JPH0473148B2 - - Google Patents

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JPH0473148B2
JPH0473148B2 JP57038511A JP3851182A JPH0473148B2 JP H0473148 B2 JPH0473148 B2 JP H0473148B2 JP 57038511 A JP57038511 A JP 57038511A JP 3851182 A JP3851182 A JP 3851182A JP H0473148 B2 JPH0473148 B2 JP H0473148B2
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layer
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gas
amorphous
amorphous layer
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Shigeru Shirai
Kyosuke Ogawa
Junichiro Kanbe
Keishi Saito
Yoichi Oosato
Teruo Misumi
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Canon Inc
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Publication of JPH0473148B2 publication Critical patent/JPH0473148B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
    • G03G5/08214Silicon-based
    • G03G5/08235Silicon-based comprising three or four silicon-based layers
    • G03G5/08242Silicon-based comprising three or four silicon-based layers at least one with varying composition

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、光(ここでは広義の光で、紫外光
線、可視光線、赤外光線、X線、γ線等を示す)
の様な電磁液に感受性のある光導電部材に関す
る。 固体撮像装置、或いは像形成分野における電子
写真用像形成部材や原稿読取装置における光導電
層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照
射する電磁液のスペクトル特性にマツチングした
吸収スペクトル特性を有すること、光応答性が速
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時におい
て人体に対して無公害であること、更には固定撮
像装置においては、残像を所定時間内に容易に処
理することができること等の特性が要求される。
殊に、事務機してオフイスで使用される電子写真
装置内に組込まれる電子写真用像形成部材の場合
には、上記の使用時における無公害性は重要な点
である。 この様な点に立脚して最近注目されている光導
電材料にアモルフアスシリコン(以後a−Siと表
記す)があり、例えば、独国公開第2746967号公
報、同第2855718号公報には電子写真用像形成部
材として、独国公開第2933411号公報には光電変
換読取装置への応用が記載されている。 而乍ら、従来のa−Siで構成された光導電層を
有する光導電部材は、暗抵抗値、光感度、光応答
性等の電気的、光学的、光導電的特性、及び耐湿
性等の使用環境特性の点、更には経時的安定性の
点において、総合的な特性向上を計る必要がある
という更に改良される可き点が存するのが実情で
ある。 例えば、電子写真用像形成部材に適用した場合
に、高光感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとす
ると従来においてはその使用時において残留電位
が残る場合が度々観測され、この種の光導電部材
は長時間繰返し使用し続けると、繰返し使用によ
る疲労の蓄積が起って、残像が生ずる所謂ゴース
ト現象を発する様になる等の不都合な点が少なく
なかつた。 又は例えば、本発明者等の多くの実験によれ
ば、電子写真用像形成部材の光導電層を構成する
材料としてのa−Siは、従来のSe、CdS、ZnO等
の無機光導電材料或いはPVCzやTNF等の有機
光導電材料に較べて、数多くの利点を有するが、
従来の太陽電池用として使用するための特性が付
与されたa−Siから成る単層構成の光導電層の有
する電子写真用像形成部材の上記光導電層に静電
像形成のための帯電処理を施しても暗減衰
(dark decay)が著しく速く、通常の電子写真法
が仲々適用され難いこと、及び多湿雰囲気中にお
いては、上記傾向が著しく、場合によつては現像
時間まで帯電々荷を殆んど保持し得ないことがあ
る等、解決され得る可き点が存在していることが
判明している。 更に、a−Si材料で光導電層を構成する場合に
は、その電気的、光導電的特性の改良を計るため
に、水素原子或いは弗素原子や塩素原子等のハロ
ゲン原子、及び電気伝導型の制御のために硼素原
子や燐原子等が或いはその他の特性改良のために
他の原子が、各々構成原子として光導電層中に含
有されるが、これ等の構成原子の含有の仕方如何
によつては、形成した層の電気的或いは光導電的
特性に問題が生ずる場合がある。 即ち、例えば、形成した光導電層中に光照射に
よつて発生したフオトキヤリアの該層中での寿命
が充分でないこと、或いは暗部において、支持体
側よりの電荷の注入の阻止が充分でないこと等が
生ずる場合が少なくない。 従つて、a−Si材料そのものの特性改良が計ら
れる一方で光導電部材を設計する際に、上記した
様な所望の電気的、光学的及び光導電的特性が得
られる様に工夫される必要がある。 本発明は上記の諸点に鑑み成されたもので、a
−Siに就て電子写真用像形成部材や固定撮像装
置、読取装置等に使用される光導電部材としての
適用性とその応用性という観点から総括的に鋭意
研究検討を続けた結果、シリコン原子を母体と
し、水素原子(H)又はハロゲン原子(X)のい
ずれか一方を少なくとも含有するアモルフアス材
料(非晶質材料)、所謂水素化アモルフアスシリ
コン、ハロゲン化アモルフアスシリコン、或いは
ハロゲン含有水素化アモルフアスシリコン〔以後
これ等の総称的表記として「a−Si(H,X)」を
