JPH0474147A - グリセリルエーテルの分離精製方法 - Google Patents
グリセリルエーテルの分離精製方法Info
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- JPH0474147A JPH0474147A JP2186932A JP18693290A JPH0474147A JP H0474147 A JPH0474147 A JP H0474147A JP 2186932 A JP2186932 A JP 2186932A JP 18693290 A JP18693290 A JP 18693290A JP H0474147 A JPH0474147 A JP H0474147A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野コ
本発明はジアシルモノアルキルグリセリルエーテルを含
有する天然油脂類から、化粧品類の特殊界面活性剤とし
て有用なモノアルキルグリセリルエーテルを分離精製す
る方法に関するものである。
有する天然油脂類から、化粧品類の特殊界面活性剤とし
て有用なモノアルキルグリセリルエーテルを分離精製す
る方法に関するものである。
[従来の技術]
天然に存在する炭素数16および18のモノアルキルエ
ーテルからなるグリセリルエーテルは、従来、天然油脂
類から採取されるよりは、むしろ高級アルコールとグリ
セリンまたはエピクロルヒドリンなどから化学合成法に
より製造され、化粧品用の特殊界面活性剤として使用さ
れている。
ーテルからなるグリセリルエーテルは、従来、天然油脂
類から採取されるよりは、むしろ高級アルコールとグリ
セリンまたはエピクロルヒドリンなどから化学合成法に
より製造され、化粧品用の特殊界面活性剤として使用さ
れている。
ここで天然油脂類からの分離精製も検討されて来たが、
従来の方法では、高純度のものを得ることか困難であり
、かつ精製か不十分て臭気などが残り問題となっていた
。
従来の方法では、高純度のものを得ることか困難であり
、かつ精製か不十分て臭気などが残り問題となっていた
。
特公昭49−25245号公報は、ジアシルグリセリル
エーテルを含有する海産油を加アルコール分解した精製
物から、約7.5倍の含水アルコールなどの極性溶媒に
より、脂肪族エステルと共にグリセリルエーテルを抽出
し、さらにその抽出液をケン化し、得られた石鹸から6
0倍以上ものエチレンクロリドを用いてグリセリルエー
テルを抽出するという分離精製法を開示している。しか
し、精製する脂肪酸石鹸はもちろん、グリセリルエーテ
ルもまた界面活性能を有しているため、この方法ではケ
ン化後の生成物の分離が困難で、例えば、大量の溶媒を
用いて複数回の抽出を行なわなければならず、工業的に
好ましくない。また、副生成物による排水処理の問題が
あり、副生成物を塩分解するなどの処置が必要である。
エーテルを含有する海産油を加アルコール分解した精製
物から、約7.5倍の含水アルコールなどの極性溶媒に
より、脂肪族エステルと共にグリセリルエーテルを抽出
し、さらにその抽出液をケン化し、得られた石鹸から6
0倍以上ものエチレンクロリドを用いてグリセリルエー
テルを抽出するという分離精製法を開示している。しか
し、精製する脂肪酸石鹸はもちろん、グリセリルエーテ
ルもまた界面活性能を有しているため、この方法ではケ
ン化後の生成物の分離が困難で、例えば、大量の溶媒を
用いて複数回の抽出を行なわなければならず、工業的に
好ましくない。また、副生成物による排水処理の問題が
あり、副生成物を塩分解するなどの処置が必要である。
さらに、このような極性有機溶剤による抽出法には、不
純物である脂肪酸塩類などの極性物質もグリセリルエー
テルと共に抽出され、これらはその後の冷却工程によっ
ても分離か容易ではなく、ひいては製品としてのグリセ
リルエーテルの純度か向上しないという本質的な欠点が
ある。
純物である脂肪酸塩類などの極性物質もグリセリルエー
テルと共に抽出され、これらはその後の冷却工程によっ
ても分離か容易ではなく、ひいては製品としてのグリセ
リルエーテルの純度か向上しないという本質的な欠点が
ある。
その他、リパーゼによる加水分解を用いてジアシルグリ
