JPH0477047B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、上端に口を備え、該口がその上方に
所定距離をおいて配設された煙突に前記口と煙突
の間に挿入可能なフードにより接続可能である、
耐火性の裏張りをした冶金用容器、製鋼用転炉を
備えた装置に関する。

（従来の技術） 冶金用容器に裏張りすることができるために
は、固定底を有する容器の場合には、全裏張り材
料を上から容器内に導入する必要があり、また取
り外し可能な底を有する容器にあつては、底接合
部を裏張りおよびシールする材料のみを上から容
器に導入しなければならない。

前記定義の装置において、容器の口に接近する
ため、口と煙突との間に配設されたフードを横に
移動もしくは取り外すことが知られている（米国
特許第4212453号明細書、ドイツ国特許出願公告
第1583307号公報）。しかし、フードを取り外した
だけでは、冶金用容器内での裏張り作業中、作業
員が煙突から落下してくるスカルのようなスラグ
片によつて危険にされされる。このような危険を
回避するため、煙突の下側開口部を複数のプレー
トで閉鎖することが行なわれている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このプレート装着作業は煩雑で
あり、時間がかかる。しかも、プレートを取り除
く際、プレート上に落下したスラグが剥がれ、新
たに裏張りされた転炉内に落下する。さらに、裏
張りするには、輸送可能な床部を口の近くに設置
し、該床部を経てホールクレーンの領域から口へ
裏張り材料を搬送できるようにしなければならな
かつた。また裏張り材料を降ろすため独立した巻
き上げ機を床部に設けなければならなかつた。

本発明はこれらの不便さと難点を避け、裏張り
作業員が危険にさらされることなく、裏張り材料
を冶金用容器内に簡単に、かつ時間節約しうる方
法で搬入することができる前記定義の装置を提供
することを目的とする。

（発明の構成） 本発明によれば、前記目的は、容器の口の側方
から容器の口の上方に変位可能な少なくとも一つ
の巻き上げ機を備えた搬送手段により、フードを
取り外した後、少なくとも一つの閉鎖可能な底開
口部を有し、煙突の下方にふたをするコンテナ
を、口と煙突との間にある空間に導入可能とする
ことによつて達成される。

煙突にふたをするコンテナは、スラグスカルな
ど煙突から落ちてくるものを収集し、コンテナを
取り除く際に前記落下物が冶金用容器内に滑り込
むのを防止する働きをする。コンテナの位置を定
めると、搬送手段に変位可能に配設された巻き上
げ機は、自動的に操作位置に入り、従つてその操
作位置で容器の側方に置かれた裏張り材料を容器
内に搬入できる。

好ましい実施例によれば、搬送手段がレールに
沿つて変位可能なフレームとして設計され、それ
に容器の口の側方へ突出した少なくとも一つの巻
き上げ機用ランナが配設されている。

簡単な構成で効果的な操作を行うため、ランナ
は容器の両側で容器の口の側方へ伸ばすように設
計され、二つの巻き上げ機が装着される。

二つの平行なランナを設け、それぞれ少なくと
も一つの巻き上げ機を装着するようにするのが有
利である。

好ましい実施例においては、コンテナがホツパ
ーで構成され、口の上方、中央に位置し、かつス
ライドにより閉鎖可能である開口部を有し、ラン
ナが開口部の側方に近接した配設される。コンテ
ナをホツパー状に設計すると、開口部を解放する
ことによりホツパーを簡単に空にすることができ
る。これは、取り外し可能な底を有する冶金用容
器では、底を取り付ける前に容器を通してスラグ
貯蔵所に排出することにより行なえば良く、また
固定底の冶金用容器にあつては搬送手段を横方向
に変位させた後、収集したスラグを搬送可能なシ
ユートへ落下させることにより行なえば良い。

裏張り材料を冶金用容器の中心に搬入できるよ
うにした実施例においては、コンテナが隣接して
配置された二つのホツパーからなり、ランナがホ
ツパーの間で、口の垂直軸を通る平面内に配設さ
れている。

固定底の冶金用容器の場合、搬送手段に口から
容器内に導入可能な作業台を設け、独立したスタ
ンドを設けることなく、冶金用容器に上方から裏
張りできるようにするのが有利である。

