JP2900570B2 - 二軸配向ポリアミドフイルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリアミドフイルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、二軸配向ポリアミドフィルム及びその製造
方法に関わる。さらに詳しくは、横延伸、熱固定時に発
生するボーイング現象を抑制し、横方向に物理的、化学
的及び物理化学的に均一な性質を有して、かつ厚さが均
一な二軸配向ポリアミドフィルムで、実質的に無配向の
ポリアミドフィルムを横方向に延伸した後、冷却工程で
冷却され、縦方向に延伸し、次いで、二段熱固定をする
二軸配向ポリアミドフィルムの製造方法に関わる。
(従来の技術) ポリアミドフィルム、特に二軸配向されたポリアミド
フィルムは、包装及びその他の用途に供せられており、
フィルムの横方向のどの部分でも同じ物性値であること
が望ましい。
しかし、従来のテンターを用いる製造方法では製品フ
ィルムの横方向の物性を均一にすることは極めて困難で
あった。この理由は、テンター内においてフィルムの両
端はクリップに把持されていて、延伸工程によって生じ
る縦方向の延伸応力や、熱固定工程によって発生する収
縮応力は、把持手段であるグリップによって拘束されて
いるに対し、フィルムの中央部は把持手段の影響が低く
拘束力が弱くなり、上記の応力の影響によってクリップ
で把持されている端部に対しフィルムの中央部分は遅れ
が生じることがわかっている。この現象はボーイング現
象と称されているものであるが、このボーイング現象は
フィルムの横方向の物性値を不均一にする原因になって
いる。ボーイング現象によって、フィルムの側端部分で
はボーイング線に対して傾斜した配向主軸が生じて、横
方向で配向主軸の角度が異なる傾向がある。この結果、
例えば熱収縮率、沸水収縮率、吸湿伸び率等の縦方向か
ら±45°方向の物性値の差がフィルムの横方向で異なっ
てくる。このボーイング現象によって、包装用途の一例
として、印刷ラミネート加工、製袋工程等において印刷
ピッチずれ、斑の発生、カーリング、蛇行、吸湿図柄歪
み等のトラブルの原因になっている。
さらに詳しく述べると、横延伸後縦延伸を行う技術と
しては、特開昭51−114475号公報に特定の相対粘度を有
するポリアミドフィルムの原反を用い、延伸の際の温
度、倍率、速度を限定した製造方法が提案されている。
しかし、この技術には横延伸工程と縦延伸工程間の長さ
並びに温度については全く記載されていない。さらに、
ボーイング現象を減少ないし解消する技術として、特公
昭39−29214号公報には延伸工程後2個のニップロール
群を設置した縦方向への多段熱固定を行う製造方法が提
案されている。また、特公昭44−7159号公報には、上記
特公昭39−29214号公報に加え熱固定後弛緩させる熱処
理方法が提案されている。しかし、これらの技術では共
に縦方向のみの熱処理方法が記載されており、横方向へ
の熱処理については提案されていない。また、特公平1
−25694号公報、特公平1−25696号公報には、フィルム
の走行方向を逆転させて横延伸、熱固定をする技術が提
案されている。しかし、この技術ではフィルムの走行方
向を逆転させるのにフィルムを一旦巻き取る必要があ
り、オフラインでの製造方法であるため生産性の面で制
約を受ける等の問題点がある。
このように、ボーイング減少を減少させる試みはこれ
まで行われてきているがこれらの提案は製造方法や装置
に関するもので、フィルムの特性(分子配向状態等)に
注目した発明は行われていない。例えば、特開昭58−21
5318号公報や特開昭61−8326号公報に見られるように、
ボーイング現象の程度に関係なくフィルム中央部では、
フィルムの分子配向状態は配向主軸のずれがほとんど無
いためボーイング現象の程度を知るためにはフィルム全
幅の試料が必要であり、フィルムの任意の場所での試料
からはボーイング現象の大小を判別することは不可能で
あった。
(発明が解決しようとする課題) かかる課題に対し、フィルム横方向の物性値(特に吸
湿伸び率等)が均一なフィルムと、その工業的に有利な
製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、テンター内におけるボーイング線の変
