JPH0480113B2 - - Google Patents

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JPH0480113B2
JPH0480113B2 JP61011064A JP1106486A JPH0480113B2 JP H0480113 B2 JPH0480113 B2 JP H0480113B2 JP 61011064 A JP61011064 A JP 61011064A JP 1106486 A JP1106486 A JP 1106486A JP H0480113 B2 JPH0480113 B2 JP H0480113B2
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JP
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coating layer
substrate
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laser
irradiated
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JP61011064A
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Shinei Mineta
Nobuo Yasunaga
Akira Obara
Masayuki Ikeda
Junichi Sato
Kunio Shibuki
Mamoru Kobata
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Tungaloy Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Showa Denko KK
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、各種の金属、合金、セラミツクスか
ら成る基板の表面に各種の機能を備えた被覆層を
形成した部材、例えば、切削工具及び耐摩耗工具
のような工具部品並びに半導体素子基板のような
電子工業部品、を製造する際に用いて好適なレー
ザ蒸着装置に関し、更に詳しくは、緻密な被覆層
を形成することができ、また、基板と被覆層との
密着性を高めることもできる構造のレーザ蒸着装
置に関する。 [従来技術] 一般に、金属、合金、セラミツクスから成る基
板の表面に様々な機能を有する被覆層を形成する
ための蒸着装置には、大別して、化学蒸着装置
(CVD装置)と物理蒸着装置(PVD装置)があ
る。 後者の装置を更に分類すると、イオンプレーテ
イング装置、スパツタリング装置、真空蒸着装置
になるが、このうちの真空蒸着装置の1種とし
て、被照射試料を加熱蒸発させる手段にレーザ光
を用いるレーザ蒸着装置が知られている。 従来から多用されているレーザ蒸着装置は、強
力なエネルギー密度に絞りこんだ集束レーザ光を
被照射試料に照射するため、この被照射試料はレ
ーザ光の照射部分がその他の非照射部分に比べて
多量に蒸発して照射痕となり、連続運転が困難と
なる。このため、従来のレーザ蒸着装置に適用さ
れているレーザ光は、その照射エネルギーを
100W以下に抑制した小出力レーザ光が主流であ
る。 しかしながら、レーザ光の照射エネルギーが小
さい場合は、被照射試料からの蒸発物の蒸発量が
少なくなり基板表面に形成される被覆層の成膜速
度は小さくなる。また、基板に形成された被覆層
の機械的強度も小さく、基板との密着性も弱くな
るという問題点が指摘されている。 このような問題点を解決するために、本発明者
らは新規な構造の装置を開発した(特開昭59−
116373号公報参照)。 ここで開示されている装置は、大出力のレーザ
光を被照射試料に照射することを可能にしたもの
で、具体的には、リング状に形状加工した被照射
試料を真空容器内で軸回転させ、その接線方向か
ら大出力の集束レーザ光を照射することを特徴と
する。このような態様を採用することにより、被
照射試料から蒸発する蒸発物の活性化は促進さ
れ、この高活性の蒸発物から成る被覆層と基板と
の密着性は著しく向上し、更には、蒸発物を回転
リング状の被照射試料から基板に連続的かつ安定
