には少なく
とも上記細管状電極と被加工体間に放電加工用電
圧パルスを供給し、ワイヤカツト放電加工時には
ワイヤ電極と被加工体間に放電加工用電圧パルス
を供給する電源回路と、(m)上記被加工体を介して
上記細管状電極と相対向する位置に設けられ、被
加工体に電極挿通用細孔が開通する寸前から被加
工体に加工液の噴出供給を開始する加工液噴射装
置と、(n)被加工体を介して上記細管状電極と相対
向する位置に設けられ、被加工体に明けられた電
極挿通用細孔を貫通した細管状電極の先端から送
り出されるワイヤ電極を所望の通路に沿つて引き
取るワイヤ電極引取り装置と、を具備することを
特徴とするワイヤカツト放電加工装置によつて実
施することができる。
〔作用〕
上記の如く、電極挿通用細孔加工時に於て、電
極挿通用細孔が開通する際、加工部分に充分な加
工液が供給され、加工残り部の加工が上手にいく
ので、厚手の被加工体であつても、また、焼入れ
済みや超硬合金等の被加工体であつても、電極挿
通用細孔開通時に気中放電等の発生が予防される
ので、細管状電極の先端部や被加工体の損傷が防
止され安全且つ確実で速く電極挿通用細孔を形成
することができ、その形成した上記電極挿通用細
孔の貫通と同時にワイヤ電極を確実に挿通するこ
とが可能となり、加工を円滑に進行するとができ
ものである。
〔実施例〕
以下、図面の実施例により本発明の詳細を具体
的に説明する。
第1図は、本発明にかかるワイヤカツト放電加
工装置により、被加工体にワイヤ電極を挿通する
ための電極挿通用細孔を加工している状態を示す
説明図、第2図は、上記電極挿通用細孔が加工さ
れワイヤ電極が挿通された状態を示す説明図、第
3図は、ワイヤカツト放電加工が開始された時の
状態を示す説明図、第4図は、開閉用の加工液ノ
ズルユニツト部分の拡大断面図、第5図は、ワイ
ヤ電極の制御送り出し機構の他の実施例を示す説
明図である。
第1図、第2図、第3図及び第4図中、1はそ
の内部に例えば約0.05〜0.4mmφのワイヤ電極2
を挿通、通過させると共に加工液を流通噴射させ
得る孔1aを有し、そして所定の長さを有する細
管状電極、3,4は開閉式の加工液ノズルユニツ
ト、3a,4aは割りノズル、3b,4bはシー
ル部材、4cは加工液供給孔、5,6は図示され
ていないソレノイドで作動するカツタ、7は電極
おさえ、8はV字型電極ガイド、9はスプリン
グ、10及び11は上記開閉式の加工液ノズルユ
ニツト3,4を開閉する油圧シリンダ、12は下
部アーム13に取り付けられたノズル装置、14
は加工液供給孔14bを有するノズル本体、15
はノズル、16は袋ナツト、17はダイスガイ
ド、17aはそのガイドホルダ、18及び19は
進退可能な給電ピン、20は必要に応じて設けら
れるスプリング、21はゴム弁、22はステム2
3と締付用ナツト24とから成る細管状電極取付
用チヤツク25を保持するステム保持体、22a
は上記ステム保持体22に形成された加工液供給
孔、26はベアリング、27はワイヤカツト放電
加工装置の上部アーム28に固定され、ステム保
持体22を被加工体取付けテーブル(図示せず)
に対して上下に移動させる油圧シリンダ、29は
モータが停止又は所定速度で回転しているときは
ブレーキローラとして作用し、モータがシーケン
ス制御等の制御の下に停止又は回動しているとき
はキヤプスタンとしての作用をするブレキローラ
兼キヤプスタン、30はピンチローラ、31はワ
イヤ電極引取り及び張力付与用のキヤプスタン、
32はピンチローラ、33はゴム弁、34は被加
工体、35は細管状電極1に給電を行なう通電シ
ユー、36はOリング、37は上記ステム保持体
22に取り付けられ、そのシヤフト37aに取り
付けられたギア38がステム23に取り付けられ
たギア39と噛み合つているモータである。
而して、細管状電極1を取り付けるためのチヤ
ツク25は、ステム23と締付用ナツト24とか
ら構成され、以下に説明するように、加工時に加
工領域において直線状に張架されるワイヤ電極2
の当該張架軸を中心に回転可能なように、且つ上
記張架軸に沿つて被加工体34へ向けて進退昇降
可能なように構成されている。
また、細管状電極1は、その中心軸が上記ワイ
ヤ電極の張架軸と一致、又は平行するように上記
チヤツク25のステム23に着脱自在に取り付け
られており、電極挿通用細孔の加工によつて細管
状電極1が消耗した場合には、締付用ナツト24
をゆるめることによつて消耗した細管状電極1を
取り付け直したり、新しい細管状電極1と交換し
得るように、好ましくは電極自動交換型の装置に
