JPH0472676B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、定位置に固定設置した肉箱の前端
面に沿つて、円板形の当て板と当て板の一部に設
けた開口部から刃先を臨出させて自転しつつ上記
当て板と一体に回動する自、公転型の回転刃とを
備えた高速食肉スライサーに付設されて、該スラ
イサーが切断したスライス片を所定間隔毎に積み
並べて搬出するようにした高速食肉スライサーの
搬送装置に関する。

高速食肉スライサーは、一般に使用されている
肉箱往復型の通常のスライサーに比べて短時間に
大量のスライス片を生産できるので、販売する食
肉をプレカツトして配送するセンターでの使用に
好適するが、店頭等での陳列に適するようにスラ
イス片を切断時の形態を損ねることなく積み並
べ、かつ、所定の積み並べ長さ毎に区切つて、例
えばパイレス等の容器内へ自動的に収容すること
が難しかつた。

そのために、主としてベーコン等の硬い食肉の
スライサーとして用いられ、生肉のような軟らか
い材料の場合には、或る程度を人手に頼らなけれ
ば容器内に自動的に、かつ、美麗に収容すること
ができなかつた。

本発明は上記の課題を解決するためになされた
ものである。

すなわち、高速食肉スライサーの回転刃に切り
離されたスライス片の落下位置に昇り勾配を有し
て無端に循環する受取り用コンベアを付設し、こ
の受取り用コンベアの搬出側反転位置に搬送面を
接近させて、該受取り用コンベアと同期して同方
向に無端に循環する搬出用コンベアを接続すると
共に、上記高速食肉スライサーの肉箱に、上記二
つのコンベア上に積み並べられるスライス片の長
さに応じて材料送りコンベアの送り量を加減する
送りモータを搭載し、この送りモータの起動と停
止を制御するスイツチを前記搬出用コンベアに設
けることにより、高速食肉スライサーが切り落と
すスライス片を、切断時の形態をほとんど損ねる
ことなく積み並べ、かつ、所定の積み並べ長さ毎
に所定の間隔をおいて区切つてコンベア上に搬送
されて来るようにしたものである。

また、本発明は、前記搬出用コンベアに、パイ
レス供給機を付設することによつて、自動的に、
１枚ずつ供給したパイレス上にスライス片を積み
並べて収容するようにすることもできる。

さらに本発明は、前記搬出用コンベアの先端
に、早送りコンベアとパイレスの収容棚を多段に
備えたラツクを、パイレスの収容毎に１段ずつ自
動的に下降または上昇させるパイレス収容装置を
接続することによつて、プレカツトしたスライス
片の取り扱いをさらに省力化できるようにするこ
ともできる。

以下に本発明の実施例を図面について説明す
る。

第１図において、Ｓは従来市販のものとほとん
ど変わらない同型同機能の高速食肉スライサー
（例えば特願昭58−202356号の高速食肉スライサ
ー）で、Ｆはその機台、１は機台Ｆ上に回転自在
に設けた円板形の当て板、Ａは当て板１に付設し
た丸刃形の回転刃、Ｂはその前端面を回転刃Ａの
回動軌跡に沿わせて当て板１，回転刃Ａと同角度
に傾斜して機台Ｆに固定設置した肉箱、Ｃは肉箱
Ｂの底部と開閉自在の上部とに設けられて、材料
食肉塊を上下の両面から挾持しつつ前方へ送り出
す材料送りコンベア、Ｍ１は肉箱Ｂの側面に搭載
されて材料送りコンベアＣを駆動する送りモー
タ、２は上記送りモータＭ１の駆動に従う材料送
りコンベアＣの回転によつて肉箱Ｂの前端面から
押し出された材料が、回転刃Ａにより当て板１と
の間の段差に応じた厚さに切り離されたスライス
片が落下するスライス片の落下位置である。

上記高速食肉スライサーＳは、通常の食肉スラ
イサーと同様に、回転刃Ａが切断するスライス片
の厚さを所望の厚さに変更できるようにするため
に、送りモータＭ１の速度すなわち材料の送り速
さと、回転刃Ａの回動速度すなわち時間当りの切
断回数をそれぞれ任意に設定できるようになつて
いる。

