JPH0477847B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

(イ) 産業上の利用分野 本発明は、車室内に設けた表示画面上の映像が
フロントガラスに映るのを防止するとともに運転
者に運転情報以外の表示は見えないようにした車
両用情報表示装置に関する。 (ロ) 発明の背景 最近、たとえば特開昭58−70122号公報に示さ
れる如く、車室内にテレビを設け、このテレビに
走行地域の地図およびこの地図内に走行軌跡など
を表示して車両の走行誘導を行なう装置が提案さ
れている。 ところで、このような表示は運転者にも他の乗
員にも必要であるので、画面は両方が見やすいイ
ンストルメントパネルやコンソール上部などに設
けられるが、表示装置のブラウン管はその奥行寸
法がある程度あるので、あまり引込めて配置する
ことができない。そのため、ブラウン管の画面は
比較的手前に位置することになるので、取付け位
置によつては表示している映像がフロントガラス
などに映つてしまい、特に夜間などは運転に支障
をきたすことも考えられる。 一方、テレビで表示できる情報には、上記車両
の走行誘導に関する情報に加えて走行可能距離な
どの情報や、テレビの公共放送などが考えられる
が、これらの情報は走行中、運転者に見えないよ
うにする方が運転上好ましい。 (ハ) 発明の目的 本発明の目的とするところは、車室内に設けら
れた表示画面上の映像がフロントガラスなどに映
るのを防止するとともに運転者に運転情報以外の
表示は見えないようにした車両用情報表示装置を
提供することである。 (ニ) 発明の構成 上記目的を達成するために、本発明は、遮光フ
イルムが差し込まれるガイド部と、該ガイド部に
差し込まれた前記遮光フイルムを固定する固定部
材と、該固定部材に固定された前記遮光フイルム
が運転者方向への光を遮る遮光フイルムである場
合に限りオンし、該遮光フイルムが運転者方向へ
の光を遮る遮光フイルムでない場合や前記遮光フ
イルムが前記固定部材によつて固定されていない
場合はオンしない検出手段と、該検出手段でオン
が検出された場合のみテレビ放送が受信可能とな
るテレビ受信手段と、受信スイツチが操作される
と前記テレビ受信手段で受信されたテレビ放送を
前記情報表示手段に出力する出力手段とを備えて
車両用情報表示装置を構成したものである。 (ホ) 実施例の説明 以下図面に基づいて本発明を説明する。 第１図は本発明による車両用情報表示装置の一
実施例の斜視図であり、この実施例では表示装置
の画面上の映像がフロントガラスに映るのを防止
するとともに、テレビの画面が運転者に見えない
ようにするために、最近開発された遮光用のライ
トコントロールフイルム（住友スリーエム製）を
用いている。このライトコントロールフイルムは
厚さが約0.7〜0.9mmのプラスチツクシートで、そ
の内部には第２図イに示すような黒色の微小なル
ーバー１が平行に埋め込まれている。第２図ロは
第２図イに示したフイルムのＫ−Ｋ断面図（ハツ
チング省略）であり、αはルーバーの向きを示す
ルーバー角、βは隣りあつたルーバーとルーバー
との間から出る光源Ｑからの光の範囲を示す可視
角である。 そこで、このライトコントロールフイルムを用
いて画面上の映像がフロントガラスに映るのを防
止するには、表１に示したフイルムＡをルーバー
が第２図イに示すように横方向に伸びるようにし
て表示装置の画面の手前側に設ければよく、この
ようにすれば画面から出る光のうちフロントガラ
スに向う光はルーバーにより遮ぎられるため、フ
ロントガラスへの映り防止ができる。 一方、運転者に画面が見えないようにするには
表１に示したフイルムＢをルーバーが縦方向に伸
