JPH0474635A - 熱可塑性樹脂延伸フイルム - Google Patents
熱可塑性樹脂延伸フイルムInfo
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Landscapes
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
。更に詳しくは、テンターによって横延伸、熱固定され
る際に生しるボーイング現象を抑制し、幅方向に均一な
物理的、化学的及び物理化学的性質を有する熱可塑性樹
脂フィルムに関する。
ル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリビニル系
樹脂、ポリフェニレンサルファイド等のフィルムは、包
装及び工業用途、その他の用途に供せられており、フィ
ルムの幅方向のどの部分でも同じ物性値であることが望
ましい。
性を均一にすることは極めて困難であった。この理由は
、テンター内においてフィルムの両端はクリップに把持
されていて、延伸工程によって生じる縦方向の延伸応力
や、熱固定工程によって発生する収縮応力は、把持手段
であるクリップによって拘束されているに対し、フィル
ムの中央部は把持手段の影響が低く拘束力が弱くなり、
上記の応力の影響によってクリップで把持されている端
部に対してフィルムの中央部分は遅れが生じることがわ
かっている。そして、横延伸と熱固定を連続に同一のテ
ンターで行う場合において、テンターに入る前のフィル
ムの面上に幅方向に沿って直線を描いておくと、この直
線はテンター内で変形してフィルムの進行方向に対して
延伸工程の始めの領域で凸型に変形し、延伸工程の終わ
り直前の領域で直線に戻り、延伸工程終了後には凹型に
変形する。さらに熱固定工程の領域の始めで凹型の変形
は最大値に達し、このまま曲線は変化しないでその後の
テンターを通過し、テンターを出たフィルムには凹型の
変形が残る。この現象はボーイング現象と称されている
ものであるが、このボーイング現象はフィルムの幅方向
の物性値を不均一にする原因になっている。
イング線に対して更に縦方向に傾斜した配向主軸が生じ
て、幅方向で配向主軸の角度が異なる傾向がある。この
結果、例えば縦方向の熱収縮率、熱膨張率、湿潤膨張率
等の物性値がフィルムの幅方向で異なってくる。このボ
ーイング現象によって、包装用途の一例として、印刷ラ
ミネート加工、製袋工程等において印刷ピッチずれ、斑
の発生、カーリング、蛇行などのトラブルの原因になっ
ている。また、工業用途の一例として、フロッピーディ
スク等のベースフィルムでは面内異方性のため磁気記録
特性の低下などのトラブルの原因になっている。
ける従来技術としては、特公昭35−11774号公報
には横延伸と熱固定工程の間に20℃〜150℃の緩和
工程を介在させ鳥実質冷却工程を設けた製造方法が提案
されている。しかし、この冷却工程の長さについては全
く記載されていないばかりか、ボーイング現象の減少の
効果も全く不明である。更に、ボーイング現象を減少な
いし解消する技術として、特開昭5.0−73978号
公報には延伸工程と熱固定工程との間にニップロール群
を設置するフィルムの製造方法が提案されている。しか
し、この技術ではニップロールを設置する中間帯の温度
がガラス転移点温度以上で、ニップ点でのフィルムの剛
性が低いため改良効果が少ない。また特公昭63−24
459号公報には横延伸完了後のフィルムの両端部を把
持しながら中央付近の狭い範囲のみをニップロールによ
って強制的な前進をもたらす工程が提案されている。し
かし、この技術ではニップロールをテンター内の高温領
域に設置する必要があり、ロール及びその周辺装置を冷
却する必要があり、またフィルムが高温であるためロー
ルによる傷が発生するおそれがあり、実用面で制約され
る。また、特公昭82−4385f3号公報には、横延
伸直後のフィルムをガラス転移点温度以下に冷却した後
、多段に熱固定を行ない熱固定と同時に横方向に伸張す
る技術が提案されている。しかし、この技術では冷却工
程でボーイング現象の減少が少ないためか、又は熱固定
でボーイング現象が再発生しやすいためか冷却工程に加
えて多段に熱固定する工程と再延伸との複雑な工程とな
っている。そのためテンター内の雰囲気温度やフィルム
温度を長時間にわたり安定して制御することが困難では
ないかと懸念される。また、本提案も冷却工程の長さと
フィルム幅の関係などは記載されていない。更に、特開
昭62−183327号公報には縦延伸後、テンターで
横延伸、熱固定する際に、横延伸ゾーンと熱固定ゾーン
との間に側端部分のみをガラス転移点温度以上熱固定温
度以下の予熱ゾーンを設置する技術が提案されている。
度勾配を持たせながら制御しなければならないため、フ
