JPH047706B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、印刷回路基板用片面金属箔張り積層
板（以下単に「積層板」と略称する）の反り矯正
方法および装置に関する。

紙やガラスクロス、ガラスペーパー等を基材と
し、これに樹脂液を含浸し複数枚の樹脂含浸基材
を積層し、硬化させてなる積層板、および該積層
板の片面または両面に金属箔を張り合わせてなる
金属箔張り積載板は絶縁板やプリント配線用基板
として使用されている。

従来これら積層板は基材に樹脂ワニスを含浸
し、乾燥して得られるプリプレツグを重ねてプレ
スで加圧加熱して成形するバツチ式製造法によつ
て製造されていたが、最近長尺の基材を連続的に
搬送しながら樹脂の含浸、積層、硬化等を行う連
続式方法が開発され、注目されている。例えば本
出願人による特開昭55−4838、同56−98136号等
参照。

上記の方法等により製造される片面金属箔張り
積層板はそれを構成する材料の熱膨張係数の差や
硬化性樹脂の硬化収縮に伴い反りを生じやすい。
この反りは通常３本ロールによりなる反り矯正装
置を通過させ、反りと反対方向に集積板をたわま
せることによつて矯正することができる。

近年積層板の加工工程において、部品の挿入、
半田付け、リード線の切断その他の作業がコンベ
ヤーによる流れ作業によつて自動化され、そのた
め積層板の反りに対する要求は一層厳しくなつて
いる。また積層板の加工工程において発生が予想
される反りを相殺するため、あらかじめ積層板に
加工工程で予想される反りと反対方向の反りを与
えておくことも有効である。

本発明において「反りの矯正」とは、反つた積
層板を実質上平面に修正することのほか、前記の
ように積層板を加工工程で予想される反りを相殺
する方向へ、あらかじめ反りを付与することを含
む。この反りは通常３本ロールによりなる反り矯
正装置を通過させ、反りと反対方向に積層板をた
わませることによつて矯正することができる。

しかしながら３本ロールを通す方法によつては
積層板全体の曲率を修正することは可能である
が、例えば積層板の幅方向での端部と中央部の局
部的な反りの違いを修正することは不可能であつ
た。本発明はかゝる問題を改良し、積層板内の特
に幅方向での反りのバラツキの少ない片面金属箔
張り積層板を連続的に製造する方法および装置に
関する。

本発明によれば、所定寸法に裁断された印刷回
路基板用片面金属箔張り積層板を、その反り方向
と反対方向へ全体を強制的に変形させる反り矯正
ロール間を通過させることによりなる該積層板の
反り矯正方法において、該反り矯正ロールの入口
側および／または出口側において該積層板の端部
を前記反り方向と反対方向へ強制的に変形させる
ことを特徴とする印刷回路基板用片面金属箔張り
積層板の反り矯正方法が提供される。

必要があれば、積層板端部の反り矯正のほか
に、縦横２方向について全体の反りの矯正が実施
される。

また本発明によれば、隣接して平行に設置され
た第１および第２の回転ロールよりなるロール対
と、該ロール対の中間位置に該ロール対に隣接し
てそれらと平行に配置された第３の回転ロールよ
リなる積層板全体の反り矯正ユニツトを備えてい
る印刷回路基板用金属箔張り積層板の反り矯正装
置において、該積層板全体の反り矯正ユニツトの
積層板入口側および／または出口側に、該集積板
の端部を前記反り方向と反対方向へ強制的に曲げ
るための積層板端部反り矯正ユニツトを備えてい
ることを特徴とする印刷回路基板用金属箔張り積
層板の反り矯正装置が提供される。

好ましくは、該積層板端部反り矯正ユニツト
は、積層板端部の曲げ幅および曲げ量が調節自在
となつている。

第１図は、本発明装置の概略正面図であり、第
２図はその側面図、第３図は端部矯正ユニツトの
一方の正面図である。

本発明装置は、全体矯正ユニツト１０と、端部
矯正ユニツト２０とよりなる。全体矯正ユニツト
１０は、公知のように、隣接して平行に配置され
た第１のロール１２および第２のロール１４の中
間位置に、それらに隣接して平行に配置された第
３のロール１６とよりなる。積層板３０はこれら
ロール１２および１４と、ロール１６との間を第
２図に示した矢印の方向へ通過することによつて
その全体の反りが矯正される。その代わりに、全
体矯正ユニツトは本出願の特開昭57−156202号に
示したような３本ロールの構造をとることもでき
る。