セリルエーテルからグリセリルエーテルを得る場合、副
生ずる脂肪酸類と目的物のグリセリルエーテルとを分離
することが困難であり、たとえ冷却分離するとしても、
多量の溶媒を使用しなければならない。また、蒸留で分
離しようとすると、モノアシルグリセリルエーテルなと
の副生物の同伴により、高純度のグリセリルエーテルを
得ることが難しいなどの問題がある。
セリルエーテルからグリセリルエーテルを得る場合、副
生ずる脂肪酸類と目的物のグリセリルエーテルとを分離
することが困難であり、たとえ冷却分離するとしても、
多量の溶媒を使用しなければならない。また、蒸留で分
離しようとすると、モノアシルグリセリルエーテルなと
の副生物の同伴により、高純度のグリセリルエーテルを
得ることが難しいなどの問題がある。
また、ナトリウム還元によりグリセリルエーテルを得よ
うとする場合、金属ナトリウムの使用量が、ジアシルグ
リセリルエーテル1モルにつき5〜6倍当量必要であり
、コスト的に問題がある。
うとする場合、金属ナトリウムの使用量が、ジアシルグ
リセリルエーテル1モルにつき5〜6倍当量必要であり
、コスト的に問題がある。
さらに、副生ずる高級アルコールと目的物のグリセリル
エーテルの分離が困難である。
エーテルの分離が困難である。
また、水素による直接還元も、高温高圧の装置を用いる
など、工業的には困難な問題がある。
など、工業的には困難な問題がある。
[発明が解決しようとする課題]
本発明の目的は、上記の観点に鑑み、天然グリセリルエ
ーテルを、天然油脂、特に魚類の肝油がら高純度で分離
するための工業的な方法を提供することにある。
ーテルを、天然油脂、特に魚類の肝油がら高純度で分離
するための工業的な方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
本発明は、次の工程(I)ないし(IV)からなること
を特徴とする、ジアシルグリセリルエーテルを含有する
天然油脂類からグリセリルエーテルを分離精製する方法
に関するものである。
を特徴とする、ジアシルグリセリルエーテルを含有する
天然油脂類からグリセリルエーテルを分離精製する方法
に関するものである。
工程(I)ニジアシルグリセリルエーテルを含有する天
然油脂類を水素化する工程、 工程(II):前記工程(I)で得られた水素化物を、
アルカリ触媒存在下に、炭素数6以下のアルカノールに
よりエステル交換することにより、グリセリルエーテル
および低級アルコールの脂肪酸エステルを製造する工程
、および 工程(III):生成したグリセリルエーテルおよび脂
肪酸エステルに酸を加えて酸性にした後、水洗する工程
、および 工程(IV):前記工程(III)で生成したグリセリ
ルエーテルと低級アルコールの脂肪酸エステルを炭化水
素溶剤に溶解して冷却分離することによりグリセリルエ
ーテルを析出させる工程。
然油脂類を水素化する工程、 工程(II):前記工程(I)で得られた水素化物を、
アルカリ触媒存在下に、炭素数6以下のアルカノールに
よりエステル交換することにより、グリセリルエーテル
および低級アルコールの脂肪酸エステルを製造する工程
、および 工程(III):生成したグリセリルエーテルおよび脂
肪酸エステルに酸を加えて酸性にした後、水洗する工程
、および 工程(IV):前記工程(III)で生成したグリセリ
ルエーテルと低級アルコールの脂肪酸エステルを炭化水
素溶剤に溶解して冷却分離することによりグリセリルエ
ーテルを析出させる工程。
以下に本発明をさらに説明する。
本発明の原料としては、ジアシルグリセリルエーテルを
一定量以上含有する天然油脂類、例えば、ギンザメ、ヨ
ロイザメなどのスクヮレンを含有する鮫肝油から、スク
ワレンを例えば水蒸気蒸留などにより蒸留分離した後に
得られる残油などが用いられる。この際、重金属などの
不純物が含まれる場合には、本発明の処理の前に除去処
理することが好ましい。
一定量以上含有する天然油脂類、例えば、ギンザメ、ヨ
ロイザメなどのスクヮレンを含有する鮫肝油から、スク
ワレンを例えば水蒸気蒸留などにより蒸留分離した後に
得られる残油などが用いられる。この際、重金属などの
不純物が含まれる場合には、本発明の処理の前に除去処
理することが好ましい。
