JP2000289488A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示器により表示される表示像を、反射板を
使用して反射表示させる車両用表示装置において、表示
器の表示面での外光反射を防止して、表示器による表示
像の鮮明表示を維持させると共にその表示像の視認性を
高める。 【解決手段】 自発光の表示器２５により表示される表
示像を、透過性反射板３０を使用して目視者方向へ反射
表示させる車両用表示装置において、上記表示器２５の
表示面２６に特定方向からの入射光を遮光することがで
きるプリズム板２７を被着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車室内のインスト
ルメントパネル内に設備されている表示器による表示情
報（表示像）を、インストルメントパネル上で起伏可能
に設けられている反射板に反射させて、運転者が目視で
きるように設ける車両用表示装置であって、特に上記の
反射板に外光反射が生じないように構成する車両用表示
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の車室内に設備されているインス
トルメントパネル内に設備されている自発光表示器によ
る表示情報を、インストルメントパネル上で起伏可能に
設備されている反射板に反射させ、この反射板により反
射された反射像を反射板の前方で生じる虚像として目視
することができる従来の車両用表示装置として数多の提
案がなされている。

【０００３】例えばその基本的構造の従来例として、例
えば特開昭６２−１０１５３５号で示す車両用表示装置
が知られている。

【０００４】この従来例の構成は、図４で示すように、
インストルメントパネル１の内部に設けられた支持体２
にはＣＲＴ等からなる表示器３が、その表示面４を上に
して装着されている。またインストルメントパネル１の
上面には、上記表示器３の表示面４に対応する表示開口
部５が形成されている。

【０００５】６は、その表示開口部５を開閉することが
できる蓋体であって、この蓋体６は支軸７を介して起伏
可能に軸支されると共に、その蓋体６の内側面には、上
記表示器３による表示像を目視者方向へ反射表示せしめ
るための反射面（ミラー）８が設けられている。

【０００６】そして上記表示器３による表示像を見る場
合は、蓋体６を斜め上方へ起立させると共に表示器３を
起動させることにより、表示器３による発光表示像は、
蓋体６の内側面に設けられている反射面（ミラー）８を
介して目視者方向へ反射表示されるように構成されてい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来構造の表示装置では、例えば図５で示すように、自
動車のフロントガラス（フロントガラスは傾斜している
ため、フロントガラスの上端方向から表示器４に向っ
て、外光が入射することがある。）、あるいはサイド窓
ガラス等から車室内へ入射した外光が、フロントカバー
９により反射されることがあり、この外光反射によっ
て、表示器３による表示像の鮮明さが損なわれたり、あ
るいは表示像と車外景色とが重り合って表示像の確認が
できなくなるという不具合があった。

【０００８】本発明はかかる不具合を解消するためにな
されたもので、表示器により表示される表示像を、反射
板を使用して虚像表示させる車両用表示装置において、
表示器の表示面での外光反射を防止して、表示器による
表示像の鮮明表示を維持させると共にその表示像の視認
性を高めることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１では、自発光の表示器により表示さ
れる表示像を、反射板を使用して目視者方向へ反射表示
させる車両用表示装置において、上記表示器の表示面に
特定方向からの入射光を遮光することができるプリズム
板を被着してなり、該プリズム板は、透光性板材の上面
に断面山形となる２つの傾斜面を有する多数の凸条を形
成してなり、その一方向を指すそれぞれの傾斜面には遮
光層を施し、他方向を指す傾斜面は透過光面となしてい
る車両用表示装置であることを特徴としている。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図１乃
至図３に基いて詳細に説明する。

【００１１】図１において、１１は自動車車室内に設備
されているインストルメントパネルであって、このイン
ストルメントパネル１１の上面であってしかもその車幅
方向中央部には、表示開口部１２が設けられており、こ
の表示開口部１２には、蓋体１３が開閉可能に被着され
るようになっている。該蓋体１３は、蓋部１３Ａと該蓋
部１３Ａに対して一体である支持部１３Ｂとからなって
おり、該支持部１３Ｂの下端部は、インストルメントパ
ネル１１の内部に位置されるブラケット１４に取付ねじ
１５を介して固定されている。