３はスライス片の落下位置２の下方に、昇り勾
配を有する搬送面３′を位置させて、材料の送り
出し方向に沿つて無端に循環するように設けた受
取り用コンベア、４はこの受取り用コンベア３の
搬出側反転位置３″の真下に搬送面４を接近させ
て、該コンベア３の下方に同方向に沿い、先端を
高く基端を低く傾斜せしめて設けられ、無端に循
環する搬出用コンベア、５は上記受取り用と搬出
用の二つのコンベア３，４を互いに同速度に同期
させて連続循環するコンベアモータ、６は搬出用
コンベア４の搬送面４′上に等間隔に取り付けた
押し桟である。

上記二つのコンベア３，４の速度も、通常のコ
ンベアと同様にコンベアモータ５の制御により可
変である。

７は搬出用コンベア４の基端の上方に設置した
パイレス供給機である。このパイレス供給機７
は、積み重ねたパイレスＰの四隅を支承する縦枠
８と、最下端のパイレスＰの側縁を掛止する爪９
と次のパイレスＰの側縁を掛止する爪９とを上下
２段に備えたパイレス保持部１０と、前記押し桟
６に掛止されて搬出用コンベア４上の前位のパイ
レスＰが所定位置に達すると検出スイツチＳ１が
作動し、上記２段の爪９を交互に出入させること
によつて搬出用コンベア４の作動に同期して上記
積み重ねたパイレスＰを下端から１枚ずつ該搬出
用コンベア４上に落下させる供給作動部１１とを
有する。 １２は前記材料送りコンベアＣの送り
モータＭ１の起動と停止を制御するスイツチであ
る。該スイツチ１２は、送りモータＭ１を断続的
に停止して、肉箱Ｂからの材料の送り出しを一旦
停止させる一方、当て板１と回転刃Ａの回転を停
止させることなく継続させて、材料の切断を断続
的に行わせるように作動する。

このスイツチ１２は、実施例において第１図に
示すように、搬出用コンベア４上のパイレスＰの
前端と、前記押し桟６（パイレスＰの後端）を検
出し得る位置とに設けた二つのスイツチ１２ａと
スイツチ１２ｂとからなる。

同上図において、搬出用コンベア４の送り方向
の前位にあるスイツチ１２ａは、その設置位置に
パイレスＰの前端が到達したときに、材料送りコ
ンベアＣの送りモータＭ１を指示して肉箱Ｂから
の材料の送り出しを行わせ、回転を継続している
回転刃Ａに切断させる。同時に走行している受取
り用コンベア３は、この切断されたスライス片を
積み並べ状に受け取る。該スライス片が搬出側反
転位置３″に到達する間に、受取り用コンベア３
上のパイレスＰはこれとタイミングを合わせて、
同時に搬出側反転位置３″に到達し、該スライス
片を同じ速さで同方向に走行するパイレスＰ上に
移乗させて搬出する。

一方、搬出用コンベア４の送り方向の後位にあ
るスイツチ１２ｂは、前記パイレスＰの後端すな
わち押し桟６の通過とともに、上記送りモータＭ
１に停止を指示し、送りモータＭ１に次のパイレ
スＰの前端がスイツチ１２ａの設置位置に到達す
るまでの間、該送りモータＭ１を休止させる。こ
の間も走行を続ける受取り用コンベア３上には、
上記スイツチ１２ａとスイツチ１２ｂの作動によ
つて、前方に区切りを形成させて、次のパイレス
用のスライス片が積み並べ状に受け取られる。

すなわち、本考案搬送装置の使用に際しては、
送りモータＭ１の１回の送り量と回転刃Ａによる
切断速さと、スライスする材料の厚さによつて決
まるスライス片の１片の長さと、所望するスライ
ス片の厚さと積み並べの間隔、枚数、区切りの間
隔と、パイレスＰにスライス片を受け取らせると
きはパイレスが収容できる長さ等と、コンベアモ
ータ５の速さ及びスイツチ１２の設置位置を相互
に関連させる必要がある。

１３は搬出用コンベア４の先端に短く接続され
て常時同コンベア４よりも高速に回転し、同コン
ベア４から移乗するパイレスＰを素早く移動させ
る早送りコンベア、１４はこの早送りコンベア１
３が送り出すパイレスＰの収容棚１５を多段に備
えたラツク、１６はこのラツク１４を昇降自在に
支承するパイレス収容装置である。

パイレス収容装置１６は、前記早送りコンベア
１３の先端部に設けた検出スイツチＳ２がパイレ
スＰの通過を検出したことに連動するリフトモー
タ１７と、同モータ１７に駆動されるリフトチエ
ン１８と、同チエン１８に連結して左右を機枠１
９に案内されつつ、ラツク１４を持ち上げている
フオーク２０と、上記検出スイツチＳ２とリフト
モータ１７の作動によつて下降するラツク１４の
収容棚１５が１段分下がつたことを検出してリフ
トモータ１７を停止させるように作動する検出ス
イツチＳ３とを有する。なお、２１は受取りコン
ベア３の搬出側反転位置３″の上方からのれん状
に垂下したスライス片の移乗補助具である。