本発明の方法における工程(I)は、化粧品の特殊界面
活性剤として使用されるグリセリルエーテルの劣化およ
び異臭の原因となる不飽和結合を飽和させる工程である
。一般に、製品グリセリルエーテルのヨウ素価が5を越
えると臭気が問題になるので好ましくない。また、水素
添加を行なうことなく不飽和グリセリルエーテルのまま
では、その後の工程(IV)において、目的物の分離が
困難になるために何れも好ましくない。例えば、水素化
を行なわなければ、エステル交換後、抽出などによりて
は、実質的にグリセリルエーテルの分離は困難ある。ま
た、不飽和グリセリルエーテルの有機溶媒に対する溶解
度は、飽和グリセリルエーテルのそれより高く、それ故
、不飽和物では冷却分離が困難となる。
活性剤として使用されるグリセリルエーテルの劣化およ
び異臭の原因となる不飽和結合を飽和させる工程である
。一般に、製品グリセリルエーテルのヨウ素価が5を越
えると臭気が問題になるので好ましくない。また、水素
添加を行なうことなく不飽和グリセリルエーテルのまま
では、その後の工程(IV)において、目的物の分離が
困難になるために何れも好ましくない。例えば、水素化
を行なわなければ、エステル交換後、抽出などによりて
は、実質的にグリセリルエーテルの分離は困難ある。ま
た、不飽和グリセリルエーテルの有機溶媒に対する溶解
度は、飽和グリセリルエーテルのそれより高く、それ故
、不飽和物では冷却分離が困難となる。
従って、本発明における工程(I)の水素化は沃素価で
5以下となるような条件下に行なうことが好ましい。な
お、鮫肝油からスクワレンを除去した残油なとは、通常
、沃素価で約100cg I/g程度の値を有する。
5以下となるような条件下に行なうことが好ましい。な
お、鮫肝油からスクワレンを除去した残油なとは、通常
、沃素価で約100cg I/g程度の値を有する。
また、工程(II)の後に水素化を行なうとすると、工
程(II)の逆反応が起こり、グリセリルエーテルが再
アシル化されるため、水素化は初めに行なうことが好ま
しい。
程(II)の逆反応が起こり、グリセリルエーテルが再
アシル化されるため、水素化は初めに行なうことが好ま
しい。
本発明における水素化は、適宜の方法により行なうこと
ができるが、通常は、金属触媒を用いる方法か簡便であ
り、また経済的てもある。
ができるが、通常は、金属触媒を用いる方法か簡便であ
り、また経済的てもある。
このような水素化用金属触媒としては、ニッケル、パラ
ジウム、白金、およびロジウムなとの遷移金属または貴
金属化合物なとの金属化合物かあり、好ましくは、ニッ
ケル化合物である。金属化合物は適宜の担体に担持され
たものてもよい。
ジウム、白金、およびロジウムなとの遷移金属または貴
金属化合物なとの金属化合物かあり、好ましくは、ニッ
ケル化合物である。金属化合物は適宜の担体に担持され
たものてもよい。
水素化の温度は、触媒の袖類、触媒の量、接触時間、水
素圧などに応して、50〜200℃の範囲内で選択でき
る。水素圧も同様であり、0.1〜100 kg/c+
[I2の範囲から適宜に選択できる。
素圧などに応して、50〜200℃の範囲内で選択でき
る。水素圧も同様であり、0.1〜100 kg/c+
[I2の範囲から適宜に選択できる。
反応方法は、固定床流通式またはハツチ式なとの何れの
方法でも行なうことかできる。ハツチ式では、触媒は原
料に対して0.01〜5.0重量%添加される。またこ
の場合、反応時間は0.1〜50時間の範囲から適宜に
選択される。
方法でも行なうことかできる。ハツチ式では、触媒は原
料に対して0.01〜5.0重量%添加される。またこ
の場合、反応時間は0.1〜50時間の範囲から適宜に
選択される。
バッチ式の場合には、用いた水素化触媒は分離精製すべ
きグリセリルエーテル中に混入するので、濾過等で完全
に除去する必要かある。
きグリセリルエーテル中に混入するので、濾過等で完全
に除去する必要かある。
なお、水素化後においては、油脂類は融点が上昇するの
で、水素化油のための配管および濾過器なとには、50
℃以上の温度を保持するための加温設備が必要である。
で、水素化油のための配管および濾過器なとには、50
℃以上の温度を保持するための加温設備が必要である。