構成されている。
ステム23は、その中心軸が前記ワイヤ電極2
の張架軸と一致する状態で、ベアリング26によ
りステム保持体22に対して回動自在に保持され
ており、ステム保持体22に取り付けられたモー
タ37の回転によりギア38及び39を介してそ
の軸を中心に回動するように構成されている。従
つて、ステム23に取り付けられた細管状電極1
も、モータ37の回転に伴つてワイヤ電極2の張
架軸を中心に回転せしめられると共に、上記ステ
ム保持体22を支承する油圧シリンダ27の作用
によつてワイヤ電極2の張架軸に沿つて上下方向
に移動せしめられ、図示されていない被加工体取
付けテーブルに取り付けられた被加工体34に対
して進退昇降せしめられるよう構成されている。
開閉式の加工液ノズルユニツト3,4には、割
りノズル3a,4a、シール部材3b,4b及び
加工液供給孔4c等が形成されており、油圧シリ
ンダ10及び11の作用によつて、直径方向に開
閉が行なわれるように構成されている。また、上
記ノズルユニツト3の内部の中央部分には、スプ
リング9の弾性力が作用するように構成された電
極おさえ7が、他方のノズルユニツト4の上記電
極おさえ7と相対向する部分には、横断面がV字
型の電極ガイド8が取り付けられており、ワイヤ
カツト放電加工時にワイヤ電極2の被加工体34
の上部に於ける位置を決定位置決めし、ワイヤ電
極1を直線状に保持する。
ノズル本体14には取付フランジ14a及び加
工液供給孔14bが形成されており、上記ノズル
本体14内にはガイドホルダ17aが収容され、
更にノズル15がワイヤ電極2の軸方向に摺動移
動自在に嵌め込まれ、そして更に、スプリング2
0と袋ナツト16が順次取り付けられる。然る
後、このノズル装置12は取付けフランジ14a
と図示されていない取付けボルト等により下部ア
ーム13に取り付けられる。
而して、本発明にかかるワイヤカツト放電加工
装置に於て、被加工体34にワイヤ電極2を挿通
させるための電極挿通用細孔を形成する工程及び
電極挿通用細孔形成後ワイヤ電極2を引取り装置
に到達係合させ、然る後、ワイヤカツト放電加工
によつて被加工体34にワイヤカツト放電加工が
施されるまでの行程を説明する。
第1図に示す如く、被加工体34にワイヤ電極
2を挿通させるための電極挿通用細孔を形成する
際には、ブレキローラ兼キヤプスタン29がキヤ
プスタンとして作動し、細管状電極1の孔1a内
へワイヤ電極2が挿通される。
ワイヤ電極2が上記細管状電極1の孔1a中を
通過し、その先端部が上記細管状電極1の先端部
分から所定の長さ突出したならば、ブレーキロー
ラ兼キヤプスタン29によるワイヤ電極2の供給
が一旦停止される。
なお、この時、細管状電極1の先端がカツタ5
及び6の位置よりも上方にある等不一致の場合に
は、油圧シリンダ27を作動させて調整一致せし
め、然る後、カツタ5及び6が図示されていない
ソレノイドによつて動作せしめられ、上記ワイヤ
電極2が細管状電極1の先端部分と略同一平面と
なるように切断される。
即ち、カツタ5及び6は、細管状電極1の進退
行路に臨む位置、例えば、図示した実施例におい
ては加工液ノズルユニツト3及び4の上端に取り
付けられ、細管状電極の先端から伸び出たワイヤ
電極を細管状電極の先端位置において切断し得る
ようになつている。
以上は、細管状電極1を消耗等のために交換又
は新たに細管状電極取付用チヤツク25に取り付
けた時に、ワイヤ電極2の先端が細管状電極1の
基部位置迄達していない状態から作動をスタート
させた場合であつて、上記細管状電極1の交換等
の際に、ワイヤ電極2をこの電極1に手動操作で
挿通させ、然る後、該細管状電極1を細管状電極
取付用チヤツク25に取り付けるようにも操作し
得るものである。また、多くの場合には、前のワ
イヤカツト放電加工の終了の際に、カツタ5及び
6によりワイヤ電極2をその供給側である細管状
電極1先端の位置で切断した状態で、次の加工操
作に対する一種の待機状態にあるから、かかる場
合には前述のワイヤ電極2を細管状電極1に挿通
させる操作、工程は済んでいると云うことにな
る。
而して、細管状電極1には通電シユー35を介
して図示されていない電源回路から放電加工用電
圧パルスが供給され、これと同時に上記細管状電
極1にはモータ37による回転運動と、油圧シリ
ンダ27による下方への移動運動がステム保持体
22及びステム23を介して与えられると共に、
上記油圧シリンダ27による下方への移動速度に
同期するようにブレーキローラ兼キヤプスタン2
