JPH0472326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は電流の開閉を行なう開閉器、特にその
消弧機構の改良に関する。

〔従来技術〕

例えば電磁接触器や配線用遮断器として使用さ
れる開閉器では、その遮断性能を如何に向上させ
るかが当業者の最大の関心事となつている。

第１図は従来の開閉器としての電磁接触器の一
例を示す。同図に示す接触器は、取付台１０、固
定鉄心１２、可動鉄心１４、操作コイル１６、ク
ロスバー１８、可動接点２０ａが接合された可動
接触子２０、押えバネ２２、固定接点２４ａが接
合された固定接触子２４、端子ネジ２６、ベース
２８、カバー３０などによつて構成されている。
可動接触子２０は押えバネ２２によりクロスバー
１８の角窓の下縁面に押えつけられ、さらにこの
クロスバー１８は可動鉄心１４に連結している。
そして、操作コイル１６に通電すると、可動鉄心
１４が引離しバネ（図示省略）に逆らつて固定鉄
心１２に磁気吸着され、これにより可動接点２０
ａと固定接点２４ａが接触するようになつてい
る。

ここで、操作コイル１６への通電を断つと、上
記引離しバネの作用により可動接点２０ａと固定
接点２４ａとが離反させられる。このとき、両接
点２０ａ，２４ａ間にアーク３２が生じるが、こ
のアーク３２は金属消弧板３４、により消弧さ
れ、これにより電流が遮断される。

第２図は上記固定接点２４ａ付近の部分を示
し、また第３図は両接点２０ａ，２４ａ間に生じ
たアーク３２が消弧される過程を示す。ここで両
接点２０ａ，２４ａ間に生じたアーク３２は、磁
性体からなる金属消弧板３４に吸引されて符号３
２ａで示すよに引き伸ばされる。この場合、固定
接触子２４が第３図のようにコの字状になつてい
るので、固定接触子２４を流れる電流が作る磁場
によつてアーク３２が駆動され、これによりアー
ク３２は一層長く引き伸ばされる。アーク３２が
引き伸ばされるとアーク電圧が高くなるので、固
定接触子２４と金属消弧板３４の間、第１の金属
消弧板３４と可動接点２０ａの間で絶縁破壊が起
こり、アーク３２ａは２つのアーク３２ｂと３２
ｃとに分断され、電流零点で消弧され、電流が遮
断される。

従来の開閉器では以上のようにして消弧が行わ
れるのであるが、第３図に示すようにアーク３２
ｃが金属消弧板の先端で、アーク３２ｂが可動接
触子２０の先端で消弧される。アークがこのよう
な電界集中が起こりやすく熱伝導が劣る先端部で
消弧されるので従来の開閉器では十分な遮断性能
を得ることはできなかつた。

〔発明の効果〕

本発明は、前述した従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、アークの一端が熱伝導が
悪く電界集中が生じる消弧板の先端に集中するの
を回避することにより、遮断性能を向上させるこ
とができるようにした開閉器を提供することにあ
る。

〔発明の実施例〕

本発明を実施例に基づいて以下に述べる。

先ず本発明の一実施例の要部を第４図に示す。
本発明の一実施例は可動接触子２０、この可動接
触子２０に接合された可動接点２０ａ、中央片２
４ｂと中央片２４ｂの両端から中央片２４ｂに対
し直角状に延在する第１の片２４ｃと第２の片２
４ｄの２つの片２４ｃ，２４ｄを有する固定接触
子２４、第１の片２４ｃに接合され可動接点２０
ａと対向して設けられた固定接点２４ａを備え、
可動接触子２０の先端と固定接触子２４の第１の
片２４ｃの先端に対向する中央片３４ａとこの中
央片３４ａの両端から中央片３４ａに対し直角状
に延在する第１の片３４ｂと第２の片３４ｃを有
してこの第１の片３４ｂが可動接触子２０の裏面
と対向しこの第２の片３４ｃが固定接触子２４の
第１の片２４ｃの裏面に対向する金属消弧板３４
を備えている。

また、金属消弧板３４の第１の片３４ｂと可動
接触子２０の裏面の間の距離を金属消弧板３４の
中央片３４ａと可動接触子２０の間の距離より小
さくし、金属消弧板３４の第２の片３４ｃと固定
接触子２４の第１の片２４ｃの裏面の間の距離を
金属消弧板３４の中央片３４ａと固定接触子２４
の第１の片２４ｃの間の距離より小さくしてい
る。