本発明の工程(II)および(III)は、工程(I)
の方法で得られた生成物に、アルカリ触媒存在下にアル
コールを用いて、エステル交換による脱アシル化法を行
ない、グリセリルエーテルおよび低級アルコールの脂肪
酸エステルとし、中和、洗浄する工程である。その後、
炭化水素溶剤を加えて冷却し、グリセリルエーテルを析
出させ、遠心分離または濾過によりグリセリルエーテル
を得る。
の方法で得られた生成物に、アルカリ触媒存在下にアル
コールを用いて、エステル交換による脱アシル化法を行
ない、グリセリルエーテルおよび低級アルコールの脂肪
酸エステルとし、中和、洗浄する工程である。その後、
炭化水素溶剤を加えて冷却し、グリセリルエーテルを析
出させ、遠心分離または濾過によりグリセリルエーテル
を得る。
脱アシル化法として、他の方法、例えば、油脂類をケン
化分解してグリセリルエーテルを分離しようとする場合
、生成する脂肪酸石鹸およびグリセリルエーテルも界面
活性能を有しているため、ケン化後の分離が難しい。ケ
ン化後に生成するエマルジョンをブレークするために6
0倍量のヘキサン、エーテル、エチレンクロリドなどの
有機溶剤を添加し使用しなければならない。また、その
ままでは、排水処理の問題があり、副生成物を塩分群す
るなどの処置が必要である。また、リバーセによる加水
分解を用いた場合、副生ずる脂肪酸類とグリセリルエー
テルを分離することか困難であり、冷却分離の際、多量
の溶媒を使用しなけわばならない。また、蒸留で分離し
ようとすると、モノアシルグリセリルエーテルなとの副
生成物の同伴により、高純度のグリセリルエーテルを得
ることか難しいなどの問題がある。また、ナトリウム還
元によりグリセリルエーテルを得ようとした場合には、
金属ナトリウムの使用量か、グリセリルエーテル1モル
につき5〜6倍当量必要てあり、コスト的に問題があり
、さらに、副生ずる高級アルコールとグリセリルエーテ
ルの分離か困難である。また、水素による直接還元は工
業的に困難である。
化分解してグリセリルエーテルを分離しようとする場合
、生成する脂肪酸石鹸およびグリセリルエーテルも界面
活性能を有しているため、ケン化後の分離が難しい。ケ
ン化後に生成するエマルジョンをブレークするために6
0倍量のヘキサン、エーテル、エチレンクロリドなどの
有機溶剤を添加し使用しなければならない。また、その
ままでは、排水処理の問題があり、副生成物を塩分群す
るなどの処置が必要である。また、リバーセによる加水
分解を用いた場合、副生ずる脂肪酸類とグリセリルエー
テルを分離することか困難であり、冷却分離の際、多量
の溶媒を使用しなけわばならない。また、蒸留で分離し
ようとすると、モノアシルグリセリルエーテルなとの副
生成物の同伴により、高純度のグリセリルエーテルを得
ることか難しいなどの問題がある。また、ナトリウム還
元によりグリセリルエーテルを得ようとした場合には、
金属ナトリウムの使用量か、グリセリルエーテル1モル
につき5〜6倍当量必要てあり、コスト的に問題があり
、さらに、副生ずる高級アルコールとグリセリルエーテ
ルの分離か困難である。また、水素による直接還元は工
業的に困難である。
エステル交換工程(n)において用いるアルカノールは
、炭素数1〜6のアルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、5ec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ールの単独またはこれらの混合物であり、好ましくはメ
タノールである。
、炭素数1〜6のアルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、5ec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ールの単独またはこれらの混合物であり、好ましくはメ
タノールである。
ここて炭素数7以上のアルコールはエステル交換のため
の反応性に乏しいので好ましくない。アルコールは、ジ
アシルグリセリルエーテルに対して過剰に用いる。通常
は、ジアシルグリセリルエーテルの1モルに対して1〜
10モルの範囲から選択される。
の反応性に乏しいので好ましくない。アルコールは、ジ