9がキヤプスタンとして動作し、ワイヤ電極2の
送り出しが行なわれ、同時に通常のワイヤカツト
放電加工用と同一の加工液が細管状電極1の孔1
aから被加工体34の加工部分に供給されつつ電
極挿通用細孔の加工が行なわれる。
而して、電極挿通用細孔加工時には、上述の如
く、細管状電極1に回転運動が与えられると共
に、油圧シリンダ27の下方への移動速度と同期
するようにブレキローラ兼キヤプスタン29がワ
イヤ電極2の送り出しを行なうので、常に上記ワ
イヤ電極2の自由端が細管状電極1の先端部分と
略同一平面となつた状態を保つて加工が行なわれ
る。
更に、被加工体34に電極挿通用細孔が形成さ
れる寸前からは、上記細管状電極1と被加工体3
4を介して相対向した位置に設けられているノズ
ル本体14のノズル15から加工液供給路14b
を介して供給された加工液が上記被加工体34の
電極挿通用細孔加工部分に、後述する上記細管状
電極1から供給噴出される加工液の液圧とほぼ平
衡するか、又はそれ以下の圧力で加工液が加圧供
給される。
細管状電極1による被加工体34への電極挿通
用細孔の加工は、細管状電極1の孔1aにワイヤ
電極2が挿通されていること、上記細管状電極1
に回転運動が与えられていること及び電極挿通用
細孔加工終了寸前から上記被加工体34に細管状
電極1によつて形成される電極挿通用細孔の上記
細管状電極1と相対向する被加工体34の部分に
加工液が加圧供給されると云うこと以外は、例え
ば、特開昭56−69033号公報に記載されている深
細孔の放電加工による高速加工により行なわれる
もので、前記加工液供給孔22aから少なくとも
10〜20Kg/cm2又はそれ以上で加工液が加圧供給さ
れ、そして図示してないが、好ましくは細管状電
極1に上記公報記載の如く超音波振動を付与しつ
つ油圧シリンダ27により定速又はサーボ送りを
与えてつつ加工するものであり、このように被加
工体34の電極挿通用細孔が形成される部分へ被
加工体の両面から高圧による加工液の噴射と細管
状電極1の回転、更には超音波振動付与により、
従来加工が円滑に行なわれなかつた深細孔の加工
が、焼入鋼や超硬合金等に対しても円滑且つ高速
で行なわれ、厚手の被加工体34であつても真直
ぐで曲りの無い電極挿通用細孔を高速度で進行さ
せることができる。
而して、加工が進行し、被加工体34の下面に
電極挿通用細孔が開口するようになると、通常は
その開口から加工液が漏洩し加工間隙に於ける加
工液圧が急激に下降し、加工部の一部に加工液が
供給されなくなり、また加工残り部が移動や変形
して短絡を生ぜしめたりするので、気中放電や短
絡、異常放電等を発生するものであるが、本発明
装置に於ては、下方から加工液が相当の圧力で供
給されるので、開口が生じても加工液の漏出等が
生ぜず、また加工残り部に移動や変形を生ぜしめ
ずに大部分を加工し尽して貫通加工をすることが
でき、従つて、厚手の被加工体であつても、ま
た、焼入れ済みや超硬合金等の被加工体であつて
も、安全で、特に細管状電極1の先端部にワイヤ
電極2送り出しを不調又は不能とするような損傷
を与えることなく、且つ確実で速く電極挿通用細
孔の加工を行なうことができのである。
なお、この電極挿通用細孔の加工の際に、ワイ
ヤ電極2に何等かの放電加工電源が接続されてい
る場合は勿論のこと、電源が接続されていなくて
も、ワイヤ電極2は細管状電極1と何等かの接触
状態にあることにより、その先端が消耗すること
があるから、細管状電極1の先端に対するワイヤ
電極2先端の消耗後退長さが、例えば数mm前後又
はそれ以上に達したならば、ブレーキローラ兼キ
ヤプスタン29によるワイヤ電極2の送り出しを
多くし、その先端が細管状電極1の先端近くにあ
るように補正しておくほうが、以後のガイド等に
対するワイヤ電極2の挿通セツトが確実となるの
で望ましいものである。
被加工体34にワイヤ電極2を挿通させるため
の電極挿通用細孔が形成されると、細管状電極1
の先端近くにあつて、細管状電極1の先端と共に
既に電極挿通用細孔を挿通しているワイヤ電極2
の先端は、上記ブレーキローラ兼キヤプスタン2
9のキヤプスタン作用によつてノズル装置12に
向かつて送り出され、ダイスガイド17に挿通捉
えられた後、ガイドホルダ17aを通過し、ゴム
弁21を通り、ピンチローラ32が接離するキヤ
プスタン31及びその他から成るワイヤ電極引取
り装置に達して係合すると、それを適宜の手段で
検出する等して引き取り係合を完全なものとし、
ワイヤ電極2の先端から強制的に引き取られるよ