して供給することができる。 また、真空蒸着法とイオン注入法とを組合わせ
て、切削工具の表面処理を行なう方法が特開昭59
−20465号公報に開示されている。 同公報の発明は、工具刃先と被膜との境界部に
おいて、刃先成形物質の原子と被膜原子との混在
層を形成させて、被膜の工具への密着性を良好に
したという点においては優れた方法である。 [発明が解決しようとする問題点] ところが、この技術分野においては、最近ます
ますつぎのようなことが要求されている。すなわ
ち、被覆層を構成する各元素の組成比を最適に制
御すること、基板に形成される被覆層はできるだ
け緻密であること、また被覆層と基板との密着性
ができるだけ良好であること、である。 最近、強まつている上記要求との関係からする
と、上記したレーザ蒸着装置で形成した被覆層お
よび被覆層と基板との密着性はいずれも満足すべ
きものではなく、また、上記した真空蒸着法とイ
オン注入法とを組合わせた方法では、被膜の組成
比を広範囲に変えることができず、特に被膜組成
比を化学量論組成に近づけて良質な被膜にするこ
とが非常に困難であり、更なる改善が求められて
いた。 本発明は、特開昭59−11637号公報に開示され
ているレーザ蒸着装置および特開昭59−20465号
公報に開示されている真空蒸着法とイオン注入法
とを組合わせた方法の上記問題点を解消し、化学
量論組成に近い最適組成の被覆層の形成、緻密で
強度特性の優れた被覆層の形成、被覆層と基板と
の密着性を更に向上せしめることを可能たらしめ
た新規構造のレーザ蒸着装置の提供を目的とす
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を
重ねたところ、後述するイオンビームを、被照射
試料が蒸発しているときに、この蒸発物に照射し
たりまたはこの蒸発物が基板に蒸着すると同時若
しくは若干の時間差をおいて基板に照射したりす
ることは、上記目的の達成にとつて有効な手段で
あるとの事実を見出し、本発明の装置を開発する
に到つた。 すなわち、本発明のレーザ蒸着装置は、真空容
器内で軸回転する被照射試料と、レーザ光を導入
しかつ集束せしめて該被照射試料に照射する光学
系調整器と、該被照射試料に対向して配設され、
その表面には該被照射試料の蒸発物による被覆層
が形成される基板とを具備するレーザ蒸着装置に
おいて、該被覆層の構成物質の一部として包含さ
れうる元素のイオンビームを真空容器内の該基板
及び/又は蒸発物に照射するイオン源が付設され
ていることを特徴とする。 以下に本発明装置を概略図として示した例に基
づいて更に詳細に説明する。 図で、1は真空容器で内部は真空または所定圧
の窒素イオン、酸素イオン、炭素イオン、ホウ素
イオンを生ずるようなガス雰囲気に維持される。
2は容器1の中に配設された被照射試料であつ
て、紙面を垂直の方向に伸張する回転軸2aの周
りを例えば矢線P1方向に軸回転する。 この被照射試料は、基体の表面に形成させよう
とする被覆層の種類に応じて黒鉛、炭素、金属、
合金、金属化合物またはセラミツクス焼結体のな
かの少なくとも1種から成る材質で構成される。 具体的には、黒鉛;炭素;Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,W,Mo,Cr,B,Siの金属若しくは
これらを含む合金;各種の超硬合金、サーメツト
などの合金;TiC,TiN,TiO2,TiB2,Al2O3
SiC,Si3N4,hBN,cBN,Ti(C,N),(Ti,
Ta)Cなどの金属化合物;Al2O3系セラミツク
ス、ZrO2系セラミツクス、SiC系セラミツクス、
Si3N4系セラミツクス、cBN系焼結体、ダイヤモ
ンド系焼結体などのセラミツクス焼結体を例示す
ることができる。また、被照射試料の形状として
は、円柱体、円筒体、円錐体、湾曲体、リング
体、円板体など軸回転の際にバランスよく回転で
きる形状であればどのような形であつてもよい。
これらの形状体は上に列記した各材質のみで構成
されてもよいが、上記各材質を2種類以上使用し
てこれらを複合した形状にすると、基板の表面に
は多重の層構成の被覆層を形成することができて
有用である。 なお、被照射試料2が回転軸2aの軸長方向に
摺動できるようにしておくと、後述するレーザ光
照射の際に、被照射試料の被照射領域を拡張する
ことができて有効である。 また、被照射試料にレーザ光が照射されると、