アシルグリセリルエーテルに対して過剰に用いる。通常
は、ジアシルグリセリルエーテルの1モルに対して1〜
10モルの範囲から選択される。
エステル交換のためのアルカリ触媒としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化
物、酸化物、またはアルカノールのアルカリ金属塩、例
えば、ナトリウムメチラートなどがある。アルカリ触媒
は、処理用原料に対して0.01〜10重量%の範囲で
使用する。エステル交換のための反応時間は0.1〜5
0時間の範囲から適宜に選択される。
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化
物、酸化物、またはアルカノールのアルカリ金属塩、例
えば、ナトリウムメチラートなどがある。アルカリ触媒
は、処理用原料に対して0.01〜10重量%の範囲で
使用する。エステル交換のための反応時間は0.1〜5
0時間の範囲から適宜に選択される。
エステル交換工程においては、用いるアルコールか溶媒
ともなるために、溶媒は特に用いなくても行なうことが
できる。しかしながら、エステル交換後の中和、水洗時
に、通常は溶媒が必要となるため、適宜の溶媒を用いる
のが適当である。その際、次の冷却分離工程において溶
媒として用いる炭化水素溶剤と同様な溶剤、すなわち、
n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン
、オクタンおよびイソオクタンなどの炭化水素溶剤を用
いることが好ましい。
ともなるために、溶媒は特に用いなくても行なうことが
できる。しかしながら、エステル交換後の中和、水洗時
に、通常は溶媒が必要となるため、適宜の溶媒を用いる
のが適当である。その際、次の冷却分離工程において溶
媒として用いる炭化水素溶剤と同様な溶剤、すなわち、
n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン
、オクタンおよびイソオクタンなどの炭化水素溶剤を用
いることが好ましい。
エステル交換反応には、上述のようにアルカリ触媒を用
いるので、その後常法に従い中和を行なう。
いるので、その後常法に従い中和を行なう。
中和処理後、液が酸性になるように適宜の酸、例えば、
塩酸などの鉱酸を加える。この場合pHが2以下になる
まで添加する必要がある。
塩酸などの鉱酸を加える。この場合pHが2以下になる
まで添加する必要がある。
すなわち、アルカリ触媒を用いたエステル交換工程にお
いては、エステル交換の他、一部原料中の脂肪の鹸化に
より脂肪酸塩が生成し、その脂肪酸塩は、後の冷却分離
の際に、目的物であるグリセリルエーテルと共に析出す
る。このように冷却分離の際に脂肪酸塩がグリセリルエ
ーテルと共に析出すると、高純度のグリセリルエーテル
が得られない。そこで、中和の際に液を酸性にすること
により、その段階で溶解している脂肪酸塩から脂肪酸を
予め析出分離させる。このようにすることにより、次の
冷却分離工程における脂肪酸の共析を防ぐことができる
。
いては、エステル交換の他、一部原料中の脂肪の鹸化に
より脂肪酸塩が生成し、その脂肪酸塩は、後の冷却分離
の際に、目的物であるグリセリルエーテルと共に析出す
る。このように冷却分離の際に脂肪酸塩がグリセリルエ
ーテルと共に析出すると、高純度のグリセリルエーテル
が得られない。そこで、中和の際に液を酸性にすること
により、その段階で溶解している脂肪酸塩から脂肪酸を
予め析出分離させる。このようにすることにより、次の
冷却分離工程における脂肪酸の共析を防ぐことができる
。
その後水洗を行なう。この水洗工程では、主として脂肪
の鹸化により副生じたグリセリンなどの極性物質が除去
される。なお、水洗の際に発生するエマルジョンのため
に、水洗処理による分離が困難となることがある。そこ
で有機液体と水との界面の分離性を良くするために、炭
素数4以下の水溶性溶媒、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、アセトンなどのアルコ
ールまたはケトンを水に混合して用いることが好ましい
。水に加える水溶性溶剤の適当な混合比は水溶性溶剤/
水の重量比で0.1〜3の範囲である。