びるようにして画面の手前側に設ければよく、こ
のようにすれば画面から出た光のうち運転席側に
向う光はルーバーにより遮ぎられるため、運転者
に画面が見えないようにすることができる。

【表】 第１図において、表示装置２のCRTデイスプ
レイ３の左右両側にはライトコントロールフイル
ム４を案内するガイド５が設けられており、フイ
ルム４を挿入した後は固定部材としてのフイルム
抑え部材６，６によりフイルム４を抑えるように
してある。フイルム抑え部材６の一方には第３図
に示すようにテレビの公共放送を受信するときに
はオンするプツシユ式のテレビ放送受信スイツチ
６ａが設けられている。 さて、走行中に上記表示装置によりテレビの公
共放送を見るときには、運転者にCRTデイスプ
レイ３が見えないようにするために上記表１に示
したフイルムＡ（ルーバーは横方向に伸びる）を
ガイド５に挿入し、その上に第４図イに示したよ
うな側縁に切欠きｂのあるフイルムＢ（ルーバー
は縦方向に伸びる）を挿入する。フイルム抑え部
材６のテレビ放送受信スイツチ６ａはフイルムＢ
の切欠きｂを通してテレビ接点（図示せず）と接
触するためオンとなり、テレビ放送が受信可能と
なる。従つて、この場合にはフイルムＡのルーバ
ーにより画面からの光のうちフロントガラス方向
に向う光を遮断することができるのでフロントガ
ラスへの映りを防止することができるとともに、
フイルムＢのルーバーにより運転席方向に向う光
を遮断することができるので運転者にCRTデイ
スプレイ３が見えないようにすることができるた
め、運転者が運転操作に支障はない。このとき、
助手席および後席方向に向う光はフイルムＢのル
ーバーにより遮ぎられることはないので、テレビ
用電源スイツチ（図示せず）をオンすれば助手席
および後席側の乗員はテレビ放送を見ることがで
きる。 一方、上記表示装置により公共放送以外の情報
（たとえば走行可能距離）を見るときは、その内
容が運転者に見えるようにするために、上記表示
に示したフイルムＡと第４図ロに示すようなフイ
ルムＣ（ルーバーは縦方向に伸びる）とを順次重
ねて挿入する。フイルムＣにはフイルムＢのよう
に切欠きがないので、その後フイルム抑え部材６
によりフイルムＣを抑えてもテレビ放送受信スイ
ツチ６ａはテレビ接点と接触しないため公共放送
の受信はできない。従つて、この場合もフイルム
Ａによりフロントガラスへの映りを防止できると
ともに、フイルムＣのルーバーの可視角が大きい
のでCRTデイスプレイ３からの光はフイルムＡ
を介してフイルムＣより運転席側および助手席側
の両方に向うため、運転者および乗員は公共放送
以外の情報を見ることができる。 上記表示装置において、テレビ放送受信スイツ
チ６ａはフイルム抑え部材６に設けるのではな
く、ガイド５の底部５ａに設け、それに応じてフ
イルムＢの切欠きｂ（第４図イに示す）をフイル
ムの下端b′に設けるようにしてもよい。 第５図は本発明による車両用情報表示装置の他
の実施例の斜視図であり、この実施例では表示装
置１０のCRTデイスプレイ１１の手前側に開閉
自在なフイルム挿入蓋１２を設け、蓋開放ボタン
１３を押すことにより蓋１２が開くようにしてあ
る。このの場合、運転者にCRTデイスプレイ１
１が見えるようにするためのライトコントロール
フイルムには、第６図に示すようにプツシユ式の
テレビ放送受信スイツチ１４に対応した位置に孔
Ｐが設けてあるフイルムＤが用いられ、これに対
して運転者にCRTデイスプレイ１１が見えない
ようにするためのフイルムには、テレビ放送受信
スイツチ１４に対応した位置に孔は設けていない
フイルム（図示せず）が用いられる。 上記表示装置によりテレビの公共放送を見ると
