JPH0474540B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、内燃機関の吸気通路に燃料を供給す
るための電磁式燃料噴射弁装置に関する。

［従来の技術］ 一般にこの種の燃料噴射弁装置は、内燃機関の
吸気通路に張り出して形成した弁ホルダー内に電
磁式燃料噴射弁を装着し、この燃料噴射弁の内部
に設けた電磁コイルと電気的に接続された端子部
材に給電線を接続した構造となつている。このよ
うな燃料噴射弁は、所定のタイミングで上記給電
線および端子部材を通じて電磁コイルに通電する
と、この電磁コイルの電磁吸引力によりニードル
弁がリフトされ、噴孔が開かれるためこの噴孔か
ら燃料が吸気通路に噴射されるようになつてい
る。

上記のような従来技術として、例えば特開昭54
−114642号および実開昭57−84361号に開示され
るものが知られている。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、特開昭54−114642号に開示された構
成の場合、給電線が外部に露出しているため、給
電線の劣化による導通不良、短絡等のおそれがあ
る、また、燃料噴射弁の固定箇所と給電線と燃料
噴射弁の電気的接続の位置が相互に離れて分離し
ているため、燃料噴射弁固定の専用部材と、給電
線の取付固定のための専用部材を必要とするので
構成が複雑になり、かつ燃料噴射弁の固定作業と
電気接続作業を別に行わなければならないから組
付け工数も多くなるという問題点がある。

また、実開昭57−84361号に開示されるような
取付蓋を使用するものでは、金属製の取付蓋が使
用されていたため、燃料噴射弁への給電部材とそ
の接続部とを取付蓋に対して電気絶縁する必要が
ある。このため、従来は給電線と接続部とを合成
樹脂製の被覆チユーブで覆う構造となつていた
が、このような場合は振動などによる摺接のため
絶縁チユーブが擦り切れた場合は短絡のおそれが
あり、しかも構成が複雑であるという不具合があ
つた。

また、従来の金属製の取付蓋は重量が重く、取
付、取り外しの作業性が悪いという問題点もあつ
た。

本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、燃料噴射弁を
弁ホルダーに固定する作業が簡単になるととも
に、燃料噴射弁とこれに給電するための給電部材
との電気的接続作業も容易であり、かつ通電部材
の短絡も防止され、構造も簡単になる電磁式燃料
噴射弁装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、装着孔が形成された弁ホルダーと、
一端部に燃料噴射部を形成するとともに、他端部
に端子部材を突出して設け、上記弁ホルダーの装
着孔に収容されて上記燃料噴射部が装着孔の外に
臨まされる燃料噴射弁と、 電気絶縁材料により形成され、上記燃料噴射弁
から突出された上記端子部材を受け入れる収容室
を備えるとともに、前記弁ホルダーに取り付けら
れた場合に上記燃料噴射弁を覆いかつこの燃料噴
射弁を弁ホルダーに押圧して固定する取付蓋と、 この取付蓋の収容室に導入された給電線と、 この給電線に接続されて上記収容室内に設けら
れ、上記取付蓋を所定の向きで弁ホルダーと対向
させた場合に上記燃料噴射弁の端子部材に対向す
るとともに、この取付蓋を上記弁ホルダーに取り
付けた場合に上記収容室の内部で燃料噴射弁の端
子部材と電気的に接続される接続導電部材と、 を具備したことを特徴とする。

［作用］ 本発明の構成によると、取付蓋を弁ホルダーに
取り付けると、この取付蓋が燃料噴射弁を押圧し
て弁ホルダーに固定するようになり、よつて取付
蓋を弁ホルダーに取り付けるだけで燃料噴射弁の
固定がなされるから、燃料噴射弁の固定構造が簡
単になるとともに、固定作業が容易になる。

また、取付蓋の収容室には接続導電部材を設置
してあり、この取付蓋を弁ホルダーに取付けた場
合に前記燃料噴射弁の端子部材が収容室に進入し
て上記接続導電部材と電気的に接続されるように
なる。よつて、取付蓋を弁ホルダーに取り付ける
だけで、給電側の接続導電部材と燃料噴射弁の端
子部材との電気的接続が同時に行われるようにな
り、これらの電気接続作業がきわめて容易にな
る。