の鹸化により副生じたグリセリンなどの極性物質が除去
される。なお、水洗の際に発生するエマルジョンのため
に、水洗処理による分離が困難となることがある。そこ
で有機液体と水との界面の分離性を良くするために、炭
素数4以下の水溶性溶媒、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、アセトンなどのアルコ
ールまたはケトンを水に混合して用いることが好ましい
。水に加える水溶性溶剤の適当な混合比は水溶性溶剤/
水の重量比で0.1〜3の範囲である。
冷却分離工程(rV)においては、前記エステル交換工
程において生成したグリセリルエーテルおよび低級アル
コールの脂肪酸エステルとを炭化水素溶剤に溶解し、こ
の溶液を冷却させることにより、高純度のグリセリルエ
ーテルを分離させる。
程において生成したグリセリルエーテルおよび低級アル
コールの脂肪酸エステルとを炭化水素溶剤に溶解し、こ
の溶液を冷却させることにより、高純度のグリセリルエ
ーテルを分離させる。
ここで、溶媒として用いる炭化水素は、n−ペンタン、
n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタンおよ
びイソオクタンなどの炭素数5以上の炭化水素溶剤であ
り、好ましくはn−ヘキサンである。
n−ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタンおよ
びイソオクタンなどの炭素数5以上の炭化水素溶剤であ
り、好ましくはn−ヘキサンである。
冷却分離工程では、炭化水素を用いて水洗後のエステル
交換物を溶解し、好ましくは徐々に冷却することにより
、グリセリルエーテルを結晶として析出させ、析出した
グリセリルエーテルは、適宜の方法、例えば、遠心分離
や濾過などにより分離する。
交換物を溶解し、好ましくは徐々に冷却することにより
、グリセリルエーテルを結晶として析出させ、析出した
グリセリルエーテルは、適宜の方法、例えば、遠心分離
や濾過などにより分離する。
冷却温度は、グリセリルエーテルの純度や回収率に応じ
て、−5〜15℃の範囲から選択することができる。例
えば、回収率を85%以上にするためには一5〜0℃の
範囲が好ましい。
て、−5〜15℃の範囲から選択することができる。例
えば、回収率を85%以上にするためには一5〜0℃の
範囲が好ましい。
副生ずるエステルの量にもよるが、加えるべき溶媒の量
は、グリセリルエーテルを含む原料に対して1〜20倍
が好ましい。溶媒の量が1倍未満では実質的な分離精製
ができず、逆に20倍を越える量では処理量が増大し、
経済的ではない。
は、グリセリルエーテルを含む原料に対して1〜20倍
が好ましい。溶媒の量が1倍未満では実質的な分離精製
ができず、逆に20倍を越える量では処理量が増大し、
経済的ではない。
なお、ここで用いた溶媒は、使用後適宜に蒸留して回収
することにより再使用できる。
することにより再使用できる。
なお、好ましくは、上記の冷却分離を複数回、すなわち
2回以上繰り返すことにより、より高純度のグリセリル
エーテルが得られる。但し、通常は、20回より多く冷
却分離を繰り返しても純度か特に向上することはない。
2回以上繰り返すことにより、より高純度のグリセリル
エーテルが得られる。但し、通常は、20回より多く冷
却分離を繰り返しても純度か特に向上することはない。
冷却分離の他の方法として、脂肪酸塩を含んだグリセリ
ルエーテルを4倍のアセトンを用いて精製する方法も考
えられるか、この方法では、先に析出した脂肪酸塩を一
度除去しなければならず、工程か複雑となり好ましくな
い。また、本発明はグリセリルエーテルを含んだ脂肪酸
エステルから少量の溶媒を用いてグリセリルエーテルを
分離するという点で上記の方法とは本質的に異なる。
ルエーテルを4倍のアセトンを用いて精製する方法も考
えられるか、この方法では、先に析出した脂肪酸塩を一
度除去しなければならず、工程か複雑となり好ましくな
い。また、本発明はグリセリルエーテルを含んだ脂肪酸
エステルから少量の溶媒を用いてグリセリルエーテルを
分離するという点で上記の方法とは本質的に異なる。
冷却分離されたグリセリルエーテルは、適宜の方法、例
えば、減圧乾燥により乾燥し回収する。