きには、蓋開放ボタン１３を押して蓋１２を開
け、運転者にCRTデイスプレイ３が見えないよ
うにするために上記表１に示したフロントガラス
映り防止用のフイルムＡ（ルーバーは横方向に伸
びる）を蓋１２に挿入し、その上に上述した孔の
ないフイルム（ルーバー角α、可視角βは表１の
フイルムＢと同じ）を挿入する。その後蓋１２を
閉じるとテレビ放送受信スイツチ１４が上記孔の
ないフイルムに押されてオンとなり、テレビ放送
が受信可能となる。従つて、この場合にはやはり
フイルムＡによりフロントガラスに向かうCRT
デイスプレイ１１からの光は遮ぎられるのでフロ
ントガラスへの映りを防止できるとともに孔のな
いフイルム（ルーバーは縦方向に伸びる）により
運転席方向に向う光を遮ぎることができるので運
転者にCRTデイスプレイ１１が見えないように
することができるため、運転操作に支障はない。 一方、公共放送以外の情報（たとえば燃料残
量）を見るときは、その内容が運転者に見えるよ
うにするために、やはり上記表１に示したフイル
ムＡと第６図に示すようなフイルムＤ（ルーバー
角α、可視角βは表１のフイルムＣと同じ）とを
順次重ねて挿入する。その後蓋１２を閉じるとテ
レビ放送受信スイツチ１４がフイルムＤの孔Ｐを
通るので、押されることなくオフの状態になり公
共放送の受信はできない。従つてこの場合もフイ
ルムＡによりフロントガラスへの映りを防止でき
るとともに、フイルムＤのルーバーの可視角が大
きいのでCRTデイスプレイ１１からの光はフイ
ルムＡを介してフイルムＤ（ルーバーは縦方向に
伸びる）より運転席および助手席側の両方に向う
ため、今度は運転者も乗員も公共放送以外の情報
を見ることができる。 この実施例において、テレビ放送受信スイツチ
は第１図の実施例と同様にCRTデイスプレイの
下側に設け、それに応じてフイルムに切欠きを設
けるようにしてもよい。またフイルム挿入蓋はフ
イルムを横方向から挿入できるように左右のいず
れか一方が開閉するようにしてもよい。 第７図は第５図に示した表示装置のフイルム挿
入蓋の開閉機構の一実施例を示しており、一端が
支持板２０に支持されたクリツクバネ２１の他端
を蓋１２のガイド１２ａの孔Ｊに取り付け、この
クリツクバネ２１の作用により蓋１２がその下部
１２ｂの支軸２２を中心にして回動するようにな
つている。 第８図および第９図は上記フイルム挿入蓋の開
閉機構の他の実施例を示している。 第８図の開閉機構は、ボタン２３を押すと扇形
部材２４がピン２５を中心にして矢印方向に回動
することにより、その扇形部材２４の突起２４ａ
が蓋２６のガイド２６ａに当たり、その結果蓋２
６がその下部２６ｂの支軸２７を中心にして回動
するようになつている。 第９図の開閉機構は、ロツク爪３０の押部３０
ａを押してロツク爪３０と蓋３１の爪３２との係
合状態を解除することにより、蓋３１がバネ３３
の作用を受けてその下部３１ａの支軸３４を中心
にして回動するようになつている。この場合は蓋
３１の下部３１ａに設けたギヤ３５をダンパギヤ
３６と係合させてあるので、蓋３１を緩やかに開
くことができる。 第１０図は本発明による車両用情報表示装置の
さらに他の実施例のCRTデイスプレイを示して
おり、この実施例では上記表１に示したライトコ
ントロールフイルムＡ（ルーバーは横方向に伸び
る）とフイルムＣ（ルーバーは縦方向に伸びる）
とをフイルム４０としてCRTデイスプレイ４１
に貼り付け、CRTデイスプレイ４１自体を手前
側に回動できるようにしてある。また、CRTデ
イスプレイ４１が実線の位置にあるときは図示し
てないテレビ放送受信スイツチはオフとなつてお
り、CRTデイスプレイ４１を鎖線で示す位置
（たとえばθ＝17゜）まで動かすとテレビ放送受信