使用する〕から構成される光導電層を有する光導
電部材の層構成を特定化する様に設計されて作成
された光導電部材は実用上著しく優れた特性を示
すばかりでなく、従来の光導電部材と較べてみて
もあらゆる点において凌駕していること、殊に電
子写真用の光導電部材として著しく優れた特性を
有していることを見出した点に基づいている。 本発明は電気的、光学的、光導電的特性が殆ん
ど使用環境に制御を受けず常時安定している全環
境型であり、耐光疲労に著しく長け、繰返し使用
に際しても劣化現象を起さず耐久性に優れ、残留
電位が全く又は殆ど観測されない光導電部材を提
供することを主たる目的とする。 本発明の他の目的は、電子写真用像形成部材と
して適用させた場合、静電像形成のための帯電処
理の際の電荷保持能が充分あり、通常の電子写真
法が極めて有効に適用され得る優れた電子写真特
性を有する光導電部材を提供することである。 本発明の更に他の目的は、濃度が高く、ハーフ
トーンが鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画
像を得ることが容易にできる電子写真用の光導電
部材を提供することである。 本発明の更にもう1つの目的は、高光感度性、
高SN比特性及び支持体との間に良好な電気的接
触性を有する光導電部材を提供することでもあ
る。 本発明の光導電部材は、光導電部材用の支持体
と、該支持体上に設けられ、シリコン原子を母体
とする非晶質材料で構成された、光導電性を示す
第一の非晶質層とシリコン原子と炭素原子と水素
原子とを含む非晶質材料で構成された第二の非晶
質層とを有し、前記第一の非晶質層が、構成原子
として周期律表第族に属する原子を含有する層
領域を有し、該含有される周期律表第族に属す
る原子の層厚方向の分布濃度が支持体側の方に高
濃度に含有され支持体側より連続的に減少する領
域を有し自由表面側において支持体側に較べて低
くされた部分を有することを特徴とする。 上記した様な層構成を取る様にして設計された
本発明の光導電部材は、前記した諸問題の総てを
解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電
的特性及び使用環境特性を示す。 殊に、電子写真用像形成部材として適用させた
場合には帯電処理の際の電荷保持能に長け、画像
形成への残留電位の影響が全くなく、その電気的
特性が安定しており高感度で、高SN比を有する
ものであつて耐光疲労、繰返し使用特性、殊に多
湿雰囲気中での繰返し使用特性に長け、濃度が高
く、ハーフトーンが鮮明に出て、且つ解像度の高
い、高品質の可視画像を得ることができる。 以下、図面に従つて、本発明の光導電部材に就
て詳細に説明する。 第1図は、本発明の光導電部材の層構成を説明
するために模式的に示した模式的構成図である。 第1図に示す光導電部材100は、光導電部材
用としての支持体101の上に、a−Si(H,X)
から成る光導電性を有する第一の非晶質層(),
102と第二の非晶質(),105とを有し、
該非晶質層102は、構成原子として周期律表第
族に属する原子(第族原子)を含有する層領
域(V),103を支持体101側に有する。 非晶質層(),102の一部を構成する層領
域104には、上記の第族原子は含まれない。 層領域(V),103に含有される第族原子
は、層厚方向には連続的であつて且つ前記支持体
101の設けられてある側とは反対の側(非晶質
層(),102の自由表面105側)の方に対
して前記支持体101側の方に多く分布する状態
となる様に前記層領域(V),103中に含有さ
れている。 本発明において、非晶質層()を構成する層
領域(V)中に含有される第族原子として使用
されるのは、P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモ
ン)、Bi(ビスマス)等であり、殊に好適に用い
られるのはP、Asである。 本発明において、非晶質層()を構成する層
領域(V)中に含有される前記第族原子の該層
領域(V)中での分布状態は、非晶質層()の
支持体側において、非晶質層()側においてよ
りも多く含有されている分布状態とされる。 本発明においては、層領域(V)中に含有され
る第族原子の分布状態は、層厚方向において
は、前記の様な分布状態を取り、支持体の表面と
平行な方向には均一な分布状態とされる。 第2図乃至第10図には、本発明における光導
電部材の第一の非晶質層()を構成する層領域
(V)中に含有される第族原子の層厚方向の分
布状態の典型的例が示される。 第2図乃至第10図において、横軸は第族原
子の含有量Cを、縦軸は、光導電性を示す第一の
非晶質層()に設けられる、第族原子の含有
される層領域(V)の層厚を示し、tBは支持体側
の界面の位置を、tTは支持体側とは反対側の界面
の位置を示す。即ち、第族原子の含有される層
領域(V)はtB側よりもtTに向つて層形成がなさ
れる。 本発明においては、第族原子の含有される層
領域(V)は、光導電部材を構成するa−Si(H,
X)から成り、光導電性を示す第一の非晶質層
()の支持体側に偏在される。 第2図には、第一の非晶質層()を構成する
層領域(V)中に含有される第族原子の層厚方
向の分布状態の第1の典型例が示される。 第2図に示される例では、第族原子の含有さ
れる層領域(V)が形成される表面(第1図で示
せば支持体101の表面)と該層領域(V)の表
面とが接する境界面位置tBよりt1の位置までは、
第族原子の分布濃度CがC1なる一定の値を取
り乍ら第族原子が形成される層領域(V)に含
有され、位置t1よりは分布濃度C2より境界面位置
tTに到るまで除々に連続的に減少されている。境
界面位置tTにおいては第族原子の分布濃度Cは
C3とされる。 第3図に示される例においては、含有される第
族原子の分布濃度Cは位置tBより位置tTに到る
まで分布濃度C4から徐々に連続的に減少して位
置tTにおいて分布濃度C5となる様な分布状態を形
成している。 第4図の場合には、位置tBより位置t2までは第
族原子の分布濃度Cは濃度C6と一定値とされ、
位置t2と位置tTとの間において、徐々に連続的に
減少され、位置tTにおいて、分布濃度Cは実質的
に零とされている。 第5図の場合には、第族原子は位置tBより位
置tTに到るまで、分布濃度C8より連続的に徐々に
減少され、位置tTにおいて実質的に零とされてい
る。 第6図に示す例においては、第族原子の分布
濃度Cは、位置tBと位置t3間においては、分布濃
度C9と一定値であり、位置tTにおいては分布濃度
C10とされる。位置t3と位置tTとの間では、分布濃
度Cは一次関数的に位置t3より位置tTに到るまで
減少されている。 第7図に示される例においては、位置tBより位
置t4までは分布濃度C11の一定値を取り、位置t4