えば、減圧乾燥により乾燥し回収する。
[発明の効果]
本発明の方法によれば、ジアシルグリセリルエーテルを
含有する天然油脂類から高純度のグリセリルエーテルを
分離することか可能てあり、かつ、臭気なとの少ない天
然グリセリルエーテルを製造することか可能である。
含有する天然油脂類から高純度のグリセリルエーテルを
分離することか可能てあり、かつ、臭気なとの少ない天
然グリセリルエーテルを製造することか可能である。
すなわち、予め水素化処理を行なうことにより、エステ
ル交換の後に、酸性化、水洗という簡単な処理によって
脂肪酸塩を除去できる。その結果、冷却分離の際の脂肪
酸塩の共析を防止することかできる。
ル交換の後に、酸性化、水洗という簡単な処理によって
脂肪酸塩を除去できる。その結果、冷却分離の際の脂肪
酸塩の共析を防止することかできる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
く工程(■)〉 ジアシルグリセリルエーテルを含有す
る天然油脂類の水素化 深海鮫肝油からスクワレンを蒸留分離除去した残油(以
下rAG油」という。沃素価=106cg I/g)
80 Kgにニッケル触媒(日揮化学■製、N−112
B) 1.6にgを加え、水素により10にg/cm2
に加圧し、200℃で5時間加熱した。
る天然油脂類の水素化 深海鮫肝油からスクワレンを蒸留分離除去した残油(以
下rAG油」という。沃素価=106cg I/g)
80 Kgにニッケル触媒(日揮化学■製、N−112
B) 1.6にgを加え、水素により10にg/cm2
に加圧し、200℃で5時間加熱した。
反応後冷却し、かつ50℃以上になるように加温しなか
ら、触媒除去のために濾過し、AG油の水素化物(沃素
価: 3. Ocg T/g)を得た。
ら、触媒除去のために濾過し、AG油の水素化物(沃素
価: 3. Ocg T/g)を得た。
〈工程(II)> エステル交換
工程(I)で得られたAG油の水素化物80Kgにn−
ヘキサン120Kg、メタノール20Kg、および28
%ナトリウムメチラートメタノール溶液4にgを加え、
55℃で5時間加熱した。
ヘキサン120Kg、メタノール20Kg、および28
%ナトリウムメチラートメタノール溶液4にgを加え、
55℃で5時間加熱した。
く工程(■)〉 酸性化、水洗
冷却の後、メタノール24Kgおよび水16にgを加え
た後、35%塩酸により、水層のpHを2とした。その
後水層を分離した。さらに、油層をメタノール24にg
および水16Kgで3回洗浄した。
た後、35%塩酸により、水層のpHを2とした。その
後水層を分離した。さらに、油層をメタノール24にg
および水16Kgで3回洗浄した。
〈工程(IV)〉 冷却分離
工程(I[l)で得られた油層2.5 Kgにn−ヘキ
サンIKgを加えた。攪拌しつつ40℃から1時間かけ
て0〜−5℃まで冷却した。30分間この温度に保持し
、濾過面積1150cm2のパケット型テフロン製(5
μ)の濾布を用いた遠心分離器へ10分かけて張り込ん
だ。その時の回転数はf500rpmであった。
サンIKgを加えた。攪拌しつつ40℃から1時間かけ
て0〜−5℃まで冷却した。30分間この温度に保持し
、濾過面積1150cm2のパケット型テフロン製(5
μ)の濾布を用いた遠心分離器へ10分かけて張り込ん
だ。その時の回転数はf500rpmであった。
析出物にn−ヘキサンを加え、同様の操作を複数回行な
うことにより、析出物であるグリセリルエーテルの純度
は向上した。処理回数と析出物の組成を表1に示す。精
製した析出物を真空乾燥することによって、無臭で、室
温で液状の無色の高純度グリセリルエーテルか得られた
。
うことにより、析出物であるグリセリルエーテルの純度
は向上した。処理回数と析出物の組成を表1に示す。精
製した析出物を真空乾燥することによって、無臭で、室
温で液状の無色の高純度グリセリルエーテルか得られた
。
Claims (2)
- (1)次の工程( I )ないし(IV)からなることを特
徴とする、ジアシルグリセリルエーテルを含有する天然
油脂類からグリセリルエーテルを分離精製する方法。 工程( I ):ジアシルグリセリルエーテルを含有する
