JPH0473495B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の利用分野］ 本発明は、水底等に堆積した泥土等の堆積物
や、水底に略一定幅の層をなして浮遊する浮泥等
のヘドロを捕集し、捕集した堆積物や浮泥等のヘ
ドロを可撓性の送泥管を介して直接陸上等に圧送
する浚渫装置に関するものである。

［発明の背景］ 一般に、水底等に堆積した泥土等の堆積物を浚
渫する場合、作業船等にバツクホー等の掘削機を
搭載し、バツクホーのアーム先端に取付けたバケ
ツトにより水底の堆積物や砂利等を掘削し、それ
を一旦バージ等に集めるようにしているのが普通
である。

ところで、水底の堆積物といつても、比較的含
水率の少ない泥土や水底に略一定の厚さで沈降し
ている浮泥等があり、バツクホーのバケツトで浮
泥を浚渫しようとした場合はバケツトによつて水
底がかき回されることにより、濁りが拡散されて
殆んど浮泥の捕集ができない。

なお本明細書中泥土、浮泥等を泥と称す。

そこで、従来このような浮泥の浚渫は、吸引方
式により捕集するようにしていたが、浮泥ととも
に水を大量に吸込むため、後処理が面倒となる
他、例えば青粉等の有機性に富む浮泥の場合には
土質改良のために田畑等に投薬されるが、含水率
が多いと土が固まるまで相当な日数が要すること
から、浮泥を低含水率で捕集できることが望まれ
ていた。

［発明の目的］ 本発明は、このような観点に鑑みなされたもの
で、水底堆積物や浮泥を低含水率で連続的に捕集
でき、しかも浚渫作業場所から直接陸上等に送泥
管を介して圧送することにより浚渫の効率化を図
れ、同時に水質の汚濁を防ぐことができる浚渫装
置を提供することを目的とするものである。

［発明の概要］ 本発明の目的を実現する具体的構成は、特許請
求の範囲に記載した通りである。

［発明の実施例］ 以下本発明を第１図乃至第４図に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。

本実施例による浚渫装置１は泥掘削集泥ユニツ
ト１０と、送泥管２０に連結される泥圧送ユニツ
ト３０と、浚渫装置１全体を例えば不図示のバツ
クホーのアームの先端部に取付けて該アームの作
動により装置全体を水底に沿つて前進させたり、
水平方向に旋回させたりする吊持ユニツト４０と
から構成され、泥掘削集泥ユニツト１０と泥圧送
ユニツト３０とを浚渫方向に沿つて前後に連結す
るとともに吊持ユニツト４０を泥圧送ユニツト３
０に固定し、泥掘削集泥ユニツト１０で捕集した
浮泥や堆積泥土等の泥を装置全体の前進力により
泥圧送ユニツト３０に強制的に送り込んで一旦蓄
え、泥圧送ユニツト３０に蓄えられた泥を圧縮空
気により送泥管２０を介して遠隔地に圧送するよ
うにしており、以下上記した各ユニツトを夫々説
明する。

泥掘削集泥ユニツト１０は、ロータリー掘削カ
ツター１１を収容する前ケーシング１２と、集泥
スクリユー１３を収容する後ケーシング１４とを
前後方向に沿つて一体的に剛体連結し、ロータリ
ー掘削カーター１１と集泥スクリユー１３とを並
列に配置しており、双方のケーシング１２と１４
との共通な幅方向に対向配置された一対のサイド
プレート１００，１０１にロータリー掘削カツタ
ー１１のカツター軸１１ａおよび集泥スクリユー
１３のスクリユー軸１３ａが回転可能に軸受１０
２，１０３を介して夫々軸支されている。

カツター軸１１ａおよびスクリユー軸１３ａの
一端部には夫々スプロケツト１０４，１０５が固
定され、油圧等を駆動源とするモータ１５のスプ
ロケツト１５ａと上記のスプロケツト１０４，１
０５に掛回された駆動チエーン１０６を介してモ
ータ１５の駆動力がカツター軸１１ａおよびスク
リユー軸１３ａに伝達されカツタ軸１１ａおよび
スクリユー軸１３ａを矢印で示す方向に回転させ
るようにしている。