また、上記接続導電部材と燃料噴射弁の端子部
材との電気接続部は、電気絶縁材料からなる取付
蓋に形成した収容室に収容されるので、このよう
な通電部が露出しなくなり、かつ取付蓋に接触し
ても短絡せず、絶縁が良好に保たれる。

さらに、収容室に導入される給電線は取付蓋が
電気絶縁材料により構成されているので、取付蓋
に接触しても短絡を生じることがない。

［実施例］ 以下本発明について、第１図に示す一実施例に
もとづき説明する。

図中１はエンジンの吸気通路を構成する管体で
あり、下部管体１ａと上部管体１ｂとを分割可能
に連結して構成されており、下部管体１ａの内面
には弁ホルダー２が吸気通路内に突出して一体に
形成されている。

この弁ホルダー２には、上記吸気通路の通路方
向に沿う装着孔３が貫通して形成されており、こ
の装着孔３内には電磁式燃料噴射弁４が装着され
ている。

燃料噴射弁４は、下端部に燃料噴射部５を有
し、この燃料噴射部５が弁ホルダー２の下面から
吸気通路の下流側に向けて突出して取り付けられ
ている。この燃料噴射部５の下面に形成した図示
しない噴孔から吸気通路の下流側に向けて燃料の
噴射が行われるようになつている。

また、弁ホルダー２には上記装着孔３に連通す
る燃料供給通路６が形成されており、この燃料供
給通路６は上記装着孔３に燃料を供給する。そし
て、燃料噴射弁４はフイルタ６ａを通じて装着孔
３内の燃料を導入するようになつている。燃料噴
射弁４で余剰となつた燃料は燃料戻し通路８を通
つて排出されるようになつている。

なお、７，７は装着孔３と燃料噴射弁４との間
の液密を保持するＯリングであり、３ａは上記燃
料噴射弁４の下部が当接する段差部である。

上記弁ホルダー２の上面には取付蓋９が被着さ
れている。取付蓋９はセラミツクスや耐熱ゴム等
の電気絶縁体により形成されている。この取付蓋
９は弾性材料からなるガスケツト１０を介して取
付ボルト１１により上記弁ホルダー２に取り付け
られている。この取付蓋９は弾性材料からなるブ
ツシユ１２を介して燃料噴射弁４の上面を押圧し
ており、このため燃料噴射弁４は、弁ホルダー２
の装着孔３に形成した段差部３ａと取付蓋９との
間で挟持され、これにより固定されている。

上記取付蓋９には収容室１３が形成されてい
る。本実施例の場合は、収容室１３は、燃料噴射
弁４に対向する面が、取付蓋９に一体に形成され
た囲い壁１４により覆われており、したがて収容
室１３は図示の右側端部が開放された空孔形状を
なしている。この空孔形状の収容室１３には給電
部材および前記燃料噴射弁４に突設した端子部材
１７が収容されている。

端子部材１７は燃料噴射弁４の上面から上方に
突出されており、燃料噴射弁４が弁ホルダー２に
取着された場合に上記ブツシユ１２に形成した孔
１２ａおよび上記囲い壁１４に形成した孔１４ａ
をそれぞれ貫通して上記収容室１３に導かれてい
る。なお、端子部材１７の上端は上記収容室１３
の天井面に形成した凹孔２５に差し込まれて位置
決めされている。

端子部材１７の基端は燃料噴射弁４の内部に導
かれ、図示しない電磁コイルに接続されれてい
る。この電磁コイルは電磁作用により図示しない
ニードル弁を作動させ、これにより前記した噴孔
を開いて燃料を噴射する。

なお、電磁コイルを用いた電磁式燃料噴射弁４
は従来から周知であり、本実施例も周知の電磁式
燃料噴射弁を用いてよいので、その具体的な構成
の説明は省略する。

上記給電部材は、給電線２１と、この給電線２
１の端部に接続された接続導電部材、例えば一対
の導電狭持片２３，２３（一方のみ図示する）と
で構成されている。給電線２１は合成樹脂等から
なる被覆チユーブ２２によつて覆われており、そ
の一端に上記一対の導電狭持片２３，２３が電気
的に接続されているとともに、他端は収容室１３
の右端開口端を通じて取付蓋９の外部に導かれ、
図示しない電源に接続されている。なお、２６は
給電線２１の導出箇所を覆うゴム等からなるグロ
ーメツトであり、取付蓋９に脱着可能に係合され
ている。