うになり、そしてワイヤカツト放電加工装置本体
のベツド等に設けられた図示されていないワイヤ
電極回収箱等に回収される。
ワイヤ電極2が上記の如く引取り装置によつて
引き取られるようになると、モータ37の回動が
停止されて細管状電極1の回転運動が停止せしめ
られると共に、油圧シリンダ27が動作してシス
テム保持体22を上方に移動させて細管状電極1
を上方へ上げ、これに伴つて開閉式の加工液ノズ
ルユニツト3,4が油圧シリンダ10及び11の
作用によつて閉じられ、ワイヤ電極2は上記開閉
式の加工液ノズルユニツト3,4内部の電極おさ
え7とV字型電極ガイド8とによつて移動自在に
押え付けられる。
そして、ノズル本体14内のワイヤ電極2に当
接した給電ピン18及び19から放電加工用電圧
パルスが供給されると共に、開閉式の加工液ノズ
ルユニツト4の加工液供給孔4cから供給された
加工液とノズル本体14の加工液供給孔14bか
ら供給され、ノズル15から被加工体34の加工
部分に加工液が加圧供給されつつワイヤカツト放
電加工が行なわれる。
また、細管状電極1が消耗して、その長さが加
工する被加工体34の厚みと同等以下になつた場
合には、ワイヤ電極2を細管状電極1の先端で切
断して交換することになるが、細管状電極1の交
換を手動操作により行なう場合には、細管状電極
取付用チヤツク25の先端から伸びているワイヤ
電極2を新しい細管状電極1の孔1aに通してや
れば良いが、細管状電極1が、自動交換されるも
のの場合にはそれが極めて難しいから、かかる場
合には、伸びているワイヤ電極2をキヤプスタン
29を逆転させてステム23の基部近く迄戻し、
然る後、新しい細管状電極1を取り付けて、ワイ
ヤ電極2をキヤプスタン29を正回転させて送り
出し、細管状電極1先端迄挿通させるような手段
が採られる。
上記ワイヤ電極2の挿入セツトに於て、ダイス
ガイド17、結合ピン18,19、ゴム弁21、
キヤプスタン31及びピンチローラ32、又は更
に先の電極引取り装置等の部位で、挿通又はセツ
トに失敗した場合には、例えば、細管状電極1を
一旦第3図の位置迄引き上げてワイヤ電極2を細
管状電極1の先端位置で切断し、次いで被加工体
34に挿入している切断されたワイヤ電極2を人
手又はロボツトハンド等で抜き取り廃棄し、そし
て、細管状電極1の油圧シリンダ27による下降
送りとキヤプスタン29によるワイヤ電極2の送
り出しをワイヤ電極2の先端が細管状電極1の先
端から突出しないように制御しつつ同期させて行
ない、そして好ましくは第2図のワイヤ電極2の
先端が、ダイスガイド17への挿通工程に入る迄
は加工液供給孔22aから加工液を前述被加工体
34の穿孔加工の時程高圧力でなくて良いが、細
管状電極1の先端から噴出させつつ行なうように
し、細管状電極1の下降送り停止後、ワイヤ電極
2の先端を細管状電極1の先端から突出して送り
出し、ワイヤ電極2の挿通セツトが再び試みられ
るように操作されるものである。
また、前述の実施例では、29をブレーキロー
ラ兼キヤプスタンとして作動及び他の説明を加え
たが、上記図示実施例の構成では、ブレーキロー
ラ兼キヤプスタン29はブレーキローラとして好
適に機能し得るものの、ワイヤ電極2の自動挿通
セツト用にワイヤ電極2を送り出すキヤプスタン
としては必ずしも充分でなく、また、上記ブレー
キローラ及びピンチローラは上記ブレーキローラ
兼キヤプスタン29を単なるガイドローラとし、
このガイドローラの前段のワイヤ電極供給側にブ
レーキローラを開閉式の構成として設けたり、又
は開閉式ノズルユニツト4のワイヤ電極2の供給
側に開閉式のブレーキローラ及びピンチローラと
して設けることができる。
また、ブレーキローラ兼キヤプスタン29及び
ピンチローラ30を、下部のキヤプスタン31及
びピンチローラ32との間に於ける加工部前後の
ワイヤ電極2の部分をほぼ直線状に保持案内する
上部の単なるガイドローラとした場合には、この
ガイドローラと上記ステム保持体22との間に、
ワイヤ電極2の自動挿通セツト時には少なくとも
セツトされるワイヤ電極2の制御送し出し機構4
0が設けられる。
第5図は、上記制御送り出し機構40の一例を
示す説明図で、40aはキヤプスタン、40bは
ピンチローラで夫々一端が軸支されたリンクアー
ム40c及び40dに回転可能に取り付けられ、
上記アーム40c及び40dの他端を油圧シリン
ダ40eによつて操作することによりワイヤ電極
2を挟持、解放する接離可能な構成となつてい
る。そして、上記キヤプスタン40aは、回転角