【００１２】このブラケット１４は、車幅方向に長く、
その両側端に、Ｌ字状に折り曲げられたそれぞれの側壁
１４Ａが一体に形成されており、それらの側壁１４Ａの
前部にはガイドピン１６が突設されており、またこの側
壁１４Ａの後部には支軸１７を介してナットブラケット
１８が軸支されている。このナットブラケット１８の車
幅方向中央部には、可動ナット１９が回転不能に保持さ
れており、この可動ナット１９には、スクリュー杵（ね
じ杵）２０が噛合されている。

【００１３】該スクリュー杵２０の両端部は、インスト
ルメントパネル１１の裏側に固着されている表示器ブラ
ケット２１に対して回転自在に支持されておりさらにこ
のスクリュー杵２０に設けられている動力伝達ギヤ２２
は、不図示の減速ギヤ群を介して駆動モータに噛合され
ている。また上記左右両側一対のガイドピン１６は表示
器ブラケットと一体に設けられている左右両側の側壁２
３に設けられている略ヘの字状のカム溝２４に沿って案
内されるようになっている。

【００１４】２５は表示器ブラケット２１に取付けられ
ている表示器であって、この表示器２５は液晶表示器あ
るいはＣＲＴ等による自発光表示器であって、表示面２
６は上方を向いている（図３における３５は、液晶素子
部を示し表示器２５が液晶表示器であることを示す）。
該表示面２６の上には、プリズム板２７がその表示面２
６と平行に位置されている。このプリズム板２７の構成
は、図３で示すように、透明なる板材の下面（表示面２
６との対向面）はフラットに形成されており、またその
上面には、例えば断面形状が４５度の傾斜面３３Ａ，３
３Ｂを有する二等辺三角形状でありかつ車幅方向に延び
る多数（無数）の凸条２８を車体の前後方向に沿って連
続形成されている。そして上記三角形状である各凸条２
８の車体後方に向くそれぞれの傾斜面３３Ａには、例え
ば黒色塗装による遮光層２９を施して、特定方向（例え
ば車体の前方向）からの外光を、上記遮光層２９により
遮ることができるようにしている。尚遮光層は、黒色塗
装のみに限るものではなく、不透過層又はマット処理等
の光吸収層でもよい。

【００１５】３０は上記蓋体１３の内側に取付けられて
いる反射板（ミラー）であって、上記蓋体１３の全開時
において、表示器２５により表示される表示像が、その
透過性反射板３０を介して目視者のアイポイント３１へ
虚像として表示されるものである。３２は自動車のフロ
ントガラスを示す。

【００１６】以上が本実施形態であるが、次にその作用
について述べると不図示であるスイッチを操作して駆動
モータを例えば逆転させると、その駆動モータの逆転力
は減速ギヤ群を介してスクリュー杵２０に伝達され、ス
クリュー杵２０は逆回転する。このスクリュー杵２０の
逆回転により、図１において、可動ナット１９は、スク
リュー杵２０に沿って車体前方向へ移動を開始する。

【００１７】この可動ナット１９の移動によって、この
可動ナット１９と一体であるナットブラケット１８及び
支軸１７を介してブラケット１４も車体前方向へ引寄せ
られる。かくしてブラケット１４がＸ方向へ引寄せられ
ることにより、該ブラケット１４に突設されているガイ
ドピン１６がカム溝２４に沿ってヘの字状に移動するた
めに、このガイドピン１６の移動により、蓋体１３は、
インストルメントパネル１１に設けられている表示開口
部１２を閉塞する。

【００１８】また上記蓋体１３による表示開口部１２の
完全閉塞時において、駆動モータを正回転させると、上
記動作とは逆にスクリュー杵２０は正回転し、その結果
可動ナット１９は、車体後方向へスクリュー杵２０の軸
方向に沿って移動する。この可動ナット１９の移動によ
りブラケット１４に突設されているガイドピン１６はカ
ム溝２４に沿って降下し、このために蓋体１３は次第に
起立し、最終的には、図２で示すようにその蓋体１３の
内側に取付けられている反射板３０が略４５度に傾斜し
た起立位置で停止保持される。