り位置tTまでは分布濃度C12より分布濃度C13まで
一次関数的に減少する分布状態とされている。 第8図に示す例においては、位置tBより位置tT
に到るまで、第族原子の分布濃度Cは濃度C14
より零に至る様に一次関数的に減少している。 第9図においては、位置tBより位置t5に至るま
では第族原子の分布濃度Cは、分布濃度C15
り分布濃度C16まで一次関数的に減少され、位置
t5と位置tTとの間においては、分布濃度C16の一定
値とされた例が示されている。 第10図に示される例においては、第族原子
の分布濃度Cは位置tBにおいて分布濃度C17であ
り、位置t6に至るまではこの分布濃度C17より初
めはゆつくりと減少され、t6の位置付近において
は、急激に減少されて位置t6では分布濃度C18
される。 位置t6と位置t7との間においては、初め急激に
減少されて、その後は、緩かに徐々に減少されて
位置t7で分布濃度C19となり、位置t7と位置t8との
間では、極めてゆつくりと徐々に減少されて位置
t8において、分布濃度C20に至る。位置t8と位置tT
の間においては、分布濃度C20より実質的に零に
なる様に図に示す如き形状の曲線に従つて減少さ
れている。 以上、第2図乃至第10図により、層領域
(V)中に含有される第族原子の層厚方向の分
布状態の典型例の幾つかを説明した様に、本発明
においては、支持体側において、第族原子の分
布濃度Cの高い部分を有し、界面tT側において
は、前記分布濃度Cは支持体側に較べて低くされ
た部分を有する分布状態で、第族原子が含有さ
れた層領域(V)が第一の非晶質層()に設け
られている。 本発明において、第一の非晶質層()を構成
する第族原子の含有されている層領域(V)
は、好ましくは上記した様に支持体側の方に第
族原子が高濃度で含有されている局在領域(A)
を有する。 局在領域(A)は、第2図乃至第10図に示す
記号を用いて説明すれば、界面位置tBより5μ以内
に設けられている。 本発明においては、上記局在領域(A)は、界
面位置tBより5μ厚までの全層領域LTとされる場合
もあるし、又、層領域LTの一部とされる場合も
ある。 局在領域(A)を層領域LTの一部とするか又
は全部とするかは、形成される第一の非晶質層
()に要求される特性に従つて適宜決められる。 局在領域(A)はその中に含有される第族原
子の層厚方向の分布状態として第族原子の含有
量分布値(分布濃度値)の最大Cmaxがシリコン
原子に対して通常は100atmic ppm以上、好適に
は150atmic ppm以上、最適には200atmic ppm
以上とされる様な分布濃度状態となり得る様に層
形成されるのが望ましい。 即ち、本発明においては、第族原子の含有さ
れる層領域(V)は、支持体側からの層厚で5μ
以内(tBから5μ厚の層領域)に分布濃度の最大値
Cmaxが存在する様に形成される。 上記の様に、層領域(V)中の支持体側の方に
第族原子が高濃度に含有されている局在領域
(A)を設けることによつて、支持体側からの第
一の非晶質層()中への電荷の注入をより効果
的に阻止することが出来る。 本発明において、第族原子の含有される前記
の層領域(V)中に含有される第族原子の含有
量としては、本発明の目的が効果的に達成される
様に所望に従つて適宜決められるが、通常は30〜
5×104atmic ppm、好ましくは50〜1×104
atmic ppm、最適には100〜5×103atomic ppm
とされるのが望ましいものである。 本発明の光導電部材においては、第族原子の
含有されている層領域(V)の層厚tB(第1図で
は層領域103の層厚)と層領域(V)の上に設
けられた第族原子の含有されていない層領域、
即ち層領域(V)を除いた部分の層領域(B)
(第1図では層領域104)の層厚Tとは、所望
される特性の第一の非晶質層()が支持体上に
形成される様に層設計の際に適宜目的に従つて決
定される。 本発明において、第族原子の含有される層領
域(V)の層厚tBとしては、通常30Å〜5μ、好適
には40Å〜4μ、最適には50Å〜3μとされ、層領
域(B)の層厚Tとしては、通常は0.2〜95μ、好
適には0.5〜76μ、最適には1〜47μとされるのが
望ましいものである。 又、前記層厚Tと層厚tBとの和(T+tB)とし
ては、通常は1〜100μ、好適には1〜80μ、最適
には2〜50μとされるのが望ましいものである。 本発明において、a−Si(H,X)で構成され
る第一の非晶質層()を形成するには例えばグ
ロー放電法、スパツタリング法、或いはイオンプ
レーテイング法等の放電現象を利用する真空堆積
法によつて成される。例えば、グロー放電法によ
つて、a−Si(H,X)で構成される第一の非晶
質層()を形成するには、基本的にはシリコン
原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと共
に、水素原子(H)導入用の又は/及びハロゲン
原子(X)導入用の原料ガスを、内部が減圧にし
得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロー放
電を生起させ、予め所定位置に設置されてある、
所定の支持体表面上にa−Si(H,X)からなる
層を形成させれば良い。又、スパツタリング法で
形成する場合には、例えばAr,He等の不活性ガ
ス又はこれ等のガスをベースとした混合ガスの雰
囲気中でSiで構成されたターゲツトをスパツタリ
ングする際、水素原子(H)又は/及びハロゲン
原子(X)導入用のガスをスパツタリング用の堆
積室に導入してやれば良い。 本発明において、必要に応じて第一の非晶質層
()中に含有されるハロゲン原子(X)として
は、具体的にはフツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙
げられ、殊にフツ素、塩素を好適なものとして挙
げることが出来る。 本発明において使用されるSi供給用の原料ガス
としては、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガ
ス状態の又はガス化し得る水素化硅素(シラン
類)が有効に使用されるものとして挙げられ、殊
に、層作成作業の扱い易さ、Si供給効率の良さ等
の点でSiH4,Si2H6が好ましいものとして挙げら
れる。 本発明において使用されるハロゲン原子導入用
の原料ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化
合物が挙げられ、例えばハロゲンガス、ハロゲン
化物、ハロゲン間化合物、ハロゲンで置換された
シラン誘導体等のガス状態の又はガス化し得るハ
ロゲン化合物が好ましく挙げられる。 又、更には、シリコン原子とハロゲン原子とを
構成要素とするガス状態の又はガス化し得るハロ