該試料は急激に部分加熱されて往々にして熱割れ
現象を起すことがあるが、これを防止するため
に、レーザ光照射に先立ち被照射試料を予熱する
ことを目的として、該被照射試料の外周部に温度
制御が可能な加熱器3を配設しておくと好適であ
る。 レーザ光は、発振器4で発振され例えばCu製
の平面鏡4a,4bで矢線P2のように光路転換
され、集光レンズ5aで集光されて容易1内に導
入される。 5bは例えばKC1製の透過窓でここからレーザ
光が導入される。そして、レーザ光は容器1の内
壁に付設された例えばCu製の凹面鏡(又は放物
面鏡)5cの鏡面に到達し、ここで集束されかつ
光路転換されて矢線P3のように進んで被照射試
料2の被照射面を接線方向から照射する。 本発明装置においては、上記した透過窓5b、
凹面鏡(若しくは放物面鏡)を全体として光学系
調整器という。なお、凹面鏡又は放物面鏡5cは
透過窓5bから進んできたレーザ光の反射角を微
量調整できるようにしておくと、被照射試料の被
照射面へのレーザ光照射のコントロールが容易に
行なえて好適である。 かくして、被照射試料2の被照射面からは矢線
P4方向に蒸発物が放散していく。 被照射試料2の上方には基板6が対向して配設
される。基板には、ガラス、合成樹脂、金属、合
金、セラミツクス焼結体など用途に応じて全ゆる
材質のものを用いることができる。具体的には、
耐熱ガラス;熱硬化性樹脂;Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,W,Mo,Cr,Al,Cu,Fe,Ni,Co
などの金属;炭素鋼、高速度鋼、ステンレスステ
イール、ハステロイ、インコネル、超硬合金、サ
ーメツトなどの合金;Al2O3系セラミツクス、
ZrO2系セラミツクス、Si3N4系セラミツクス、
SiC系セラミツクス、TiC系セラミツクス、TiB2
系セラミツクス、B4系セラミツクス、cBN系焼
結体、ダイヤモンド系焼結体などのセラミツクス
焼結体;を例示することができる。 これらの材質から成る基板6の表面には被照射
試料2からの蒸発物が沈着して被覆層が形成され
るのであるが、基板6と被覆層との密着性を高め
るために、基板を昇温する装置、例えば基板6の
外周部に温度制御ができる加熱器6aを配設する
ことが好適である。7は、基板6の前面に設置さ
れた可動シヤツタであつて、蒸発物の基板6への
蒸着時間を任意に調節する。 本発明装置は、更に後述のイオン源8を備えて
いることを特徴とする。このイオン源8から射出
されるイオンビームは、基板表面に形成される被
覆層の構成物質の一部として含有されてもよい元
素のイオン種のビームである。具体的には、窒素
イオンのビーム、炭素イオンのビーム、酸素イオ
ンのビーム、ホウ素イオンのビームを例示するこ
とができる。基板に被覆層として例えばTiN,
BN又はSi3N4系セラミツクスで形成しようとす
る場合、ビームとしては窒素イオンビームを用い
ればよく、また被覆層としてTiC,B4C,SiCの
各層を形成する場合には炭素イオンビームを用
い、被覆層として例えばAl2O3系セラミツクスの
層を形成する場合には酸素イオンビームを用い、
更に被覆層として例えばBN,TiB2又はB4C層
を形成する場合にはホウ素イオンビームを用いる
という態様を採ることができる。 イオン源8のタイプとしては、例えばPIG型イ
オン源、デユオブラズマトロン型イオン源、カウ
フマン型イオン源をあげることができる。 このイオン源8は、そこからのイオンビームが
基板6の表面、被照射試料2から矢線P4
向に蒸発している蒸発物のいずれかまたは全部に
照射される、例えばリモートコントロールで移動
できるように容器1に配設されることが好まし
い。イオン源8を移動するためには、移動の容易
性からカウフマン型イオン源を配設することが特
に好ましい。 例えば、の場合、すなわち基板の表面に蒸発
物が蒸着すると同時にまたは交互にイオンビーム
を照射する場合は、イオン注入効果などによつ
て、形成される被覆層が緻密かつ良質な層となり
あわせてこの被覆層と基板との密着性は著しく向
上する。この効果を得るためには、イオンビーム
のエネルギーを数eVから数千eVにまで高めれば
よい。 の場合、すなわち被照射試料から基板にむか
つて蒸発しつつある蒸発物にイオンビームを照射
する場合はイオンビームのエネルギーによつて蒸
発物が励起して活性となり、基板に形成される被