スイツチがオンとなるようにしてある。このよう
にすれば、第１図および第５図の実施例と同様に
してフイルムＡによりCRTデイスプレイ４１か
らの光がフロントガラスに向かうのを遮ぎること
ができるため、フロントガラスへの映り防止がで
きるとともに、テレビの公共放送を見るときは上
述したようにCRTデイスプレイ４１を鎖線で示
す位置まで動かせば、CRTデイスプレイ４１か
ら出る光の向う範囲は実線で示すＲ−Ｒから鎖線
で示すR′−R′まで移動するので、助手席Ｙ側か
らはデイスプレイ４１を見ることができるが、運
転席Ｗ側からはデイスプレイ４１を見ることがで
きなくなるため、運転者の運転操作に支障はな
い。 このように構成すれば、ルーバーが横方向に伸
びるライトコントロールフイルムにより画面上の
映像がフロントガラスに映るのを防止でき、ルー
バーが縦方向に伸びるフイルムによりあるいは画
面自体を手前側に回動することにより運転者に画
面が見えないようにすることができるので運転上
好ましい。 (ヘ) 発明の効果 以上説明したように、本発明は、車室内に設け
た情報表示画面の前面に、その表示画面から前方
に出る光のうち所定の角度以上で外方に広がる光
を遮ぎる遮光フイルムを配置したので、表示画面
上の映像がフロントガラスに映るのを防止できる
とともに運転者に運転情報以外の表示は見えない
ようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による車両用情報表示装置の一
実施例の斜視図、第２図イは本発明による表示装
置に用いられるライトコントロールフイルムの斜
視図、第２図ロは同図イに示したフイルムＫ−Ｋ
断面図、第３図は第１図に示した表示装置のフイ
ルム抑え部材の斜視図、第４図は第１図に示した
表示装置に用いられるライトコントロールフイル
ムの形状を示しており、イはフロントガラス映り
防止用のフイルムで、ロは運転者に画面が見えな
いようにするためのフイルム、第５図は本発明に
よる車両用情報表示装置の他の実施例の斜視図、
第６図は第５図に示した表示装置においてライト
コントロールフイルムを取り付ける様子を示した
斜視図、第７図は第５図に示した表示装置のフイ
ルム挿入蓋の開閉機構の一実施例を示した斜視
図、第８図および第９図はフイルム挿入蓋の開閉
機構の他の実施例の斜視図、第１０図は本発明に
よる車両用情報表示装置のさらに他の実施例の
CRTデイスプレイを回動した状態を示した概略
線図である。 １…ルーバー、２，１０…車両用情報表示装
置、６ａ，１４…テレビ放送受信スイツチ、１
２，２６，３１…フイルム挿入蓋、３，４１…
CRTデイスプレイ、４０…ライトコントロール
フイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各種の情報を表示する情報表示手段と、該情
   報表示手段の前面に配置された遮光フイルムとを
   有する車両用情報表示装置において、 前記遮光フイルムが差し込まれるガイド部と、 該ガイド部に差し込まれた前記遮光フイルムを
   固定する固定部材と、 該固定部材に固定された前記遮光フイルムが運
   転者方向への光を遮る遮光フイルムである場合に
   限リオンし、該遮光フイルムが運転者方向への光
   を遮る遮光フイルムでない場合や前記遮光フイル
   ムが前記固定部材によつて固定されていない場合
   はオンしない検出手段と、 該検出手段でオンが検出された場合のみテレビ
   放送が受信可能となるテレビ受信手段と、 受信スイツチが操作されると前記テレビ受信手
   段で受信されたテレビ放送を前記情報表示手段に
   出力する出力手段と を有することを特徴とする車両用情報表示装置。