ゲン原子を含む硅素化合物も有効なものとして本
発明においては挙げることが出来る。 本発明において、具体的には、フツ素、塩素、
臭素、ヨウ素のハロゲンガス、BrF,ClF,
ClF3,BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等のハ
ロゲン間化合物を挙げることが出来る。 ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハロゲ
ン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には例えばSiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハ
ロゲン化硅素が好ましいものとして挙げることが
出来る。 この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を採用
してグロー放電法によつて本発明の特徴的な光導
電部材をを形成する場合には、Siを供給し得る原
料ガスとしての水素化硅素ガスを使用しなくと
も、所定の支持体上にa−Si:Xから成り、光導
電性を有する非晶質層()を形成する事が出来
る。 グロー放電法に従つて、ハロゲン原子を含む第
一の非晶質層()を製造する場合、基本的には
Si供給用の原料ガスであるハロゲン化硅素ガスと
Ar,H2,He等のガス等を所定の混合比とガス流
量になる様にして非晶質層を形成する堆積室に導
入し、グロー放電を生起してこれ等のガスのプラ
ズマ雰囲気を形成することによつて、所定の支持
体上に非晶質層を形成し得るものであるが、水素
原子の導入を計る為にこれ等のガスに更に水素原
子を含む硅素化合物のガスも所定量混合して層形
成しても良い。 又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で
複数種混合して使用しても差支えないものであ
る。 反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイ
ング法に依つてa−Si(H,X)から成る非晶質
層を形成するには、例えばスパツタリング法の場
合にはSiから成るターゲツトを使用して、これを
所定のガスプラズマ雰囲気中でスパツタリング
し、イオンプレーテイング法の場合には、多結晶
シリコン又は単結晶シリコンを蒸発源として蒸着
ボートに収容し、このシリコン蒸発源を抵抗加熱
法、或いはエレクトロンビーム法(EB法)等に
よつて加熱蒸発させ飛翔蒸発物を所定のガスプラ
ズマ雰囲気中を通過させる事で行う事が出来る。 この際、スパツタリング法、イオンプレーテイ
ング法の何れの場合にも形成される層中にハロゲ
ン原子を導入するには、前記のハロゲン化合物又
は前記のハロゲン原子を含む硅素化合物のガスを
堆積室中に導入して該ガスのプラズマ雰囲気を形
成してやれば良いものである。 又、水素原子を導入する場合には、水素原子導
入用の原料ガス、例えば、H2、或いは前記した
シラン類等のガスをスパツタリング用の堆積室中
に導入して該ガスのプラズマ雰囲気を形成してや
れば良い。 本発明においては、ハロゲン原子導入用の原料
ガスとして上記されたハロゲン化合物或いはハロ
ゲンを含む硅素化合物が有効なものとして使用さ
れるものであるが、その他に、HF,HCl,
HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2,SiH2
I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3等のハ
ロゲン置換水素化硅素、等々のガス状態の或いは
ガス化し得る、水素原子を構成要素の1つとする
ハロゲン化物も有効な第一の非晶質層()形成
用の出発物質として挙げる事が出来る。 これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、非晶
質層の形成の際に層中にハロゲン原子の導入と同
時に電気的或いは光電的特性の制御に極めて有効
な水素原子も導入されるので、本発明においては
好適なハロゲン導入用の原料として使用される。 水素原子を第一の非晶質層()中に構造的に
導入するには、上記の他にH2、或いはSiH4,Si2
H6,Si3H8,Si4H10等の水素化硅素のガスをSiを
供給する為のシリコン化合物と堆積室中に共存さ
せて放電を生起させる事でも行う事が出来る。 例えば、反応スパツタリング法の場合には、Si
ターゲツトを使用し、ハロゲン原子導入用のガス
及びH2ガスを必要に応じてHe,Ar等の不活性ガ
スも含めて堆積室内に導入してプラズマ雰囲気を
形成し、前記Siターゲツトをスパツタリングする
事によつて、支持体上にa−Si(H,X)から成
る第一の非晶質層()が形成される。 更には、不純物のドーピングも兼ねてB2H6
のガスを導入してやることも出来る。 本発明において、形成される光導電部材の非晶
質層()中に含有される水素原子(H)の量又
はハロゲン原子(X)の量又は水素原子とハロゲ
ン原子の量の和は通常の場合1〜40atomic%、
好適には5〜30atomic%とされるのが望ましい。 第一の非晶質層()中に含有される水素原子
(H)又は/及びハロゲン原子(X)の量を制御
するには、例えば支持体温度又は/及び水素原子
(H)、或いはハロゲン原子(X)を含有させる為
に使用される出発物質の堆積装置系内へ導入する
量、放電々力等を制御してやれば良い。 非晶質層()に、第族原子を含有する層領
域(V)を設けるには、グロー放電法や反応スパ
ツタリング法等による非晶質層()の形成の際
に、第族原子導入用の出発物質を前記した非晶
質層()形成用の出発物質と共に使用して、形
成される層中にその量を制御し乍ら含有してやる
事によつて成される。 第一の非晶質層()を構成する第族原子の
含有される層領域(V)を形成するのにグロー放
電法を用いる場合には、該層領域(V)形成用の
原料ガスとなる出発物質としては、前記した非晶
質層()形成用の出発物質の中から所望に従つ
て選択されたものに第族原子導入用の出発物質
が加えられる。その様な第族原子導入用の出発
物質としては、少なくとも第族原子を構成原子
とするガス状の物質又はガス化し得る物質をガス
化したものの中の大概のものが使用され得る。 第族原子を含有する層領域(V)に導入され
る第族原子の含有量は、堆積室中に流入される
第族原子導入用の出発物質のガス流量、ガス流
量比、放電パワー等を制御することによつて任意
に制御され得る。 層領域(V)をグロー放電法を用いて形成する
場合に第族原子導入用の出発物質として、本発
明において有効に使用されるのは、燐原子導入用
としては、PH3,P2H4等の水素化燐、PH4I,
PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等の
ハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3
AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3
SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も
第族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることが出来る。 第族原子を含有する層領域(V)に導入され
る第族原子の含有量は、堆積室中に流入される
第族原子導入用の出発物質のガス流量、ガス流
量比、放電パワー、支持体温度、堆積室内の圧力
等を制御することによつて任意に制御され得る。 本発明において、第一の非晶質層()をグロ
ー放電法で形成する際に使用される希釈ガス或い
はスパツタリング法で形成される際に使用される
スパツターリング用のガスとしては、所謂稀ガ
ス、例えばHe,Ne,Ar等が好適なものとして
挙げることが出来る。 本発明の光導電部材に於いては、第族原子の
含有される層領域(V)の上に設けられ、第族
原子の含有されない層領域(B)(第1図では層
領域104に相当する)には、伝導特性を制御す
る物質を含有させることにより、該層領域(B)
の伝導特性を所望に従つて任意に制御することが
出来る。 この様な物質としては、所謂、半導体分野で云
われる不純物を挙げることが出来、本発明に於い
ては、形成される非晶質層を構成するa−Si(H,
X)に対して、P型伝導特性を与えるP型不純
物、具体的には、周期律表第族に属する原子
(第族原子)、例えば、B(硼素),Al(アルミニ
ウム),Ga(ガリウム),In(インジウム),Tl(タ
リウム)等があり、殊に好適に用いられるのは、
B,Gaである。 本発明に於いて、層領域(B)に含有される伝
導特性を制御する物質の含有量は、該層領域
(B)に要求される伝導特性、或いは該層領域
(B)に直に接触して設けられる他の層領域の特
性や、該他の層領域との接触界面に於ける特性と
の関係等、有機的関連性に於いて、適宜選択する
ことが出来る。 本発明に於いて、層領域(B)中に含有される
伝導特性を制御する物質の含有量としては、通常
の場合、0.001〜1000atomic ppm、好適には0.05
〜500atomic ppm、最適には0.1〜200atomic
ppmとされるのが望ましいものである。 層領域(B)中に伝導特性を制御する物質、例
えは第族原子を構造的に導入するには、層形成
の際に第族原子導入用の出発物質をガス状態で
堆積室中に、非晶質層を形成する為の他の出発物
質と共に導入してやれば良い。この様な第族原
子導入用の出発物質と成り得るものとしては、常
温常圧でガス状の又は、少なくとも層形成条件下
で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ま
しい。その様な第族原子導入用の出発物質とし
て具体的には硼素原子導入用としては、B2H6
B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12,B6H14
等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲ
ン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3,Ga(CH33,InCl3,TlCl3等も挙げるこ
とが出来る。 第1図に示される光導電部材100に於いて
は、第一の非晶質層(),102上に形成され
る第二の非晶質層(),105は、自由表面1
06を有し、主に耐湿性、連続繰返し使用特性、
耐圧性、使用環境特性、耐久性に於いて本発明の
目的を達成する為に設けられる。 又、本発明に於いては、非晶質層(),10
2を構成する第一の非晶質層(),102と第
二の非晶質層(),105とを形成する非晶質
材料の各々がシリコン原子という共通の構成要素
を有しているので、積層界面に於いて化学的な安
定性の確保が充分成されている。 第二の非晶質層()は、シリコン原子と炭素
原子と水素原子とで構成される非晶質材料〔a−
(SixC1−x)yH1−y,但し0<x,y<1〕で
形成される。 a−(SixC1−x)yH1−yで構成される第二の
非晶質層()の形成はグロー放電法、スパツタ
ーリング法、イオンインプランテーシヨン法、イ
オンプレーテイング法、エレクトロンビーム法等
によつて成される。これ等の製造法は、製造条
件、設備資本投下の負荷程度、製造規模、作製さ
れる光導電部材に所望される特性等の要因によつ
て適宜選択されて採用されるが、所望する特性を
有する光導電部材を製造する為の作製条件の制御
が比較的容易である。シリコン原子と共に炭素原
子及び水素原子を作製する第二の非晶質層()
中に導入するが容易に行える等の利点からグロー
放電法或いはスパツターリング法が好適に採用さ
れる。 更に本発明に於いては、グロー放電法とスパツ
ターリング法とを同一装置系内で併用して第二の
非晶質層()を形成しても良い。 グロー放電法によつて第二の非晶質層()を
形成するには、a−(SixC1−x)yH1−y形成用
の原料ガスを、必要に応じて稀釈ガスと所定量の
混合比で混合して、支持体の設置してある真空堆
積用の堆積室に導入し、導入されたガスをグロー
放電を生起されることでガスプラズマ化して前記
支持体上に既に形成されてある第一の非晶質層
()上にa−(SixC1−x)yH1−yを堆積させ
れば良い。 本発明に於いてa−(SixC1−x)yH1−y形成
用の原料ガスとしては、シリコン原子(Si)、炭
素原子(C)、水素原子(H)の中の少なくとも
一つを構成原子とするガス状の物質又はガス化し
得る物質をガス化したものの中の大概のものが使
用され得る。 Si,C,Hの中の1つとしてSiを構成原子とす
る原料ガスを使用する場合は、例えばSiを構成原
子とする原料ガスと、Cを構成原子とする原料ガ
スと、Hを構成原子とする原料ガスとを所望の混
合比で混合して使用するか、又は、Siを構成原子
とする原料ガスと、C及びHを構成原子とする原
料ガスとを、これも又所望の混合比で混合する
か、或いは、Siを構成原子する原料ガスと、Si,
C及びHの3つを構成原子とする原子ガスとを混
合して使用することが出来る。 又、別には、SiとHとを構成原子とする原料ガ
スにCを構成原子とする原料ガスを混合して使用
しても良い。 本発明に於いて、第二の非晶質層()形成用
の原料ガスとして有効に使用されるのは、SiとH
とを構成原子とするSiH4,Si2H6,Si3H8,Si4
H10等のシラン(Silane)類等の水素化硅素ガ
ス、CとHとを構成原子とする、例えば炭素数1