ロータリー掘削カツター１１は板状のカツター
１１ｂを複数（本実施例では４本）有するカツタ
ー板１１ｃを軸方向に沿つて一定間隔でカツター
軸１１ａに固定したもので、前ケーシング１２の
底部前方の堆積泥土を掘削しながら前ケーシング
１２内に掘削泥土を取り込むとともに、前ケーシ
ング１２の前方に浮遊している浮泥を前ケーシン
グ１２内に取り込むようにしている。

前記ケーシング１２は、一対のサイドプレート
１００，１０１間の前端開口から底部に渡り複数
の格子部材１０７とロータリー掘削カツター１１
のカツター１１ｂを挟み込むように幅方向に沿つ
て傾斜配置するとともに、一対のサイドプレート
１００，１０１間の上部に前後方向に沿つてアツ
パープレート１０８を設けていて、このアツパー
プレート１０８の後端部１０８ａをカツター１１
ｂを取り囲むようにして下向きに湾曲させてい
る。

また前ケーシング１２の前端上部には浮泥を捕
集する際に水が前ケーシング内に入り込むのを防
ぐウオーターシヤツトパネル１０９が前方に向け
て傾斜配置されている。

集泥スクリユー１３は、スクリユー軸１３ａの
片半部分１３ｂおよび他半部分１３ｃに夫々右ね
じ廻りの螺旋フイン１３ｄと左ねじ廻りの螺旋フ
イン１３ｅとが対をなして設けられ、前ケーシン
グ１２からの浮泥や堆積土等をスクリユー軸１３
ａの片半部分１３ｂおよび他半部分１３ｃの各軸
央部に集めるようにしている。後ケーシング１４
は、集泥スクリユー１３を取り囲むように断面円
筒状に形成されるケーシング部１１０と、該ケー
シング部１１０の後端側周壁面にスクリユー軸１
３の片半部分１３ｂおよび他半部分１３ｃの軸央
部に夫々対応して後方に延びている第１供給管１
１１と第２供給管１１２とから構成され、ケーシ
ング部１１０は前端側周壁面に幅方向に沿つて開
口部１１３が形成されて前ケーシング１２からの
浮泥等を集泥スクリユー１３に導くようになつて
いて、該開口部１１３の上縁が前ケーシング１２
のアツパープレート１０８の後端縁に固定される
とともに、該開口部１１３の下縁が傾斜板１１４
を介して格子部材１０７の端部に固定されてい
る。

泥圧送ユニツト３０は、円筒状に形成された一
端側が大径で、他端側が小径の２基の圧力容器３
１，３２を並列に配置し、各圧力容器３１，３２
の各大径端側を第１供給管１１１および第２供給
管１１２に接続し、各圧力容器３１，３２の大径
端側内部に、容器内の浮泥等の泥が泥掘削集泥ユ
ニツト１０に逆流するのを防ぐ第１逆止弁３３，
３４を夫々設けるとともに各圧力容器３１，３２
の小径端側に容器内へ泥が逆流するのを防ぐ第２
逆止弁３５，３６を夫々接続し、さらに一端側が
送泥管２０に接続される平面Ｔ字形状の集合管３
７の各分岐管部３７ａ，３７ｂに第２逆止弁３
５，３６を夫々接続しており、集合管３７と送泥
管２０との管にはユニバーサルジヨイント３８ａ
を介して回転自在に接続管３８ａが接続されてい
る。

圧力容器３１，３２は同一構造に形成され、容
器頂部に夫々設けられた主圧縮空気管３０１，３
０２を介して圧縮空気が不図示の制御装置により
制御されて交互に供給されるようになつており、
例えば一定時間毎に交互に圧縮空気を供給するよ
うになつており、また双方の圧力容器３１，３２
は吊持ユニツト４０の接続のため、および圧送ユ
ニツト全体の剛性を高めるために台板３０３によ
り剛連結されている。

