JPH0480001B2

JPH0480001B2 -

Info

Publication number: JPH0480001B2
Application number: JP58047033A
Authority: JP
Inventors: Yoshio Hachiman; Keiichi Uehara; Tsutomu Saito; Yoko Myashita; Hiroshi Tanaka
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1983-03-23
Filing date: 1983-03-23
Publication date: 1992-12-17
Also published as: JPS59172495A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、高分子量ジメチルポリシロキサンを
含み低分子量のそれを実質上含まない皮膚刺激性
等のない人体に極めて安全な低粘度ジメチルポリ
シロキサン組成物を配合した油性固型状化化粧料
に関する。従来、ジメチルポリシロキサンで総称させる油
状物は、シリコーンオイルの１種として知られ、
繊維処理剤、電気絶縁油、離型剤、消泡剤等とし
て広い分野で使用されている。ジメチルポリシロ
キサンはジメチルシロキサン構造を有する化合物
ないしその組成物であり、組成分布の違いにより
0.65〜100000CS（センチストークス）の広範囲に
わたる粘度のものがあり、これら各種粘度のもの
が市販されている。化粧品の分野でもジメチルポリシロキサンは
種々の用途に用いられており、特に３〜10CSの
低粘度のジメチルポリシロキサンは、メイクアツ
プ用油性固型状化粧料に配合されている。この油
性固型状化粧料は、例えば固型油分を含む油成分
35〜70重量％及び粉末成分30〜65重量％を主成分
としたものであるが、このものは、油分の作用に
より使用時皮膚をしつとりさせ、秋期、冬期に肌
の乾燥を防ぎ皮膚生理上優れており、秋から冬に
かけての化粧料として賞用されている。そして、
この化粧料に前記のような低粘度のジメチルポリ
シロキサンを配合すると、使用時のびがよくなる
ので、最近はこのような配合の油性固型状化粧料
が多く使用させるようになつている。ところで、本発明者らは、化粧料に関する人体
安全性確保の見地から前記化粧料に配合する低粘
度ジメチルポリシロキサンについて厳格な試験を
行つたところ、後述するように、このものに皮膚
刺激性等の欠点があることがわかつた。そこで研
究を進めた結果、低粘度ジメチルポリシロキサン
に含まれている特定の低分子量ジメチルポリシロ
キサンが皮膚刺激性等の原因であり、この低分子
量部分を除いた粘度３〜10CSの低粘度ジメチル
ポリシロキサンが皮膚刺激性等の欠点がなく人体
に完全に安全であり、また、これを配合した固型
状化粧品も同様に安全であり、加えて、のびも良
好であることを見出した。さらに、本発明者らは次のような知見を得てい
る。すなわち、一般に低粘度ジメチルポリシロキ
サンを配合した油性固型状化粧料は、粉末を加熱
溶解した油分中に加え溶融した状態でコンパクト
中皿等に流し込んで冷却固化し、必要なときには
低圧プレスして製造されるが、従来の粘度３〜
10CSの低粘度ジメチルポリシロキサンを用いる
と、時間経過に伴い中皿と内容の間に〓間があい
て内容が中皿から抜け出したり、外観を損傷した
りすることがあつた。しかし、低分子量部分を除
いた粘度３〜10CSの低粘度ジメチルポリシロキ
サンを用いると前記の製造上のトラブルが解消す
る。本発明は、以上の知見に基づき完成されたもの
で、次のとおりのものである。 (1) 固型油分を含む油成分と、粉末成分とを主成
分とする化粧料組成物に、下記（組成）及び
（組成）並びに（物性）のすべてを具有す
るジメチルポリシロキサン組成物を配合してな
る油性固型状化粧料。下記式においてｎが４〜25の範囲にある高分子量ジ
メチルポリシロキサンを含む。同式においてｎが０〜３の範囲にある低分
子量ジメチルポリシロキサンを実質上含まな
い。低粘度である３〜10CS（センチストーク
ス）の粘度を有する。 (2) 主成分が油成分35〜70重量％及び粉末成分30
〜65重量％からなる特許請求の範囲１の油性固
型状化粧料。本発明の油性固型状化粧料は、皮膚刺激性等が
なく人体安全性が高く、種々の用途に使用されて
本来の性能を発揮できるから、極めて有用であ
る。また、本発明の油性固型状化粧料は、人体安全
性が高く、のびが良好であり、系の安全性もよ
く、また、製造時に内容物が中皿から抜け出たり
製品外観が損傷されたりするトラブルを起さない
から、極めて価値が高い。以下、本発明の構成について述べる。本発明の低粘度ジメチルポリシロキサン組成物
は、下記式においてｎが４〜25の範囲にある高分子量ジメチ
ルポリシロキサンを含み、ｎが０〜３の範囲にあ
る低分子量ジメチルポリシロキサンを実質上含ま
ないものである。便宜上、上式において〔（CH₃）₃−Si〕をＭと
し