度又は位置検出用のロータリエンコーダ40f
と、回転速度検出器40gを有する電動機40h
により回転が制御されつつワイヤ電極2の送り出
しが行なわれる。
細管状電極1による被加工体34の電極挿通用
細孔穿孔加工時に、細管状電極1の内径又は外径
等の寸法によつては、ワイヤ電極2を細管状電極
1と同電位として、又は別途電源を接続して、被
加工体34の電極挿通用細孔加工を行なう。な
お、電極挿通用細孔加工時にワイヤ電極2が消耗
するとか、上記ワイヤ電極2が細管状電極1の先
端近傍とか管内に溶着等してしまうことがあるか
ら、細管状電極1による電極挿通用細孔穿孔加工
の進行時に、キヤプスタン40a及びピンチロー
ラ40bによる送り出しを、数Hz前後の周波数で
前後進させつつ行なうことが推奨される。即ち、
キヤプスタン40aを例えば正転1に対して反転
0.5〜0.9の割合(長さとしては、後退の最大5mm
程度で、通常は、0.1〜1mm前後程度)を組合せ
て行ないつつ送り出すことにより、ワイヤ電極2
と細管状電極1との溶着防止に効果あらしめるこ
とができる。しかも細管状電極1が回転している
ところからワイヤ電極2の先端との溶着の危険度
は幾分少ないものの、溶着した場合には、回復困
難な事故となる可能性もあるから、より確実な溶
着防止手段が必要なのである。また、ワイヤ電極
2の先端を細管状電極1の先端に対して充分後退
した位置に位置せしめておけば、前記溶着の危険
度が減少するが、ワイヤ電極2を前記加工残り部
の形成を少なくする等のために電極挿通用細孔加
工に関与させたい場合や、別電源を接続した場合
等には、別途に細管状電極1に振動を付与すると
か、前記の如き微少前後進の繰り返しによる送り
出しが必要となり、そしてこのような送り出し方
式は電極挿通用細孔の穿孔加工終了後のワイヤ電
極送り出しによるダイスガイド17へのワイヤ電
極2の先端挿通に有効なものである。勿論ダイス
ガイド17へのワイヤ電極2の挿通時のみに前述
の振動的送り出し方式を採用するようにしても良
い。
何れにしても、電極挿通用細孔加工及びワイヤ
電極2の挿通時に細管状電極1の先端位置等を正
確に知る必要があるのは当然であるが、ワイヤ電
極2の先端位置についても正確に検知及び制御す
ることができなければならず、このため送り長さ
及び送り出し速度を検知してシーケンスコントロ
ーラやNC制御装置等にフイードバツクするロー
タリエンコーダ40f及び回転速度検出器40g
等が付設されている。
電極挿通用細孔の穿孔加工が進行して被加工体
が貫通する寸前には、上述の如く、ノズル15か
ら被加工体34の電極挿通用細孔が加工される部
分に加工液が噴出供給されるので、細管状電極1
の先端部損傷等のダメージを与えない状態で真直
ぐで曲りのない電極挿通用細孔が形成されるので
ある。
また、細管状電極1の先端部は、電極挿通用細
孔を被加工体34に放電加工で穿孔加工したこと
により、何等かのダメージを受けていて、折角上
記電極挿通用細孔の加工を終了しても、細管状電
極1の先端からワイヤ電極2の送り出しが不能で
あるとか、送り出し状態が不調、例えば、細管状
電極1の同軸軸芯方向から周囲の或る方向に偏倚
して送り出されるとか、引つ掛り等により間歇的
に振動しながら送り出されるため、ワイヤ電極2
の先端をダイスガイド17又はそれ以降部分への
挿通、送り出し、又はセツトが不可能な場合が生
ずる。
従つて、かかることが想定される場合には、前
述の本発明の、被加工体に細管状電極1による放
電加工によつて電極挿通用細孔が開通する寸前か
ら、その開通穿孔加工が終了する迄の間、被加工
体を介した上記細管状電極1と相対向する位置よ
り上記被加工体に加工液を供給して放電加工して
いる加工条件、特に各放電の電気的加工条件、即
ち電圧パルスや放電パルスの条件を細管状電極1
が電極消耗をより多く起す加工条件に切換えて加
工を行なうようにして、電極挿通用細孔の開通穿
孔加工が終了する迄の間に、細管状電極1の先端
損傷やダメージを受けた部分、即ち、前述ワイヤ
電極2の細管状電極1からの送り出しを不能又は
不調とする先端部分を消耗させて除去するように
することが推奨される。
通常銅や銅合金等から成る細管状電極1の電極
消耗量を増大させるには、上記の細管状電極1に
よる電極挿通用細孔の放電穿孔加工が、通常水又
は水系加工液によつて行なわれている所からする
と、上記細管状電極1(又はワイヤ電極2)と被
加工体34間に印加する間歇的な加工用電圧パル
スの印加極性を正極性(電極1が負で、被加工体
34が正)から逆極性に切換えて、細管状電極1
