JPH0474546A - 永久磁石式ロールセパレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、樹脂素材中の磁性微小金属片を除去するため
の新規な永久磁石式ロールセパレータ並びにこれを使用
した磁性微小金属片を大幅に除去された樹脂素材の製造
法である。

〔従来の技術とその課題〕

強化材などを配合していない成形材料を製造する場合、
樹脂中の異物は、フィルターなどを押出機の先端部に装
着することにより実質的に除去可能であった。

しかし、強化材を配合した成形材料の場合、強化材自体
が異物であることからフィルターの使用は不可能であっ
た。しかも、強化樹脂材料の場合、用いる強化材が一般
に硬いものであるため、材料の空送配管、混合機、押出
機のバレル、スクリュー・フライト、その他種々の場所
の摩耗が大きいものである。すなわち、押出工程に於け
る異物の発生が大きなものであった。

従来、このような微小金属片の混入したペレットの除去
は、電磁石式の除鉄機を使用していた。

この除鉄機は、スクリーンスペンサーと呼ばれる網状の
金属板を数枚所定の間隔で重ね、約６０００ガウスの磁
力を電磁石にて発生させ、そのスクリーン中に樹脂ペレ
ットを落下させて金属片混入ペレットをスクリーンに付
着させる。所定量のペレットを処理した後、電磁石を停
止し、付着ペレットを除去する方法である。この方法で
除去可能な金属片混入ペレット中の金：底片の大きさは
４００ＩＩＭ程度であった。

しかし、高品質化の要求は厳しくなってきており、４０
０ＩＪＴＩｌより大幅に小さい金属片混入ペレットの除
去が要求されるように成っている。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明者らは、より微細な金属片混入ペレット
の分離も可能な方法を見出すべく鋭意検討した。その結
果、樹脂ペレットをベルト上に一層で略均−に分散させ
、これを永久磁石の力を利用して分離する従来とは全く
異なる方法を見出し、これに基づいて本発明に到達した
。

すなわち、本発明は、樹脂素材中の磁性金属或いは磁性
金属混入素材を分離する装置であって、樹脂素材搬送用
ベルト（１）、該ベルト１）を巻掛けるロール（２）及
び５０００ガウス以上の磁力を有する分離用永久磁石ロ
ール（３）並びに前記ロール（３）から搬送用ベルト１
）が分離する下端近傍に分離用スクレーパー（４）を必
須の構成要素とする永久磁石式ロールセパレータであり
、＝、７久磁石ロール（３）が、ネオジム磁石により構
成されたものであること、該搬送用ベルト（１）に、静
電気除去用具が設置されてなることを特徴とする永久磁
石式ロールセパレータである。

また、本発明は樹脂素材を、分離用永久磁石ロール（３
）の反対側の搬送用ベルト（１）上に供給し、所定速度
で５０００ガウス以上の磁力を有する永久磁石ロール（
３）上に搬送し、ついで該ロール（３）の前端部相当近
傍のベルト（１）上から落下させ、この前端部付近乃至
ロール（３）側下に落下する樹脂素材を金属或いは金属
混入素材として分離することを特徴とする磁性金属或い
は磁性金属混入素材が分離された樹脂素材の製造法であ
り、該樹脂素材が強化材を含む樹脂ペレットであること
を特徴とする樹脂素材の製造法である。

以下、本発明の構成について説明する。

本発明の樹脂素材は、鉄、鉄基合金、その他の磁性体を
その成分として配合していないものであれば特に限定は
ないものであり、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチ
ックなどその原理から当然に限定されないものである。

また、その形も特に限定されないものであり、ベルトに
付着しないものであれば粉体、フレーク、果粒、ペレッ
トなど何れの形でもよい。しかし、磁性金属片が混入し
た場合に、ペレット以外のものは他の手段でも容易に分
離可能であることから、特にペレットに好適に使用でき
ることに特徴を有する。

また、樹脂の種類としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン／塩化ビニル共重合体、
エチレン／酢酸ビニル共重合体、その他のビニル系樹脂
；ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ＡＳ樹
脂、ＡＢＳ樹脂、ＭＢＳ樹脂、その他の芳香族ビニル化
合物系樹脂：ＰＭＭＡ、スチレン／メチルメタアクリレ
ート共重合体、その他のアクリル系樹脂、ポリアセター
ル・ナイロン６、ナイロン６．６、ナイロン６、ＩＯｌ
ＭＸＤＡ、その他のポリアミド；ポリエチレンテレフタ
レートポリブチレンテレフタレート、その他のポリエス
テル・ポリカーボネート；ポリフェニレンエーテル・ポ
リスルホン；ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアリレート；液晶ポリエステル類などが
挙げられ、適宜、これらの樹脂組成物、これらにエラス
トマー類などを配合してなる耐衝撃性を改良した樹脂組
成物、さらに種々の強化材を配合した組成物が一例とし
て挙げられる。