【式】をＤと表わすと、低分子量ジメチルポリシロキサンは、ｎが０〜３である場合に
対応して、それぞれM₂、M₂D₁、M₂D₂、M₂D₃と
表示でき、以下の説明ではこのような表示による
ことがある。本発明の組成物は、例えば市販の粘度３〜
10CSの低粘度ジメチルポリシロキサンから低分
子量のM₂、M₂D₁、M₂D₂、M₂D₃を揮発性の差
（分子量の低いものほど揮発性は大となる。）を利
用して分留により除去して得ることができる。例
えば29〜56℃／１mmＨｇ（油浴温度120〜138℃）
で留出するものを除去すれば所望の高分子量ジメ
チルポリシロキサンのみを含んだ所望粘度のもの
が得られる。組成物の粘度が3cs未満であるものは、M₂D₃以
下（M₂、M₂D₁、M₂D₂、M₂D₃）を必ず含み皮膚
安全性に欠け好ましくない。また、10csを超える
粘度のものは、のびが重くなり使用性がよくな
い。本発明の組成物が高い人体安全性を有すること
は、次の実験結果から確認することができる。本発明におけるジメチルポリシロキサン組成物
について、及び、分留除去したM₂〜M₂D₃のそれ
ぞれについて、後記FDA法（米国食品薬品局法）
に準じた方法によつて皮膚一次刺激値を調べたと
ころ、次表の結果を得た。