天然油脂類を水素化する工程、 工程(II):前記工程( I )で得られた水素化物を、
アルカリ触媒の存在下に、炭素数6以下のアルカノール
によりエステル交換することによって、グリセリルエー
テルおよび低級アルコールの脂肪酸エステルを製造する
工程、 工程(III):生成したグリセリルエーテルおよび脂肪
酸エステルに酸を加えて酸性にした後、水洗する工程、
および 工程(IV):前記工程(III)で生成したグリセリルエ
ーテルと低級アルコールの脂肪酸エステルとを、炭化水
素溶剤に溶解して冷却分離することによりグリセリルエ
ーテルを析出させる工程。 - (2)前記ジアシルグリセリルエーテルを含有する天然
油脂類が、深海鮫肝油からスクワレンを分離除去した残
りの残油である請求項1記載のグリセリルエーテルの分
離精製方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2186932A JP2611861B2 (ja) | 1990-07-14 | 1990-07-14 | グリセリルエーテルの分離精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2186932A JP2611861B2 (ja) | 1990-07-14 | 1990-07-14 | グリセリルエーテルの分離精製方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0474147A true JPH0474147A (ja) | 1992-03-09 |
| JP2611861B2 JP2611861B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=16197243
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2186932A Expired - Fee Related JP2611861B2 (ja) | 1990-07-14 | 1990-07-14 | グリセリルエーテルの分離精製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2611861B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011051971A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-03-17 | L'air Liquide-Sa Pour L'etude & L'exploitation Des Procedes Georges Claude | 1−アルキルグリセロールエーテルの調製方法 |
| GB2621282B (en) * | 2021-04-22 | 2025-10-01 | Desmet Belgium | Novel process and equipment for solvent fractionation |
-
1990
- 1990-07-14 JP JP2186932A patent/JP2611861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011051971A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-03-17 | L'air Liquide-Sa Pour L'etude & L'exploitation Des Procedes Georges Claude | 1−アルキルグリセロールエーテルの調製方法 |
| GB2621282B (en) * | 2021-04-22 | 2025-10-01 | Desmet Belgium | Novel process and equipment for solvent fractionation |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2611861B2 (ja) | 1997-05-21 |
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