また、好適に使用可能である強化樹脂素材を製造するた
めの強化材としては、繊維、球、粉末、鱗片、その他種
々の形状のものがあげられ、ガラス、シリカ、アルミナ
、シリカ／アルミナ、その他のセラミックス類、炭素繊
維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、超
耐熱性樹脂や熱硬化性樹脂類など特に限定されない。

強化樹脂材料は、通常、樹脂にこれら強化材を配合し、
押出機を用いて溶融混練してペレットとして射出成形な
どに使用されるものであり、上記に説明した如く、素材
の製造工程中での磁性金属片の除去が困難であることか
ら特に好適に適用できるものである。

本発明の永久磁石式ロールセパレータは、分離用永久磁
石ロールを含む少な（とも２つのロールとその間に巻掛
けたベルトを必須とし、樹脂素材の供給部、落下位置等
を区分された樹脂素材を分取する手段、並びに駆動用装
置を必須の補助的構成部材として構成される。駆動装置
としては、通常、電動モーターを使用され、駆動ロール
を樹脂素材供給側とし、分離用永久磁石ロールは従動ロ
ールとするのが好ましい。

ベルトとしては、フィルム、シート、布、箔などで、プ
ラスチック、天然乃至合成繊維布、金属布或いは箔など
で磁気作用を受は難いものであれば特に限定はないが、
耐久性に優れ、付着性が小さく、摩擦係数の小さいもの
が好適であり、特にフッ素樹脂や液晶ポリエステル樹脂
などが好ましい。ペレットの場合、ベルトの材質が例え
ばテフロン、液晶ポリエステルなどの摩擦係数の小さい
ものの場合、振動など与えなくともベルトの移動速度に
対する供給量さえ適量であれば充分にベルト上に均一に
広がり、磁力分離の効率を下げないものであるが、ベル
トの巾が供給口に比較して広い場合、樹脂素材の形態、
ベルトの材質などにょってはベルトに振動を与えたり、
ベルト上への均一分散具を設けることが好ましい。

また、ロールを接地すれば、発生した静電気は殆ど除去
可能であるが、静電気は、落下位置を変動させる要因と
なるものであるので、安定運転のためには静電気対策と
してベルトや樹脂素材に発生した静電気の除去するため
の補助部材を用いるのが好ましく、この部材に樹脂素材
をベルト上に均一分散させる機能を持たせるのが好まし
く、さらにベルト上から樹脂素材がベルト裏面に、静電
気、振動、磁力による運動などによって移動するとベル
トを破断する原因となるので、裏面への移動を阻止する
ための障壁を設けることは好ましいく、特に、粉末は、
ベルトが電気絶縁性の材質の場合、静電気除去対策を充
分に行って、ベルトに付着しないようにする。また、こ
のことを利用して、例えばスクレーパーに静電気除去機
能をもたせることにより、逆に静電気による粉体のベル
トへの付着を利用してペレットなどの素材中の切り粉を
除くことに利用出来る。

分離用永久磁石ロールに用いる永久磁石としては、５０
００ガウス以上の磁力を有するものであれば従来に比較
して大幅な分離効率を示すものであるが、より効率的に
より微細な磁性金属片混入物を分離するには８０００ガ
ウス以上が好適である。５０００ガウス以上の永久磁石
としては、サマリウム磁石（Ｆｅ−３ｍ−Ｃｏ系）、コ
バルト磁石（Ｆｅ−Ｃｏ−Ｃｒ−Ｔｉ系）、アルニコ磁
石（Ｆｅ−Ｃｏ−Ｎｉ−ＡＩ−Ｃｕ−Ｔｉ系）、ネオジ
ム磁石（Ｆｅ−Ｎｄ−Ｂ系）などが挙げられ、特にネオ
ジム磁石が好適である。また、その組み立ては、円柱状
であるロールの円柱面の磁力が最も太き（なるようにす
ることが好ましく、通常、多数の円柱状の磁石をその磁
極が互いに反発するように接合用材を介して接続したも
のである。

本発明の装置で落下位置を隔離された樹脂素材の分取は
、通常、はぼ分離用永久磁石ロール上のベルトの前端部
の下に、磁性金属片混入物の受は部端が位置するように
するが、特に微細な磁性金属片混入物まで分取したい場
合には、前方にやや移動させれる方法やベルト速度をや
や落とす方法などを行えばよい。