化を観察し、種々の研究からボーイング現象の発生過程
を解明し、このボーイング現象を減少する手段を検討し
て、フィルムの横方向の物性値を分析して本発明に到達
した。
少なくともテンター内で横方向に延伸され熱固定され
た(加熱体接触を除く)、インラインの製膜延伸熱固定
で得られたポリアミドフイルムのマイクロ波によつて測
定されるフイルム横方向の分子配向角の差の最大値が
(1)式を満足し、かつ、フイルム横方向の単位長さ当
たりの該分子配向角の変化率dθOR/dWfが(2)式を満
足することを特徴とする二軸配向ポリアミドフイルム。
(ここで、θORは、マイクロ波によって測定された分
子配向角(°)であり、θORMAX)、(θORMINは、
それぞれ、フイルム全幅における該分子配向角の測定値
の最大値と最小値を表す。また、Wfはフイルムの横方向
の距離(m)であり、dは微分演算子を示す。)及び 実質的に無配向のポリアミドフイルムを横方向に延伸
した後、冷却工程で(Tg+20)℃以下に冷却し、次いで
縦方向に延伸し、さらに(Tm−20)℃以下の温度で横方
向に10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら第1段の熱
固定を行い、次いで(Tm−60)℃以上の温度で縦方向に
10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら第2段の熱固定
を行うことを特徴とする請求項第1項記載の二軸配向ポ
リアミドフィルムの製造方法。
(なお、上記においてTgはポリアミドフィルムのガラ
ス転移点(℃)、Tmは該ポリアミドフィルムの融点
(℃)/を意味する。)によって前記課題を解決したも
のである。
(θORMAX−(θORMIN≦60(°) …(1) dθOR/dWf≦15(°/m) …(2) ここで、例えば横方向に比べて縦方向に配向が強いフ
ィルムの分子配向角は、第1図に示すように縦方向に対
して時計周りの方向をプラス(+)とし、縦方向に対し
て反時計周りの方向をマイナス(−)とし、縦方向とな
る挟角とする。また、縦方向に比べて横方向に配向が強
いフィルムの分子配向角は、上記と同様に、横方向に対
して時計周りの方向をプラス(+)とし、横方向に対し
て反時計周りの方向をマイナス(−)とし、縦方向とな
る挟角とする。ここで、横方向とはフィルムの走行方向
に対して、直角方向、縦方向とは走行方向を意味する。
ここで、(1)式により、フィルム横方向に対する分子
配向角の変化が連続あるいは不連続の場合でも、フィル
ム全幅に渡り均一な物性値を得ることができる。また、
(2)式により、フィルム横方向に対する分子配向角の
変化が連続の場合、フィルム横方向のどの部分において
も均一な物性値を得ることができる。また、(1)式に
おいて、(θORMAX−(θORMINが60°より大きくな
ると、フィルム全幅に対し、分子配向状態の歪みの回転
により、フィルム全幅に渡り、横方向の物性値に差が生
じ、フィルムの歩留りが問題となる。また、(2)式に
おいて、dθOR/dWfが15°/mより大きくなると、フィル
ム横方向の微少部分に対し、分子配向状態の歪みの回転
により、横方向の微少部分に対する物性値に差が生じ、
吸湿図柄歪み等が問題となる。このフィルムの製造方法
とは、実質的に無配向のポリアミドフィルムを横方向に
延伸した後、冷却工程で(Tg+20)℃以下に冷却し、次
いで縦方向に延伸し、さらに(Tm−20)℃以下の温度で
横方向に10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら第1段
の熱固定を行い、次いで(Tm−60)℃以上の温度で縦方
向に10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら第2段の熱
固定を行うことを特徴とする二軸配向ポリアミドフィル
ムの製造方法である。
この横延伸後の冷却工程においては(3)式を満足す
る冷却行程の長さLを選択することが好ましい。
L/W≧0.5 …(3) なお、(3)式において、Wはテンター出口でのテン
ターのクリップ間距離(m)を、Lは冷却行程の長さ
(m)を意味する。この(3)式における冷却工程の長