〜4の飽和炭化水素、炭素数2〜4のエチレン系
炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン系炭化水素
等が挙げられる。 具体的には、飽和炭化水素としては、メタン
(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(CH8)、n
−ブタン(n−C4H10)、ペンタン(C5H12)、エ
チレン系炭化水素としては、エチレン(C2H4)、
プロピレン(C3H6)、ブテン−1(C4H8)、ブテ
ン−2(C4H8)、イソブチレン(C4H8)、ペンテ
ン(C5H10)、アセチレン系炭化水素としては、
アセチレン(C2H2)、メチルアセチレン(C3
H4)、ブチン(C4H6)等が挙げられる。 SiとCとHとを構成原子とする原料ガスとして
は、Si(CH34,Si(C2H54等のケイ化アルキルを
挙げることが出来る。これ等の原料ガスの他、H
導入用の原料ガスとしては勿論H2も有効なもの
として使用される。 スパツターリング法によつて第二の非晶質層
()を形成するには、単結晶又は多結晶のSiウ
エーハー又はCウエーハー又はSiとCが混合され
て含有されているウエーハーをターゲツトとし
て、これ等を種々のガス雰囲気中でスパツターリ
ングすることによつて行えば良い。 例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用
すれば、CとHを導入する為の原料ガスを、必要
に応じて稀釈ガスで稀釈して、スパツター用の堆
積室中に導入し、これ等のガスのガスプラズマを
形成して前記Siウエーハーをスパツターリングす
れば良い。 又、別には、SiとCとは別々のターゲツトとし
て、又はSiとCの混合した一枚のターゲツトを使
用することによつて、少なくとも水素原子を含有
するガス雰囲気中でスパツターリングすることに
よつて成される。 C又はH導入用の原料ガスとしては、先述した
グロー放電の例で示した原料ガスが、スパツター
リングの場合にも有効なガスとして使用され得
る。 本発明に於いて、第二の非晶質層()をグロ
ー放電法又はスパツターリング法で形成する際に
使用される稀釈ガスとしては、所謂稀ガス、例え
ばHe,Ne,Ar等が好適なものとして挙げるこ
とが出来る。 本発明に於ける第二の非晶質層()は、その
要求される特性が所望通りに与えられる様に注意
深く形成される。 即ち、Si,C,及びHを構成原子とする物質は
その作成条件によつて構造的には結晶からアモル
フアスまでの形態を取り、電気物性的には導電性
から半導体性、絶縁性までの間の性質を、又光導
電的性質から非光導電的性質までの間の性質を、
各々示すので、本発明に於いては、目的に応じた
所望の特性を有するa−(SixC1−x)yH1−yが
形成される様に、所望に従つてその作成条件の選
択が厳密に成される。 例えば、第二の非晶質層()を耐圧性の向上
を主な目的として設けるには、a−(SixC1−x)
yH1−yは使用条件下に於いて電気絶縁性的挙動
の顕著な非晶質材料として作成される。 又、連続繰返し使用特性や使用環境特性の向上
を主たる目的として第二の非晶質層()が設け
られる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある
程度緩和され、照射される光に対してある程度の
感度を有する非晶質材料としてa−(SixC1−x)
yH1−yが作成される。 第一の非晶質層()の表面にa−(SixC1
x)yH1−yから成る第二の非晶質層()を形
成する際、層形成中の支持体温度は、形成される
層の構造及び特性を左右する重要な因子であつ
て、本発明に於いては、目的とする特性を有する
a−(SixC1−x)yH1−yが所望通りに作成され
得る様に層作成時の支持体温度が厳密に制御され
るのが望ましい。 本発明に於ける目的が効果的に達成される為の
第二非晶質層()を形成する際の支持体温度と
しては第二の非晶質層()の形成法に併せて適
宜最適範囲が選択されて、第二の非晶質層()
の形成が実行されるが、通常の場合、50℃〜350
℃、好適には100℃〜250℃とされるのが望ましい
ものである。第二の非晶質層()の形成には、
層を構成する原子の組成比が微妙な制御や層厚の
制御が他の方法に較べて比較的容易である事等の
為に、グロー放電法やスパツターリング法の採用
が有利であるが、これ等の層形成法で第二の非晶
質層()を形成する場合には、前記の支持体温
度と同様に層形成の際の放電パワー、ガス圧が作
成されるa−(SixC1−x)yH1−yの特性を左右
する重要な因子の1つである。 本発明に於ける目的が達成される為の特性を有
するa−(SixC1−x)yH1−yが生産性良く効果
的に作成される為の放電パワー条件としては、通
常、10〜300W、好適には20〜200Wとされるのが
望ましい。堆積室内のガス圧は通常0.01〜
1Torr、好適には0.1〜0.5Torr程度とされるのが
望ましい。 本発明に於いては、第二の非晶質層()を作
成する為の支持体温度、放電パワーの望ましい数
値範囲として前記した範囲の値が挙げられるが、
これ等の層作成フアクターは、独立的に別別に決
められるものではなく、所望特性のa−(SixC1
−x)yH1−yから成る第二の非晶質層()が
形成される様に相互的有機的関連性に基いて、各
層作成フアクターの最適値が決められるのが望ま
しい。 本発明の光導電部材に於ける第二の非晶質層
()に含有される炭素原子及び水素原子の量は、
第二の非晶質層()の作製条件と同様、本発明
の目的を達成する所望の特性が得られる第二の非
晶質層()が形成される重要な因子である。 本発明に於ける第二の非晶質層()に含有さ
れる炭素原子の量は通常1×10-3〜90atomic%
とされ、好ましくは1〜90atomic%、最適には
10〜80atomic%とされるのが望ましいものであ
る。水素原子の含有量としては、通常の場合1〜
40atomic%、好ましくは2〜35atomic%最適に
は5〜30atomic%とされるのが望ましく、これ
等の範囲に水素含有量がある場合に形成される光
導電部材は、実際面に於いて優れたものとして充
分適用させ得るものである。 即ち、先のa−(SixC1−x)yH1−yの表示で
行えばxが通常は0.1〜0.99999、好適には0.1〜
0.99、最適には、0.15〜0.9、yが通常0.6〜0.99、
好適には0.65〜0.98、最適には0.7〜0.95であるの
が望ましい。 本発明に於ける第二の非晶質層()の層厚の
数値範囲は、本発明の目的を効果的に達成する為
の重要な因子の1つである。 本発明に於ける第二の非晶質層()の層厚の
数値範囲は、本発明の目的を効果的に達成する様
に所期の目的に応じて適宜所望に従つて決められ