【００１９】このように反射板３０が略４５度の傾きで
起立されたとき、表示器２５を発光表示させると、この
発光表示像は、反射板３０により反射され、この反射板
３０で反射された表示像は、その反射板３０の前方で反
射表示像として目視者のアイポイント３１で目視確認す
ることができるものである。

【００２０】このような表示器２５による表示時におい
て、例えば図１で示すように車体外部からの太陽光又は
明るい景色等の外光がフロントガラス３２の上方部から
表示器２５の表示面２６に向けて照射されるとき、仮に
上記プリズム板２７を設けていない場合は、その外光が
上記表示面２６で反射されて反射板３０に向い、反射表
示されるため、表示器２５による表示像の鮮明さが損な
われる。ところが本実施形態にあっては、上記表示面２
６上に、特定方向（光の入射方向）からの入射光を遮光
することができるプリズム板２７を設けていることか
ら、外光が表示器２５の表示面に照射されることが防止
できる。

【００２１】また表示器２５による表示像は、その表示
面２６よりプリズム板２７の他方の傾斜面３３Ｂを透し
て反射板３０方向へ投影され、従って上記プリズム板２
７の一方の傾斜面３３Ａに遮光層２９が設けられていて
も表示器２５による表示像は、反射板３０方向へ有効に
照射せしめることができる。

【００２２】従ってこの実施形態によれば、プリズム板
２７の遮光層２９により表示器２５の表示面２６に外光
が照射されることがなく、その表示面２６における表示
像の鮮明さを確保できる。また表示器２５による表示像
はプリズム板２７の他方の傾斜面３３Ｂを透して反射板
３０に向って照射させることができ、表示器２５による
表示像は反射板３０を介して目視者に対して鮮明表示さ
せることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明の車両用表示装置に
よれば、表示面に、特定方向からの外光反射を防ぐため
の遮光層２９を設けたプリズム板２７を設けたことによ
り、その表示面に対して外光反射をさせることがなく、
これにより表示面で表示される表示像の鮮明度及び表示
精度が高められ、さらには視認性も向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明よりなる車両用表示装置の実施形態を示
した作用説明図。

【図２】本発明よりなる車両用表示装置の実施形態を示
した断面図。

【図３】本発明よりなる車両用表示装置に用いられるプ
リズム板の詳細説明図。

【図４】従来の車両用表示装置を示した説明図。

【図５】従来の車両用表示装置光反射作用説明図。

【符号の説明】

１０…運転者 １１…インストルメントパネル １２…表示開口部 １３…蓋部 １４…ブラケット １５…取付ねじ １６…ガイドピン １７…支軸 １８…ナットブラケット １９…可動ナット ２０…スクリュー杵 ２１…表示器ブラケット ２２…動力伝達ギヤ ２３…側壁 ２４…カム溝 ２５…表示器 ２６…表示面 ２７…プリズム板 ２８…凸条 ２９…遮光層 ３０…反射板 ３１…目視者のアイポイント ３２…フロントガラス ３３Ａ，３３Ｂ…傾斜面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自発光の表示器（２５）により表示され
   る表示像を、反射板（３０）を使用して目視者方向へ反
   射表示させる車両用表示装置において、上記表示器（２
   ５）の表示面（２６）に特定方向からの入射光を遮光す
   ることができるプリズム板（２７）を被着してなり、該
   プリズム板（２７）は、透光性板材の上面に断面山形と
   なる２つの傾斜面を有する多数の凸条（２８）を形成し
   てなり、その一方向を指すそれぞれの傾斜面（３３Ａ）
   には遮光層（２９）を施し、他方向を指す傾斜面（３３
   Ｂ）は透過光面となしていることを特徴とする車両用表
   示装置。