さLとフィルム幅Wとの比L/Wの値が大きいほどボーイ
ング現象の減少の効果が向上し、冷却工程の長さLとフ
ィルム幅Wとの比をL/W≧1.0で冷却工程の長さLを選択
することがより好ましい。ここで、冷却工程の長さL
は、実質的に横延伸温度より低くなった箇所から実質的
に冷却工程での温度より高くなる箇所までの最も長いフ
ィルムの長さを意味するもので、例えば、横延伸後冷却
した後のロール延伸機において冷却工程での温度以下で
あればその長さも含まれる。さらに、冷却工程での温度
は(Tg+20)℃以下であるが、この冷却温度は低いほど
ボーイング現象の減少の効果が向上し、ガラス転移点以
下を選択することが好ましい。また、冷却工程の長さL
とフィルム幅Wとの比L/Wの値はテンター速度に本質的
には依存しないが、テンターの速度が増加すると、フィ
ルムの温度が実質的に効果のある冷却温度に到達するま
でに時間がかかり、本発明の主旨である冷却工程の長さ
Lとフィルム幅Wとの比L/Wの値は実質的に小さくな
る。そこで、テンター速度を増加する場合には、冷却工
程の長さLとフィルム幅Wとの比L/Wの値を大きくする
ほど効果が向上する。例えば、テンター速度を2倍にし
た場合には、冷却工程の長さLとフィルム幅Wとの比L/
Wの値は増速前の値の1.5倍以上を選択することが好まし
い。
さらに、横延伸後の冷却工程及び熱固定後の冷却工程
においては、フィルムを速度制御可能なニップロール群
に通すことが好ましく、その効果は著しく向上する。こ
のニップロールの材質は、金属鏡面とエラストマー物質
との組合せで、ニップロールはテンターのクリップとの
相対的な速度でフィルムを緊張させることから速度制御
が容易であることが条件である。また、熱固定前後のニ
ップロールは両方相互に制御可能であることが好まし
い。
また、第1段の熱固定においては、延伸温度以上(Tm
−20)℃以下で行うことが好ましく、さらに好ましくは
(Tg+80)℃以上(Tm−20)℃以下の温度である。さら
に、第2段目の熱固定において縦方向に弛緩又は延伸す
る際には、ロールによる方法あるいは収縮テンターによ
る方法等があるが、好ましくはロールによる方法であ
る。第2段目野熱固定をロールによる方法で行うことに
より、縦横両方向に均一な物性を有し、十分な結晶化が
施されたフィルムを製造することができるため、第1段
目の熱固定で発生する熱収縮応力を抑制し、ボーイング
現象を減少させ横方向に均一な物性を有したフィルムを
得ることができる。この第2段の熱固定においては、
(Tm−40)℃以上(Tm−20)℃未満の温度で行うのが好
ましく、例えばロールによって熱固定を行う場合におい
ては、(Tm−20)℃以上の温度で行うとスティック等が
発生し製膜が困難になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、ポリアミド樹脂をその融点以上の温度に
加熱・溶融し、スリットダイを含む押出し手段から冷却
ドラム表面へフィルム状に押出し、テンターで横方向に
延伸し、縦方向にロール速度が異なるロール群により縦
延伸し、要すれば熱固定され、フィルムワインダー等に
よって巻き取られることは公知である。本発明では、製
膜・延伸条件として、このような樹脂の溶融・押出し条
件、キャスティング条件、横方向延伸条件、縦方向延伸
条件、熱固定条件、巻き条件等を適宜選択できる。
本発明に適用されるポリアミド樹脂としては、ナイロ
ン−4、ナイロン−6、ナインロン−9、ナイロン−1
1、ナイロン−6・6、ナイロン−6・10、ナイロン10
・10等の脂肪族ポリアミド樹脂、及びポリヘキサメチリ
レンアジパミド等の芳香族ポリアミド樹脂、イソフタル
酸とヘキサメチレンジアミンからなる半芳香族アモルフ
アスナイロン等、その他多くの単体、共重合体、混合
体、複合体等が挙げられる。
また、本発明において、横延伸後冷却したフィルムを
縦方向に延伸することにより横延伸時における縦方向の
延伸応力を制御することができるため、ボーイング現象
がさらに抑制されるものと考えられる。また、その後の
二段熱固定により縦方向への熱収縮応力を抑制しつつ十
分な寸法安定性を有した二軸配向ポリアミドフィルムを
製造することができる。
また、本発明では、横延伸、冷却、縦遠視、熱固定工