る。 又、第二の非晶質層()の層厚は、該層
()中に含有される炭素原子や水素原子の量、
第一の非晶質層()の層厚等との関係に於いて
も、各々の層領域に要求される特性に応じた有機
的な関連性の下に所望に従つて適宜決定される必
要がある。更に加え得るに、生産性や量産性を加
味した経済性の点に於いても考慮されるのが望ま
しい。 本発明に於ける第二の非晶質層()の層厚と
しては、通常0.003〜30μ好適には、0.004〜20μ最
適には、0.005〜10μとされるのが望ましいもので
ある。 本発明において使用される支持体としては、導
電性でも電気絶縁性であつても良い。導電性支持
体としては、例えば、NiCr,ステンレス,Al,
Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd等の
金又はこれ等の合金が挙げられる。 電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、セルローズ、ア
セテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等
の合成樹脂のフイルム又はシート、ガラス、セラ
ミツク、紙等が通常使用される。これ等の電気絶
縁性支持体は、好適には少なくともその表面を導
電処理され、該導電処理された表面側に他の層が
設けられるのが望ましい。 例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr,
Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pd,In2O3,SnO2,ITO(In2O3+SnO2)等から
成る薄膜を設けることによつて導電性が付与さ
れ、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フ
イルムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,
Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt等の金
属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパツタ
リング等でその表面に設け、又は前記金属でその
表面をラミネート処理して、その表面に導電性が
付与される。支持体の形状としては、円筒状、ベ
ルト状、板状等任意の形状として得、所望によつ
て、その形状は決定されるが、例えば、第1図の
光導電部材100を電子写真用像形成部材として
使用するのであれば連続高速複写の場合には、無
端ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持
体の厚さは、所望通りの光導電部材が形成される
様に適宜決定されるが、光導電部材として可撓性
が要求される場合には、支持体としての機能が充
分発揮される範囲内であれは可能な限り薄くされ
る。而乍ら、この様な場合支持体の製造上及び取
扱い上、機械的強度等の点から、通常は、10μ以
上とされる。 次に本発明の光導電部材の製造方法の一例の概
略について説明する。 第11図に光導電部材の製造装置の一例を示
す。 図中の1102,1103,1104のガスボ
ンベには、本発明の夫々の層を形成するための原
料ガスが密封されており、その1例としてたとえ
ば1102は、Heで稀釈されたSiH4ガス(純度
99.999%、以下SiH4/Heと略す。)ボンベ、11
03はHeで稀釈されたB2H6ガス(純度99.999
%、以下B2H6/Heと略す。)ボンベ、1104
はHeで稀釈されるPH3ガス(純度99.99%、以下
PH3/Heと略す。)ボンベ、1105はHeで稀
釈されたSiF4ガス(純度99.999%、以下SiF4
Heと略す。)ボンベ、1106はHeで稀釈され
たC2H4ガス(純度99.99%)ボンベである。 これ等のガスを反応室1101に流入させるに
はガスボンベ1102〜1106のバルブ112
2〜1126、リークバルブ1135が閉じられ
ていることを確認し、又、流入バルブ1112〜
1116、流出バルブ1117〜1121、補助
バルブ1132がひらかれていることを確認し
て、先づメインバルブ1134を開いて反応室1
101、ガス配管内を換気する。次に真空計11
36の読みが約5×10-6torrになつた時点で、補
助バルブ1132,1133流出バルブ1117
〜1121を閉じる。 基体1137上に第一の非晶質層()を形成
する場合の1例をあげると、ガスボンベ1102
よりSiH4/Heガス、ガスボンベ1104より
PH3/Heガスをパルブ1122,1124を開
いて出口圧ゲージ1127,1129の圧を1
Kg/cm2に調整し、流入バルブ1112,1114
を徐々に開けて、マスフロコントローラ110
7,1109内に流入される。引き続いて流出バ
ルブ1117,1119、補助バルブ1132を
徐々に開いて夫々のガスを反応室1101に流入
させる。このときSiH4/Heガス流量とPH3/He
ガス流量との比が所望の値になるように流出バル
ブ1117,1119を調整し、又、反応室内の
圧力が所望の値になるように真空計1136の読
みを見ながらメインバルブ1134の開口を調整
する。そして基体1137の温度が加熱ヒーター
1138により50〜400℃の範囲の温度に設定さ
れていることを確認された後、電源1140を所
望の電力に設定して反応室1101内にグロー放
電を生起させ、同時にあらかじめ設計された変化
率曲線に従つてPH3/Heガスの流量を手動ある
いは外部駆動モータ等の方法によつてバルブ11
18を漸次変化させる操作を行なつて形成される
層中に含有される燐原子(P)の分布濃度を制御
する。 上記の様にして基体1137上に先ず燐の含有
された層領域を形成する。 この際、PH3/Heガスの反応室1101内へ
の導入を対応するガス導入管のバルブを閉じるこ
とによつて遮断し、燐の含有される層領域の層厚
を所望に従つて任意に制御することが出来る。 燐が含有された層領域が上記の様にして所望層
厚に形成された後、流出バルブ1119を閉じ
て、引き続きグロー放電を所望時間続けることに
よつて、燐が含有された層領域上に、燐の含有さ
れない層領域が所望の層厚に形成されて、非晶質
層の形成が終了する。 第一の非晶質層()中にハロゲン原子を含有
される場合には上記のガスに、例えばSiF4/He
を、更に付加して反応室1101内に送り込む。 第一の非晶質層()の形成の際のガス種の選
択によつては、層形成速度を更に高めることが出
来る。例えばSiH4ガスのかわりにSi2H6ガスを用
いて層形成を行なえば、数倍高めることが出来、
生産性が向上する。 上記の様にして作成された第一の非晶質層