端部矯正ユニツト２０は、３本ロールよりなる
全体矯正ユニツト１０の入口側および／または出
口側、さらに必要ならば両方に隣接して、かつそ
の両側端にそれぞれ設けられる。端部矯正ユニツ
ト２０は、上下および積層板３０の幅方向に離れ
た一対の截頭円錐形ロール２２，２４からなり、
ロール２２は積層板３０の側縁から内側に位置
し、ロール２４は積層板３０の側縁と接する位置
にある。内側ロール２２の最大径部分は、３本ロ
ールのうちの第１および第２のロール１２，１４
の外周を結ぶ接線の延長線近くにあり、積層板３
０の端部が外側ロール２４により内側ロール２２
に向かつて曲げられるとき支点となる。外側ロー
ル２４の最大径部分は、内側ロール２２の最大径
部分よりも内側ロール２２の回転軸近くに位置
し、従つて内側および外側ロール２２，２４間を
積層板３０が通過する時、積層板３０の端部がロ
ール２２の最大径部分を支点として内側ロール２
２へ向つて強制的に曲げられる。この端部の曲げ
を容易にするため、端部矯正ユニツト２０は、好
ましくは積層板３０の進行方向から見て、全体矯
正ユニツトの各ロール１２ないし１６の全長より
外側に設けられる。

さらに好ましくは、内側ロール２２はその回転
軸の方向に変位自在であり、従つて積層板の端縁
と内側ロール２２の最大径部分との間の距離L₂、
すなわち積層板端部の曲げ幅を反りの状態に応じ
て調節自在となつている。

また外側ロール２４は、その回転軸が内側ロー
ル２２の回転軸に対して変位自在であり、従つて
その間の距離L₁を調節することによつて積層板
端部の曲げ量が調節自在となつている。

本発明方法は第１図ないし第３図に例示したよ
うな装置を使用して実施される。矯正しようとす
る積層板３０をその凸面を上向きとして端部矯正
ユニツト２０、次いで全体矯正ユニツト１０を第
２図は矢印方向に順次通過させれば、最初端部の
反りが矯正され、次いで全体、特に中央部の反り
が矯正される。この作業は、もう一度の全体矯正
ユニツト１０を使用し、積層板が最初にこの装置
を通過した方向と直交する方向についてその反り
を矯正することが好ましい。

このように本発明によれば、積層板の端部と中
央部の反り量に差がある場合それに対応して反り
を矯正することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の概略正面図、第２図は側
面図、第３図は部分正面図である。 １０は全体矯正ユニツト、２０は端部矯正ユニ
ツト、３０は積層板である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定寸法に裁断された印刷回路基板用片面金
   属箔張り積層板を、その反り方向と反対方向へ全
   体を強制的に変形させる反り矯正ロール間を通過
   させることによりなる該積層板の反り矯正方法に
   おいて、該反り矯正ロールの入口側および／また
   は出口側において該積層板の端部を前記反り方向
   と反対方向へ強制的に変形させることを特徴とす
   る印刷回路基板用片面金属箔張り積層板の反り矯
   正方法。 ２ 積層板の端部の反りの矯正を行い、かつ縦横
   ２方向全体の反り矯正を行う第１項の方法。 ３ 隣接して平行に配置された第１および第２の
   回転ロールよりなるロール対と、該ロール対の中
   間位置に該ロール対に隣接してそれらと平行に配
   置された第３の回転ロールよりなる積層板全体の
   反り矯正ユニツトを備えている印刷回路基板用金
   属箔張り積層板の反り矯正装置において、該積層
   板全体の反り矯正ユニツトの積層板入口側およ
   び／または出口側に、該積層板の端部を前記反り
   方向と反対方向へ強制的に曲げるための積層板端
   部反り矯正ユニツトを備えていることを特徴とす
   る印刷回路基板用金属箔張り積層板の反り矯正装
   置。 ４ 前記積層板端部反り矯正ユニツトは、積層板
   端部の曲げ幅および曲げ量が調節自在である第３
   項の装置。