上記導電狭持片２３，２３は上記収容室１３内
に保持されており、上記囲い壁１４に形成した孔
１４ａと対向しており、この孔１４ａを貫通して
収容室１３内に導かれる端子部材１７を狭持する
ようになつている。

つまり、取付蓋９を弁ホルダー２に取付けて燃
料噴射弁４を固定した場合に、同時に、燃料噴射
弁４から突出している端子部材１７がブツシユ１
２に形成した孔１２ａおよび囲い壁１４に形成し
た孔１４ａをそれぞれ貫通して収容室１３に導び
かれ、この収容室１３内において上記導電狭持片
２３，２３と自動的に接続されるようになつてい
る。これにより、端子部材１７は給電側の導電狭
持片２３，２３と電気的に接続される。

なお、図示の状態から取付蓋９を弁ホルダー２
から取り外す場合は、管体１を構成する上部管体
１ａを下部管体１ｂから取り外して上方を開放
し、ボルト１１を外して取付蓋９を引き上げるよ
うにした取付蓋９を弁ホルダー２から取り外すこ
とができる。

逆に、取付蓋９を弁ホルダー２に取り付ける場
合は、上記と逆の手順で組み付けることができ
る。

このような構成の実施例について作用を説明す
る。

電源から給電線２１を通じて、所定のタイミン
グで燃料噴射弁４内の電磁コイルに通電すると、
この電磁コイルの電磁作用により図示しないニー
ドル弁がリフトされ、燃料噴射部５の噴射孔が開
かれる。したがつて燃料噴射部５に導入した燃料
が下面に形成した図示しない噴孔から吸気通路の
下流側に向けて噴射される。

本実施例では、取付蓋９を弁ホルダー２に取り
付けると、この取付蓋９が燃料噴射弁４を押圧し
てこの燃料噴射弁４を弁ホルダー２の段差部３ａ
と取付蓋９との間で狭持するようになり、よつて
燃料噴射弁４の固定がなされる。そして、取付蓋
９は、収容室１３に給電部材の導電狭持片２３，
２３を保持しているから、上記取付蓋９を弁ホル
ダー２に取り付ける場合は、給電部材も弁ホルダ
ー２に支持されるようになり、結局、取付蓋９を
弁ホルダー２に取り付けるだけで、燃料噴射弁４
の固定と上記給電部材の弁ホルダー２に対する固
定がなされるようになる。よつて、これら燃料噴
射弁４および給電部材の固定構造が簡単になると
ともに、固定作業も容易になる。

そしてまた、導電狭持片２３，２３は収容室１
３内において囲い壁１４に形成した孔１４ａに対
向させてあり、上記取付蓋９を弁ホルダー２に対
して所定に向きに対向させた場合は、燃料噴射弁
４から突出している端子部材１７が導電狭持片２
３，２３に対向するようになり、この取付蓋９を
弁ホルダー２に取着すると、燃料噴射弁４の端子
部材１７がブツシユ１２に形成した孔１２ａおよ
び囲い壁１４に形成した孔１４ａをそれぞれ貫通
して収容室１３に導びかれ、この収容室１３内で
上記導電狭持片２３，２３と自動的に接続され
る。

つまり、取付蓋９を弁ホルダー２に固定すると
同時に、燃料噴射弁４の端子部材１７が収容室１
３内で導電狭持片２３，２３と電気的に接続され
るようになる。

よつて結局、取付蓋９を弁ホルダー２に取り付
けるだけで、燃料噴射弁４の固定と、上記給電部
材の弁ホルダー２への取着、および給電部材と端
子部材１７との電気的接続が一挙に行われるよう
になる。

したがつて、取付蓋９の取り付け、燃料噴射弁
４の固定、通電部の接続が一カ所でかつ１回の作
業で行え、これら固定作業および電気的接続が簡
単になるとともに、各作業のための個々の部品が
不要になり、構成も簡単になる。

