JPH0478885B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は気化器に装着した電熱体により液体
燃料を予熱気化して噴出口よりスロート付き円形
バーナーに噴出し燃焼させる液体燃料燃焼装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は従来の液体燃料燃焼装置を示す要部の
断面図である。同図に於いて、１は電熱体により
液体燃料を予熱気化する気化室（図示せず）から
導管１ａを経て送られてくる気化燃料を噴出する
噴出口、２は噴出口１から噴出される気化燃料を
受けるスロート、３は金網等で形成されるバーナ
ーヘツド、４はヘツド３を押え込むためのヘツド
押えで、スロート２の頂部に設けたバーナー底壁
５ともにバーナーヘツド３を挟持固定するもので
ある。

次に動作について説明する。噴出口１から噴出
された気化燃料Ａはそれ自身の勢いにより周辺の
エアーＢをスロート２内に吸い込み、上昇進行と
ともにそのエアーとの混合気となりバーナーヘツ
ド３に至る。しかしてバーナーヘツド３の外周か
ら流出する混合気に着火すれば燃焼炎が生じ、継
続して送られてくる燃料により燃焼を続行する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来のブンゼン式の燃焼装置で
は、燃焼部分と気化部とは全く別の要素構成とな
つていた為、比較的高価格なものとなつてしまう
と共に、燃焼部分及び気化部周辺のスペースロス
が大きく、設置場所が比較大きくなる問題があつ
た。

この発明は、上記の問題点を解消するためにな
されたもので、低コスト化及び省スペース化うを
図るようにした液体燃料燃焼装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る液体燃料燃焼装置は、スロート
を噴出口近傍から燃焼ヘツドまで延びるものと
し、液体燃料を気化する気化室をスロートの外周
囲にスロートと一体に形成し、この気化室を噴出
口に連通したものである。

〔作 用〕

この発明においては、タンクから気化室に送ら
れてきた液体燃料は、気化室が加熱されているの
で瞬時に気化され、噴出口に送られ、ここからス
ロートに噴出口される。スロートは、この噴出に
伴うジエクター効果により、気化燃料とともに噴
出口周囲の外部空気も同時に吸入してこれらを混
合する。さらにこの混合ガスが燃焼ヘツドに送ら
れ、周囲に噴出されて燃焼に供される。そして、
この燃焼により生じた火炎が気化室の外壁上端の
突出部を加熱し、この熱が熱伝導されて気化室は
適温に保たれる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図について説
明する。

第１図において、噴出口１、スロート２、バー
ナーヘツド３、ヘツド押え４及びバーナー底壁５
は第２図に示す従来品と同様の構成になつてい
る。そして、本実施例にあつては、スロート２の
外周囲に気化室６を一体に設けたものである。

上記気化室６は外周囲を覆う筒状の外壁７と、
その上部を閉塞するバーナー底壁５及び下部開口
を閉塞する蓋部材８とにより密封構造に形成さ
れ、そして蓋部材８には液体燃料供給口９及び気
化燃料吐出口１０がそれぞれ形成していると共
に、供給口９には液体燃料供給ポンプ（図示せ
ず）に接続された給油パイプ１１が連結され、さ
らに気化燃料吐出口１０に気化燃料導管１２の一
端が連結され、その他端は噴出口１に接続されて
いる。また、上記外壁７の外部には液体燃料気化
用のシーズヒータ１３が鋳込みによつて一体に埋
設されている。１５は気化室外壁７の上端に形成
したリング状の突部で、火炎１４の熱を気化室６
へ有効に伝導するためのものである。

次に、上記のように構成された本実施例の動作
について説明する。

ポンプにより給油パイプ１１を通して送られた
液体燃料は燃料供給口９から気化室６に入ると、
ヒータ１３により予じめ200℃〜300℃の温度に加
熱されている気化室６で気化される。そして気化
膨張により内圧が高まると、気化燃料は吐出口１
０から導管１２を経て噴出口１よりスロート２内
に噴出される。このとき、気化燃料噴出力により
スロート２の下部開口からエアーが吸引されスロ
ート２内にて混合気となり、バーナーヘツド３に
至り着火され火炎１４を形成する。また火炎１４
は気化室上端の突部１５付近を加熱するため、そ
の熱伝導により気化室６を加熱する。なお、突部
１５の突出量を適に設定することにより、気化室
６を適温に保つことが可能であり、燃焼中はシー
ズヒータ１３への通電が不要となる。

上記のような本実施例のブンゼン式バーナにあ
つては、気化室６をスロート２の外周部に一体に
設けたものであるから、従来のように燃焼部と気
化部とを別構造にしたものに比し低コスト化がで
きるとともに、気化室６はスロート２の周辺空き
スペースを利用して設けられるため、これらの設
置場所の省スペース化が可能になる。また、燃焼
熱を液体燃料の気化に有効に利用できる。

なお、上記実施例では気化室形成のための蓋部
材８を外壁底部に設ける場合について述べたが、
これは上、下逆にして上端面をバーナー底壁５を
兼ねた蓋部材にて閉塞しても同様の効果がある。

また、上記実施例では液体燃料供給口９と、気
化燃料吐出口１０が同じ高さになつているが、灯
油の流入時は気化室壁が200〜300度になつている
ので、気化室６に流入した灯油は瞬時に気化して
しまい、気化燃料吐出口１０から液体の灯油が流
出することはない。なお、気化室壁が低温の場合
は、噴出口１を開閉する弁（図示せず）も閉じら
れている。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、気化室をス
ロートの外周囲に設けることにより、省スペース
化が図れ、スロート長が長くできると共にスロー
ト径を大きくできるため、騒音が低減される。

また、スロートと気化室とを一体に形成するこ
とにより、組立コストの低減が図れ、さらに、ス
ロート温度を高く保ち、混合気温度を上げること
ができるため、混合気の凝縮が防止され、着火性
が改善される。

また、スロート入口が噴出口近傍にあり、気化
室がスロートの外周囲にスロートと一に設けられ
ることにより、スロート長を長くできて、スロー
トと噴出口の位置関係をばらつきなく適性な位置
に保てるため、吸引性能の向上と安定化が図れ、
不完全燃焼を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す液体燃料燃
焼装置の断面側面図、第２図は従来における燃焼
装置の要部の断面図である。 図中、１は噴出口、２はスロート、３はバーナ
ーヘツド、４はヘツド押え、５はバーナー底壁、
６は気化室、７は気化室用外壁、８は蓋部材、９
は液体燃料供給口、１０は気化燃料吐出口、１１
は給油パイプ、１２は気化燃料導管。なお、図中
同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 噴出口から噴出される気化燃料を外部空気と
   ともに吸入し混合するスロートと、このスロート
   の上部にあつてスロートで混合された混合ガスを
   燃焼させる燃焼ヘツドとを備えた液体燃料燃焼装
   置において、 上記スロートを上記噴出口近傍から上記燃焼ヘ
   ツドまで延びるものとし、液体燃料燃を気化する
   気化室を上記スロートの外周囲に上記スロートと
   一体に形成し、この気化室を上記噴出口に連通し
   たことを特徴とする液体燃料燃焼装置。