()上に第二の非晶質層()を形成するには、
第一の非晶質層()の形成の際と同様なバルブ
操作によつて例えば、SiH4ガス、C2H4ガスの
夫々を、必要に応じてHe等の稀釈ガスで稀釈し
て、所望の流量比で反応室1101中に流し、所
望の条件に従つて、グロー放電を生起させること
によつて成される。 第二の非晶質層()中に含有される炭素原子
の量は例えば、SiH4ガスと、C2H4ガスの反応室
1101内に導入される流量比を所望に従つて任
意に変えることによつて、所望に応じて制御する
ことが出来る。 夫々の層を形成する際に必要なガス以外の流出
バルブは全て閉じることは言うまでもなく、又、
夫々の層を形成する際、前層の形成に使用したガ
スが反応室1101内、流出バルブ1117〜1
121から反応室1101内に至る配管内に残留
することを避けるために、流出バルブ1117〜
1121を閉じ補助バルブ1132を開いてメイ
ンバルブ1134を全開して系内を一旦高真空に
排気する操作を必要に応じて行う。 実施例 1 第11図に示した製造装置を用い燐(P)の層
領域(V)中への含有量をパラメータとして、
Al基体上に層形成を行つていつた。このときの
共通の作製条件は、第1表に示した通りである。 第2表に第一の非晶質層()を構成する層領
域(V)中に含有される燐の、基体表面からの層
厚方向の各位置に於ける分布濃度と、得られた試
料の電子写真特性の評価結果を示す。 表中左欄の数字は試料番号を示す。 作製した電子写真用像形成部材の各々は、帯電
−像露光−現像−転写までの一連の電子写真プロ
セスを経て転写紙上に顕像化された画像の〔濃
度〕〔解像力〕〔階調再現性〕〔耐久性〕等の優劣
をもつて総合的に評価した。
【表】
【表】
【表】 実施例 2 実施例1に示した試料(No.101〜No.116)と同様
の層構成を有する電子写真用像形成部材を、
SiH4/HeガスのかわりにSi2H6/Heガスを用い
て第3表に示す条件のもとで非晶質層()を作
成した以外は、実施例1と同様にして作成し、同
様に評価した。その結果を第4表に示す。 なお第4表でNo.201は第2表におけるNo.101と同
等の層構成を有する試料を意味している(No.202
以下全試料について同様)。
【表】
【表】 実施例 3 実施例1における試料のうち試料No.103,No.
104,No.106,No.109,No.115と同様の層構成を有す
る電子写真像形成部材を、SiH4/Heガスにさら
にSiF4/Heガスを加えて作製した。この時、
SiH4ガスに対するSiF4ガスの混合比(SiF4
SiH4+SiF4)を30vol%として、その他の作製条
件並びに操作手順は実施例1と同様にした。この
様にして得られた電子写真用像形成部材を一連の
電子写真プロセスのもとで転写紙上に画像形成し
実施例1と同様にして評価したところいずれも高
濃度で高解像力を有し、隔調再現性の面でも優れ
ていることがわかつた。 実施例 4 実施例1及び2の層領域(B)の作成の際に、
層作成条件を下記の第5表に示す各条件にした以
外は、実施例1及び2に示した各条件と手順に従
つて、電子写真用像形成部材の夫々を作製し、実
施例1と同様の方法で評価したところ、夫々に就
いて特に画質、耐久性の点に於いて良好な結果が
得られた。
【表】 実施例 5 実施例1及び2に於いて、非晶質層()の作
成条件を下記第6表に示す各条件にした以外は、
各実施例に於けるのと同様の条件と手順に従つ
て、電子写真用像形成部材を夫々作成した。 こうして得られた各電子写真用像形成部材を帯
電露光現像装置に設置し、5KVで0.2sec間コロ
ナ帯電を行い、直ちに光像を照射した。光源はタ
ングステンランプを用い、1.0lux・secの光量を
透過型のテストチヤートを用いて照射した。 その後直ちに荷電性の現像剤(トナーとキヤ
リアを含む)を電子写真用像形成部材表面をカス
ケードすることによつて、電子写真用像形成部材
表面上に良好なトナー画像を得た。 このようにして得られたトナー像を一旦ゴムプ
レードでクリーニングし、再び上記作像、クリー
ニング工程を繰り返した。繰り返し回数10万回以
上行つてもいずれの電子写真用像形成部材も画像
の劣化は見られなかつた。
【表】 実施例 6 非晶質層()の形成時、SiH4ガスとC2H4
スの流量比を変えて、非晶質層()に於けるシ
リコン原子と炭素原子の含有量比を変化させる以
外は、実施例1に於ける試料No.102,104,105,
106,109,113,114の場合と同様な方法によつて
夫々の像形成部材(試料No.601〜649)を作成し
た。こうして得られた各像形成部材につき、実施
例1に述べた如き、作像、現像、クリーニングの
工程を約5万回繰り返した後画像評価を行つたと
ころ第7表の如き結果を得た。
【表】 ◎〓非常に良好 ○〓良好 △〓実用に充分耐
える ×〓画像欠陥をやや生ずる
実施例 7 非晶質層()の層厚を変える以外は、実施例
1に於ける試料No.103と同様な方法によつて各像
形成部材(試料No.701〜704)を作成した。各試料
に就て実施例1に述べた如き、作像、現像、クリ
ーニングの工程を繰り返し行つて下記の結果を得
た。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光導電部材の層構成を説明
する為の模式的層構成図、第2図乃至第10図は
夫々非晶質層を構成する第族原子の含有される
層領域(V)中の第族原子の分布状態を説明す
る為の説明図、第11図は、本発明で使用された
装置の模式的説明図である。 100……光導電部材、101……支持体、1
02……第一の非晶質層()、103……層領
域(V)、104……層領域(B)、105……第
二の非晶質層()、106……自由表面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 光導電部材用の支持体と、該支持体上に設け
    られ、シリコン原子を母体とする非晶質材料で構
    成された、光導電性を示す第一の非晶質層とシリ
    コン原子と炭素原子と水素原子とを含む非晶質材
    料で構成された第二の非晶質層とを有し、前記第
    一の非晶質層が、構成原子として周期律表第族
    に属する原子を含有する層領域を有し、該含有さ
    れる周期律表第族に属する原子の層厚方向の分
    布濃度が支持体側の方に高濃度に含有され支持体
    側より連続的に減少する領域を有し自由表面側に
    おいて支持体側に較べて低くされた部分を有する
    ことを特徴とする光導電部材。
JP57038511A 1982-03-11 1982-03-11 光導電部材 Granted JPS58156943A (ja)

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