ィルム温度を長時間にわたり制御することが困難ではな
いかと懸念される。なお、本提案の実施例ではこの予熱
ゾーンの長さがフィルム幅の半分と短いことからボーイ
ング現象の減少の効果が少ないと推測される。また、特
開平1−165423号公報には横延伸後のフィルムを
横延伸温度以下に冷却した後、多段に昇温しながら横方
向に再度伸張する技術が提案されている。しかし、この
技術では、特公昭62−43856号公報の場合と同様
に冷却工程でのボーイング現象の減少の効果が少ないた
めか、また、熱固定工程でボーイングが発生しやすいた
めか、冷却工程に加えて多段に熱固定する工程と再延伸
する工程との複雑な工程となっている。そのためテンタ
ー内の雰囲気温度やフィルム温度を長時間にわたり安定
して制御することか困難ではないかと懸念される。なお
、本提案では、冷却工程の長さがフィルム幅の1/2以
上が好ましいとの記載があるが、この根拠が定かでない
。また、冷却温度がガラス転移点温度以上延伸温度以下
が好ましいとの記載がある。しかし、この程度の冷却工
程の長さや冷却工程の温度がガラス転移点温度以上では
、ボーイング現象の減少の効果が少ないことが危惧され
、上記のような複雑な工程を採用せざるを得なかったと
推測される。
96号公報には、フィルムの走行方向を逆転させて横延
伸、熱固定をする技術が提案されている。しかし、この
技術ではフィルムの走行方向を逆転させるのにフィルム
を一旦巻き取る必要かあり、オフラインでの製造方法で
あるため生産性の面で制約を受けるなどの問題点がある
。
で行われてきているがこれらの提案は製造方法や装置に
関するもので、フィルムの特性(分子配向状態等)に注
目した発明は行われていない。例えば、特開昭58−2
15318号公報や特開昭61−8326号公報に見ら
れるように、ボーイング現象の程度に関係なくフィルム
中央部では、フィルムの分子配向状態は配向主軸のずれ
がほとんと無いためボーイング現象の程度を知るために
はフィルム全幅の試料が必要であり、フィルムの任意の
場所での試料からはボーイング現象の大小を判別するこ
とは不可能であった。
ルム(特に熱収縮率等の物性値)と、その工業的に有利
な製造方法を提供することにある。
を観察し、種々の研究からボーイング現象の発生過程を
解明し、このボーイング現象を減少する手段を検討して
、フィルムの幅方向の物性値を分析して本発明に到達し
た。
フィルムにおいて、任意のフィルム幅方向でのマイクロ
波によって測定される分子配向角の変化(異方性指標)
が(1)式を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フ
ィルムがボーイングの少ない均一な物性を宵しているこ
とを見いだし本発明に至った。このフィルムの製造方法
とは、横延伸工程と熱固定工程との間に0式を満足する
冷却工程を設けて、ガラス転移点温度以下に冷却する事
を特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法である。
・・(1)L/W≧1.0 ・・
・■なお、(1)、0式において、Δθ。8は任意の2
点でのマイクロ波によって測定される分子配向角の差(
゛)を、wrは任意の2点間のフィルム幅(m)を、W
はテンター出口でのテンターのクリップ間距離(m)を
、Lは冷却工程の長さ(m)を意味する。
て時計周りの方向をプラス(+)とし、縦方向に対して
反時計周りの方向をマイナス(−)とする。
の温度以下になる箇所から該冷却工程の温度より実質的
に高い次工程の温度までの最も長い箇所までの長さを意
味するものとする。さらに、横方向とはフィルムの走行
方向に対して直角方向、縦方向とは走行方向を意味する
。
値はテンター速度に本質的には依存しないが、テンター
の速度が増加すると、フィルムの温度が実質的に効果の
ある冷却温度に到達するまでに時間がかかり、本発明の
主旨である冷却工程の長さしとフィルム幅Wとの比L/
Wの値を大きくするほど効果が向上する。例えば、テン
ター速度を2倍にした場合には、冷却工程の長さしとフ
ィルム幅Wとの比L/Wの値は増速前の値の1.5倍以
上を選択することが好ましい。
・溶融し、スリットダイを含む押出し手段から冷却ドラ
ム表面へフィルム状に押出し、縦方向にロール速度が異
なるロール群により縦方向に延伸し、テンターで横方向
に延伸し、要すれば熱固定され、フイルムワインダー等
によって巻き取られることは公知である。本発明では、
製膜・延伸条件として、このような樹脂の溶融・押出し
条件、キャスティング条件、縦方向延伸条件、横方向延
伸条件、熱固定条件、巻き条件等を適宜選択できる。
ンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート
、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイ
ロン−66などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスル
フォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トンケトン、ポリエチレントリメリテッドイミド、その
他多くの単体、共重合体、混合体、複合体等が挙げられ
る。
固定処理する際に、熱固定工程前のフィルムをガラス転
移点温度以下に冷却し、横延伸工程によって発生するボ
ーイング現象を減少するものであり、この冷却温度は低
いほどボーイング現象の減少の効果が向上する。冷却工
程の長さしとフィルム幅Wとの比L/Wの値が大きいほ
どボーイング現象の減少の効果が向上し、冷却工程の長
さしとフィルム幅Wとの比をL/W≧2.0で冷却工程
の長さしを選択することが好ましい。さらに好ましくは
、L/W≧3.0である。
放す場合には、大気中でフィルムを走行させるためフィ
ルムはガラス転移点温度以下に冷却され、冷却工程の長
さしとフィルム幅Wとの比L/W≧1.0を満足さえす
れば横延伸工程と熱固定工程を別のテンターで行なうこ
とも本発明に含まれる。
おいては、フィルムを速度制御可能なニップロール群に
通すことが好ましく、その効果は著しく向上する。この
ニップロールの材質は、金属鏡面とゴム弾性体との組合
せで、ニップロールはテンターのクリップとの相対的な
速度でフィルムを緊張させることから速度制御が容易で
あることが条件である。またニップロールは単独でもあ
るいは両方相互に制御可能であることが好ましい。
場合や、上記工程間に再延伸及び緩和及び定長工程が含
まれる場合は当然台まれる。更に、縦延伸後横延伸する
製造方法以外の延伸方式も本発明に含まれる。例えば、
横延伸後続延伸する延伸方式、縦横延伸後に再縦延伸す
る延伸方式、縦2段延伸を含む延伸方式、横延伸後のフ
ィルムの両端をトリミングして縦延伸する延伸方式など
その要旨を越えない限り上記に限定されるものではない
。
、非晶部の状態によっても規定され、特にフィルムの熱
収縮挙動等はこの非晶部の状態によって左右されるとい
われている。そこで、分子配向状態の測定については、
マイクロ波を利用した非晶部の配向性を評価する装置を
用いた。この評価法により、包装用途において印刷ラミ
ネート加工、製袋工程等での印刷ピッチずれ、斑の発生
、カーリング、蛇行、また、工業用途におけるフロッピ
ーディスク等のベースフィルムでの磁気記録特性の低下
などのトラブルの原因になっている熱収縮率等の物性値
の異方性と、マイクロ波による分子配向状態との関係を
明確にして、ボーイングが少なく幅方向に物性値の均一
なフィルムの分子配向状態を解明して本発明に至った。
徴としての理由については、分子配向角はフィルムの中
央部からフィルムの端部にかけて幅方向にほぼ直線的に
変化しているので、フィルムの任意の幅方向における異
方性指標が64.0以下であれば、フィルムの全幅にわ
たり分子配向角の変化が少ないフィルムとなるので、物
性値の均一なフィルムの歩留まりが良好となる。また、
異方性指標が64.0を越えると、分子配向状態の歪み
が回転することによって物性値の異方性が問題となる。
の物性値の絶対値の比を算出し、その値が1.0に近い
ほどフィルムの幅方向での物性差が少ないものと判定基
準を定めた。この−例として熱収縮率、沸水収縮率等の
異方性に関与する製袋時のカールを評価した場合、(1
)式を満足するフィルムがフィルム全幅にわたり製袋カ
ールの少ないフィルムであることが判った。
際して工業的に有利な効果が得られる理由については、
ボーイング現象を減少するのに必要な冷却工程の長さの
決定において、誰もがなしえなかった有限要素法を適用
しうる数式モデルを設定し数値解析によって延伸応力の
伝播を推定可能ならしめ、その結果、冷却工程の長さL
とフィルム幅WとのL/W=1.Oで応力伝播は約17
2になり、L/W=2.0で応力伝播は約1710にな
り、L/W=3.0でほとんどゼロになることを計算値
より求め、実機で裏付けし、いかなる場合も適用可能な
ことを見いだせたためである。
。Tダイより押出された熱可塑性樹脂はチルロールによ
って急冷されフィルム状に成形される。
、ついでテンターのクリップによってその両端を把持さ
れつつ、予熱ゾーンを通って横延伸ゾーンに入り横延伸
される。さらに、フィルムは冷却ゾーンに入り、熱固定
ゾーンを通り、熱固定された後、クリップから外されて
テンターから出て巻取り機によって巻き取られる。
イクロ波による分子配向状態の測定については、神崎製
紙卸製の分子配向針(MOA−2001A)を用いて分