また、搬送手段に接近路を設け、冶金用容器の
口から容器内部を観察できるようにするのが有利
である。

レールに沿つて可動であるフードを備えた装置
にあつては、搬送手段を前記フードを案内するレ
ールに沿つて可動にすると共に、フードもしくは
フードを搬送する移動機構に連結可能にするのが
有利である。

以下、添付の図面を参照して本発明の三つの実
施例の基づいて本発明を詳細に説明する。

（実施例） 製鋼用転炉１は水平軸２の回りに回転可能であ
り、口３は転炉１が直立した状態にあるとき静止
した煙突４の下方にある。転炉１は鋼製外殻５と
その内側の耐火性裏張り６から構成されている。
煙突４は下端が転炉１の口３の上方へ垂直距離７
をおいて終端している。フード９は、煙突４の下
端８と転炉１の口３の間に、移動機構１０により
導入可能であり、この移動機構は煙突４の下端８
の両側に配設されたレール１１に沿つて変位可能
である。フード９は一方で転炉１の口３に接続
し、他方で煙突４の下端８に接続できるような寸
法を有し、従つて転炉１を出た煙道ガスは環境を
汚染することなく直接煙突４に達する。

フード９とその移動機構１０を支持するレール
１１に沿つて、搬送手段１に本発明に従い車輪１
３により移動可能であり、この搬送手段１２は煙
突４の周囲を包囲し、かつ煙突の下端８の下方に
接近して位置を定めることが可能なフレーム１４
から構成されている。このフレーム１４には角部
１５に垂直な支柱１６が設けられ、これに車輪１
３がジヤーナル接続されている。フレーム１４に
はコンテナ１７が取り付けられ、このコンテナ１
７はホツパーとして形成され、その下側の開口部
１８はその中心に、即ち、口３を通る垂直軸１９
上に配置されている。開口部１８はスライド２０
により閉鎖可能であり、その開閉動作のためハン
ドル２１が設けられている。ホツパーの上側の開
口部２２は形状および寸法が煙突４の下端８に対
応している。

フレーム１４には、ランナ２３が下側開口部１
８の側方に、かつそれに隣接して取り付けられ、
このランナは、第１図から明らかなように、転炉
１の口３の上方からその側方に伸びている。転炉
１へ裏張り材料２５を搬送するため、巻き上げ機
２４はランナ２３に沿つて変位可能にしてある。

さらに、接近路２６が搬送手段１２に装着さ
れ、搬送手段１２が口３の上方に位置している
時、その接近路２６から転炉１の内部２７を見る
ことができる。

搬送手段用に独立した駆動機構を用いることな
く搬送手段を駆動するため、搬送手段は略図的に
示したカツプリング２８により変位可能なフード
９に連結可能にしてある。フード９が駆動機構
（図示せず）により転炉１の口３から移動すると
同時に、搬送手段１２がコンテナ（ホツパー）１
７および巻き上げ機２４と共に、自動的に第１図
および第２図に示す操作位置に入る。

第１図において、ランナ２３の延長部２９が破
線で示してあり、これにより二つの巻き上げ機２
４，２４′をランナ２３に沿つて転炉１の側方か
ら転炉１の口３の上方へ変位させることができ
る。この実施例は、特に、上方からのみ裏張りで
きる固定底を有する転炉１の場合に有利である。
取り外し可能な底を有する転炉（この種の転炉は
下から裏張りするのが好ましい）においては、底
と転炉外殻の間の接合部を裏張りすると共にシー
ルする材料のみを転炉の内部２７へ導入すれば良
いので、一基の巻き上げ機２４で行えばよい。

第３図および第４図に示す実施例によれば、コ
ンテナは隣接して配設された二つのホツパー１
７，１７′で構成され、ホツパーの上側開口部２
２，２２′は面積的に相互に補完しあつて煙突４
の下端と一致している。ホツパー１７，１７′は
口３と煙突４の垂直軸１９を通り、レール１１に
平行な平面３０に対して対称である。ホツパー１
７，１７′の間に、巻き上げ機２４用のランナ２
３が口３からできるだけ離れた距離で、即ち、煙
突４の下端８の下に接近して配置されている。従
つて、ランナ２３は口３の垂直軸１９を通る垂直
面３０内に配置され、それにより巻き上げ機２４
を転炉１の口３の上方、中心に正確に位置させる
ことができ、より大きいパレツトでも容易に転炉
１の内部２７に降ろすことができる。