ここで、可動接点２０ａと固定接点２４ａとの
間に生じたアーク３２は、磁性体からなる金属消
弧板３４に吸引され、符号３２ａで示すように引
き伸ばされる。固定接触子２４が第４図のように
３つの面を有するコの字状に形成されているの
で、固定接触子２４を流れる電流が作る磁場によ
つてアーク３２が駆動され、これによりアーク３
２は一層引き伸ばされる。アーク３２が引き伸ば
されるとアーク電圧が高くなるので、固定接触子
２４と金属消弧板３４の間、金属消弧板３４と可
動接触子２０の間で絶縁破壊が起こり、アーク３
２ａは２つのアーク３２ｂと３２ｃとに分断され
る。この分断されたアークは金属消弧板３４を流
れる電流が作る磁界によつて駆動され、可動接触
子２０の裏面と金属消弧板３４の第１の片２４ｂ
の間および固定接触子２４の第１の片２４ｃの裏
面と金属消弧板３４の第２の片３４ｃの間に移行
し３２ｄ，３２ｅのようになつて、電流零点にて
消弧され、電流が遮断される。

以上のように、本発明の開閉器では、２つのア
ーク３２ｄ，３２ｅの両端が、電界集中が起こり
離く、かつ熱伝導の良い可動接触子、金属消弧板
および固定接触子の平板部で消弧されるので、電
界強度が高く熱伝導が劣る可動接触子、金属消弧
板および固定接触子のエツジ部にアークの足が形
成されて消弧される現象が防止され、優れた遮断
性能が得られる。

第５図は本発明の他の実施例の要部（金属消弧
板）を示す。この実施例では金属消弧板３４の中
央片３４ａにおいて第１の片３４ｂと第２の片３
４ｃが延在しない２つの辺から第３の片３４ｄと
第４の片３４ｅが第１の片３４ｂと第２の片３４
ｃと同じ方向に延在する金属消弧板３４を備え可
動接点２０ａと固定接点２４ａの間のアーク発生
空間を取り囲むように配備されている。従つて、
この場合、アーク熱によるカバー３０の側壁３０
ａの損傷が防止できるので、多数回の開閉を行つ
ても側壁３０ａに穴があいて相間短絡を起こすと
いう欠点を除去することができる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明による開閉器は可動接触
子の先端と固定接触子の第１の片の先端に対向す
る中央片とこの中央片の両端から中央片に対し直
角状に延在する第１の片と第２の片を有してこの
第１の片が可動接触子の裏面と対向し、この第２
の片が固定接触子の第１の片の裏面に対向する金
属消弧板を備え、前記金属消弧板の第１の片と可
動接触子の裏面の間の距離を前記金属消弧板の中
央片と可動接触子の間の距離より小さく、前記金
属消弧板の第２の片と前記固定接触子の第１の片
の裏面の間の距離を前記金属消弧板の中央片と前
記固定接触子の第１の片の間の距離より小さく
し、接点間に生じたアークを転移させて分断され
た最終的な二つのアークの両端が、電界集中が起
こり難く、熱伝導の良い可動接触子、金属消弧板
および固定接触子の平板部で電流零点を迎えて消
弧を行うようにしたので、電界強度が高く熱伝導
が劣る可動接触子、金属消弧板および固定接触子
のエツジ部にアークの足が形成されて消弧される
現象が防止され、遮断性能が従来よりも大幅に向
上するという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の開閉器の一例を示す断面図、第
２図は第１図のものの要部拡大図、第３図は第１
図のものの動作説明図、第４図と第５図は本発明
の一実施例を示す説明図である。 図において同一番号は同一部分又は相当部分を
示す。図において２０は可動接触子、２０ａは可
動接点、２４は固定接触子、２４ａは固定接点２
４ｂ，２４ｃ，２４ｄはそれぞれ固定接触子２４
の中央片、第１の片、第２の片、３４は金属消弧
板、３４ａ，３４ｂ，３４ｃ，３４ｄ，３４ｅは
それぞれ金属消弧板３４の中央片、第１、第２、
第３、第４の片である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動接触子と、この可動接触子に接合された
   可動接点、中央片と中央片の両端から中央片に対
   し直角状に延在する第１の片と第２の片の２つの
   片を有する固定接触子、第１の片に接合され可動
   接点と対向して設けられた固定接点を備え、可動
   接触子の先端と固定接触子の第１の片の先端に対
   向する中央片とこの中央片の両端から中央片に対
   し直角状に延在する第１の片と第２の片を有して
   この第１の片が可動接触子の裏面と対向しこの第
   ２の片が固定接触子の第１の片の裏面に対向する
   金属消弧板を備え、前記金属消弧板の第１の片と
   可動接触子の裏面の間の距離を前記金属消弧板の
   中央片と前記可動接触子の間の距離より小さく
   し、前記金属消弧板の第２の片と前記固定接触子
   の第１の片の裏面の間の距離を前記金属消弧板の
   中央片と前記固定接触子の第１の片の間の距離よ
   り小さくしたことを特徴とする開閉器。 ２ 金属消弧板の中央片において第１の片と第２
   の片が延在しない２つの片から第３の片と第４の
   片が第１の片と第２の片と同じ方向に延在する金
   属消弧板により、固定接点と可動接点の間のアー
   ク発生空間をおおつたことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の開閉器。