子配向角(ANGLE)を測定した。この分子配向状態
をフィルムの幅方向の任意の位置について測定した。
どによってカールが生じた程度を01△、Xで表わした
。(表1参照) 以下、いくつかの例を挙げて説明する。
押出し、チルロール上でフィルム状に成形したのちロー
ル延伸機によって縦方向に3.5倍延伸し、その後テン
ターによって横方向に3゜6倍延伸し、熱固定した二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルムとした。テン
ター内における温度は、予熱温度を90℃、延伸温度を
100°C1その後の冷却温度を40℃、熱固定温度を
210 ’Cとした。その後、通常のようにしてフィル
ムを巻き取った。なお、冷却ゾーンの長さLとフィルム
幅Wとの比L/W=1.0とした。
との比L/W=2.0とする以外は実施例1と同様にし
て二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た
。
との比L/W=3.0とする以外は実施例1と同様にし
て二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た
。
外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを得た。
施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを得た。
以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを得た。
以外は実施例2と同様にして二輪配向ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを得た。
以外は実施例3と同様にして二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを得た。
ール上でフィルム状に成形したのちロール延伸機によっ
て縦方向に3.3倍延伸し、その後テンターによって横
方向に3.4倍延伸し、熱固定した二軸配向ナイロン−
6フイルムとした。テンター内における温度は、予熱温
度を60°C1延伸温度を90℃、その後の冷却温度を
40°C1熱固定温度を225℃とした。その後、通常
のようにしてフィルムを巻き取った。なお、冷却ゾーン
の長さしとフィルム幅Wとの比L/W=1.0とした。
との比L/W=2.0とする以外は実施例5と同様にし
て二軸配向ナイロン−6フイルムを得た。
との比L/W=3.0とする以外は実施例5と同様にし
て二軸配向ナイロン−6フイルムを得た。
施例5と同様にして二軸配向ナイロン−6フイルムを得
た。
外は実施例5と同様にして二軸配向ナイロン−6フイル
ムを得た。
外は実施例7と同様にして二軸配向ナイロン−6フイル
ムを得た。
カールの程度の測定結果を表1に示す。
温度がガラス転移点温度以上の場合)は、異方性指標が
大きいが、本発明の実施例では熱可塑性樹脂フィルムを
横延伸、熱固定する工程において発生するボーイング現
象を抑制し、フィルムの幅方向に均一な物性(異方性指
標が小さい)を有するフィルムを製造できることがわか
る。
Claims (2)
- (1)少なくとも横方向に延伸された熱可塑性樹脂フィ
ルムにおいて、任意のフィルム幅方向でのマイクロ波に
よって測定される分子配向角の変化(異方性指標)が(
1)式を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フィル
ム。 Δθ_o_r×W/W_f≦64.0・・・(1)((
1)式において、Δθ_o_rにはフィルムの任意の2
点でのマイクロ波によって測定される分子配向角の差(
゜)、W_fは任意の2点間のフィルム幅(m)、Wは
テンター出口でのクリップ間距離(m)を意味する。) - (2)少なくとも横方向に延伸された熱可塑性樹脂フィ
ルムにおいて、任意のフィルム幅方向でのマイクロ波に
よって測定される分子配向角の変化(異方性指標)が(
1)式を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂フィル
ムを製造するに際し、横延伸工程と熱固定との間に(2
)式を満足する冷却工程を設けて、ガラス転移点温度以
下に冷却する事を特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製
造方法。 L/W≧1.0・・・(2) ((2)式において、Wはテンター出口でのテンターの
クリップ間距離(m)を、Lは冷却工程の長さ(m)を
意味する。)
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