(又は更にワイヤ電極2)に放電加工による加工
消耗(一般的に逆極性の方が電極1消耗量の大き
さが大)に電解加工作用による消耗をプラスさせ
ることにより、単に消耗量が多い丈でなく、細管
状電極1の先端部を損傷やダメージの殆ど無い状
態の先端部とすることができるから好ましい。
勿論、上記のように加工電圧パルスの印加極性
を切換えることの外に、又は極性切換えと共に、
放電パルスの電流振幅Ipの増大及び放電パルス幅
τONの減少微少切換えの両方又は何れか一方を行
ない、或いは正極性電圧パルスと逆極性電圧パル
スとを交互等所定の割合で混合した加工電圧パル
スによつて加工を行なう等の加工条件の切換えに
よつても多くの場合、上記細管状電極1の消耗の
増大及びその消耗による細管状電極1先端部の一
種のクリーニング又は調整が可能である。そし
て、既に明らかなように、上記加工液が水又は水
系加工液の場合には、前述の電極挿通用細孔の開
通穿孔加工が終了した時、又は該終了後にワイヤ
電極2の細管状電極1先端から送り出しを試み
て、送り出し不能又は不調の時に、細管状電極1
の先端を被加工体34の電極挿通用細孔から前方
に突出させることなく所定後退させるか、上記細
管状電極1の損傷又はダメージを受けていると思
われる先端部分の所定長さ部分のみが上記電極挿
通用細孔部分に挿入されている状態に一旦後退さ
せて、また、加工液の電極1及びノズル15の両
方又は何れか一方からの噴出供給を続けた状態
で、細管状電極1(又は更にワイヤ電極2)と被
加工体34間の電圧極性を切り換え、そして好ま
しくは電圧Vを低く低減、電圧パルス幅τONの増
大及び電流振幅Ipの或る程度の減少の全部又は何
れか1つ以上、又は直流として、細管状電極1を
正極として電解加工して、細管状電極1の先端損
傷部分やダメージ部分を(通常その部分のワイヤ
電極と共に)除去するように、別工程の細管状電
極1先端部分の一種のクリーニング又は調整を行
なうようにしても良いものである。
而して、ノズル15から細管状電極1と相対向
する被加工体34部分へ加工液の噴出供給を開始
し、更に停止させる制御としては、電極挿通用細
孔の穿孔加工及びワイヤ電極の自動挿通セツトの
一連のプログラムやシーケンス制御に組込み制御
するとか或いは単独にセツトして制御するように
構成することができるが、例えば、細管状電極1
の材質、径、加工液及び液圧、放電加工の電圧、
放電パルスの条件が選択設定されていたとする
と、被加工体34の材質、特に板厚信号を入力セ
ツト等すれば、細管状電極1による被加工体34
の穿孔加工開始時又は位置を基準として、穿孔加
工時間又は穿孔加工深さが所定値に達した所で、
加工液供給路14bに設けた図示しない弁を開
き、その時点又は位置から、更に所定の時間又は
所定の加工送り長さに達した所で前記弁を閉じる
ように制御すれば良いように種々の態様で実施可
能なものである。
電極挿通用細孔加工の終了後、ワイヤ電極2の
ダイスガイド17以降の部分へのワイヤ電極2の
送り出しによる自動挿通セツトに於ては、適宜の
位置に検知電極を設けておくか、ノズル15、ガ
イドホルダ17a、通電ピン18,19、ゴム弁
21及びワイヤ電極2の引取り装置であるキヤプ
スタン31とピンチローラ32の一部又は全部を
それ自体検知電極とするか、又は検知電極を付設
しておき、ワイヤ電極2との間に検知電圧を印加
しておく。そして例えば、ワイヤ電極2の先端が
引取り装置のキヤプスタン31又はピンチローラ
32に接触又は係合したら、その時点からワイヤ
電極2を所定長さ送り出した後モータ40hを停
止させ、キヤプスタン31を駆動してワイヤ電極
2をピンチローラ32との間に挾着して、ワイヤ
電極2の引取り作動を開始し、そして更に細管状
電極1の引き上げや送り出し制御機構の解放及び
加工液ノズルユニツト3,4の閉塞等ワイヤカツ
ト放電加工のための準備工程への移行を行なわせ
る。
〔発明の効果〕
本発明は叙上の如く構成されるので、本発明に
かかるワイヤカツト放電加工方法及びその装置に
よるときには、厚手の被加工体や焼の入つた被加
工体であつても、ワイヤ電極を容易に通すことの
できる真直ぐな電極挿通用細孔を短時間で安全
に、細管状電極の先端部等を損傷することなく、
且つ確実に加工形成することができると共に、上
記電極挿通用細孔の加工形成と同時にワイヤ電極
の挿通が既に行なわれているものであるから、以
後のガイドや電極引取り装置等へワイヤ電極先端
が位置決め挿通が行なわれるように操作すれば足
りるので、ワイヤ電極の自動挿通の成功確率が極