第１逆止弁３３，３４は共にに同一の構造で、
支軸３０４を介して圧力容器３１，３２の大径端
側に向けて揺動自在に軸支された弁体３０５が傾
斜した切口の弁座３０６に常時当接するようにな
つていて、装置全体の前進力および集泥スクリユ
ー１４の搬送力により第１供給管１１１および第
２供給管１１２から浮泥等の泥が圧力容器３１，
３２内に向けて供給されるので許容し、圧力容器
３１，３２に圧縮空気が供給されている場合に
は、圧力容器３１，３２内の圧力によつて弁体３
０５が弁座３０６に押し付けられて、圧力容器３
１，３２内への浮泥等の泥の供給が阻止される。
その際、弁体３０５と弁座３０６との密閉性を向
上させるために、本実施例では弁体３０５の前面
にゴムシート３０７を取り付けている。また、圧
力容器３１，３２の底部に泥等が溜まり易いの
で、容器３１，３２の大径側端面の下部に副圧縮
空気管３０８，３０８を挿入し、泥圧送時に圧縮
空気を容器３１，３２内に噴出して圧力容器３
１，３２の底部に泥が溜まらないようにしてい
る。一方、第２逆止弁３５，３６は、弁箱３０１
内に第１逆止弁３３，３４の弁体３０５および弁
座３０６とサイズは異なるが同構造のゴムシート
３１１が取付けられた弁体３１２と弁座３１３が
設けられていて、容器３１，３２から集合管３７
への浮泥等の泥の移動を許容するが、逆方向への
移動を阻止するようになつている。

すなわち、上記した泥圧送ユニツト３０は、圧
力容器３１，３２内へ圧縮空気を供給していない
場合には圧縮容器内へ浮泥等の泥が供給され、圧
縮空気が供給されると第１逆止弁３３，３４が作
動して浮泥等の泥の供給を阻止するようになつて
いて、圧力容器３１，３２への圧縮空気の供給は
交互に行なわれることから、一方の圧力容器３１
に圧縮空気を供給している間は他方の圧力容器３
２には浮泥等の泥が供給され、圧縮空気が供給さ
れる該一方の圧力容器３１内の浮泥等の泥を空気
圧により、該一方の圧力容器３１に接続される一
方の第２逆止弁３５を通して一方の集合管３７の
分岐管部３７ａから送泥管２０に供給され、遠隔
地に圧送されることになる。その際、集合管３７
の泥圧は他方の分岐管部３７ｂ側にも加わるが、
他方の第２逆止弁３６は集合管３７側からの浮泥
等の泥の逆流を阻止するので、一方の圧力容器３
１からの浮泥等の泥は全て送泥管２０に供給され
ることになる。

そして、一方の圧力容器３１内の浮泥等の泥の
圧送が終了すると、逆に他方の圧力容器３２に圧
縮空気が供給され、一方の圧力容器３１内に浮泥
等の泥が供給されている間に他方の圧力容器３２
内の浮泥等の泥が送泥管２０に供給されることに
なり、これを交互に繰返し行うことで浮泥等の泥
を連続的に圧送することができることとなる。そ
の際、浮泥等の泥の圧送性をさらに高めるため
に、集合管３７に補助圧縮空気管３９を取り付
け、送泥管２０に向けて圧縮空気を噴出するよう
にしている。

吊持ユニツト４０は、不図示のスラストベアリ
ングを介して上下一対の回転部材４００，４０１
を水平方向に回転自在に支持するとともに上回転
部材４００に固定した不図示の油圧モータにより
不図示の歯車を介して下回転部材４０１を水平方
向に回転できるようにしており、上回転部材４０
０には装置１全体を水平姿勢に保持可能な油圧シ
リンダー等を備えた不図示の吊持ブラケツトを介
して、ラダーやバツクホウのアーム先端部に連結
されるようになつており、泥、掘削集泥ユニツト
１０を前側にして該ラダーやバツクホウのアーム
を移動させることによつて装置１全体を水床に沿
つて水平移動させることができるようになつてい
る。