上記のように構成したこの搬送装置は、パイレ
ス供給機７から自動供給されたパイレスＰが、搬
出用コンベア４上で受取りコンベア３の搬出側反
転位置３″にさしかかると、同パイレスＰの長さ
に合わせて積み並べられた一区切りのスライス片
が、反転することなく、かつ、伸び縮みをほとん
ど生じないで同パイレスＰ上に移乗し、早送りコ
ンベア１３を経てラツク１４の収容棚１５に入
り、その収容済みをまつてパイレス収容装置１６
が同棚１５を１段下げて次の収容を待機すること
を繰り返す。

そして、受取り用コンベア３の搬送面３′がス
ライス片の落下位置で昇り勾配に傾斜しているの
で、高速で材料から切り離されて落下するスライ
ス片は、その切断時の形態をほとんど損ねること
なく受取り用コンベア３の搬送面３′上に順次積
み並べられる。

前記のように構成し、上記のように用いられる
ようにした本発明によれば、高速食肉スライサー
が切り離すスライス片を、その切断時の形態をほ
とんど損ねることなく受取り用コンベア上に所定
の長さ毎に区切りを付けて積み並べ、さらにその
積み並べ状態と区切りを損ねることなく搬出用コ
ンベアに移し替えることができるので、パイレス
を使用するかあるいは使用しないで、プレカツト
したスライス片をほとんど人手を要することなく
所望の場所へ取り扱い易く搬送することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示す立面図である。 Ｓ…高速食肉スライサー、Ｆ…機台、１…当て
板、Ａ…回転刃、Ｂ…肉箱、Ｃ…材料送りコンベ
ア、Ｍ１…送りモータ、２…スライス片の落下位
置、３…受取り用コンベア、３′…搬送面、３″…
搬出側反転位置、４…搬出用コンベア、４′…搬
送面、５…コンベア、６…押し桟、７…パイレス
供給機、Ｐ…パイレス、８…縦枠、９…爪、１０
…パイレス保持部、Ｓ１…検出スイツチ、１１…
供給作動部、１２，１２ａ，１２ｂ…スイツチ、
１３…早送りコンベア、１４…ラツク、１５…収
容棚、１６…パイレス収容装置、Ｓ２…検出スイ
ツチ、１７…リフトモータ、１８…リフトチエ
ン、１９…機枠、２０…フオーク、Ｓ３…検出ス
イツチ、２１…移乗補助具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高速食肉スライサーＳの回転刃Ａに切り離さ
   れるスライス片の落下位置に昇り勾配を有して無
   端に循環する受取り用コンベア３を付設し、この
   受取り用コンベア３の搬出側反転位置３″に搬送
   面を接近させて、該受取り用コンベア３と同期し
   て同方向に無端に循環する搬出用コンベア４を接
   続すると共に、上記高速食肉スライサーＳの肉箱
   Ｂに、上記二つのコンベア３，４上に積み並べら
   れるスライス片の長さに応じて材料送りコンベア
   Ｃの送り量を加減する送りモータＭ１を搭載し、
   この送りモータＭ１の起動と停止を制御するスイ
   ツチ１２を前記搬出用コンベア４に設けてなる高
   速食肉スライサーの搬送装置。 ２ 前記搬出用コンベア４の基端に、スライス片
   を収容するパイレスＰを積み重ねて保持するパイ
   レス保持部１０と、搬出用コンベア４の作動に同
   期して上記パイレスＰを下端から１枚ずつ該搬出
   用コンベア４上に落下させる供給作動部１１とを
   有するパイレス供給機７を付設したことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の高速食肉スライ
   サーの搬送装置。 ３ 前記搬出用コンベア４の先端に、該搬出用コ
   ンベア４よりも高速で無端に循環する早送りコン
   ベア１３を接続すると共に、この早送りコンベア
   １３の先端に、該早送りコンベア１３が送り出す
   パイレスＰの収容棚１５を多段に備えたラツク１
   ４と、このラツク１４を昇降自在に支承して、上
   記収容棚１５にパイレスＰを収容する毎に上記収
   容棚１５を１段ずつ下降または上昇させるパイレ
   ス収容装置１６を接続したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の高速食肉スライサーの搬
   送装置。