〔判定〕

(1) 紅斑及び痂皮の形成紅斑の全く認められないもの ……０僅かな紅斑が認められるもの ……１明らかな紅斑が認められるもの ……２強い紅斑が認められるもの ……３強い紅斑に僅かな痂皮の認められるもの ……４ (2) 浮腫の形成浮腫の認められないもの ……０非常に僅かな浮腫の認められるもの ……１僅かな浮腫の認められるもの ……２中等度の浮腫の認められるもの ……３（大体１mm程度）強い浮腫の認められるもの ……４（１mm以上及び貼布範囲以外にはみ出す）無傷皮膚、有傷皮膚各４羽についての24、72時
間後の紅斑（痂皮）及び浮腫の形成の判定の平均
値とを加え、これを動物検体数４で割つた平均
値、動物皮膚一次刺激性の評価を表わす。本発明において油性固型状化粧料は、好適に
は、固型油分を含む油成分が35〜70重量％、粉末
成分が30〜65重量％からなる化粧料である。本発明において粘度３〜10CSの特性組成の低
粘度ジメチルポリシロキサン組成物は、化粧料に
通常１〜65重量％配合される。本発明の油性固型
状化粧料は、皮膚刺激性がなく皮膚安全性が極め
て高く、のびが良好で使用性がよい。本発明における油成分に含まれる固型油分は、
通常、融点40℃以上のものであり、高級アルコー
ル、高級脂肪酸、炭化水素、天然ロウをはじめと
する各種エステル、天然油脂をはじめとする各種
グラセライドのうち、融点40℃以上のものが、１
種又は２種以上、任意に選ばれて使用される。こ
れらの固型油分の例としては、例えばセチルアル
コール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、
ベヘニン酸、固型パラフイン、マイクロクリスタ
リンワツクス、ポリエチレン末、キヤンデリラロ
ウ、カルナバロウ、バリコワツクス、硬化ヒマシ
油を挙げることができる。固型油分の配合量は、
油性固型状化粧料の1.0〜60.0重量％が好適であ
る。1.0重量％より少ないと、固型油分特有の硬
さが失なわれて、固型状化粧料の表面が軟らかく
なりすぎ、60.0重量％を超えると、逆に表面が硬
くなりすぎ、どちらも化粧用具（スポンジやパ
フ）への化粧料のとれが適当でなくなるので、好
ましくない。本発明における油成分には、前記の固型油分の
ほかに、一般に化粧料に使用される植物油、動物
油、鉱物油、合成エステル油等を使用することが
できる。これらの例としては、例えばオリーブ
油、ホホバ油、ヒマシ油、ラノリン及びその誘導
体、スクワラン、流動パラフイン、ワセリン、ト
リメチロールプロパントリイソステアリート、イ
ソプロピルミリステート、グリセロールトリ−２
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトール
テトラ−２−エチルヘキサノエートを挙げること
ができる。このほか合成シリコーン油も例えばポ
リフエニルメチルシロキサン等は本発明の目的に
適合する範囲で使用することができる。固型油分
を含めた油成分の配合量は、固型状化粧料の通常
35〜70重量％である。35重量％未満では加熱して
も流動性が悪く中皿に流し込み難い。70重量％を
超えると出来上つた固型状化粧料が油つぽくな
り、肌につけたとき上すべりするようになり、化
粧もちも悪くなる。本発明で配合される粉末成分は、一般に化粧品
に利用される粉末類で、例えばタルク、マイカ、
クレー、カオリン等の体質顔料、酸化チタン、亜
鉛華、酸化鉄、群青等の無機顔料、有機顔料及び
パール顔料等である。配合量は、30〜65重量％で
油分（固型油分を含む。）の量によつて決定され
る。本発明の油性固型状化粧料には、上記の必須成
分の他、必要に応じて色素、防腐剤、香料等を配
合することができる。以下、本発明を実施例によつて説明する。製造例冷却管、撹拌装置を備えた１の三つ口フラス
コにヘキサメチルジシロキサン（M₂）162ｇ（１
モル）、オクタメチルシクロテトラシロキサン
682.2ｇ（2.2モル）、濃硫酸4.9ｇ（0.005モル）を
仕込み、窒素雰囲気下50℃で約３時間加熱反応さ
せる。反応終了後、５ｇの水を入れ、さらに30分
間撹拌する。これを５％Na₂CO₃水溶液で洗浄
し、洗液が中性になるまで水洗する。次に、95℃／20mmＨｇ下で低沸分（M₂D₄以
下）を留去し、蒸留残分795ｇを得た。ガスクロ
マトグラフイ分析の結果、このものは、M₂D₅〜
M₂D₁₃を95％以上含み、M₂、M₂D₁、M₂D₂、
M₂D₃を実質上含まず、粘度が5.8CS（25℃）であ
つた。実施例１下記の処方により、フアンデーシヨンを製造し
た。製造例で得たジメチルポリシロキサン組成物
27部活性剤５部カルナバロウ２部固型パラフイン 10部マイカ 20部カオリン 15部酸化チタン 15部着色顔料５部香料１部計 100部、を混合し、その中に〜を添加して混
合する。その後、を添加して加熱し、混合す
る。その後、脱気して香料を添加して中皿に充填
し、冷却後低圧（５Kg／cm²）にてプレスして、フ
アンデーシヨンを得た。実施例２次の処方により、アイシヤドーを製造した。製造例で得たジメチルポリシロキサン組成物
38.5部スクワラン 15部活性剤 0.5 カルナバロウ５部固型パラフイン５部マイカ 15部着色顔料 10部パール顔料 10部香料１部計 100部を混合し、その中にを添加して混
合する。その後を添加して、加熱し混合す
る。その後脱気し香料を添加して中皿に充填し
て、アイシヤドーを得た。実施例３次の処方により、ほほ紅（べに）を製造した。製造例で得たジメチルポリシロキサン組成物
35部イソプロピルミリステート５部活性剤３部カルナバロウ５部固型パラフイン１部マイカ 35部着色顔料５部パール剤 10部香料１部計 100部を混合し、その中にを添加して混
合する。その後を添加して加熱し混合する。
その後脱気し香料を添加して中皿に充填して、ほ
ほ紅を得た。以上、実施例１〜３で得られた油性固型状化粧
料は、いずれも皮膚刺激性なく人体に安全であ
り、また、経時における物質安定性が良好であつ
て、製造時内容と中皿との間に〓間を生ずること
がなく内容が抜け出たり製品外観を損傷すること
がない。

Claims

【特許請求の範囲】１固型油分を含む油成分と、粉末成分とを主成
分とする化粧料組成物に、下記（組成）及び
（組成）並びに（物性）のすべてを具有するジ
メチルポリシロキサン組成物を配合してなる油性
固型状化粧料。下記式においてｎが４〜25の範囲にある高分子量ジメ
チルポリシロキサンを含む。同式においてｎが０〜３の範囲にある低分子
量ジメチルポリシロキサンを実質上含まない。低粘度である３〜10CS（センチストークス）
の粘度を有する。２主成分が油成分35〜70重量％及び粉末成分30
〜65重量％からなる特許請求の範囲１の油性固型
状化粧料。