第５図および第６図の実施例によれば、巻き上
げ機２４，２４′用のランナ２３，２３′が、中央
に配置されたホツパー１７の両側にそれぞれ設け
られている。また、搬送手段１２は作業台３２を
備え、この作業台はロープウインチ３１により昇
降可能であり、横方向の突出部３３により転炉１
の内部２７の形状に適合するようにしてある。駆
動モータ３４は作業台３２を昇降させ、この駆動
モータ３４は連接軸３５を介してロープウインチ
３１のロープを巻き上げるドラム３６に連結され
ている。

第３図へおよび第４図並びに第５図および第６
図の実施例においては、ランナを製鋼用転炉の口
から両方向に伸張させ、それぞれ二つの巻き上げ
機を各ランナに設けることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す転炉装置の
部分断面側面図、第２図は第１図の矢印IIの方向
から見た部分断面側面図、第３図および第４図は
それぞれ第１図および第２図と同方向から見た本
発明の他の実施例を示す転炉装置の部分断面側面
図、第５図および第６図はそれぞれ第１図および
第２図と同方向から見た本発明の他の実施例を示
す転炉装置の部分断面側面図である。 １……転炉、３……口、４……煙突、５……外
殻、６……裏張り、９……フード、１０……移動
機構、１１……レール、１２……搬送手段、１４
……フレーム、１７，１７′……コンテナ（ホツ
パー）、１８，１８′……開口部、２０……スライ
ド、２３，２３′……ランナ、２４，２４′……巻
き上げ機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上端に口３を備え、該口３がその上方に所定
   距離７をおいて配設された煙突４に前記口３と煙
   突４の間に挿入可能なフード９により接続可能で
   ある耐火性の裏張りをした冶金用容器、特に、製
   鋼用転炉１を備えた装置において、フード９を取
   り外した後、少なくとも一つの閉鎖可能な底開口
   部１８，１８′を有し、煙突４の下方にふたをす
   るコンテナ１７，１７′が、搬送手段１２により、
   口３と煙突４との間にある空間に導入可であり、
   前記搬送手段１２が容器１の口３の側方から容器
   １の口３の上方に変位可能な少なくとも一つの巻
   き上げ機２４，２４′を備えてなることを特徴と
   する装置。 ２ 搬送手段１２がレール１１に沿つて変位可能
   なフレーム１４からなり、該フレームに容器１の
   口３の側方へ突出した少なくとも一つの巻き上げ
   機２４，２４用ランナ２３，２３が配設されてい
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ ランナ２３が容器１の両側で容器の口３の側
   方へ伸張し、二つの巻き上げ機２４，２４′を保
   持してなる特許請求の範囲第１項または第２項記
   載の装置。 ４ 二つの平行なランナ２３，２３′を設け、そ
   れぞれ少なくとも一つの巻き上げ機２４，２４′
   を装着してなる特許請求の範囲第１項〜第３項の
   いずれか一項記載の装置。 ５ コンテナがホツパー１７で構成され、口３の
   上方、中央に位置し、かつスライド２０により閉
   鎖可能である開口部１８を有し、ランナ２３が開
   口部１８の側方に近接して配設されている特許請
   求の範囲第１項〜第４項のいずれか一項記載の装
   置。 ６ コンテナが隣接して配置された二つのホツパ
   ー１７，１７′からなり、ランナ２３がホツパー
   １７，１７′の間で、口３の垂直軸１９を通る平
   面３０内に配設されている特許請求の範囲第１項
   〜第４項のいずれか一項記載の装置。 ７ 搬送手段１２に口３から容器１内に導入可能
   な作業台３２を設けてなる特許請求の範囲第１項
   〜第６項のいずれか一項記載の装置。 ８ 搬送手段１２に接近路２６を設けてなる特許
   請求の範囲第１項〜第７項のいずれか一項記載の
   装置。 ９ レール１１に沿つて可動であるフード９を備
   え、搬送手段１２が前記フード９を案内するレー
   ル１１に沿つて可動で、前記フード９もしくはフ
   ード９を搬送する移動機構１０に連結可能である
   特許請求の範囲第１項〜第７項のいずれか一項記
   載の装置。