程が連接している場合や、上記工程間に再延伸及び弛緩
及び定長工程が含まれる場合は当然含まれる。さらに、
縦二段延伸を含む延伸方式、横延伸後のフィルムの両端
をトリミングして縦延伸する延伸方式等その要旨を越え
ない限り上記に限定されるものではない。
一般的にフィルムの物性はフィルムの結晶部のみでな
く、非晶部の状態によっても規定され、特にフィルムの
熱収縮挙動等はこの非晶部の状態によって左右されると
いわれている。そこで、分子配向状態の測定について
は、マイクロ波を利用した非晶鎖の配向製を評価する装
置を用いた。この評価法により、包装用途において印刷
ラミネート加工、製袋工程等での印刷ピッチずれ、斑の
発生、カーリング、蛇行、吸湿図柄歪み等のトラブルの
原因になっている熱収縮率、沸水収縮率、吸湿伸び率等
の物性値の異方性と、マイクロ波による分子配向状態と
の関係を明確にして、ボーイング現象が少なく横方向に
物性値の均一なフィルムの分子配向状態を解明して本発
明に至った。
本発明において、ボーイング現象の少ないフィルムの
特徴としては、分子配向角はフィルムの中央部からフィ
ルムの端部にかけて横方向にほぼ直線的に変化している
ので、フィルムの任意の横方向における分子配向角の変
化が請求項第1項の範囲内であれば、フィルムの全幅に
わたり分子配向角の変化が少ないフィルムとなるので、
物性値の均一なフィルムの歩留まりが良好となる。ま
た、分子配向角の変化が請求項第1項の範囲を越える
と、分子配向状態の歪みが回転することによって物性値
の異方性が問題となる。例えば、フィルムの走行方向に
対して±45°の2方向の物性値の絶対値の比を異方性指
標とし、その値が1.0に近いほどフィルムの横方向での
物性差が少ないものと判定基準を定めた。この異方性指
標の一例として熱収縮率、沸水収縮率、吸湿伸び等の異
方性に関与する製袋時の吸湿図柄歪みを評価した場合、
請求項第1項記載の条件を満足するフィルムがフィルム
全幅にわたり吸湿図柄歪みの少ないフィルムであること
が判った。
なお、吸湿図柄歪みの測定方法としては、ロール状に
巻きとられたポリアミドフィルムの表層部を除去して、
内部より全幅の試料をサンプリングした後すぐに30℃×
1.0mmHg以下に調整された真空乾燥機を用いて、6時間
試料を乾燥し、それを取り出してすぐデシケータに入れ
て、20℃×30%RHの部屋で24時間調整した後、目標の箇
所(通常は、中央と両端部)に円のマークを入れ、その
後、その試料を30℃×80%RHの部屋で24時間調整した
後、その試料の円の形状の変化を目視判定し、それを吸
湿図柄歪みと定義した。
本発明がボーイング現象の少ないフィルムを製造する
に際して工業的に有利な効果が得られる理由について
は、ボーイング現象を減少するのに必要な冷却工程の長
さの決定において、有限要素法を適用しうる数式モデル
を設定し数値解析によって延伸応力の伝播を推定し、実
機で裏付けして、いかなる場合も適用可能なことを見い
だせたためである。
次に実施例を示す。
(実施例) 本発明において使用される装置の一例について説明す
る。Tダイより押出されたポリ−ε−カプラミド樹脂は
チルロールによって急冷されフィルム状に成形される。
そのフィルムは、テンターのクリップによってその両端
を把持されつつ、予熱ゾーンを通って横延伸ゾーンに入
り横延伸される。次いで、フィルムは冷却され、ロール
延伸機によって縦方向に延伸される。そして、再度テン
ターによって両端を把持し、第1段の熱固定をされた
後、クリップから外されテンターを出て、ロールによっ
て第2段の熱固定をされた後、巻取り機によって巻取ら
れる。
また、本発明において、製膜工程終了後のフィルムの
マイクロ波による分子配向状態の測定については、神崎
製紙(株)製の分子配向計(MOA−2001A)を用いて分子
配向角(ANGLE)を測定した。この分子配向状態をフィ
ルムの横方向の任意の位置について測定した。
以下、いくつかの例を挙げて説明する。
実施例1 ポリ−ε−カプラミド樹脂を溶融してTダイより押出
し、チルロール上でフィルム状に成形したのちテンター
によって横方向に3.6倍延伸し、フィルムを40℃に冷却
し、その後ロール延伸機によって縦方向に3.5倍延伸
し、次いで横方向に第1段の熱固定を180℃で行い、次
いで縦方向に第2段の熱固定を190℃で行うことによ