〔作用〕

次に、本発明の永久磁石式ロールセパレータについて、
−例を添付の第１図を用いて、その構成および作用につ
いて説明する。

第１図の本発明の永久磁石式ロールセパレータは、樹脂
搬送用ベルト〔１１〕、駆動ロール〔１２〕、分離用永
久磁石従動ロール〔１３〕および分離用スクレーパー〔
１４〕を必須の構成要素とし、不良品受け〔１５〕およ
び良品受け〔１６〕を必須の補助要素としてなる。

第１図において、ペレット選別機により微細な切断屑や
長いペレットを分離されたペレットが、永久磁石式ロー
ルセパレータの駆動ロール〔１２〕側の樹脂搬送用ベル
ト〔１１〕上に供給される。ベルト〔１１〕は５０００
ガウス以上、好適には８０００ガウス以上の磁力の分離
用永久磁石ロール〔１３〕方向（以下「前方」と記す）
への移動し、ペレットをロール〔１３〕の上に移動させ
る。ベルト［１１）の前方への移動速度は単位時間当り
の処理量や除去を要求される金属片の大きさから適宜決
定されるものであるが、通常、１０〜８０ｍ／ｍｉｎの
範囲、好ましくは２０〜６０ｍ／ｍｉｎ　、特に処理効
率の点から３０〜４０ｍ／ｍｉｎの範囲から適宜選択す
るのが好ましい。

また、特に、ベルト〔１１〕上のペレットなどの樹脂素
材は、多段に重ならないでロール〔１３〕の上に移動さ
れるように、ペレット供給量酸いはベルト〔１１〕の速
度、すなわち、駆動ロール〔Ｉ２〕の速度を調整するの
が好適である。

ベルト〔ｌｌ〕の上に供給されたペレットは、ペルー−
（ｌｌ’ｌ　ｌを広がりロール〔Ｉ３〕の位置に到達す
る。ここでベルト［１１１はロール〔１３〕に沿って円
運動を始める。この結果、ペレットには、搬送の速度に
重力による下向きの加速度が加算され、速度を変えなが
ら落下する。この時、磁性金属片の混入のないペレット
（第１図の白ペレット）は、ロール〔１３〕に引きつけ
られないので、ベルト（１１）の移動速度と重力加速度
による落下とを合わせた力に、摩擦による減速が加味さ
れ、前方同成分も増加されて、ロール〔Ｉ３〕の前方端
部に相当する位置よりやや上に相当する位置（＝ペレッ
トの速度成分が、円形のベルトの接線方向より前向きが
大きくなった点）からベルト［１１：］を離れ落下する
こととなる。他方、磁性金属片混入ペレット（第１図の
黒ペレット）は、ロール〔１３〕に引きつけられる結果
、大型の磁性金属片混入ペレットは、落下することなく
、より磁力の強い方向に付着した状態で移動などし、そ
のままスクレーパー〔１４〕まで移動し、ここで擦り落
とされ落下する。また、微細な磁性金属片混入ペレット
は、ロール〔１３〕に引きつけられ、結果として前向き
の速度成分が減じられ、ベルト（１３）上を下方に移動
し、その金属片の大きさ及びそのペレット中での位置に
応じて、前向きの速度成分が殆ど０又は後ろ向きの速度
成分を得てベルト〔ＩＩ〕から離れ落下する。

この結果、磁性金属片混入ペレットは、ロール〔１２〕
の前方端部付近に相当する位置の下にその端をセットし
た不良品受け〔１５〕に集積され、混入のないペレット
は、この不良品受けの前方にセットした良品受け〔１６
〕に集積される。

以上、図面により、本発明の永久磁石式ロールセパレー
タ並びにそれを使用する樹脂素材の製造法を説明したが
、本発明は図面の説明に限定されるものではなく、上記
に詳細に説明したように樹脂素材、永久磁石式ロールセ
パレータに用いる機材、その他種々変更可能なものであ
る。

〔実施例〕

以下、実施例等により本発明を説明する。

実施例１．２及び比較例１ 添付の第１図と同様の永久磁石式ロールセパレータを用
いた。

分離用永久磁石ロール〔１２〕は７．６ｃｍφｘ４０ｃ
ｍＬ、磁力５０００ガウスのサマリウム磁石（実施例１
）及び磁力９０００ガウスのネオジム磁石（実施例２）
を用い、ベルト〔１３〕は厚さ１．ｏｍｍのテフロン製
とし、ロール〔１１〕と〔１２〕の中心間隔は４８ｃｍ
であった。