したがつて、泥掘削集泥ユニツト１０の高さを
浚渫場所における浮泥層の厚さに合せておけば、
装置１全体を前進させるだけで余分な水を取り込
むことなくしかも浮泥を乱すことなく浮泥の捕集
が行えて遠隔地に圧送することができる。

そして、ラダーやバツクホウの移動が限界に達
すると、吊持ユニツト４０の油圧モータを駆動し
て装置１全体を例えば180°水平回転させて泥掘削
前集泥ユニツト１０の向きを逆向きにし、浚渫位
置を移して同様に浮泥の浚渫を行うことにより効
率よく浚渫を行えることになる。その際、接続管
３８が回転するために、送管２０が曲がつたり巻
きついたりすることはない。

また、装置１全体を水床に押し下げるようにし
て前進させると、浮泥とともに水底のヘドロや堆
積泥土等も一緒に浚渫することが可能となる。

［発明の効果］ 以上説明してきたように、本発明によれば、前
進方向に沿つて圧力容器を２基並設し、前進しな
がら浮泥や堆積泥土を浚渫する際、常にどちらか
一方の圧力容器に泥土の貯留が行われるため、連
続的に浮泥の浚渫が行える。その際、泥の貯留は
装置の前進力等による正圧で第１逆止弁が開き、
また容器内の泥の移送は圧縮空気を利用している
ので、第１逆止弁が開かないようなトラブルが発
生しても、容器内及び送泥管内の泥を一気に排出
することができる。

また、吊持ユニツトにより旋回可能なので、任
意の向きに泥掘削集泥ユニツトの開口を向けるこ
とができ、作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による浚渫装置の一実施例を示
す平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つた断
面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線に沿つた断面
図、第４図は集合管の正面図を示している。 １……浚渫装置、１０……泥掘削集泥ユニツ
ト、１１……ロータリー掘削カツター、１２……
前ケーシング、１３……集泥スクリユー、１４…
…後ケーシング、１５……モータ、２０……送泥
管、３０……泥圧送ユニツト、３１，３２……圧
力容器、３３，３４……第１逆止弁、３５，３６
……第２逆止弁、３７……集合管、３８……接続
管、３９……補助圧縮空気管、４０……吊持ユニ
ツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 泥供給部側に第１逆止弁、泥排出側に第２逆
   止弁を有する圧縮空気が交互に供給される圧力容
   器を２基並設し、該各第２逆止弁を通して排出さ
   れる泥を集合管を介して可撓性を有する送泥管に
   圧送する泥圧送ユニツトと、泥を長さ方向の片半
   部分の中央部および他半部分の中央部に集める集
   泥スクリユーを該一対の圧力容器の並設方向に沿
   つて設けるとともに、該集泥スクリユーの前方に
   泥を回転しながら掘削して該集泥スクリユーに送
   る掘削カツターを設け、かつ該集泥スクリユーと
   該掘削カツターを前面が開口するケーシングによ
   り取り囲み、該集泥スクリユーを囲む該ケーシン
   グに後壁面に該集泥スクリユーの片半部分中央部
   および他半部分中央部に対応して該各第１逆止弁
   に夫々連結される泥供給管を設けた泥掘削集泥ユ
   ニツトと、を備え、 該泥掘削集泥ユニツトと該泥圧送ユニツトとを
   前後方向に剛連結すると共に、これらを吊持ユニ
   ツトにより吊持して旋回可能とし、該泥掘削集泥
   ユニツトを前側にしてこの吊持ユニツトを介して
   前進力を付与しながら該泥掘削集泥ユニツトで掘
   削集泥した泥を泥圧送ユニツトにより送泥管を介
   して圧送するようにした浚渫装置であつて、 前記泥圧送ユニツトの各第１逆止弁は各圧力容
   器内の空気圧により閉鎖し、各第２逆止弁は各圧
   力容器内の空気圧により開放するように構成し、
   該２基の圧力容器内への圧縮空気の交互供給によ
   り、前進しながらこれら圧力容器内に交互に貯留
   した泥土を交互に送泥管に排出するようにしたこ
   とを特徴とする浚渫装置。