覆層は著しく緻密になるとともに基板との密着性
も著しく向上する。このような効果を得るために
は、被照射試料の材質によつて異なつてくるが、
そのイオンビームエネルギーは数eVから数千eV
の範囲にあればよい。 [発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明のレーザ
蒸着装置は、形成すべき被覆層に含有されてもよ
いイオン種のビームを照射するイオン源を具備
し、このイオンビームを基板またはそこに形成さ
れた被覆層に照射すれば被覆層を目標とする最適
組成を有する良質なものにすることができるとと
もに基板との密着性が著しく向上する。更に蒸発
しつつある蒸発物に照射すれば著しく緻密な被覆
層を基板の表面に密着して形成することができ
る。このように本発明の装置は優れた効果を奏し
その工業的価値は著しく大である。 [発明の実施例] 以下に本発明装置の優れた効果を立証すべく具
体的に実施例を示す。 実施例1及び比較例1 Cu製の凹面鏡5c、材質が50重量%のTiCと
50重量%のTiNからなるセラミツクスで円柱体
の被照射試料2、WC5重量%を含むCoの超硬合
金製の基板6を容器1内にセツトして図に示した
ような装置を組立てた。 容器1内を1×10-5Torrよりも高真空となる
ように排気し、被照射試料2を20rpmで軸回転さ
せながら加熱器3によつて500℃に予熱し、また
基板6を加熱器6aによつて500℃に予熱した。 つぎにレーザ光発振器4からCWCO2レーザ光
を発振させ、透過窓5b(KC1製)から容器1内
に導入し、これを凹面鏡5cで集光して2000Wの
集束CWCO2レーザ光を被照射試料2にその接線
方向から照射して基板6の表面にTiCN系の被覆
層を形成した。イオン源8からはイオン加速エネ
ルギーが1000eVの炭素イオンビームを被照射試
料2から蒸発している蒸発物に照射しつつ被覆層
の形成を行つた。 硬さがマイクロヴイツカースで2700Kg/mm2
TiC−TiN系被覆層が形成された。炭素イオンビ
ームを照射しない場合の被覆層の硬さはマイクロ
ヴイツカースで2000Kg/mm2であつた。 また、両者の被覆層にロツクウエルAによつて
圧痕をつけたところ、前者の被覆層の圧痕個所は
基板から剥離しなかつたが、後者のそれは剥離し
てしまつた。 以上のようにして、本発明のレーザ蒸着装置を
用い炭素イオンビームを照射して得られた被覆層
と、比較(比較例1)として、炭素イオンビーム
を照射しない他は、上記実施例と同じ装置及び同
じ条件を用いて得られた被覆層とを、X線光電子
分析法(ESCA)によつて調べたところ、本発明
のレーザ蒸着装置を用い炭素イオンビームを照射
した結果得られた被覆層については、TiC−TiN
ラインが観察されたのに対し、比較例の炭素イオ
ンビームを照射しないで得られた被覆層について
は、TiC−TiN−Tiラインが観察された。同じく
ESCAによつて、それぞれの被覆層の構成原子を
カウントし、構成原子組成(at%)を求め、さら
には、この原子組成(at%)(カウント比)から
構成原子のそれぞれの被覆層中の構成比を求め
た。結果を第1表に示す。
【表】 第1表からも明らかなように、本発明のレーザ
蒸着装置を用い炭素イオンビームを照射して得ら
れた被覆層は、比較例の炭素イオンビームを照射
しないで得られた被覆層に比べて、その原子組成
が化学量論的組成に近く、良質な被覆層であつ
た。 実施例2及び比較例2 実施例1の装置において、イオン源8からはイ
オン加速エネルギーが2000eVの窒素イオンビー
ムを基板6に照射しながら被覆層の形成を行なつ
た。得られた被覆層の硬さはマイクロヴイツカー
スで2500Kg/mm2であつた。一方、窒素イオンビー
ムを照射しないで形成された被覆層の硬さはマイ
クロヴイツカースで1900Kg/mm2であつた。 また、両者の被覆層にロツクウエルAによつて
圧痕をつけたところ、前者の被覆層の圧痕個所は
基板から剥離しなかつたが、後者のそれは剥離し
てしまつた。 以上のようにして本発明のレーザ蒸着装置を用
い窒素イオンビームを照射して得られた被覆層
と、比較(比較例2)として窒素イオンビームを
照射しない他は、上記実施例と同じ装置及び条件
を用いて得られた被覆層とをESCAによつて調
べ、それぞれの被覆層の構成原子組成(at%)と
構成原子比(at比)を求めた。結果を第2表に示
す。
【表】 第2表からも明らかなように、本発明のレーザ