試験用のペレットは、予め磁性金属片が混入したペレッ
トを９０００ガウスのネオジム磁石を用い、これに反応
するもの〔以下「不良ペレットと記す〕を集めた。直径
的３ｍｍ、長さ約３ｍｍの金属片の混入のないガラス繊
維２０重量％強化ポリカーボネート樹脂のペレット　１
０ｋｇに対して不良ペレット２００個の割合で均一に混
合した試験用ペレットを準備し、これを１０ｋｇづつ試
験に用いた。尚、この試験用ペレットは、１２メツシユ
（１，４１ｍｍ）パス、２００メツシユ（０，０７４ｍ
ｍ　）オンの粉末（＝切り粉）を０．３５％（＝３５０
０ｐｐｍ）含むものであった。

結果を第１表に示した。

なお、第１表には比較のため、従来のマグネットセパレ
ータでの同一素材についての試験結果を比較ｌとして示
した。

また、上記の実施例１−■、実施例２−■および比較例
１の回収した不良ペレット並びに回収出来なかった不良
ペレットについて、ペレット中に含まれる磁性金属片の
大きさとその分布を調べた。

この結果を第２表に示した。

第１表 第２表（不良ペレット中の金属片分布）第１表並びに第
２表の結果から、本発明の永久磁石式ロールセパレータ
によれば、大きさ５０ρ以上の磁性金属片が混入してい
るペレットはその９９％以上が確実に回収され、しかも
、ＩＯρ以下のサイズの磁性金属片が混入したものも回
収されるものであり、従来のマグネットセパレータとは
比較にならない極めて優れた性能を示す。また、本装置
によれば、切り粉の発生は実質的にないものであり、ス
クレーパーを利用してこの切り粉をも減少させることが
可能であることが分る。

〔発明の効果〕

以上、発明の詳細な説明および実施例、比較例などから
明白なよう−に、本発明の永久磁石式ロールセパレータ
は、容易に連続運転可能で、その構造からメンテナンス
も極めて容易であり、かつ、処理性能においても従来に
比較して大幅に優れたものであることが理解される。

従って、本装置によって処理された樹脂素材中には、製
造機器類などから混入するトラブルの原因となる大きさ
の磁性金属片が実質的にないものとなる。また、処理操
作によって、実質的に微粉（切り粉）は発生しないもの
であり、寧ろ、その除去も可能なものである。

これらから、高品質の素材を生産性よく提供できるもの
であることが理解される。

【図面の簡単な説明】

第１図の本発明の永久磁石式ＲＥロールセパレータを説
明するものであり、図中の番号はそれぞれ、Ｉｌ：樹脂
搬送用ベルト、１２：駆動ロール、１３：分離用永久磁
石従動ロール、１４：分離用スクレーパー、１５：不良
品受け、Ｉ６：良品受けを示す。 特許出願人　　三菱瓦斯化学株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　樹脂素材中の磁性金属或いは磁性金属混入素材を分
   離する装置であって、樹脂素材搬送用ベルト（１）、該
   ベルト（１）を巻掛けるロール（２）及び５０００ガウ
   ス以上の磁力を有する分離用永久磁石ロール（３）並び
   に前記ロール（３）から搬送用ベルト（１）が分離する
   下端近傍に分離用スクレーパー（４）を必須の構成要素
   とする永久磁石式ロールセパレータ。 ２　該ロール（２）を駆動ロールとし、該永久磁石ロー
   ル（３）を従動ロールとする請求項１記載の永久磁石式
   ロールセパレータ。 ３　該永久磁石ロール（３）が、ネオジム磁石により構
   成されたものである請求項１記載の永久磁石式ロールセ
   パレータ。 ４　該搬送用ベルト（１）に、静電気除去用具が設置さ
   れてなる請求項１記載の永久磁石式ロールセパレータ。 ５　樹脂素材を、分離用永久磁石ロール（３）の反対側
   の搬送用ベルト（１）上に供給し、所定速度で５０００
   ガウス以上の磁力を有する永久磁石ロール（３）上に搬
   送し、ついで該ロール（３）の前端部相当近傍のベルト
   （１）から落下させ、この前端部付近乃至ロール（３）
   側下に落下する樹脂素材を金属或いは金属混入素材とし
   て分離することを特徴とする磁性金属或いは磁性金属混
   入素材が分離された樹脂素材の製造法。 ６　該樹脂素材が強化材を含む樹脂ペレットである請求
   項４記載の樹脂素材の製造法。