また、導電狭持片２３，２３と端子部材１７の
接続箇所は電気絶縁部材からなる収容室１３に収
容されているから、収容室１３を取り巻く絶縁材
で覆われることになり、給電部材および端子部材
１７の露出部が取付蓋９に接触しても短絡を生じ
ることがない。

さらに、給電線２１も取付蓋９の収容室１３に
収容されているので、万が一給電線２１が収容室
１３の内面、すなわち取付蓋９に接触した状態の
ままでエンジンの振動を受けて給電線２１の被覆
チユーブ２２が擦り切れることがあつても、給電
線２１は絶縁部材からなる取付蓋９に接触するだ
けであるから、短絡することはない。

したがつて、電磁コイルへの通電を確実に保つ
ことができ、燃料噴射を確実に行うことができ
る。

しかも、取付蓋９を電気絶縁材料により形成し
たので、金属に比べて軽量になり、エンジンの軽
量化に寄与し、かつ取付けや取り外しの場合に取
扱いが容易になり、作業性が向上する。

また、収容室１３は囲い壁１４により覆われる
ので絶縁機能が一層高くなる。

なお、本発明は上記の実施例に制約されるもの
ではなく、給電線２１または被覆チユーブ２２あ
るいは導電狭持片２３，２３などに一体または別
体の凸部を形成するとともに、取付蓋９側の収容
室１３の内面に上記凸部が係合する凹部を設け、
これら凹部と凸部の係合により給電部材が移動し
ないように保持するようにしてもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によると、取付蓋を
弁ホルダーに取り付けることにより、この取付蓋
で燃料噴射弁を押圧して燃料噴射弁を弁ホルダー
に固定することができるとともに、取付蓋の収容
室に設置した導電接続部材が燃料噴射弁の端子部
材と電気的に接続されるようになり、結局、取付
蓋を弁ホルダーに取り付けるだけで、燃料噴射弁
の固定と、給電部材と端子部材との電気接続が同
時に行われるようになり、これらの固定構造や固
定作業および電気接続作業がきわめて容易にな
る。

また、上記給電部材と端子部材は電気絶縁性の
取付蓋に形成した収容室に収容されているから、
導電部が露出しないとともに、これらの導電部は
絶縁部材で覆われることになり、給電部材や端子
部材が取付蓋に接触しても短絡を生じることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電磁式燃料噴
射装置の全体の断面図である。 １……管体、２……弁ホルダー、３……装着
孔、３ａ……段差部、４……電磁式燃料噴射弁、
５……燃料噴射部、７……端子部材、９……取付
蓋、１１……取付ボルト、１３……収容室、１４
……囲い壁、１７……端子部材、２１……給電
線、２２……被覆チユーブ、２３……導電狭持
片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 装着孔が形成された弁ホルダーと、 一端部に燃料噴射部を形成するとともに、他端
   部に端子部材を突出して設け、上記弁ホルダーの
   装着孔に収容されて上記燃料噴射部が装着孔の外
   に臨まされる燃料噴射弁と、 電気絶縁材料により形成され、上記燃料噴射弁
   から突出された上記端子部材を受け入れる収容室
   を備えるとともに、前記弁ホルダーに取り付けら
   れた場合に上記燃料噴射弁を覆いかつこの燃料噴
   射弁を弁ホルダーに押圧して固定する取付蓋と、 この取付蓋の収容室に導入された給電線と、 この給電線に接続されて上記収容室内に設けら
   れ、上記取付蓋を所定の向きで弁ホルダーと対向
   させた場合に上記燃料噴射弁の端子部材に対向す
   るとともに、この取付蓋を上記弁ホルダーに取り
   付けた場合に上記収容室の内部で燃料噴射弁の端
   子部材と電気的に接続される接続導電部材と、 を具備したことを特徴とする電磁式燃料噴射弁装
   置。 ２ 上記取付蓋に、上記収容室における上記燃料
   噴射弁と対向する部分を閉塞する囲い壁を形成
   し、この囲い壁には上記燃料噴射弁から突出され
   た端子部材を収容室に導く孔を形成したことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の電磁式燃
   料噴射弁装置。 ３ 上記弁ホルダーの装着孔内に段差部を形成
   し、この段差部と上記取付蓋との間で上記燃料噴
   射弁を挟持したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載の電磁式燃料噴射弁装置。