めて高くなり、また、被加工体の他側にあるガイ
ドが小さな案内ダイス等のガイドであつても上記
ワイヤ電極を高い確率で挿通させることができ
る。更に、一対のガイドによつて上記ワイヤ電極
を直線状に張架することができるので、精度の高
い自動加工が可能となると共に、ワイヤカツト放
電加工装置全体をコンパクトに構成することがで
きるのである。
なお、本発明は叙上の実施例に限定されるもの
ではない。即ち、例えば、本実施例に於ては、被
加工体に電極挿通用細孔が形成される寸前からノ
ズル本体14の加工液供給路14bを介してノズ
ル15から被加工体34の上記部分に加工液を加
圧供給するように構成したが、ノズル15の近傍
に一又は複数の加工液噴射装置を設けてもよい。
また、上記実施例に於ては、電極挿通用細孔加
工の際に細管状電極1とワイヤ電極2とに別個に
送りを与える構成と成つているが、例えば前記特
願昭58−239823号に記載の如く、ワイヤ電極2を
細管状電極1に挿通して先端部をほぼ揃えた状態
とし、この状態でワイヤ電極2を細管状電極1に
ロツク固定し、細管状電極1の加工送り等の送り
に伴つて、ワイヤ電極2がそのまま一体となつて
引き出される構成のものであつても良く、また、
ワイヤ電極2の送り出し機構は、キヤプスタンと
ピンチローラの外、例えば、ワイヤ電極2を把持
及び開放するマテハン機構と送り機構とを組み合
せたものの繰返し動作により少しづつワイヤ電極
を送り出す機構等各種のものを使用することがで
きる。
また、細管状電極1をステム保持体22を介し
て油圧シリンダ27によつて上下させるように構
成したが、モータによりギアを介して上下させる
ように構成しても良く、また、細管状電極及びワ
イヤ電極への給電の仕方等も公知の給電方法を利
用することができる。更にまた、電極挿通用細孔
加工時に細管状電極に超音波振動を与えつつ加工
するように構成すれば、電極挿通用細孔の加工時
間がより短縮され、且つ確実に行なえるものであ
る。また、開閉式の加工液ノズルユニツトへのワ
イヤカツト放電加工時の加工液の供給を、孔4c
を用いることなく細管状電極1の先端をシール部
材3b,4bにより挾着シールさせて細管状電極
1を介して供給するようにするとか、ワイヤ電極
2への給電を行なう給電ピン又は給電ローラは被
加工体の上部側へ設けるようにしても良い。更に
また、ガイド8,17や給電ピン18,19等を
ノズルユニツトやノズル本体外部に設けて開閉や
進退退避等の容易な構成にすることも推奨され
る。また、ガイド8,17として例えば特願昭58
−181234号、同58−194952号又は同58−210374号
等に記載のガイド孔が拡大縮小又は開閉可能な複
合ガイドを構成使用し得るだけでなく、加工液噴
射ノズルとしても、例えば特願昭58−40949号、
同58−40950号又は同58−70506号等に記載の各種
の構成のものを使用し得るものである。更に、細
管状電極による加工スタート孔としての電極挿通
用細孔の加工の際に、被加工体の上面又は上面近
くで上記細管状電極を位置決め案内する案内を進
退退避可能に設け、厚い被加工体に形成する細孔
の曲りを防止する等各種の変更構成が可能であ
り、また更に、本発明は図示実施例の上下を逆と
したようなワイヤ電極を下から上へと更新のため
に送り供給するタイプのワイヤカツト放電加工装
置にも適用できるものである。その他ダイスの取
り付け位置及びその取り付け方法、加工液の供給
方法、細管状電極の回動方法及びワイヤ電極の回
収方法等は本発明の目的の範囲内で自由に設計変
更できるものであつて、本発明はそれらの総てを
包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかるワイヤカツト放電加
工装置により、被加工体にワイヤ電極を挿通する
ための電極挿通用細孔を加工している状態を示す
説明図、第2図は、上記電極挿通用細孔が加工さ
れワイヤ電極が挿通された状態を示す説明図、第
3図は、ワイヤカツト放電加工が開始された時の
状態を示す説明図、第4図は、開閉用の加工液ノ
ズルユニツト部分の拡大断面図、第5図は、ワイ
ヤ電極の制御送り出し機構の他の実施例を示す説
明図である。 1……細管状電極、1a……孔、2……ワイヤ
電極、3,4……開閉式の加工液ノズルユニツ
ト、3a,4a……割りノズル、3b,4b……
シール部材、4c……加工液供給孔、5,6……
カツタ、7……電極おさえ、8……V字型電極ガ
イド、9,20……スプリング、10,11……
油圧シリンダ、12……ノズル装置、13……下