り、二軸配向ポリアミドフィルムを得た。テンター内に
おける温度を、予熱温度を50℃、延伸温度を65℃とし、
その後のロール延伸機での予熱温度を65℃、延伸温度を
85℃とした。その後、通常のようにしてフィルムを巻き
取った。なお、冷却ゾーンの長さLとフィルム幅Wとの
比L/W=1.0として冷却を行い、冷却の際には冷風を吹き
付けた。
比較例1 実施例1において、第1段の熱固定温度を220℃、弛
緩を横方向に3.6%とし、第2段の熱固定を行わない以
外はすべて実施例1と同様にして二軸配向ポリアミドフ
ィルムを得た。
比較例2 実施例1において、第1段の熱固定温度を210℃とし
第2段の熱固定を170℃する以外は実施例1と同様にし
て二軸配向ポリアミドフィルムを得た。
実施例1、2におけるフィルム横方向の分子配向角の
差の最大値(θORMAX−(θORMINは60°以下であ
り、比較例1、2におけるフィルム横方向の該分子配向
角の差の最大値は60°より大きな値を得た。
実施例と比較例における製膜条件と分子配向角の任意
のフィルム横方向での1m当りの変化及び吸湿図柄歪みの
程度の測定結果を表1に示す。
(発明の効果) 比較例は、分子配向角の任意のフィルム横方向での1m
当りの変化が大きいが、本発明の実施例(二段熱固定を
行うか、縦横両方向に弛緩を行う場合)ではポリアミド
フィルムを横延伸、熱固定する工程において発生するボ
ーイング現象を抑制し、フィルムの横方向に均一な物性
(分子配向角の任意のフィルム横方向での1m当りの変化
が小さい)を有し、吸湿図柄歪みの少ないフィルムを製
造できることがわかる。
【図面の簡単な説明】 第1図は分子配向角の定義を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 秀樹 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社犬山工場内 審査官 綿谷 晶廣 (56)参考文献 特開 昭59−169818(JP,A) 特開 平2−103122(JP,A) 特開 昭58−147322(JP,A) 特開 昭58−114028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 55/02 - 55/28 C08J 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともテンター内で横方向に延伸され
    熱固定された(加熱体接触を除く)、インラインの製膜
    延伸熱固定で得られたポリアミドフイルムのマイクロ波
    によって測定されるフイルム横方向の分子配向角の差の
    最大値が(1)式を満足し、かつ、フイルム横方向の単
    位長さ当たりの該分子配向角の変化率dθOR/dWf
    (2)式を満足することを特徴とする二軸配向ポリアミ
    ドフィルム。 (θORMAX−(θORMIN≦60(°) …(1) dθOR/dWf≦15(°/m) …(2) ここで、θORは、マイクロ波によって測定された分子配
    向角(°)であり、(θORMAX、(θORMINは、それ
    ぞれ、フイルム全幅における該分子配向角の測定値の最
    大値と最小値を表す。また、Wfはフイルムの横方向の距
    離(m)であり、dは微分演算子を示す。
  2. 【請求項2】実質的に無配向のポリアミドフィルムを横
    方向に延伸した後、冷却工程で(Tg+20)℃以下に冷却
    し、次いで縦方向に延伸し、さらに(Tm−20)℃以下の
    温度で横方向に10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら
    第1段の熱固定を行い、次いで(Tm−60)℃以上の温度
    で縦方向に10%以下の範囲で弛緩又は延伸しながら第2
    段の熱固定を行うことを特徴とする請求項第1項記載の
    二軸配向ポリアミドフィルムの製造方法。 なお、上記においてTgはポリアミドフィルムのガラス転
    移点(℃)、Tmは該ポリアミドフィルムの融点(℃)を
    意味する。
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