蒸着装置を用い窒素イオンビームを照射して得ら
れた被覆層は、比較例の窒素イオンビームを照射
しないで得られた被覆層に比べて、その原子組成
が化学量論的組成に近く、良質な被覆層であつ
た。 実施例3及び比較例3 実施例1の内、被照射試料2にTicセラミツク
ス円柱体を用いる以外は、実施例1と同様にして
レーザ光を照射し、又イオン源8から実施例1と
同様にして炭素イオンビームを照射して、基板6
の表面にTiCの被覆層を形成した。 この本発明のレーザ蒸着装置でもつて作製した
被覆超硬合金の被覆層の硬さ(マイクロビツカー
ス硬さ)は、2300Kg/mm2であつた。 比較として、容器内を1×10-5Torrよりも高
真空となるように排気した後、Arガスを容器内
に導入し、次いで蒸発源よりTiを加熱蒸発させ、
それと同時にイオンビームにて炭素イオンを照射
して、基板の表面にTiCの被覆層を形成した。 この真空蒸着とイオンビームを併設した比較の
装置でもつて作製した被覆超硬合金の被覆層の硬
さ(マイクロビツカース硬さ)は、1600Kg/mm2
あつた。 この本発明の装置で作製した被覆超硬合金と比
較の装置で作製した被覆超硬合金のそれぞれの被
覆層をESCAにより調べ、その結果を第3表に示
した。
【表】 第3表からも明らかなように、本発明のレーザ
蒸着装置(レーザ蒸着+イオンビーム)を用いて
得られた被覆層は、比較例の真空蒸着装置(真空
蒸着+イオンビーム)を用いて得られた被覆層に
比べて、その構成原子組成が化学量論的組成に近
く、良質な被覆層であり、かつ、硬さも、はるか
に高いことが確認できた。 実施例4及び比較例4 被照射試料として純度99.9%以上のh−BN(六
方晶窒化ホウ素)を焼結したセラミツクスの、直
径30mm、厚さ10mmの円板状の焼結体を用いたこ
と、レーザ光の照射を被照射試料である円板面の
法線に対し約60°の方向から行つたこと、及び窒
素イオンビームを照射したこと以外は、実施例1
と同じ条件で照射を行い、基板の表面に窒化ホウ
素の被覆層を形成し、実施例4の試料を得た。 比較として、窒素イオンビームの照射を行わな
いで、他は実施例4と同じ条件で、基板の表面に
窒化ホウ素の被覆層を形成し、比較例4の試料を
得た。 こうして得た実施例4及び比較例4の試料の被
覆層の硬さ及び密着性を調べたところ、マイクロ
ビツカース硬さは、実施例4の試料が3500Kg/mm2
であるのに対し、比較例4の試料は2000Kg/mm2
過ぎず、スクラツチ試験機による被覆層の耐剥離
荷重は、実施例4の試料が5Kgfであるのに対
し、比較例4の試料は2Kgfに過ぎなかつた。
【図面の簡単な説明】
図は本発明のレーザ蒸発装置の好適な1例を示
す概略図である。 1……反応容器、2……被照射試料、2a……
回転軸、3……加熱器、4……レーザ光発振器、
4a,4b……ミラー、5a……集光レンズ、5
b……透過窓、5c……凹面鏡(放物面鏡)、6
……基板、6a……加熱器、7……可動シヤツ
タ、8……イオン源。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 真空容器内で軸回転する被照射試料と、レー
    ザ光を導入しかつ集束せしめて該被照射試料に照
    射する光学系調整器と、該被照射試料に対向して
    配設され、その表面には該被照射試料の蒸発物に
    よる被覆層が形成される基板とを具備するレーザ
    蒸着装置において、該被覆層の構成物質の一部と
    して包含されうる元素のイオンビームを真空容器
    内の該基板及び/又は該蒸発物に照射するイオン
    源が付設されており、該イオン源が、窒素イオン
    源、炭素イオン源、酸素イオン源、ホウ素イオン
    源から選ばれる少なくとも一種のイオン源である
    ことを特徴とするレーザ蒸着装置。 2 該被照射試料には、温度制御が可能な加熱器
    が付設されている特許請求の範囲第1項記載のレ
    ーザ蒸着装置。 3 該基板には、温度制御が可能な加熱器が付設
    されている特許請求の範囲第1項記載のレーザ蒸
    着装置。
JP1106486A 1986-01-23 1986-01-23 レ−ザ蒸着装置 Granted JPS62170474A (ja)

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