部アーム、14……ノズル本体、15……ノズ
ル、16……袋ナツト、17……ダイスガイド、
17a……ガイドホルダ、17b……加工液供給
路、18,19……給電ピン、21,33……ゴ
ム弁、25……細管状電極取付用チヤツク、27
……油圧シリンダ、28……上部アーム、29…
…ブレーキローラ兼キヤプスタン、30,32…
…ピンチローラ、31……キヤプスタン、34…
…被加工体、35……通電シユー、36……Oリ
ング、37……モータ、37a……シヤフト、3
8,39……ギア、40f……ロータリエンコー
ダ、40g……回転速度検出器、40h……電動
機。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記(a)項乃至(g)項記載の工程から成り、被加
    工体に電極挿通用細孔を形成すると同時に、該電
    極挿通用細孔に自動的にワイヤ電極を挿通して放
    電加工を開始させることを特徴とするワイヤカツ
    ト放電加工方法。 (a) 加工時に加工領域において直線状に張架され
    るべきワイヤ電極の当該張架軸を中心に回転可
    能なよう且つ上記張架軸に沿つて被加工体へ向
    けて進退昇降可能なよう設けられたチヤツク
    に、細管状電極を取り付ける工程。 (b) 上記細管状電極の軸に平行な孔にワイヤ電極
    を挿通し、ワイヤ電極の先端を細管状電極の先
    端の開口端部近傍に一致させる工程。 (c) 上記細管状電極の進退行路を横切る所定の位
    置に被加工体を取り付ける工程。 (d) 上記細管状電極の上記孔に加工液を供給し、
    上記細管状電極を回転させながら被加工体へ向
    かう加工送りを与えると共に、ワイヤ電極の先
    端が常時細管状電極の開口端部近傍に位置する
    ように保持又は制御した状態を保つて、細管状
    電極と被加工体間に電圧パルスを印加して被加
    工体に電極挿通用細孔を加工する工程。 (e) 上記被加工体に電極挿通用細孔が開通する寸
    前からその開通完了までの間、被加工体を介し
    て上記細管状電極と相対向する位置より上記被
    加工体に加工液を噴出供給する工程。 (f) 上記電極挿通用細孔の加工が終了した後、上
    記加工液の噴出供給を停止すると共に、上記細
    管状電極の回転及び給電を停止し、ワイヤ電極
    引取り装置へ向けてワイヤ電極を送り出す工
    程。 (g) 上記電極挿通用細孔から細管状電極を引き抜
    き退避させる工程。 2 下記(h)項乃至(n)項記載の構成要素を具備する
    ことを特徴とするワイヤカツト放電加工装置。 (h) 加工時に加工領域において直線状に張架され
    るべきワイヤ電極の当該張架軸を中心に回転可
    能なよう且つ上記張架軸に沿つて被加工体へ向
    けて進退昇降可能なよう設けられたチヤツク。 (i) 内部にワイヤ電極及び加工液を通過させるた
    めの軸に平行な孔を有し、その孔軸が上記ワイ
    ヤ電極の張架軸と平行するように上記チヤツク
    に取り付けられる細管状電極。 (j) 上記チヤツクに取り付けられた細管状電極の
    進退行路に臨む位置に設けられ、細管状電極の
    先端から伸び出たワイヤ電極を細管状電極の先
    端位置において切断し得るカツタ。 (k) 上記細管状電極の上記孔にワイヤ電極を挿通
    させると共に、電極挿通用細孔加工時には上記
    ワイヤ電極の先端が常時細管状電極の開口端部
    近傍に位置するようにワイヤ電極の送り出しを
    行ない得るワイヤ電極供給装置。 (l) 電極挿通用細孔加工時には少なくとも上記細
    管状電極と被加工体間に放電加工用電圧パルス
    を供給し、ワイヤカツト放電加工時にはワイヤ
    電極と被加工体間に放電加工用電圧パルスを供
    給する電源回路。 (m) 上記被加工体を介して上記細管状電極と相対
    向する位置に設けられ、被加工体に電極挿通用
    細孔が開通する寸前から被加工体に加工液の噴
    出供給を開始する加工液噴射装置。 (n) 被加工体を介して上記細管状電極と相対向す
    る位置に設けられ、被加工体に明けられた電極
    挿通用細孔を貫通した細管状電極の先端から送
    り出されるワイヤ電極を所望の通路に沿つて引
    き取るワイヤ電極引取り装置。
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